転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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第3日記 ジュラの夏

 梅雨が明け、夏が始まった。

 まあ、梅雨が始まった頃は、ゴブタがトレイニーさんに対して、失言をしたからな。

 蝉の鳴き声が辺りに響き渡る。

 俺たちが家に戻っていると、朱菜と火煉の2人が、ひまわりに水をあげていた。

 

朱菜「ふぅ……………。」

火煉「暑いですね………………。」

 

 2人はそう話しながら水をあげる。

 そこに俺たちがやってくると、2人は俺たちに話しかける。

 

朱菜「あっ、リムル様、レイト様!」

リムル「おお!ひまわりか〜。夏っぽいな。」

火煉「はい。レイト様とリムル様のお話を参考にして、似た花を植えてみました。」

レイト「ありがとう。」

 

 やっぱり、夏といったら、ひまわりだよな。

 まあ、ひまわりというよりは、ひまわり擬きだがな。

 風鈴の音が響く中、俺たちは麦茶を飲む。

 すると、背後から視線を感じて、振り返る。

 そこには、ひまわりがあっただけだった。

 

リムル「あ……………?」

レイト「ん……………?」

 

 俺たちは再び前を向く。

 すると、ひまわり擬きが、俺たちを見てくる気がする。

 

リムル「ああっ………………。」

レイト「見られている………………?」

 

 地味に怖えな。

 何で花が俺たちを見てくるんだよ。

 怖くなった俺たちは、リグルドの方へと向かう。

 街の様子を見ると、皆、暑さにまいっている感じだった。

 俺たちはというと、熱変動耐性があるので、大丈夫だが。

 リグルドの元に着くと、リグルドはヴェルドラを祀っている祠に手を合わせ拝んでいた。

 

リムル「ジュラの夏って……………あっついんだなぁ………………。」

レイト「なあ、リグルド。」

リグルド「ぬぅおっ……………ぬぅ……………。」

レイト「なんか、皆参ってるみたいなんだけど。」

リグルド「う〜ん……………ええ。私どもの記憶でも、こんなに暑い夏は……………アハッ、初めてです。」

 

 リグルド、体から汗が蒸気になって出てるぞ。

 すると、嫌な予感がした。

 

リムル「あっ、あれ?もしかして……………。」

レイト「森を切り拓いて、街を作ったから、自然環境に変化が出たのか……………?」

 

 森が切り拓いて、街を作った事で、日光が当たりやすくなったからな。

 そうなってもおかしくはない。

 まあ、無理もないか。

 すると、リグルドが慌てて言う。

 

リグルド「い……………いえ!きっとこれは、暴風竜様が姿を消された為かと!」

レイト「そ、そっか……………?」

 

 いや、それだとどの道、俺らのせいになるんだよなぁ………………。

 すると、リグルドは俺たちに視線を合わせて、小声で言う。

 

リグルド「んん……………なんせ、神様のなされた事ですから。リムル様とレイト様には……………。」

レイト「う〜ん………………。」

リグルド「暴風竜様ですし。セーフです、セーフ。うん。」

リムル「ヴェルドラだもんな!ヴェルドラじゃあ、しょうがないよなぁ!」

 

 リグルドはそう言う。

 でも、結局は俺らが原因なんだよな。

 俺らがヴェルドラと接触して、リムルの中に取り込んだから。

 すると、リムルが胃袋の中のヴェルドラに謝る。

 

リムル『ごめんな、ヴェルドラ!』

 

 そんな中、胃袋の中でイフリートと将棋をしていたヴェルドラが答える。

 

ヴェルドラ『構わん、構わん!細かい事は気にするな!アーハッハッハッハッ!!』

イフリート『……………そこ、指し間違えてますが。』

ヴェルドラ『…………………え?』

 

 精霊と竜が将棋をしているなんて、凄い光景だよな。

 ちなみに、俺は他者の悪魔を見る事が出来るので、リムルの胃袋の中のヴェルドラとイフリートのやり取りも見る事が出来る。

 その後、執務室に向かい、朱菜、紫苑、火煉と共に、事務作業を行う。

 その際、科学者に頼む。

 

レイト『科学者。森林開拓の自然への影響を調べておいてくれ。』

科学者『了。』

 

 ヒートアイランド現象とかが起こって、倒れるのはあまりよろしくないしな。

 まあ、テンペストにエアコンの類は無いのだが。

 とはいえ、調べておく必要性はあるだろう。

 そんな中、火煉たちに話しかける。

 

リムル「なあ、お前たち。」

「「「ん……………?」」」

レイト「その格好で暑くないのか?」

 

 そう。

 紫苑はスーツ、朱菜と火煉は和服を着ていた。

 暑くないのか、心配になったのだ。

 

紫苑「へっちゃらです。夏好きなんで。」

朱菜「私どもは、仮にも役職を頂いておりますので。」

火煉「いつ如何なる時も、恥ずかしくない姿で働いております。」

リムル「気にしすぎて、倒れないでね。」

レイト「適度に水分補給をしてくれよ。」

紫苑「ご心配なく!どうしても暑い時は、見えない所から一枚抜きますから。今日みたいに!」

リムル「ああ?」

レイト「うわぁ………………。」

「「はっ!?」」

 

 そんな事を堂々と言うんじゃないよ。

 すると、朱菜と火煉は、紫苑を部屋から追い出す。

 

紫苑「えっ、あ…………ちょっ…………えっ?」

朱菜「リムル様、レイト様!ちょーっと失礼します!」

火煉「そんな事を堂々と言わないで!」

紫苑「リムル様、レイト様!これ、スースーして快適ですよ!」

 

 まだ言うか。

 そう思う中、紫苑は朱菜と火煉の2人に連行されていった。

 そんな中、俺はリムルに話しかける。

 

レイト「そうだ。そろそろ冷えてる頃だと思うから、回収しようぜ。」

リムル「お、良いね!」

 

 俺たちはそう話して、井戸がある場所へと向かう。

 そこで、カットしたスイカを食べる。

 

リムル「はぁ〜……………美味い!」

レイト「夏といったらスイカだよな!」

 

 スイカを食べ終え、井戸の方へと向かう。

 そこには、井戸水で冷やした麦茶、スイカ、トマト、胡瓜があった。

 それを回収して、ゴブタ達の方へと向かう。

 

ゴブタ「おぉ〜!リムル様、レイト様!感謝感激っす!」

 

 ゴブタはそう言って、麦茶を飲む。

 

ゴブタ「んぐっんぐっんぐっ……………プハーッ!生き返るっす〜!」

リムル「うんうん!」

ゴブテ「リムル様、レイト様!冷たくてすっごく美味しいです!」

レイト「皆、暑い中頑張ってくれてるからな。差し入れだ。」

リムル「だろ〜?夏といえば色々あるけど、これは外せないよな!」

ゴブタ「そういうもんなんすかね〜。他には、何があるんすか?」

 

 ゴブタ達は、頑張っているからな。

 脱水症で倒れるのは避けて欲しい。

 だからこそ、差し入れを渡しに来たのだ。

 ちなみに、俺はこっそり、ソルティライチを再現できないか、挑戦している。

 ソルティライチは、結構好きだからな。

 ゴブタがそう質問すると、リムルは答える。

 

リムル「そうだな〜……………子供の頃は、よく虫捕りしたな!」

ゴブタ「えっ?スライムって、子供の時は虫捕るんすか?」

レイト「…………………。」

 

 ここは異世界なんだから、そんな風に答えるなよ。

 俺はそう思いながら、肘打ちをする。

 

リムル「ああ……………う〜……………えっと……………これこれ!こういう奴が好きだったんだぁ!」

ゴブタ「えっ……………?」

レイト「どうした?」

ゴブタ「ああ、いや……………こいつなら、この近くにも居るっすけど……………。」

リムル「おっ!まじ〜?ちょうど良いから、虫捕りに行こうぜ!」

ゴブタ達「うう………………。」

 

 なんか、ゴブタ達、あんまりテンションが高くないな。

 むしろ、下がっている。

 なんか嫌な予感がするのは、気のせいか?

 そんな中、森の中を歩く。

 

リムル「良いねえ、虫捕り!夏だねぇ!」

レイト「楽しそうだな。」

ゴブタ「自分、あまり気乗りしないっす。」

リムル「あ?何お前、クワガタ派?」

レイト「クワガタも良いよな。」

ゴブタ「いやあ…………そういう事じゃ…………あっ!」

 

 俺、リムル、ゴブタがそう話していると、虫の羽音が聞こえてくる。

 そっちを見ると、ものすごくデカいカブトムシが、こっちに向かって来ていた。

 なるほど、これが理由か。

 

ゴブゾウ達「ああっ…………!」

リムル「あっ…………!」

レイト「デカっ。」

ゴブタ「ああ………………!」

 

 それを見て、俺たちはすぐに避ける。

 だが、ゴブタは逃げ切れずに、カブトムシの角にぶつかる。

 

ゴブタ「ギャアアアアアア!!」

 

 カブトムシの角にぶつかったゴブタは、そのまま星となる。

 その後、無事に生還したゴブタと共に、水鉄砲対決をやる事に。

 ゴブタ達ゴブリンライダーと俺とリムルの戦いだ。

 

ゴブタ「油断したっすねえ、リムル様、レイト様。皆、準備は良いっすか?」

ゴブテ「ええ!」

ゴブゾウ「ダス!」

ゴブタ「作戦開始っす!」

 

 ゴブタ達がそう話す中、俺とリムルは、二手に分かれて、水鉄砲を撃っていく。

 ゴブテ達のデカい水鉄砲でリムルの水鉄砲が吹き飛ばされる中、俺はゴブタの水鉄砲を吹っ飛ばす。

 リムルが別の水鉄砲を撃とうとしたが、栓が抜かれていて、空砲となってしまった。

 

リムル「うっ……………!」

レイト「リムル!」

ゴブタ「今っす!」

 

 俺がリムルに気を取られていると、ゴブタが俺の予備の水鉄砲を吹っ飛ばす。

 してやられたな。

 すると、ゴブタ達が俺とリムルの前に現れる。

 

ゴブタ「チャ〜ンス。弾切れに在庫切れっすねえ、リムル様、レイト様。」

レイト「やってくれたな……………。」

ゴブタ「全身くまなくビッチャビチャにしてやるっすよ。ビッチャビチャに……………!皆!一斉放火っす!」

 

 ゴブタ達はそう言って、水鉄砲を一斉に撃ってくる。

 俺は、それを躱す。

 だが、リムルには当たっている。

 ある程度当たると、リムルはゴブタ達に言う。

 

リムル「汚ねえぞ、お前ら!」

ゴブタ「悔しかったら、反撃してみると良いっすよ。フハハハハハ……………!やっぱり、レイト様には当たらないっすね。」

レイト「甘く見るな。」

 

 それくらい、躱してやるさ。

 まあ、当たった方が涼めるのだろうが。

 だからといって、ゴブタの水鉄砲に当たるのは、なんか嫌だからな。

 

ゴブタ「ああ……………自分たちがあのリムル様とレイト様を翻弄してるっす……………。何すか、この湧き上がる気持ち……………。」

 

 ゴブタは、ご満悦だった。

 なら、そろそろ反撃といこう。

 俺は、オストデルハンマー50を取り出して、オストデルノックを押す。

 

レッツイタダキ!

 

 音声が流れて、俺は周囲の水を叩く。

 

ネイチャー!イタダキ!

 

 そして、俺は、オストデルハンマーのトリガーを引く。

 

エレメント印!オストデルクラッシュ!

 

 俺とリムルは、反撃として、リムルは口から、俺はオストデルハンマーから、大量の水を放出する。

 水ビームは、しばらく進んでいって、凄い衝撃音を放つ。

 しばらくすると、水ビームが放たれた場所は、木が倒れ、地形が少し抉れていた。

 やりすぎたか?

 

ゴブタ「口と武器から出すのは……………ずるいっす………………。」

リムル「ふぅ……………すまん、思わず。」

レイト「反撃してみろって言ったんだから、反撃しただけだ。」

 

 ゴブタの抗議に、俺とリムルはそう言う。

 一方、嵐牙はため息を吐いていた。

 

嵐牙「ああうぅ……………。」

 

 そこに、紫苑と火煉がやってくる。

 2人は、嵐牙に話しかける。

 

紫苑「どうしたのです、嵐牙。」

火煉「そんな所でため息を吐いて。」

嵐牙「うん?実は最近、リムル様とレイト様が遊………………いや、お呼びが掛からぬのだ。」

紫苑「ほう。」

火煉「今、遊ぶって言いかけませんでした?」

嵐牙「くぅん……………かつては、どこへ行くにも、背に乗ってくれて……………。」

 

 嵐牙の言葉に、火煉が突っ込みながらも、嵐牙は思い返す。

 俺たちがよく遊んだ頃を。

 

嵐牙「その後には、ナデナデとか……………。」

火煉「ナデナデ………………。」

嵐牙「スリスリとか……………。」

紫苑「スリスリ……………!」

嵐牙「ペロペロした仲なのに……………。」

火煉「ペ、ペロペロ………………!?」

紫苑「私だって、まだなのに!」

 

 嵐牙の独白に、火煉と紫苑はそんな風に反応する。

 それを聞いた嵐牙は、鼻で笑う。

 

嵐牙「ハッ……………。」

紫苑「むっ!」

火煉「鼻で……………!?」

嵐牙「もしや、知らぬ間に、リムル様とレイト様の不興を買ってしまったのでは……………。」

 

 嵐牙が鼻で笑い、そう言う。

 すると、火煉と紫苑が反論をする。

 

火煉「知りませんよ、そんな事!」

嵐牙「ん?」

紫苑「どうせ、タテガミが暑苦しいとかの理由では?夏だし。」

嵐牙「四六時中ベタベタしてるお前達の方が暑苦しいわ!粗忽女に残念女!」

紫苑「ぎっ………………!」

火煉「何ですって?」

 

 火煉と紫苑の言葉に反論する嵐牙。

 だが、言い方があれだったからか、2人はキレて、臨戦態勢に入る。

 そして、3人は戦う。

 それを見ていたひまわり擬きは、花の部分を葉っぱで隠していた。

 

紫苑「第一秘書である私が、いつもおそばにいるのは当然でしょ……………!」

火煉「私だって、第一秘書ですもん…………!」

嵐牙「我こそは……………従者として如何なる時も、お供せねば!」

 

 3人はそう言って、再び争いだす。

 それを、俺たちは見ていた。

 

紫苑「私だって、せめてスリスリ…………!」

火煉「ペロペロとまではいかなくても、スリスリはしたいんです………………!」

嵐牙「我が主達に不埒な真似は……………!不埒な真似は………………!」

 

 紫苑達は、そう言い争っていた。

 それを見ていた俺たちは。

 

レイト「このクソ暑い中、よくやるよな。」

リムル「今度組ませてみるか。」

 

 そんな風に話す。

 その後、洗濯物を干している紅丸達の方へと向かう。

 

リムル「おっ、居た、居た。」

紅丸「ん?」

レイト「紅丸、ちょっと良いか?」

紅丸「何ですか?また悪巧みじゃないでしょうね?」

リムル「いやーねぇ。すげー暑いし、もうこうなったら、暑さを生かして、我慢大会でもやろうかなと思って。」

 

 そう。

 紅丸に声をかけた理由は、我慢大会に参加するかどうかを聞きに来たのだ。

 まあ、悪くないと思い、俺も了承した。

 

紅丸「転んでもただでは起きない辺りはさすがですが、我慢大会って何ですか?」

レイト「我慢大会ってのは、炎天下に暖房を焚いて、厚着をして、その上で鍋を食う。そして、最後までギブアップしなかった人が優勝って感じだ。」

リムル「そういう感じ。」

 

 俺とリムルは、紅丸に我慢大会の概要を言う。

 ちなみに、俺とリムルは参加しない。

 熱変動耐性があるから、試合にならないからだ。

 それを聞いたアキナは、ゴブタに話しかける。

 

アキナ「出れば良いじゃん。ふふ…………。」

ゴブタ「う〜ん……………。(ここで目立ちたいっすけど……………これ、なんか嫌な予感がするっす。)」

 

 アキナにそう言われるが、ゴブタは参加を渋っていた。

 そんな中、リムルは紅丸に話しかける。

 

リムル「紅丸。お前のように強い男は、暑さなんかに負けないだろ?」

紅丸「んっ……………ふむ。なら、ここは一つ、俺の我慢強さを知らしめてやりましょう。」

レイト「頑張れよ。」

 

 リムルがそう言うと、紅丸は満更でもない様子を見せる。

 それを見ていた紫苑と火煉は。

 

火煉「良いじゃないですか。最近、良い所が全く無かったですしね。」

紅丸「うるさいぞ、そこ!」

紫苑「だって事実ですし〜。」

紅丸「おのれ……………!見てろ、残念秘書に天然秘書!炎の戦士の生き様をな!」

 

 火煉と紫苑の言葉に、紅丸はそう叫ぶ。

 まあ、火煉って、ちょっと天然な所があるしな。

 そうして、我慢大会が始まった。

 だが、紅丸、ガビルを始めとする参加者は、全員撃沈していた。

 

蒼華「おぉ〜っと!鍋の前に出場者全員がダウンだ〜!」

蒼月「これは、大変な事になりましたね。」

リムル「まさか、紅丸が負けた!?」

紫苑「どうしたんでしょうか?」

火煉「紫苑、あなたが作ったんですね………………。」

レイト「やっぱり………………。」

 

 そう。

 出場者が食べた鍋は、紫苑が作ったのだ。

 それを見ていたゴブタは。

 

ゴブタ(出なくて良かったっす……………!)

 

 ゴブタは、不参加だった。

 その為、命の危険は免れた。

 その後、紅丸達を始めとする参加者達は、救護所に運ばれた。

 一方、ゴブタは、黒兵衛の工房へと向かっていた。

 中に入ると、熱気がゴブタを襲う。

 

ゴブタ「うわっ、あっつい!何すかこれ!?」

 

 ゴブタがそう叫ぶ中、黒兵衛は作業をしていた。

 ひと段落すると、ゴブタは黒兵衛に話しかける。

 

ゴブタ「リアル我慢大会じゃないっすか!」

黒兵衛「はっはっは!鍛治工房なんだから、当たり前だべ。」

ゴブタ「黒兵衛さん、すごい汗っすよ!大丈夫なんすか?」

黒兵衛「んん?ああ、おら鈍いから、平気なんだべ。あっ、そうそう。ゴブタ君の武器、武器。散々待たせて、ごめんだべ。」

 

 ゴブタがそう言う中、黒兵衛は笑って、汗を拭う。

 そして、黒兵衛は、ゴブタの武器を取り出そうとする。

 それを見ていたゴブタは。

 

ゴブタ(黒兵衛さん……………真夏に何日も篭りっぱなしなのに、笑っていられるなんて………………。)

 

 ゴブタは、黒兵衛に対して、そう思っていた。

 すると、黒兵衛は武器を取り出す。

 

黒兵衛「いやあ…………なんか気づいたら、鍛え上がってたんだけど……………。フフフフフフフフ……………フフフフフフフフ……………!」

剣「マギー!マギー!マギー!」

 

 黒兵衛が取り出したのは、剣の柄の部分が、生きている様に蠢き、奇声を発する剣だった。

 それを、黒兵衛は目を赤く光らせながら笑う。

 それを見ていたゴブタは。

 

ゴブタ「うぅ……………やっぱり、ちょっと涼んだ方が良くないっすか………………?」

剣「マギー!」

 

 ゴブタはそれを見ながら、ドン引きしつつも、黒兵衛にそう言う。

 そんな剣の奇声は、俺たちの方にも届いていた。

 

レイト「ん?なんか、やばい奇声がしたような気がしたのは、気のせいか?」

火煉「さあ………………?」

 

 気のせい……………かな?

 明らかにやばい声が聞こえた気がするんだが。

 そんな中、火煉は俺に近づいてくる。

 

レイト「火煉さん……………。何してんの?」

火煉「スリスリです。」

レイト「あっ、そう……………。」

 

 何で急に?

 まあ、仕事自体は大体片付いているから、問題ないのだが。

 あと、皆から言われがちだが、俺の体は少しひんやりしているそうだ。

 ちなみに、リムルの方は、紫苑がスリスリしていた。

 そんな風にのんびりしていると、朱菜が紫苑に話しかける。

 

朱菜「紫苑。」

紫苑「ん?」

朱菜「私にも、リムル様を抱かせて下さい。」

紫苑「え〜。ダメですよ。これは、秘書の仕事です。」

リムル「うう……………いや、そんなことは無いんだが……………。」

朱菜「ホホホホホ……………そんな事はありませんとリムル様が。」

紫苑「そんな事ありますわ。フフフフ……………。」

朱菜「ホホホホホ……………。」

紫苑「フフフフフ……………。」

レイト「やれやれ…………。」

火煉「アハハハハ……………。」

 

 また始まったよ。

 まあ、いつもの事か。

 それを見ながら、麦茶を飲む。

 朱菜と紫苑による、リムルの取り合いが始まる。

 一進一退の攻防を繰り広げ、引っ張り合いになる。

 

朱菜「ん〜!良いから代わりなさい!」

紫苑「ん〜!いーやーでーす〜!」

リムル「こらこら!仲良くしろ〜!仲良く〜!」

 

 朱菜と紫苑の争いは白熱していくが、リムルによって止められる。

 その後、折衷案として、リムルが少し大きくなって、2人はリムルに寄りかかる。

 恐らく、水枕みたいな扱いになっているんだろう。

 その証拠に。

 

紫苑「あっ。何だか、ぬるくなってきましたね。」

朱菜「リムル様。もう少し冷たくなりませんか?」

リムル「きっ…………!」

 

 そんな風に言う。

 すると、火煉が口を開く。

 

火煉「もう少し、冷たくできませんか?」

レイト「無理言わないでくれる?」

 

 そんな風に言ってくる。

 俺は水枕じゃねえっつうの。

 しょうがない、リムルを揶揄うか。

 そう思い、思念伝達でリムルを揶揄う。

 

レイト『お、照れてんのか?朱菜達の水枕さん?』

リムル『お黙り!』

 

 俺がそう言うと、リムルはそう言ってくる。

 一方、畑の方では、リリナさんとゲルドとグルドの2人がいた。

 

リリナ「猛暑が続く毎日でしたし、この日差しに加え、うまくこよ土に馴染めなかったようで。色々と、試行錯誤してみたのですが……………。」

ゲルド「そうですか……………。」

グルド「なるほど……………。」

 

 リリナの言葉に、ゲルドとグルドはそう反応する。

 すると、リリナはすぐに口を開く。

 

リリナ「あっ、でも、数株は生き残ったので、希望はあります。どうぞ。せっかくだから、食べてみてください。」

 

 どうやら、生き残ったのもあったそうだ。

 ゲルドとグルドは、トマトを一つずつ手に取って、見つめる。

 すると、ちょんまげのゴブリンの子供がそれを見ていた。

 ゲルドとグルドは、頷き合い、トマトをもぎ取って、その子供に渡す。

 

グルド「どうぞ。」

ゲルド「ん。」

ココブ「わ〜!はむっ。んぐんぐ……………はぁ〜。」

 

 ココブというゴブリンの女の子は、ゲルドとグルドから受け取ったトマトを食べる。

 それを見て、ココブの頭を撫でて、2人は去ろうとすると、リリナが話しかける。

 

リリナ「よろしいのですか?」

 

 リリナの質問に、ゲルドとグルドは、ただ手を振って答えた。

 その後ろ姿は、逞しかった。

 その夜、俺とリムルは、スナックに赴いていた。

 トレイニーさんは、ドリンクを出す。

 

トレイニー「はい、テンペストブルー。」

リムル「おお〜!涼しげ!」

トレイニー「うふふ……………どうぞ、冷たいうちに。」

レイト「ん…………ん……………あっ、これ、ハッカみたいだな。」

トレイニー「アルコールの代わりに、涼しげなハーブを入れてみました。」

 

 なるほどな。

 確かに、この猛暑にはちょうど良いかもしれないな。

 

リムル「俺は子供じゃないって〜。」

レイト「涼しげで、猛暑の今年には、ピッタリだな。」

シズ「確かに、今年の夏は結構暑いよね。」

トレイニー「ですが、長い目で見れば、揺らぎのような物です。振り始めか……………振り戻しか……………。」

 

 まあ、そういうもんか。

 年によって、暑さとかは違うからな。

 リムルは、トレイニーさんの言葉に答える。

 

リムル「生憎、俺はそんな長い目は持ってないんだ。」

トレイニー「ウッフフフフ……………リムル様とレイト様の力添えで、この森は大きく変わって来ています。そして、この街の皆さんは、その予期せぬ変化にもしっかり対応してます。」

シズ「大丈夫だよ。きっと上手くいくよ。」

レイト「ありがとう。トレイニーさん、シズさん。」

トレイニー「お客様の心をほぐすのも、スナック樹羅の役割ですから。」

 

 まあ、頑張っていくか。

 色々と、注目されているがな。

 すると、ドアが開く音がして、カイジンとミルドの2人がやって来る。

 

ハルナ「いらっしゃいませ!」

カイジン「おっ。今日はママさんがいるぞい。」

トレイニー「あらっ、カイジンさん。お帰りなさい。」

リムル「予期せぬといえば……………。」

レイト「このお店って、元々トレイニーさんのお店じゃ無かったですよね?」

トレイニー「あらあら。ウフフ……………。」

リムル「店名も、”ゴブリナ”の予定だった筈だけど……………。」

トレイニー「うふふふ……………皆さん、対応してますよ。」

シズ「アハハハ………………。」

 

 トレイニーさんは、しれっと店をゲットしてるよな。

 森の管理はしなくて良いんすか?

 そう思っていると、ゴブタが入ってくる。

 

ゴブタ「あっ、リムル様、レイト様。こんな所に居たんすか?蛍が群れで出てるっすよ!見に行きましょうよ!」

リムル「こらこら、ゴブタ君。お静かに……………。」

ゴブタ「早く早く!こんな群れ、もう見れないかもしれないっす!」

レイト「やれやれ。シズさんも行くか?」

シズ「ええ。」

 

 そうして、俺、リムル、シズさんは、ゴブタ達と共に、蛍の群れを見に行く事に。

 ちなみに、シズさんの魂が入ったバイスタンプは、俺が持っている。

 小学生の頃、夏休みは全力だった。

 予定がなくても早起きして、寝落ちするまで夜更かしをした。

 ラジオ体操もやったよな。

 見る物全てが新鮮で、やりたい放題した物だ。

 そんな俺を、父さんは笑いながら見ていた。

 母さんは、俺が物心がつく前に亡くなってしまった。

 すると、シズさんが口を開く。

 

シズ「懐かしいな……………。」

レイト「シズさん?」

シズ「昔はこうして、お母さんと一緒に蛍を見に行ってたんだ。」

レイト「そうなんだ……………。」

 

 俺も、蛍を見たのは久しぶりだ。

 小学生の夏休みの頃、田舎の爺ちゃんと婆ちゃんの家に父さんと一緒に行って、爺ちゃんと婆ちゃんと一緒に蛍を見た。

 それはもう、見る事が出来ない光景だが。

 すると、シズさんが口を開く。

 

シズ「……………スライムさんとキメラ君のおかげだね。バイスタンプの中に入っているとはいえ、毎日が凄く楽しい。……………食べる事が出来ないのは、ちょっと残念だけど。」

レイト「悪いな。シズさんの新しい体は、順調に進んでるよ。だから、もう少し待ってくれ。」

シズ「……………うん。ありがとうね。」

 

 俺とシズさんは、そう話す。

 こうして、夏の1日が終わる。

 その翌日の早朝、ジュラの森の夏の恒例の出来事が起こる。

 それは、野良スライムの大量発生だった。

 その野良スライムの一団は、テンペストの近くにやってくる。

 俺とシズさんが家の方でそれを見ていると、リムルは野良スライムと一緒に遊んでいた。

 Aの形、手の形、考える人の形になった。

 野良スライムの方は、Aの形と手の形はギリギリ出来たが、考える人の形には出来なかった。

 すると、野良スライムは仲間達の方へと去っていく。

 それを、リムルは寂しげな雰囲気で見送る。

 すると。

 

紫苑「リムル様〜!」

リムル「ああ?」

リグルド達「リムル様〜!!」

朱菜、紫苑「群れに帰っちゃやだ〜!!」

リムル「俺の群れはお前らだろ。」

レイト「賑やかだな。」

シズ「そうだね。」

 

 リムルが野良スライムの一団に向かおうとした風に見えたのか、リグルド達は、必死に止めようとする。

 これもまた、夏の出来事。




今回はここまでです。
転スラ日記のエピソードを投稿しようと思い、投稿しました。
今回は、夏の日の出来事です。
黒兵衛が暑さにやられて、変な武器を作ったり、我慢大会をやったりと、夏での日常です。
そして、過去を思い返すレイトとシズさん。
次回の転キメ日記は、湖での出来事です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ジュウガのオリジナルフォームを出すかどうかのアンケートは、締め切りたいと思います。
ただ、ジュウガのオリジナルフォームに関しては、どういう感じにするのかは、まだ未定です。
考えているのは、ライジングアルティメットみたいな感じですかね。
仮面ライダーオルテカに関しても、変身者は考え中です。
アブソーブ必殺技は、ドライブとチェイサーは分かりましたが、他のバイスタンプの場合はどういう感じにやって欲しいというのがあれば、活動報告にて受け付けます。
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