ある夏の日。
俺たちは、会議室に集まっていた。
理由は、リムルに呼ばれたからだ。
リムルの真剣な表情に、皆が固唾を飲む。
すると、リムルがテーブルに手を叩きながら口を開く。
リムル「この季節に、まだ足りない物がある。何か分かるか?」
リグルド「う……………分かりません。」
レイト「もったいぶらずにさっさと言え。」
リムル「それは……………夏祭りだ!」
リグルド「うぐっ……………!」
レイト「ああ…………。」
リムルがそう言うと、リグルドは怯み、俺は納得する。
夏祭りなんて、随分と久しぶりな気がするよな。
そう思う中、リムルはリグルドに近寄る。
リムル「俺はこの街で、夏祭りをやりたい!」
リグルド「なっ!?ナツ…………マツ…………リ…………?」
レイト「まあ、ぶっちゃけて言えば、夏の宴会だよ。」
リグルド「宴……………!」
リグルドは、夏祭りという単語に疑問符を浮かべていたが、俺のフォローに、笑みを浮かべる。
やっぱり、宴会が好きな人が多いんだよな。
リムル「ふん。こんな物とか〜。」
リグルド「よーしきた〜!」
ガビル「いよ〜!」
リムル「こんな物とか!」
火煉達「はぁ〜……………!」
リムル「こんなものをやる!」
一同「おお!」
リムルはそう言って、木の板に書いた盆踊りや出店そして打ち上げ花火を絵で説明した。
皆初めて見るものばかりで興味津々だった。
俺はそれを見て、口を開く。
レイト「準備期間は1週間だ。出来るか?」
リグルド「はっ!我ら一同に………!」
一同「お任せください!」
リムル「よし!皆の全力を見せてくれ!」
一同「はい!」
こうして、魔物達の全力の準備が始まる。
色んな所で、準備が進められていく。
ガルムとドルドは、垂れ幕やら提灯を作成していた。
ガルム「ふぅ…………。」
ドルド「う〜ん……………?」
ガルム「おっ。」
ドルド「うん?」
ガルム、ドルド「これは……………流行るっ!」
作業する中、浴衣やら装飾が描かれた木の板を持ちながら、そう確信する。
そんなこんなで作業は順調に進み、俺たちが視察する頃には、櫓も上手い具合に出来ていた。
この街は、宴によって進化し続けるのだろう。
俺は、そう思った。
そうして、祭り当日の昼。
リムル「ほお〜!凄いなあ!」
レイト「良い感じだな。」
リムル「うむ!」
紫苑「屋台の準備も、ほぼ終わっております。」
リムル「おお〜!お面屋!懐かしい〜!」
レイト「どういうのがあるのか、見に行くか。」
火煉「はい。」
俺たちは、屋台を見て回る事に。
お面屋には、スライムのリムルのお面がたくさん置かれていた。
リムル「うん?」
レイト「どうした?」
リムル「俺が言うのもなんだけど……………不気味だなぁ………………。」
リムルはそう言いながら、体を震わせる。
まあ、紅丸とかがこれを着けると、確かに怖いよな。
ちょっと揶揄うか。
紫苑「フッフフ……………不気味だなんて。」
リムル「ん?うわあーーっ!?」
レイト「そう言うなよ。」
朱菜「そんな事無いですよ〜。」
レイト達「フフフフフフフ………………。」
俺たちは、リムルのお面をつけながら、リムルを見て、不気味な笑いをする。
揶揄う事ができて、俺は満足した。
その後、着物があると言うので、俺たちは着付けをする事に。
ハルナ「はぁ〜……………!紫苑さん!」
朱菜「リムル様……………!」
火煉「レイト様……………!」
火煉達「可愛い〜!」
三人は、そう言ってくる。
リムル「えへへ……………やっぱり女物。」
紫苑「フフフフ。」
レイト「女物かぁ………………。」
そう。
俺とリムルも、女物の着物を着せられていたのだ。
ちなみに、帯の所にバイスタンプホルダーをつけており、シズさんの魂が入ったバイスタンプを携帯出来るようになっている。
火煉「レイト様……………似合いますか?」
レイト「ああ。似合ってるよ。」
火煉「はい!」
朱菜「ん?」
リムル「朱菜は相変わらず似合ってるとして……………。」
朱菜「そんな〜……………。」
リムル「紫苑も、今日は何だか、楚々として見えるな。」
紫苑「ううう……………!聞いてください!胸にサラシをギュウギュウ巻かれたんです!」
俺とリムルは、そう言う中、紫苑は涙を浮かべながらそう言う。
まあ、紫苑って、胸が大きいしな。
無理もない。
すると、目元に影を浮かべた朱菜が言う。
朱菜「フフフフ……………私思ったんです。大きなお胸は着付けに邪魔……………大きなお胸は着付けに邪魔……………大きなお胸は、着付けに邪魔なんです。他意はありません。」
リムル「あっ…………う…………うん…………。」
レイト「そ、そうか……………。」
紫苑「うううっ…………苦しい……………。」
火煉「帯、緩めますね。」
朱菜って、怒らせると本当に怖いな。
ていうか、貧乳な事、気にしてるんだな。
これ以上はやめておこう。
それを聞いていた火煉は、気まずい表情を浮かべながら、紫苑の帯を緩める。
一方、机の上に置かれていたバイスタンプの中のシズさんは。
シズ「アハハハ………………。」
苦笑を浮かべていた。
シズさんも、胸は大きい方なので、気まずく感じたのだろう。
その後、俺たちは街へと向かう。
街は、着物を着た人たちで盛り上がっていた。
日本の夏祭りを可能な限り再現する。
それが、今回のコンセプトだ。
朱菜「食べ物などは、普段の屋台売りでも応用出来そうですね。」
リムル「そうだな。」
朱菜とリムルはそう話す。
そんな中、俺たちはたこ焼きの屋台へと到着する。
朱菜と火煉が、ゴブイチからたこ焼きを受け取り、俺たちに渡す。
朱菜「こちらも、試行錯誤の末、何とか再現できたんじゃないかと思います。」
火煉「どうぞ。」
リムル「うっひょ〜!たこ焼きだ!」
レイト「ありがとう。」
朱菜「熱々をお楽しみ下さい!」
そう言って、俺たちはたこ焼きを受け取る。
久しぶりだな。
たこ焼きを食べるのは。
まあ、たこ焼き擬きだがな。
俺とリムルは、たこ焼きを頬張る。
やっぱり、たこ焼きは美味いよな。
それにしても、ここは海なんてないから、どうやってタコを手に入れたのだろうか?
チラリと見ると、何か、とんでもない物が見えた気がする。
それを見て、一瞬で悟った。
リムルには、知られない方がいいと。
すると、シズさんが話しかける。
シズ「どうしたの?何か見たの?」
レイト「いや、何でもない。」
シズ「そっか……………それにしても、美味しそうだよね。食べられないのが残念だけど。」
レイト「何とか、体の作成は順調に進んでるから。」
俺とシズさんは、そう話す。
リムルは、タコの代わりに入れられている物を見ようとするが、朱菜が阻止する。
一方、ガルムとドルドは。
ガルム達「フフフフ……………。」
そんな風に、目に隈を浮かべながらも、笑みを浮かべていた。
その視線の先には、リリナとハルナが居た。
ハルナ「はい!どうぞ!」
リリナ「まあ!ありがとう、ハルナさん。ウフフフフフ……………。」
ハルナ「いいえ〜。気にしないでください。ウフフフフフ……………。」
ハルナはリリナにリンゴ飴を渡して、そんな風に話す。
それを見ていたガルムとドルドは。
ガルム「良いなあ、兄弟。」
ドルド「ああ。」
男の子「ああ………………。」
ガルム達「イケる!」
男の子「イケる……………。」
ガルムとドルドがそう話す中、男の子も見ていて、そう言う。
その後、紅丸、火煉、紫苑と合流して、かき氷屋に向かう。
リムル「ここが、俺とレイトのプロデュースの店!」
紅丸「かき氷?この時期に氷なんてあるんですか?」
リムル「ん!」
紅丸「あ……………。」
レイト「まあ、食ってみな。」
紅丸「ああ……………ありがとうございます!」
俺とリムルは、かき氷を紅丸達に渡す。
4人は、かき氷を食べる。
火煉達「はむっ。」
紅丸「おおっ……………!冷たい!そして甘い!」
リムル「うんうん!」
朱菜「う〜ん……………ああ……………!」
紫苑「氷がまるで雪のようにフワフワです。」
火煉「美味しい……………。」
レイト「かき氷機の刃は、黒兵衛謹製だからな。」
気に入ってもらえて、嬉しいよ。
すると、黒兵衛が話しかける。
黒兵衛「リムル様!レイト様!氷の補充をお願いするべ!」
リムル「おっしゃい!」
レイト「分かった!」
黒兵衛にそう言われて、リムルはスライムの姿に戻り、俺は火煉にシズさんのバイスタンプを一旦預けて、オストデルハンマーを取り出す。
オストデルハンマーは改良を重ねており、今では、
流石に、一度使った事があるか、取り込んだ物に限定されるが。
オストデルハンマー50のオストデルノックを押す。
『レッツイタダキ!』
音声が流れて、俺は内部の氷をセレクトする。
『ネイチャー!イタダキ!』
そして、俺は、オストデルハンマーのトリガーを引く。
『エレメント印!オストデルクラッシュ!』
リムル「
俺とリムルは、それぞれのスキルや必殺技を使って、桶に氷を出す。
俺とリムルが着地すると、皆が歓声を上げる。
一方、氷の出自を知った紅丸は、固まっていた。
紅丸「うっう……………。」
リムル「黒兵衛!俺の分も頼む!」
レイト「俺も頼むよ。」
黒兵衛「はいだべ!」
俺とリムルが、黒兵衛にかき氷を頼む中、紅丸は呟いた。
紅丸「これ……………食べて大丈夫な氷なんですか?」
リムル「え?ダメなの?」
紅丸「腹、凍りませんかね……………。」
紫苑「美味しければ問題ありません。」
火煉「ですね。」
朱菜「ええ。」
シズ「こういう使い道があるなんてね…………。」
紅丸達はそう話す。
リムル「そして、俺の一押しはこれだ!」
男性「おお〜!」
女性「青い!?」
そう言ってリムルが出したのは青いシロップのブルーハワイだった。
良く再現できたな。
リムル「この鮮やかな青を再現するのは至難だったなあ。ちなみにこれはブルーハワイと言って…………あ?」
リムルがそう言う中、周囲の人たちの様子がおかしい。
男性「これは、リムル様の色だ!」
男性「おぉ〜!確かにそうだ!」
女性「空の色の様に清々しくて雄大で冷たい氷と優しい甘みが心地良い…………。」
男性「まさにリムル様!」
女性「リムル様味!?」
一同「リムル様…………味!」
ああ、そうなるか。
まあ、ブルーハワイの色味とリムルの色味って、似てるもんな。
それを聞いていたリムルは、恐怖で顔を引き攣らせていた。
すると。
紫苑「あら〜…………。」
朱菜「本当に…………。」
リムル「お?」
紫苑「リムル様って……………。」
朱菜「美味しいんですね〜。」
朱菜達「フフフフフフフ……………。」
紫苑と朱菜はそう言って、リムルのお面を被りながら笑みを浮かべる。
周囲の人たちも、リムルのお面をつけていた。
俺とシズさんは、リムルに話しかける。
レイト「リムル、大丈夫か?」
シズ「スライムさん、大丈夫?」
リムル「時々、こいつらが怖い。」
シズ「アハハハ………………。」
まあ、スライムって、本来は捕食される立場だからな。
無理もない。
その後、俺とリムルは、散策していた。
勿論、シズさんも連れて。
ヤシチ「さあさあ!寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!英雄ガビルとデスパンダの死闘!」
リムル「色んな店があるなぁ。」
レイト「ああ。賑やかだな。」
シズ「うん。皆、楽しそう。」
そんな風に俺たちは散策をする。
ちなみに、ガビルの所は、本来は、勇者にする予定だったらしいが、シズさんに止められた結果、今に至る。
シズさん曰く、魔王と勇者は、特別な存在らしい。
しばらくすると、金魚すくいのエリアに着く。
リムル「白老が金魚すくい屋かあ。」
レイト「雰囲気あるね。」
ゴブタ「自分も手伝ってるっすよ!」
白老「ホホホホホ…………。中々に集中力のいる遊びですな。何なら、指南しますぞ。」
リムル「なーに。俺はその昔、”音速のポイ”と呼ばれていたんだ。見てろ〜!」
シズ「頑張って、スライムさん!」
レイト「頑張れよ。」
そうして、リムルが金魚すくいに挑戦する事に。
リムル「ふんっ!」
ゴブタ「うちの金魚は、生きが良いっすよ〜。」
リムル「まずは一匹。」
リムルはそう言いながら、金魚を掬おうとする。
すると、とんでもないサイズの金魚が現れる。
リムル「とあぁ〜!」
レイト「デカっ。」
シズ「………………。」
リムル「今の何っ!?」
ゴブタ「フン……………気を抜くと、指を持っていかれるっすよ。」
白老「ああいう時はまず、ポイの峰で急所を突くのですじゃ。」
ポイの峰で急所を突くって、前世では聞かないワードなんだけどな………………。
それには、俺、リムル、シズさんは、苦笑を浮かべるしかなかった。
子供「さっきのお魚、おっきかったねえ。」
子供「でも、前の方がもっと大きかったよ〜。」
レイト「え?」
ゴブタ「お客さん、もっかいどうっす?次は上手くとれるかもしれませんよ!」
白老「ハハハハハ!何事も鍛錬ですじゃ。」
異世界の金魚、怖えな。
そんな中、大通りでは、蒼影、蒼華、蒼月が歩く中、ゴブト達が射的を経営していた。
ゴブト「さあさあ!寄ってらっしゃい!見てらっしゃい!」
ゴブチ「射的はいかが〜?豪華賞品が当てるだけで貰えるよ〜。」
ゴブト「特賞は、一分の一リムル様〜!等身大だよ〜!あのリムル様を好きなように出来ちゃうよ〜!」
ゴブトとゴブチがそう言う中、蒼影はクナイを取り出して、ぶん投げる。
それは、景品の一つに当たった。
人たち「おお〜!」
ゴブト「えええ……………!?」
蒼華「流石は蒼影様!百発百中ですね!」
蒼月「お見事です!」
人たちが歓声を上げ、蒼華と蒼月がそう言う中、ゴブトがクナイが刺さったガビルの人形を持ちながら、蒼影の方に来る。
ゴブト「ちょっとー!本物の武器、投げつけないで下さいよ!これあげますから、お引き取り下さい!」
ゴブトはそう言いながら、人形を蒼影に渡す。
その人形を見ていた蒼影は、顔を顰めつつ、蒼華に話しかける。
蒼影「これはお前にやろう。」
蒼華「えっ!」
蒼影はそう言って、蒼華に人形を渡して、去っていく。
蒼華は嬉しそうにしている中、蒼月はぼそっと呟いた。
蒼月「それ……………君のお兄さんの人形なんだよ?」
そう呟いていた。
後日、アビルの元に、蒼華の手紙が来た。
蒼華『前略。父上様。生まれて初めて、殿方から贈り物を頂きました。』
そう書かれていたが、蒼月の描いた人形の絵を見て、アビルはこう呟いた。
アビル「そのぶっ刺された人形は、お前の兄なんだがなあ……………。」
アビルがそう呟いた事を、蒼華は知らない。
一方、俺たちは。
リムル「くっそー。全然取れなかった。」
レイト「いや、あんな金魚が居るなんて、聞いてないしな。」
シズ「無理もないよ。」
俺たちはそう話す。
すると、ある店が目に入る。
つたくじという店で、トレイニーさんが居た。
リムル「つたくじ?」
レイト「トレイニーさん?」
トレイニー「あっ、リムル様、レイト様、シズ殿。つたくじ、遊んでいきませんか?よく当たりますよ。」
シズ「……………
トレイニーさんの言葉に、シズさんはそう言う。
まあ、無理もない。
トレイニー「ウフフフフフ……………街の今後を占う意味で、一回どうです?」
リムル「占うって……………。」
レイト「ポテチじゃないっすか。胡散臭いな……………。」
トレイニー「あらあら。胡散臭くなんてありませんわ。さあさあ、どうぞどうぞ。」
リムル「ん〜……………んじゃ、うすしおでも。当たれ!」
本当か?
街の今後を占うというよりは、どのポテチが当たるかってだけだろ。
リムルがそう言いながら、蔦を引くと。
トレイニー「きゃー!」
リムル「あ?」
トレイニー「んんん〜……………。」
レイト「……………何してんすか?」
トレイニー「はっ……………あっ、すみません。びっくりしまして……………。流石は盟主様、欲張りですね。ですが、私は景品ではありませんよ。さあさあ、もう一度どうぞ。」
リムルが引くと同時に、トレイニーさんは身悶える。
まさかとは思うが………………。
レイト「その蔦……………体にくっついているんですか?」
トレイニー「え……………?そ……………そんな訳ありませんわ……………。」
リムル「へぇ……………。じゃあ今度は…………これ。」
何考えてんだ、この人。
リムルは訝しみながらも、別の蔦を引く。
すると。
トレイニー「ああ〜!そこはダメです!弱いんです〜!」
リムル「これ、本当に景品に繋がってるんですか?」
トレイニー「あ……………まあ、その…………絡まっちゃったみたい……………。」
レイト「ダメじゃないっすか。」
シズ「アハハハ……………。」
絡まってるじゃん。
どうすんだよ。
その後、何とか俺が絡まりを解き、無事にポテチを手に入れた。
リムルはうすしおで、俺はコンソメだ。
一方、ゲルドとグルドは。
ゲルド「うーん……………!」
ココブ「う〜ん……………。うん。」
ゲルドは魔獣退治という物をやっており、グルドはゲルドのサポートだ。
ココブ「えい!」
ゲルド「ん!」
ココブという小さいゴブリンは、ボールを投げるが、ゲルドの足元に転がる。
ココブ「うう…………う…………うう…………。」
ゲルド「うっ、うーん……………。」
グルド「ゲルド様、俺に任せてください。」
ココブは、泣き出しそうになっていて、ゲルドが困っていると、グルドがボールを拾う。
グルド「はい。」
ココブ「わあっ!エヘヘへ…………!」
グルド「もう一回やります?」
ココブ「わぁ〜…………!うん!」
ゲルド「うむ。」
ココブは、グルドがボールを受け取って、もう一度投げる。
すると、今度は胸の的に当たる。
ゲルド「フン!ガオ〜!」
ゲルドは大袈裟にリアクションを取り、ココブは喜ぶ。
それを、グルドは微笑ましく見守る。
その後、盆踊りが始まろうとする。
子供「皆さん……………いよいよ、盆踊りが……………始まります。櫓のある広場に………集まってください。」
子供のアナウンスが流れる中、ガビルははっぴを着る。
ガビル「シュッ!諸君!いよいよ、我輩たちの晴れ舞台であるぞ!」
部下達「おお〜!」
ガビル「いざ!ボンダ〜ンス!」
そう言って、盆踊りが始まる。
俺たちも踊る。
そんな中、ガビルは独創的な踊りをする。
まあ、独自解釈って事で良いか。
しばらくして、踊り終えると、ガビルがやってくる。
ガビル「リムル様!レイト様!ハァ……………いかがでしたかな?我らの踊りは…………!」
リムル「あっ?ああ…………お前ら、ここに居たのか。」
ガビル「えっ!」
リムル「良かったな!皆と踊れて。楽しかったよな。」
ガビル「ガビール!」
お前って、ナチュラルに毒を吐くよな。
流石に可哀想だったので、褒めておくか。
レイト「まあ、独自の踊りをしてて、よかったよ。」
ガビル「レイト様〜〜〜っ!!」
俺がそう言うと、ガビルは俺に抱きつく。
やめろ、苦しいから。
一方、嵐牙は建物の上から祭りを見下ろしていた。
すると、ハルナが嵐牙に話しかける。
ハルナ「嵐牙さ〜ん!」
嵐牙「ん?」
ハルナ「たこ焼き買ってきましたよ〜。」
リリナ「もちろん、薄味、ネギ抜きです。」
嵐牙「おお!良いのか!?」
嵐牙はそう聞くと、ハルナ達の前に着地する。
ハルナ「フフフフ。熱いから、気をつけてくださいね。」
嵐牙「はうっ!あうっ!あうっ!」
ハルナ「大丈夫ですか?」
嵐牙「ハフハフハフハフ…………くぅん。」
嵐牙は、熱々のたこ焼きに驚くが、食べる。
そして、口を開く。
嵐牙「宴も祭りも、皆を一つにする。」
嵐牙はそう言う。
その後、二つの山車があった。
片方はリムルの、もう片方は俺のねぶただった。
リムル「こんなの作ってたのか。」
リグルド「リムル様はこちらに、レイト様はこちらに乗ってください。」
そう言われて、リムル、朱菜、紫苑と、俺、シズさん、火煉に分かれる。
リグルド「お掴まり下さ〜い。」
男性達「そーりゃっ!よいやさ!ほいさ!」
リグルドがそう言うと、力自慢のボブゴブリンと猪人族が二つの山車を引っ張る。
人たち「リムル様〜!レイト様〜!」
山車が通る中、皆が歓声を上げる。
すると、火煉が話しかける。
火煉「レイト様。応えてあげて下さい。」
レイト「ああ。」
そう言われて、俺は手を振る。
なんか、慣れないな。
シズさんが話しかける。
シズ「スライムさんもキメラ君も人気だね。」
レイト「なんか…………慣れないな。申し訳なさとかもあるし。」
火煉「上に立つ者の責務みたいな物です。」
そういうもんか。
まあ、いずれは慣れるか。
その後、山車から降りて、皆で黒兵衛とカイジンの花火を見る事になった。
もう帰れないからこそのノスタルジーか。
夏の祭りは、リムルの我儘であるのと同時に、俺の我儘でもある。
かつて、父さんと一緒に夏祭りに行って、よくはちゃめちゃした物だ。
焼きとうもろこしを食べたり、かき氷を食べてキーンとなったり、射的をしたり。
そんな思い出を忘れたくなくて、リムルの我儘にも賛同したのだろう。
すると、シズさんが話しかける。
シズ「こんな感じなんだね、夏祭りは。」
レイト「ああ。これが戦争が終わって、皆が平和になった証かもしれないな。」
シズ「……………この光景を、お母さんにも見せたかったな……………。」
レイト「シズさん……………。」
シズさんもそう思っているのだろう。
すると、花火が打ち上がる。
花火のようにパッと開き、サッと消えていく。
それもまた、夏の風情だろう。
この街の未来が、どうなるのかは分からない。
繁栄していくのか、人間によって滅ぼされるのか。
未来は、未だに暗闇の中だ。
ただ、今この時だけは、そんなしがらみを忘れて、楽しむ。
それで良いのかもしれない。
そして、俺、リムル、シズさんは、自然と口が開き、言う。
「「「た〜まや〜!」」」
紫苑「あの…………リムル様、レイト様?」
火煉「たまやって何ですか?」
リムル「アハハハ〜何だっけ?忘れた。」
レイト「俺も。」
そう言う中、紫苑と火煉がそう聞いてきて、俺たちはそう答える。
花火が上がり、皆が歓声を上げる。
黒兵衛「一気に行くべ。」
作業員「はい!」
黒兵衛と作業員がそう話す。
花火が上がる中、カイジンは言う。
カイジン「今年の夏は、こいつで……………打ち止めだ。」
カイジンはそう言って、ボタンを押す。
すると、一際大きい花火の筒から、花火が打ち上がり、俺とリムルの顔が夜空に咲く。
街からも歓声が上がる。
黒兵衛「ふんっ!」
カイジン「お疲れ!」
黒兵衛とカイジンは、そんな風に腕を合わせる。
2人のはっぴには、黒兵衛には『鍵屋』、カイジンには『玉屋』と書かれていた。
その後、祭りは終わり、提灯の火も消された。
リムル「祭りが終わると、街の静けさが際立つな。」
朱菜「そうですね。」
レイト「ああ………………。」
これもまた、祭りならではだろう。
先ほどまであった喧騒が、静かになる。
すると、リムルが口を開く。
リムル「なあ。」
朱菜達「うん?」
リムル「空って、こんなに広かったか?」
リムルがそう言うので、俺たちは空を見上げる。
祭りが終わり、灯りが消えた事で、空の広さを感じる。
すると、リグルドが話しかける。
リグルド「祭りはいかがでしたか?リムル様、レイト様。」
リムル「おう、リグルド!お疲れ〜。」
レイト「楽しかったよ。とても。」
リムル「こんなに楽しいなら、何度でもやりたいな!」
リグルド「ハハハ…………そうですなあ。では早速、次の宴の相談ですが……………。」
え?
リグルドの言葉に、俺たちは呆気にとられる。
リムル「え?もう決まってんの?」
リグルド「ええ!」
リムル「ああっ……………。」
リグルド「その次も、その次も…………ふふ。」
紫苑「楽しみですね!」
火煉「ええ!」
朱菜「早速準備しましょう!」
リグルド達はそう言う。
やっぱり、火煉達も我儘なのかもな。
そう思うのだった。
余談だが、紫苑が着物を着崩した際に、朱菜からとんでもないオーラが出てきた。
今回はここまでです。
今回は、テンペストでの夏祭りの出来事です。
テンペストでの夏祭りは、賑やかです。
レイトも、前世の夏祭りを思い出し、ノスタルジーを感じます。
次回は、お盆の話です。
シズさんに関する話をやる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
シズさんも、リントに進化したことで、ユニークスキルを獲得しましたが、どういう感じにしましょうか?
一応、クロノアが暴走した際に、アルティメットスキルに進化します。