転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

58 / 76
今回は、転スラ日記みたいに、これまでの日常を振り返った物となります。


転キメ日記
第1日記 魔物の街の住人


 俺は、日記をつける事にした。

 このテンペストでの日常を振り返る為にだ。

 さて、まずは、書き始めるとしようか。

 まずは…………。

 森を混乱の渦に陥れた豚頭魔王(オークディザスター)の脅威から、一月余り。

 俺、リムル、ゴブリン達しかいなかった小さな村は、数多くの仲間が増えて、その人口は、やがて1万を突破した。

 賑やかになっていった。

 だが、人口が増える事は、喜ばしい事なのではあるが、同時に、面倒な事にもなっていったのだった。

 会議室では。

 

リグルド「納得しませんぞ!」

紫苑「これは、秘書の管轄です。」

火煉「流石に、これだけは譲れませんので。」

リグルド「それはこちらとて、同じ事です!」

リリナ「まあまあ、三人とも、落ち着いて…………。」

 

 そう。

 一万以上の魔物が住む街ともなると、その意見の一致に、時間が掛かる事もある。

 現在進行形で、そうなっている。

 

リグルド「私の考えでは…………!」

ゲルド「いや、しかし…………。」

ガビル「ならば、この案は…………!」

紫苑「待って下さい!」

リグルド「異議あり!」

 

 と、こんな風にだ。

 それを見ていたカイジンが口を開く。

 

カイジン「参ったな。全然決まんねぇぜ…………。」

 

 カイジンがそう言うと、紅丸が立つ。

 

紅丸「やはり、ここはリムル様とレイト様にご意見を!」

ゲルド「うむ。」

グルド「異論はありません。」

リグルド「皆の士気にも関わりますからな。」

紅丸「朱菜!準備は良いか?」

朱菜「はい。」

 

 紅丸がそう言うと、朱菜が入ってくる。

 皆の視線が朱菜に向く中、朱菜は背中に隠していた物を出しながら言う。

 

朱菜「では…………ちょっとおしゃまなこちらのお洋服と…………元気で可愛いこちらのお洋服。リムル様とレイト様には、どちらがお似合いでしょう?」

 

 そう。

 この会議の議題は、俺とリムルに似合う服で揉めていたのだ。

 というより、俺の顔が中性的だからって、女物の服を着させようとするなよ。

 すると、全員が俺とリムルを見る。

 俺とリムルは、紅茶を飲んで。

 

リムル「なぁ…………。」

レイト「それって、そんなに大事か?」

一同「はい!」

 

 力強く言うね。

 そんなに、俺とリムルに、女物の服を着させたいのか?

 結局、リムルはオレンジ色の、俺は青色の服になった。

 まあ、着ないけど。

 俺とリムルは、色んな事が書かれた木の板に、ハンコを押していた。

 

リムル「ふぅ…………。」

レイト「これで全部か?」

リムル「そうだな。街づくりも進んできたし、今日は皆の仕事ぶりを視察するか?」

レイト「それ、良いな。」

 

 俺とリムルはそう話す。

 すると、紫苑と火煉が入ってくる。

 

「「失礼します。」」

リムル「おお、紫苑。お疲れ〜。」

レイト「火煉もお疲れさん。」

紫苑「お疲れ様です。」

火煉「資料用の木を持ってきました。」

レイト「助かるよ。」

 

 俺は、火煉からその木の板を貰っていると、紫苑はテーブルにでっかい木の塊を置く。

 

紫苑「さてと…………。」

レイト「おい、何する気だ?」

紫苑「今日も、リムル様の為に!張り切り………ますよ!」

火煉「危ない!」

 

 紫苑がそう言うと、剛力丸を抜いて、その木の塊を板状に切断する。

 周囲に木の板が飛び、俺は机の下に逃げる。

 そんな中、リムルは。

 

リムル「なあ、紫苑。俺を思ってくれるなら、良い方法がある。」

紫苑「てーい!」

リムル「張り切らない事さ。」

紫苑「てりゃー!」

レイト「室内で剛力丸を振り回すな!」

火煉「すいません…………。」

 

 その後、紫苑と火煉は、お茶を持って来てくれることに。

 

紫苑「リムル様!お茶をお持ちしま…………あ!」

火煉「レイト様。お茶をお持ちしました。」

レイト「ありがとう。…………あ。」

 

 俺は、火煉が淹れてくれたお茶を飲む中、紫苑が入れたお茶という名の劇物は宙を飛び、リムルにかかる。

 

紫苑「すいません……………。」

リムル「大丈夫。失敗くらい誰にでもあるさ。…………毎日だけどな。そして、君が淹れたこのお茶も、お茶じゃなくて劇物だけどね。」

火煉「お茶が……………。」

レイト「何があったら、そうなるんだよ……………。」

 

 俺は、リムルの為にタオルを持って来た。

 俺が渡したタオルで自分の体を拭きながらリムルは言った。

 

リムル「いや、しかし。本当に有能な秘書だよ、紫苑君は。パーフェクトだ。動かなければ!見た目だけは!」

レイト「おい…………!」

火煉「大丈夫だと思いますよ。」

紫苑「ハッ…………!」

 

 リムルの皮肉たっぷりな発言に、紫苑はお盆を落とす。

 流石に言い過ぎだと思い、咎めようとしたら、火煉はそう言う。

 

紫苑「リ…………リムル様…………。そ…………そんな…………お褒めに預かり、光栄です!」

 

 紫苑は、そう言った。

 なるほどな。

 今のは、紫苑からしたら、褒め言葉に聞こえてたのか。

 その後、俺とリムルは、紅丸達がいる警備員の居る建物に向かう。

 すると。

 

警備員「何も、紅丸様がお出にならずとも…………。」

紅丸「良いのさ。まっ、行ってくる。」

 

 そんな会話をして、紅丸が外へと出てくる。

 俺とリムルは、紅丸に話しかける。

 

リムル「何だよ。総大将自ら見回りか?」

レイト「大変じゃないのか?」

紅丸「俺には、これしか能が無いんで。その代わり、誰にも負けませんよ。この街と、リムル様とレイト様の笑顔、必ず守ってみせます。」

 

 紅丸は、爽やかな笑顔でそう言う。

 かっこいいな。

 女の子だったら、迷わず惚れそうだな。

 

リムル「あいつめ…………殺し文句をナチュラルに……………。これだから、イケメンは。」

レイト「そっか…………。頑張れよ。」

紅丸「はい。では。」

 

 そう言って、紅丸は出ていく。

 すると、数秒後に。

 

紅丸「すみません!今そこで女の子に渡されたんですが、これ、どうしたら良いでしょうか!?」

 

 そう言って、紅丸が戻ってくる。

 外には、ゴブリナが三人いた。

 それを聞いた俺たちは。

 

リムル「ほぉ…………。」

レイト「なるほどな…………。」

 

 そう言って、ニヤリと笑みを浮かべると。

 

「「そいつは難儀だなぁ!」」

 

 良い笑顔で言う。

 それを見た紅丸は。

 

紅丸「……………すげぇ、良い笑顔ですね。」

レイト「相談乗るよ。」

ゴブリナ「紅丸様〜!こっち向いて〜!」

 

 俺がそう言う中、ゴブリナがそう言う。

 今度は、ゴブタやリグル達がいる場所に向かう。

 

ゴブチ「何か人増えたよな。」

ゴブト「ああ。森中の魔物が集まって来てんだよ。」

ゴブチ「お!あれ、何て種族?」

ゴブト「あ?どれどれ?…………うおー!」

 

 ゴブチとゴブトは、そう話す。

 まあ、色んな種族の交流が増えるのは、いい事だと思うよ。

 すると、ゴブチとゴブト、ゴブゾウは、花を持っているゴブリナを見ていた。

 見惚れているな。

 

ゴブチ「今度、可愛い子居たらさ。」

ゴブト「うん。」

ゴブチ「街の案内するって言ってさ。」

ゴブト「うんうん。」

ゴブチ「ナンパ!」

ゴブト「出会い!」

「「それだ〜!!」」

 

 そう言って、ゴブチとゴブトは興奮する。

 それを見ていたリグルは。

 

リグル「……………おい、お前ら。自警団だって事、忘れるなよ。」

 

 リグルは、二人にそう注意する。

 すると、ゴブタが口を開く。

 

ゴブタ「そうっすよ。」

「「「うん?」」」

 

 ゴブタがそう言うと、リグル、ゴブチ、ゴブトがゴブタの方を向く。

 

ゴブタ「自分達の行動一つで、街の印象が決まるんすからね。浮ついていると、手痛いしっぺ返しを食らうっすよ。」

リムル「お!自覚が出て来たね、ゴブタ君。」

レイト「少しは成長したみたいだな。」

ゴブタ「へっへへ…………。人は学び…………成長するんすよ!」

 

 俺とリムルが感心しながらそう言う。

 ゴブタは、そう言って、俺たちの方を向くが、左頬が赤く腫れ、手形が付いていた。

 多分、ナンパして、叩かれたんだろうな。

 それを見た俺とリムルは。

 

レイト「ああ……………。」

リムル「成長……………しような。」

 

 ゴブタにそう声をかける。

 今度は、黒兵衛の工房に向かう。

 

リムル「お〜い、黒兵衛。」

黒兵衛「あ…………おお、リムル様とレイト様じゃねえべか。」

 

 リムルがそう言いながら中に入ると、黒兵衛が俺たちに気づいて、そう声をかける。

 

レイト「何してたんだ?」

黒兵衛「朱菜様から頼まれた包丁を鍛えてたんだべ。」

リムル「おお〜。」

 

 なるほどな。

 リムルがその包丁を持っていると、黒兵衛が取る。

 

黒兵衛「丁度、これから仕上げだべよ。」

リムル「そっか。悪い、邪魔しちゃったな。」

レイト「また来るよ。」

 

 俺とリムルはそう言って、黒兵衛の工房を後にする。

 それを見ていた黒兵衛は思う。

 黒兵衛は、豚頭族(オーク)によって、大鬼族(オーガ)の里を滅ぼされ、里から離れた時、もう鉄を打てないと思った。

 黒兵衛には、紅丸達のような力や頭もない。

 

黒兵衛「…………だけんど、まだ鉄を打てる。リムル様とレイト様の為。街の皆の為。おら自身の為。……………目の前の、何でもない鉄の塊に、何でもないおらの全てを込めるだけだべ!」

 

 黒兵衛は、そう言いながら、朱菜の包丁を鍛える。

 しばらくして、作業を終えて、ハルナに包丁を渡す。

 

ハルナ「朱菜様。黒兵衛様からお届け物です。」

朱菜「まあ!包丁!もう出来たのですね!」

 

 朱菜は、ハルナから包丁を受け取り、早速使う。

 

朱菜「では、早速…………。」

 

 朱菜がそう言いながら、玉ねぎを切ろうとすると、玉ねぎだけでなく、まな板や壁をも切ってしまう。

 それを見ていたハルナは。

 

ハルナ「朱菜様すっごい……………。」

 

 そう言いながら驚き、ゴブイチや朱菜が唖然となる。

 一方、そんなことを知らない黒兵衛は。

 

黒兵衛「ふう〜。包丁、気に入ってくれたべか?」

 

 汗を拭いながらそう言う。

 一方、蒼影の所では。

 

蒼影「今日の鍛錬はここまでだ。持ち場に戻れ。」

部下達「はっ!」

 

 蒼影がそう言うと、部下達は持ち場に戻る。

 蒼影を木の影から見ている蒼華は。

 

蒼華「蒼影様…………。」

蒼月「何をしているんだい?……………なるほどね。」

 

 蒼華が蒼影を見ていると、蒼影の目の前に一匹の黒猫が現れる。

 蒼影は、黒猫をじっと見ると、黒猫のおでこをつつく。

 

蒼影「……………お前は今死んだ。フッ、バカめ。」

 

 蒼影は、黒い笑みを浮かべながらそう言う。

 それを見ていた蒼華は。

 

蒼華「あっ…………やだ……………素敵。」

 

 腰を振りながらそう言う。

 それを見ていた俺たちは。

 

リムル「君も大概だね。」

レイト「確かにな。」

蒼月「あはははは……………。」

 

 俺とリムルがそう言って、蒼月は苦笑を浮かべる。

 俺たちは、次にヴェルドラと出会った封印の洞窟へと向かう。

 そこは、現在、水辺を好む蜥蜴人族(リザードマン)達の住居兼貴重な回復薬の原料であるヒポクテ草の栽培地となっていた。

 すると、ガビルの叫び声が聞こえる。

 

ガビル「な〜んだ、その動きは!そんな様をリムル様とレイト様にお見せする気か!!」

スケロウ「はぁ…………申し訳ありません!ガビル様!!」

ガビル「大恩あるリムル様とレイト様に認めていただく為、我々は立ち止まらぬのだ!」

部下達「ガビル様!もう一度!もう一度挑戦させて下さい!」

 

 ガビルとその部下達は、そんなふうに話していた。

 それを見ていた俺とリムルは。

 

リムル「あいつら、意外と生真面目な連中なんだな。」

レイト「確かにな。」

ガビル「よかろう!基本から行くぞ!」

 

 俺たちがそう見てると、何かを始める。

 

部下達「さんはい!ジュラの森の!」

カクシン「奥深く。」

ヤシチ「あっ、よいしょ!」

部下達「みんなが焦がれる、その姿!」

カクシン「然り!」

スケロウ「強く!」

カクシン「清しく!」

ヤシチ「美しい!」

部下達「光り輝く、一番星!」

ガビル「男の子なら、恥をかいても、誇りを……………欠くなよ!ぬあ〜っハッハッハッハッハッハッ!!」

部下達「嗚呼ガビル様、ガビル様!龍人族(ドラゴニュート)の希望……………!」

 

 え、何これ?

 こんな下らない事を一生懸命練習しているのか?

 そんな風にドン引きしている中、ガビルは叫ぶ。

 

ガビル「ん〜…………!ストーップ!愚か者!そこは…………『ああ〜リムル様とレイト様!大同盟の希望〜!』……………に変えろと言ったではないか!全く!貴様らはまだまだ愛が足らん!愛を持って、ヒポクテ草を育てるのだ!」

部下達「はい!ガビル様!!」

 

 俺とリムルが、そんなやり取りを呆れた目で見ていると。

 

蒼華「すいません!すいません!すいません!」

蒼月「あんなのですが、悪い人じゃないんですよ〜!!」

 

 妹と幼馴染が、俺たちに頭を下げる。

 その後、俺たちは戻り、仕事を再開する。

 

リムル「ふぅ〜。」

レイト「ところで、新区画の建設状況は、どうなってるんだ?」

紫苑「先ほど、資料を頂きました。」

火煉「こちらです。」

 

 そう言って、資料を渡してくる。

 

リムル「どうした!火煉はともかく、急に本物の秘書っぽいぞ、紫苑!」

紫苑「え〜そんな…………!」

レイト「ありがとう。助かるよ。」

火煉「この調子で、頑張っていきます。」

 

 俺とリムル、火煉と紫苑がそんな会話をする中、リムルの影の中の嵐牙は。

 

嵐牙「フ〜ハ〜…………フ〜ハ〜…………。」

 

 息を荒くしていた。

 どうやら、特訓をしているようだ。

 目を閉じて瞑想すると、嵐牙は目を開き、雷を発射する。

 発射された雷は、爆発する。

 

嵐牙「おお!これは…………!ウォーっ!」

 

 嵐牙は、爆風に耐えて、体を揺らす。

 

嵐牙「ぶるるるるるるる!この力!主達に見せて撫でてもらおう!」

 

 そう思い、嵐牙は木の影から出てくる。

 

嵐牙「主達よ!見て下さい!何やら、凄い技を……………!」

 

 嵐牙は、俺たちに撫でてもらおうとしたのか、出てくる。

 だが、その言葉は、途中で止まる。

 何故なら、目の前には、崩れた建物があり、そこから、俺たちが出てくる。

 

「「知ってる……………。」」

 

 というより、建物を壊すなよ!

 俺たちの近くで、ゴブタが柱に引っかかっていたが、倒れる。

 その後、白老の元に、ゴブタと共に向かう。

 俺たちは、盆栽を見ていた。

 

リムル「う〜ん。良いねぇ…………。」

ゴブタ「何すか?このちっちゃい木?」

レイト「盆栽って言うんだ。」

白老「リムル様とレイト様より教えて頂いたものじゃ。」

 

 ゴブタの質問に、俺と白老が答える。

 ゴブタは、盆栽の一つを持つ。

 

ゴブタ「よっ。ほっ。そっ。すっ。」

リムル「ああ…………落とすなよ〜。」

 

 ゴブタは、その盆栽を手や足に置くので、リムルはそう言う。

 白老が口を開く。

 

白老「…………剣士として生まれ、剣と共に生きて数百年。……………しかし、こうして剣を忘れる事で、新たな世界が見えてくるとは…………まさに、目から鱗ですじゃ。」

レイト「そう言ってもらえて嬉しいよ。」

ゴブタ「そうしてると、ただの枯れたジジイっすね……………。そろそろ引退した方が…………。」

 

 白老がそう言う中、ゴブタがそう言う。

 すると、白老は剣を抜刀して、盆栽とゴブタの髪を一部切り飛ばす。

 

ゴブタ「あ……………。」

 

 ゴブタが汗を垂れ流す中、俺たちはそそくさと後にして、白老は言う。

 

白老「剪定じゃ。動くな。」

ゴブタ「全然、剣忘れてないっす!」

 

 そんな会話を聞きながら、俺たちは移動する。

 次は、寺子屋へと向かう。

 ここは、街の子ども達が通っている。

 ある教室を覗くと、リリナが子ども達に字を教えていた。

 それを見ていると、リグルドが声をかける。

 

リグルド「リムル様、レイト様。」

リムル「あっ。」

レイト「どうしたんだ?」

リグルド「見て下さい。生徒の描いた尊敬する人の顔が、リムル様ばかりですぞ。」

レイト「あれ?俺は?」

リグルド「あ…………も、勿論、レイト様もいらっしゃいますよ!」

リムル「え?俺を?」

リグルド「ハッハッハッ…………。羨ましいですなあ。まあ、ご覧下さい。」

 

 そう言って、その絵が描かれている木の板を受け取る。

 

リムル「何だよ、照れ臭い。」

レイト「どれどれ…………?」

 

 俺たちがそれらを見ると、リムルの割合が多かった。

 ただし、スライムの状態のリムルばかりが。

 俺の絵もあったが、ごく少数だ。

 

リグルド「ヤッハハハ…………!この子など、リムル様の威厳をよく表現していて…………。」

リムル「力作揃いだね。」

レイト「単にスライムとしての状態の方が、描くのが楽だからだろ。」

 

 そう。

 スライムの状態のリムルなら、丸を描いて、目を描くだけで完成だからな。

 なんか、涙が出てくるよな……………。

 すると、子供達が出てくる。

 

子供「あっ!リムル様ー!レイト様ー!」

リムル「またなー。」

子供「帰っちゃうの?」

レイト「ちゃんと勉強しろよな〜。」

 

 子供達が声をかける中、俺たちはそう言って、その場を後にする。

 リグルドが、子供達の絵を持って、移動する中、リムルは唸っていた。

 

リムル「う〜ん……………。」

レイト「どうした、リムル?」

リムル「なあ、この辺って、俺以外にスライム居ないの?」

リグルド「今時分は、あまり見かけませんな。」

リムル「今時分ねえ…………。」

 

 まあ、確かに、リムル以外のスライムって、見た事ないよな。

 すると、目の前に居た朱菜、ハルナ、黒衛兵、白老、ゴブタに話しかける。

 

リムル「お〜い、お前ら〜。俺以外のスライムって、見た事ある?」

白老「ふむ…………。暑くなると見るかのう。」

黒衛兵「夏が近いって感じるべ。」

朱菜「透き通った姿が涼しげで、ジュラの夏の風物詩ですね。」

リムル「ほお〜。」

レイト「へぇ……………。」

 

 まあ、透き通ってるから、夏の風物詩と言われても、納得がいくな。

 すると、ゴブタがリムルにとって、聞き捨てならない事を言う。

 

ゴブタ「そうそう!冷やして食うと、美味いんすよ!こう…………ツルッと!」

リムル「へぇ……………。」

レイト「………………。」

 

 あ、食われてるんだな。

 ゴブタがそう言うと、周囲の人たちは、やばい笑みを浮かべる。

 

朱菜「あら〜。良いですわねぇ…………。」

リグルド「いやぁ………珍味、珍味。」

 

 朱菜とリグルドがそう言うと、その場にいる全員が、不気味な笑い声を出す。

 リムルが不安そうに俺を見る。

 先ほどの恨みも込めて、俺は言う。

 

レイト「……………スライムって、ところてんみたいな感じなのかな………………。」

 

 俺がそう言うと、リムルはその場から逃走する。

 

レイト「リムル〜。どこ行ったんだ?」

朱菜「リムル様〜。何処ですか〜?」

ゴブタ「リムル様ー!」

黒衛兵「何処行ったべさ〜!」

リグルド「冗談でありますよー!」

 

 まあ、リムルからしたら、冗談では済まないのだが。

 俺は、リムルに仕返しが出来たことに少し喜びながら、リムルを探す。

 その後、朱菜達の作業場へと向かう。

 

ガルム「朱菜ちゃん!」

朱菜「あ…………。」

ガルム「これは何処に運ぶ?」

朱菜「ありがとうございます!裁断するので、机の方にお願いします。」

カイジン「朱菜ちゃん、ちょっと良いかな?」

朱菜「あっ、は〜い!すぐ伺いますね。………ゴブイチ、ごめんなさい。今日の夕食の仕込み、お願い出来る?」

 

 朱菜は、皆に頼られていた。

 俺とリムルは、人間態になり、紅丸に話しかける。

 

リムル「皆、朱菜を頼りにしてる。」

レイト「随分頼もしくなったよな。」

紅丸「役職を貰って、張り切ってるんですよ。自慢の妹なんですが、なんだかんだ、遠い存在になっていく気がします。」

リムル「おいおい。無敵の侍大将が何言ってんだ。」

レイト「まあ、一理あるかな。あの時だって。」

 

 俺は、ある時の事を思い出していた。

 それは、戦闘訓練をしていた時だ。

 

紅丸「良いか。集団での戦闘は、相手との距離が……………。」

朱菜「お兄様ー!お兄様はいらっしゃるの?」

紅丸「グッ…………!」

 

 紅丸がリグル達にそう話す中、朱菜が紅丸の物と思わしきパンツを持ちながら現れる。

 

朱菜「もう!お兄様!何度言えば分かるんです!脱いだら脱ぎっぱなしにしない事!それから、部屋も散らかしっぱなしでしたよ!寝床の下の物は、きちんと片付けておきました。あと、ほら〜!」

 

 朱菜がそう言う中、朱菜はタオルを出して、紅丸の顔を拭く。

 

朱菜「目ヤニついてて汚い!夕暮れまでには帰ってきて下さいね!お夕食、準備してますから。」

 

 そう言って、朱菜は去っていく。

 それを思い出した紅丸は、言う。

 

紅丸「……………遠い存在っていうか、母ちゃん的存在になっていく気が……………。」

リムル「あ〜。母ちゃんには敵わないな、侍大将。」

レイト「そうだな。」

 

 俺たちはそう話す。

 すると、朱菜がこちらにやって来る。

 

朱菜「お兄様〜!男前な服が〜!」

 

 そう言って、朱菜は服を見せて来る。

 それを見て、俺たちは苦笑を浮かべる。

 

「「アッハハハ……………。」」

朱菜「黒もありますよ!」

 

 朱菜がそう言う中、紅丸は視線を逸らす。

 その後、俺たちは帰る事にした。

 

朱菜「もう夕暮れですね。」

リムル「あいつら、働きすぎてないかな?」

レイト「まあ、少し心配になるよな。」

紅丸「ああ…………あの二人、真面目ですからね。」

リムル「俺たち、ちょっと見に行ってから帰るよ!行くぞ、レイト!」

レイト「ああ。」

朱菜「行ってらっしゃい。お気をつけて。」

 

 俺たちは、ゲルドとグルドの所に向かう。

 遡る事、朝ごろには、ゲルドやグルドを中心として、大工仕事をしていた。

 

ゲルド「まずは、こちらから…………。」

ミルド「ええ。」

グルド「今日は、ここまでですね。」

ミルド「うんうん。」

ゲルド「夕方までに仕上げるぞ!」

猪人族「おう!」

グルド「今日中には基礎工事は完成させたい!そっちはお願いします!」

猪人族「お任せを!」

ゴブリン達「仕上げてみせます!」

 

 ゲルドとグルドが、ミルドと相談して、二人が周囲の人たちにそう指示を出す。

 猪人族が、荷物を荷台に括り付ける。

 その荷台は、狼達が運ぶ。

 

ゲルド「準備が整い次第、新区画に運ぶぞ!」

ウルフ「ワフ!」

グルド「ここは大丈夫そうですから、隣の区画のフォローに行きますよ!」

猪人族「おう!」

 

 ゲルドとグルドも移動しようとする。

 すると、ゲルドの視線に折れたたんぽぽが目に入る。

 

ゲルド「うん?……………グルド。先に行って、指揮を頼む。」

グルド「分かりました。」

 

 グルドは、先に行く。

 ゲルドは、折れてしまったたんぽぽを補強する。

 そうして、今日の作業を終える。

 俺とリムルは、ゲルドとグルドに話しかける。

 

リムル「だからさあ、働きすぎだって。」

レイト「たまには、仕事以外にも目を向けたらどうだ?」

ゲルド「我ら一族を受け入れて下さった、リムル様とレイト様の為にも……………。」

リムル「俺たちの事は良いからさあ…………。」

グルド「……………出来る限りは、善処します。」

 

 そう言って、俺たちは工事現場から後にする。

 その夜、俺たちはスナックに向かう。

 

トレイニー「まあ!皆さんがそんなに頑張っているなら、街の完成ももうすくですね。」

シズ「そうだね。」

リムル「まあね。」

レイト「でもまあ、もっと皆には、自由に生きて欲しいんだよな。」

リムル「そうだな。俺たち自身がそうだし。なのに、二言目には、リムル様とレイト様の為。リムル様とレイト様の為って……………。」

トレイニー「あらあら……………贅沢な悩みですね。ウフフフフフ……………。」

 

 トレイニーさんは笑いながらそう言って、グラスに飲み物を注ぐ。

 シズさんは、バイスタンプの状態で、テーブルに置かれている。

 すると、シズさんが言う。

 

シズ「皆、恩返しがしたいんじゃないかな?スライムさんとキメラ君に。」

レイト「俺たちに?」

トレイニー「そうですね。道を示してくれるから。居場所を作ってくれたから。それは無邪気に。不器用に。」

リムル「居場所…………ねぇ……………。」

 

 俺たちは考える。

 俺たちは、これからも、あいつらの居場所で居続けられるのか。

 まあ、それはそれとして。

 

リムル「……………で?トレイニーさんはここで何を?」

レイト「森の管理はどうしたんですか?」

トレイニー「ウフフフフフ…………。はい。ぶどうジュースお代わりね。ポテチもありますよ。」

シズ「アハハハ……………。」

 

 俺とリムルの質問に、トレイニーさんはそう誤魔化して、シズさんは苦笑を浮かべる。

 次の日の早朝、俺たちは近くの丘から、街を眺める。

 

リムル「行くか!」

レイト「だな。」

嵐牙「はい!我が主たちよ!」

 

 俺たちは、嵐牙の背中に乗り、街へと戻る。

 すると、ゴブリン達が声をかけて来る。

 

ゴブリン「あっ!リムル様!レイト様!」

ゴブリン「リムル様!レイト様!」

ゴブリン「あっ!リムル様!レイト様だ!」

ゴブリン「おはようございます!」

ゴブリン「今日もいい天気ですなぁ!」

ゴブリン「おはよう!リムル様!レイト様!」

リムル「おはよう!」

レイト「おはようさん!」

 

 俺たちは、挨拶をしてくるゴブリン達にそう返して、とある建物の前で、嵐牙を止める。

 

リムル「とうとう完成だな!」

レイト「凄いな!」

嵐牙「ええ!我らの新しき議事堂です!」

 

 新しい議事堂が完成したのだ。

 俺たちが嵐牙から降りてくると、リグルドが話しかけてくる。

 

リグルド「おはようございます!リムル様、レイト様。今度の宴の準備はいかが致しましょう?」

レイト「宴?」

リムル「何かあったっけ?」

リグルド「ぬわっ…………ハッハッハ。お忘れですかな?我々ゴブリンとの出会い、500日目記念ですよ。」

 

 めんどい彼女か!

 細かいよな。

 すると、嵐牙も声を出し、周囲に人たちが集まってくる。

 

嵐牙「ならば!我らとの出会いの記念も!」

カイジン「旦那方。竣工祝いはやんねえとな。」

ゴブタ「宴なら何でもアリっす!」

紫苑「大鬼族(オーガ)の名付け記念も…………。」

火煉「お忘れなく。」

ガビル「我輩達もぜひお仲間に!」

朱菜「宴ですね!」

 

 すると、皆が、俺とリムルを胴上げしてくる。

 

一同「宴!フォー!宴!フォー!」

リムル「うう……………分かった、分かった!」

レイト「やるから!全部やるからな!」

 

 皆に対して、俺たちはそう言う。

 出会いの数だけ、賑やかになる。

 今日は、どんな日になるのかな。

 こんな風に、これまでのテンペストでの日常を綴っていく。




今回はここまでです。
これが、『転生したらキメラだった件』での日常です。
このシリーズは、日常を綴っていきます。
本家転スラ日記みたいに、本筋のストーリーとは少し矛盾点がありますが、ご了承下さい。
転キメ日記に関しては、本筋のストーリー以上に不定期となります。
こちらの方も、応援よろしくお願いします。
本筋のストーリーも、頑張っていきます。
ファルムス王国戦で、若干鬱展開になっていきますが。
これからも応援の程、よろしくお願いします。
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。
今日から、ギーツで、デザイアドライバーの本体単品や、CSM基準のデザイアドライバーのベルト帯が予約開始しましたね。
欲しいですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。