転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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第52話 平和な日々

 それぞれの思惑が錯綜する中、テンペストでは、ジスターヴに向かっていた朱菜達や紅丸、NEVERの面々が帰還した。

 ちなみに、克己が報告しに来た。

 

朱菜「リムル様、レイト様、お疲れ様でした!」

リムル「あ〜…………よせって、朱菜。」

レイト「そういえば、白老や荘吉さんはどうしたんだ?」

朱菜「あっ……………はい。後の処理があったので戻りました。」

リムル「ん?」

蒼影「ん……………。」

 

 朱菜がそう言いながら、俺とリムルを頬擦りする。

 俺がそう聞くと、朱菜はそう言い、リムルが蒼影を見ると、蒼影は視線を逸らす。

 なるほど、白老と荘吉さんに後始末を押し付けたわけか。

 すると、紅丸が口を開く。

 

紅丸「ゲルドとグルドと協力し、クレイマンの城の調査と、戦利品の仕分け、捕虜の指揮に当たってくれています。」

リムル「そっか。」

レイト「ところで、大将のお前まで戻ってきて良かったのか?」

紅丸「ふっ……………戦が終わった以上、いつまでも俺たちが介入しても仕方ないでしょう。優秀な副官殿に指揮権を返して、さっさと引き揚げてきたって訳ですよ。」

 

 紅丸がそう言う中、リムルは頷き、俺がそう聞くと、紅丸はそう言う。

 兄妹揃って、考える事は一緒か。

 まあ、適材適所って事で。

 朱菜が紅茶を出す中、俺たちは話をする。

 

リムル「それで、ガビルはまた戦場に戻ったって聞いたけど。」

紅丸「はい。あいつはミリム様の部下のミッドレイという人物と懇意になり、戦場の後始末を手伝っていますよ。」

レイト「なるほどな。」

 

 リムルがそう聞くと、紅丸はそう言い、俺は納得する。

 戦争というのは、勝ったとしても、戦後処理というのが発生するので、大変だな。

 

リムル「なるほど。戦ってのは、勝った後も大変だ。」

レイト「確かに。捕虜をまとめて移送するのも大変だし、目を離した隙に反乱を起こされても面倒だしな。」

紅丸「ご安心を。克己殿と共に、目の前で軽く説明(威圧)しておきました。」

 

 俺とリムルがそう言うと、紅丸は笑顔でそう言う。

 まあ、暴風大妖渦(カリュブディス)を瞬殺した2人の男だ。

 反乱なんて起きるはずがないか。

 

リムル「それじゃあ、ガビルは?」

克己「ガビルとやらなら、時期に三獣士とやらと共に帰還するさ。」

レイト「三獣士も来るのか。」

紅丸「ええ。ユーラザニアの首都は、ミリム様が吹き飛ばしてしまったでしょう。だから、保護した民や捕虜達を、一旦我が国で受け入れようと言う話になったのです。」

リムル「全員は無理だろう?」

紅丸「その点については問題ありません。受け入れ先は分散させる事にして、戻る村がある者達は戻り、テンペストに来るのは、技術の習得を希望する獣人達になります。体力のある獣人や魔人達はゲルドとグルドの指揮下に入り、ユーラザニア跡地を開発させます。」

 

 リムルがそう聞くと、克己はそう答える。

 確かに、ユーラザニアの首都はミリムが吹っ飛ばしたな。

 そうなるのも無理ないか。

 ユーラザニアは現在、ミリムの支配領域に組み込まれた。

 魔王達の宴(ワルプルギス)の際、新たに開発する都に遷都してみたらどうだと、俺とリムルはミリムに提案をした。

 それを聞いたミリムは。

 

ミリム『新しい都?するのだ!』

 

 ……………と、本人は乗り気だった。

 そんな中、紅丸が口を開く。

 

紅丸「しかし、やって来るのは獣人だけではなく、捕虜の魔人も居ます。念の為に、警戒する様に申しつけておくとしますよ。」

克己「その方がいいだろう。」

リグルド「そうですな。私から皆に、説明しておきましょう。」

レイト「よろしく頼む。」

 

 紅丸と克己がそう言うと、リグルドはそう言う。

 皆、俺たちが指示を出さなくても、各々の判断で動いてくれるな。

 頼もしい限りだな。

 すると、リムルが思念伝達で話しかけてくる。

 

リムル『…………なあ、俺たち居なくなっても大丈夫なんじゃね?』

レイト『…………まあ、成長してるって事でいいだろ。』

 

 リムルがそう言う中、俺はそう返す。

 頼もしいから良いんじゃね?

 その数日後、ディアブロが経過報告をしに来た。

 

ディアブロ「リムル様、レイト様。交渉は予定通りに纏まりました。こちらが和睦協定の証である証書と……………賠償金の一部として、星金貨1500枚となります。」

 

 ディアブロはそう言うと、証書を俺たちに見せて、その星金貨を俺たちに見せる。

 製造元のガゼル王曰く、この世界に出回っている星金貨の総数は一万あるかどうかというところらしい。

 その理由は……………。

 

ガゼル『一月に一枚しか製造出来んのでな。』

 

 ……………とのことだ。

 つまり、この場には全流通の1割以上があるって事だ。

 

リムル「思ったより多いな。流石にファルムスは大国だ。」

ディアブロ「そうですね。ですが、大半はエドマリス王が溜め込んでいた私的財産の様です。どのみち、王家を守る騎士がいない今、貴族派と事を構えれば、全て奪われてしまうと考えた様ですね。」

レイト「なるほどな。それで、予定通りに戦争になりそうか?」

 

 リムルがそう言う中、ディアブロはそう言う。

 まあ、そう考えるのが妥当だろうな。

 溜め込んでいても、貴族派に奪われる可能性が高いしな。

 俺がそう聞くと、ディアブロが口を開く。

 

ディアブロ「はい。間違いなく。請求額に足りない分を借款として貸し付けましたので、新王はこれに我慢できないでしょうから。それを見越して、王子のエドガーではなく、王弟のエドワルドに王位を継承させたのです。」

 

 俺がそう聞くと、ディアブロはそう言う。

 なるほどな。

 すると、奇才之王(シェムハザ)が口を開く。

 

奇才之王『告。国として、残りの賠償を認めたくない勢力が、エドマリスに全責任を押し付けようと動くでしょう。』

レイト『だろうな。』

 

 奇才之王の言葉に、俺はそう言う。

 ラーゼンが凍らせたカルロス卿を始めとする一部の貴族連中は、エドマリスに責任を押し付けてくるだろうからな。

 

ディアブロ「退位し、子爵となったエドマリスは、ニドル・マイガム伯爵領にほど近い、小領地に移り住む事となりました。」

レイト「なるほどな。ニドル領には、ヨウム達の本拠地があるから、何かあったらすぐに駆けつける事ができるな。」

ディアブロ「はい、その通りです。」

 

 ディアブロがそう言う中、俺がそう言うと、ディアブロは肯定する。

 

リムル「新王がエドマリスを切り捨てようと動いても、ヨウムがそれを阻止するか。」

レイト「その上で、新王の不誠実さを糾弾させる事で、乱が起こる……………そうだな?」

ディアブロ「その通りです。ご明察、恐れ入ります。」

 

 リムルがそう言う中、俺がそう言うと、ディアブロはそう言う。

 ヨウムがエドマリス達を保護する事で、自然と対立が起きる様に仕向けるって事だ。

 完璧だ。

 俺とリムルは口を開く。

 

レイト「警戒は怠るなよ。計画が完璧でも、外的要因でしくじる可能性もあるからな。」

リムル「レイトの言う通りだ。それに、なるべく民衆に被害が出ない様にな。」

ディアブロ「お任せください。」

リムル「頼む。軍資金が足りなければ、この星金貨を使っても良いぞ。」

 

 俺とリムルがそう言うと、ディアブロは頷いた。

 リムルがそう言うと、ディアブロは口を開く。

 

ディアブロ「お心遣いは大変に嬉しく思うのですが、その必要はございません。出来ましたら、戦う許可を……………。」

リムル「あ〜、それは却下で。戦力は用意するから、お前が目立つのは避けておく様に。」

レイト「変に目立って、面倒な事になるのは避けたいからな。」

ディアブロ「承知しました。私は目立たぬ様、裏方に徹しましょう。」

 

 ディアブロはそう言うと、戦う許可をしれっと求めてきた。

 戦いたいんだな。

 だが、変に悪目立ちすると、面倒な事になりそうだからな。

 俺とリムルがそう言うと、ディアブロはそう言う。

 

リムル「うん!紫苑、ディアブロを見習えよ。」

紫苑「なっ…………そんな!私は常に、リムル様の言いつけを守っております!」

火煉「それはどうでしょうか……………。」

紫苑「なっ!?火煉まで!?」

 

 リムルが紫苑にそう言うと、紫苑はそう言い、火煉はそう言う。

 まあ、紫苑って、リムルからの言葉を拡大解釈して、変な方向にやる悪癖があるからな。

 すると、ディアブロが気になることがあるという表情を浮かべる。

 

レイト「どうした?気になる事でもあるのか?」

ディアブロ「………そうですね。レイト様の外的要因と繋がるかもしれませんが、西方聖教会が、レイヒムに接触を図った様です。」

リムル「レイヒム?……………ああ、あの大司教のおっさんだな。」

 

 俺がそう聞くと、ディアブロはそう言う。

 西方聖教会が、レイヒムに接触を図ったか。  

 ディアブロは、話をする。

 

ディアブロ「魔国(テンペスト)とファルムスの戦争状況を詳しく知りたがった様で、招集命令が出されたそうですが……………。如何いたしますか?」

リムル「う〜ん……………。」

レイト「放置すると、面倒な事になりそうだな。」

ディアブロ「はい。教会側の出方を見る為にも、一度、説明に出向かせるべきかと。」

 

 ディアブロがそう言うと、俺とリムルはそう言う。

 ディアブロがそう言う中、俺は口を開いた。

 

レイト「先の戦いで、生き残ったのはエドマリス、ラーゼン、レイヒムの3人だけだし、情報を知りたがるのも、無理はないな。」

リムル「西方聖教会って、ヴェルドラを監視してたみたいだし、嘘をつくとバレそうなんだよな……………。」

ディアブロ「では、本当の事を話させますか?」

 

 俺がそう言うと、リムルはそう言い、ディアブロはそう聞く。

 西方聖教会は、魔物を認めないという教義が厄介なんだよな。

 向こうからしたら、魔物の街というのは、認められないという事だろうし。

 もちろん、千年以上続く教義を否定する義理は無いが、こちらにそれを強いるのは困る。

 仲良くとはいかなくとも、適切な距離感というのがあるだろうし。

 俺とリムルは頷くと、リムルがある物を取り出す。

 それは、クレイマンが使っていた水晶だ。

 

リムル「こいつにメッセージを吹き込もう。」

レイト「それをレイヒムに持たせて、教会側の反応を伺うぞ。」

ディアブロ「承知しました。」

 

 俺とリムルはそう言うと、ディアブロは頷く。

 すると、扉が開かれ、ゴブタが入ってくる。

 

ゴブタ「リムル様、レイト様!」

リムル「どうした?」

ゴブタ「避難民と捕虜達が到着したっす!」

レイト「そうか。」

 

 ゴブタがやってきた理由は、避難民と捕虜達が到着した事だった。

 俺とリムルは、火煉と紫苑と共に、その様子を見ていく事に。

 

リムル「思ったより早く着いたな。」

レイト「だな。」

 

 俺とリムルがそう話すと、アルビスとスフィアが現れて、俺たちに話しかける。

 

アルビス「リムル様、レイト様。」

リムル「アルビス、スフィア。」

アルビス「同胞達を受け入れていただき、ありがとうございます。」

レイト「いや、困ったときはお互い様だ。そういえば、フォビオはどうした?」

スフィア「フォビオは、残った捕虜たちを監視しております。」

アルビス「魔人達の反抗を抑える為に、睨みを利かせているのです。」

 

 アルビスがそう話しかける中、フォビオの姿がない事を聞くと、スフィアとアルビスはそう答える。

 要するに、監視をフォビオに押し付けたのね。

 フォビオ、ご愁傷様だ。

 

リムル「こっちは準備万端だぞ。」

レイト「ああ。仮設住宅の点検も済んでいて、職業の振り分けについても、検討済みだ。詳しい事は後で伝える。」

スフィア「はい。」

アルビス「では、失礼致します。」

 

 俺とリムルがそう言うと、スフィアとアルビスは去っていく。

 すると。

 

ガビル「リムル様〜!レイト様〜!」

「「「「うん?」」」」

 

 そんな声が聞こえてくる。

 俺たちが反応すると、ガビルが降り立った。

 

ガビル「ただいま戻りました。」

リムル「おう、ご苦労さん。戦では活躍したそうだな。」

ガビル「いやいや!我輩などまだまだです!ミッドレイ殿にはコテンパンにのされてしまいました。」

レイト「事情は紅丸から聞いた。異常に強い龍人族(ドラゴニュート)だろ?まあ、ミリムを敬っている人たちだし、戦うのが好きなんだろう。お前も弱いわけじゃないし、これからだ。」

ガビル「はっ!このガビル!リムル様とレイト様の期待に応えられる様に、精進いたします!」

 

 ガビルが戻ってくると、リムルはそう言う。

 まあ、克己からも、話は聞いていたからな。

 よっぽど強いのだろう。

 ちなみに、トリシューラは指揮に残っているそうだ。

 俺がそう言うと、ガビルはそう答える。

 すると、ある物を取り出してきた。

 

ガビル「ところで……………。」

リムル「何だ?それ。」

ガビル「ミリム様より、リムル様とレイト様にお渡しする様にと。」

レイト「ミリムから?何だ?」

 

 ガビルが出したのは、二つの封筒だった。

 俺とリムルはそれぞれで手紙の中身を見る事に。

 ちらりとリムルの方を見たが、内容は同じっぽい。

 その内容は。

 

『ミリムだぞ!今度遊びに行くときに、私の世話を焼きたがる者どもを連れていくのだ!その者達に、”料理とはどういうものなのか”を教えてやって欲しい!これは切実な願いなので、親友(マブダチ)であるお前達に是非とも頼みたい!本当に本当にお願いするのだ!』

 

 なんか、かなり必死な様子が伝わってくる。

 どういう事?

 

リムル「どういう事か、何か聞いてる?」

ガビル「ええ、少しだけですが。我輩は竜を祀る民のヘルメス殿と知り合ったのですが、ドワーフ王国や西側諸国を旅した事もある様な自由人で、話の分かる方でして。」

レイト「それで?」

ガビル「そのヘルメス殿が言うには、竜を祀る民はかなり質素な生活で、ミリム様に出される食事も、料理などされておらぬ様です。」

リムル「なるほど……………。」

ガビル「我輩どもが魚を生で食すのを至上とするような物なのかもしれませぬな。」

 

 リムルがそう聞くと、ガビルは説明をしていく。

 それを聞いて、俺はミリムがやけに必死な理由を悟った。

 向こうでは、野菜をそのまま出されていたのだろう。

 道理で、このテンペストの料理をえらく気に入っていたわけだ。

 ガビルがそう言う中、リムルが口を開く。

 

リムル「それはちょっと違うんじゃないかな?」

ガビル「はぁ?」

リムル「龍人族(ドラゴニュート)は人と同じ味覚になったんだよな?」

ガビル「はい!進化したおかげで、豊かな味覚を獲得しました!以前は味気なかった食事が、今は楽しみの一つとなっております!」

レイト「だろ?だったら、美味しい物を食べたら、またそれを食べたいと思う様になるんじゃないか?」

ガビル「そうか!ヘルメス殿が言いたかったのは、そういう事でしたか!言われてみれば…………中には死んだ魚のような目をして食材を齧っている者もおりましたな。」

 

 リムルがそう言うと、ガビルは首を傾げた。

 リムルと俺の説明に納得すると、そんな風に言った。

 ガビル曰く、後始末をしていたが、煮炊きをしているのを見た事がないらしい。

 死んだ魚の目で齧るって、相当だぞ?

 すると、紫苑が口を開く。

 

紫苑「しかし、それならミリム様が一言言えば良いだけではないのですか?」

リムル「あいつはあれで、結構空気読むからな。」

レイト「善意だと分かるからこそ、苦言を呈す事も出来ないんだろうな。」

 

 紫苑がそう言うと、俺もリムルはそう言う。

 話を聞く限り、ミリムへのお供えは、善意で行われているだろうから、無下にも出来ないんだろうな。

 

リムル「よし!そういう事なら、盛大にもてなしてやるとしよう!」

レイト「だな。」

ガビル「ははっ!それが良いかと思います!それでは、我輩はこれで……………トウっ!」

 

 俺とリムルがそう言うと、ガビルは飛び去っていく。

 さて、やる事が多いな。

 この時の俺は気づいていなかった。

 近頃、ある存在が動き始める事、ある国から使者がやってくる事、その使者との邂逅が、ある一件へと繋がっていく事に。




今回はここまでです。
今回は、日常回となります。
テンペストでの戦後処理などの話です。
そして、次回からは電王編をやって、その後に紅蓮の絆編をやって、聖魔激突編の続きに入ります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
昨日、ゴジラ−1.0が放送されましたね。
本当にいい映画です。
そして、山崎貴監督によって、新たなゴジラの映画が制作決定されましたね。
果たして、どんな風になるんでしょうね。
典子さんの中には、G細胞が入っているので、それが物語に関係してきそうですし。
この小説で、いずれレイトにG細胞を宿らせますが、どんな感じにやって欲しいとかがあれば受け付けています。
あとは、電王編の話についても。
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