※微エロ注意
中間テストはクラス全員で何とか乗り切った。
大半は過去問で事足りたが、須藤くんのことを思えば危なかったと言えるだろう。
テスト後にやった打ち上げ楽しかったなぁ。
私は先日、けーちゃんや千秋、ねねっちといったDクラス女子数人と平田くんで行ったカラオケを思い出す。平田くんまた
「今日はお前たちに報告がある。先日学校でちょっとしたトラブルが起きた。そこに座っている須藤とCクラスの生徒との間でトラブルがあったようだ。端的に言えば喧嘩だな」
えっ…(困惑)
茶柱先生の連絡事項に、教室の中が騒がしくなる。
須藤くんとCクラスが揉めたこと、責任の度合いによっては須藤くんの退学、そしてクラスポイントの削減が行われること。全て赤裸々に告げられる。
「その…結論が出ていないのはどうしてなんですか?」
平田くんから至極当然の質問が飛ぶ。
曰く、訴えはCクラスからで、一方的に殴られたというもの。ただ、須藤くん側の主張は異なり、Cクラスの生徒たちから呼び出されて喧嘩を売られた、と。
証拠がないため真実は分からない。故に結論が保留になっている。
須藤くんは馬鹿…コホン。正直だから、彼の主張が真実のような気もするけれど実際は分かんないね。短絡的思考なのは事実だから。
茶柱先生は目撃した生徒を募ったが、問いかけに答える生徒はDクラスにいない。
話は終了し、茶柱先生は教室を出た。
「なあ、須藤の話最悪じゃね?」
「須藤のせいでポイントがなくなったら、また今月0で過ごさなきゃならないんだろ?」
池くんが一石を投じたことにより、教室内は喧騒に包まれた。
…が、クラスのヒロイン・櫛田ちゃんの手厚い擁護と、ヒーロー・平田くんが颯爽と声を上げたことで空気が一変する。
「あたしもさんせー」
更にけーちゃんが賛同したことで、また空気が変わる。右に倣えでクラスは表向き協力体制になり、一時的に須藤くんへの批判が止まった。
華麗なる連携プレイだ。
こうして、平田くん・櫛田ちゃん・けーちゃんのDクラスアベンジャーズによって、須藤くんの無実を証明するための場が発足されたのである。
――尾行されている。
帰り道にアーケードゲームでもしようかと、ゲーセンを訪れた時だった。
客に混ざってカモフラージュしているが、明らかに私の跡をつけている人物がいる。それも複数。
どうしようか。撒くことは建物外にさえ出ればいくらでも出来るけど…
だが
「お前がDクラスの狐坂か?」
「…そうだよ~。えーと、どちらさま?」
程なくして現れたのは、2人の男子生徒と、1人の女子生徒だった。
全員喧嘩上等、みたいな空気を醸し出している。中でもあのサングラス掛けたガタイの良い男子は見るからにやばい。殺し屋かな?
「Cクラスの石崎だ。ちょっと来いよ」
待って
当然ながら、連行される以外の選択肢はなかった。
連行されたのはカラオケ店だった。それも、先日打ち上げで行った場所。
奥の一室に到着したところで、石崎くんが扉に手をかける。
「狐坂連れて来ました、
男がゆっくりと振り返り、こちらを見る。紫がかった黒髪を首筋まで伸ばしている。目の前に置かれたシャンパンタワー(擬き)が、彼をホストのように見せていた。
「ククク。まぁ座れよ、小鞠」
対面のソファを指すホス…龍園くん。いや、まず名乗れや。
言われるがまま座ると、アイスコーヒーの入ったグラスを差し出された。そのシャンパンタワー(擬き)は飾りか?
「飲めよ」
「あ。わたしコーヒー飲めないから、ロイヤルミルクティーがいいな~」
「チッ」
「おま、龍園さんが用意したドリンクにケチつけんな!」
「良い、石崎。用意してやれ」
「っでも!」
バシャ。グラスの中身が石崎くんにぶちまけられる。
あーあー制服に染みが…待って、クリーニング代請求されたりしないよね?
「二度は言わねぇ。用意しろ」
「…分かりました」
石崎くんはドリンクを用意するため、一度出て行こうとする。
「…あの~、ガムシロは5つでおねがいします」
「畜生、分かったよ!」
注文が多くてすみません。甘い物が好きなんです。
「クク、肝が据わってやがる。俺は
「Dクラスの狐坂小鞠です。なんの用事かな~えっと…龍園くん」
「特別に『翔』でいいぜ、小鞠」
「おっけー。じゃあ翔、改めて今日はどしたの~?」
突如爆笑する翔。横に立つショートカットの女子は引き攣った
自分、情緒不安定すぎやろ。戻ってきた石崎くんも目玉ひん剥いてるし。Cクラスは顔芸の得意なフレンズがいっぱいだね!
「単刀直入に言う。須藤の件に関わるな」
「須藤くん?…あ~、今朝の」
須藤くんとCクラスの生徒が揉めている、という一件。それに私は関わるな、と。
正直拍子抜けしてしまう。それだけでここまでやるか。
「そうだ。小鞠、テメエは一切関わんな」
「う~ん。…なんで?」
「
「…わかった。貸し1ってことならいいよ~」
「賢い判断だ。石崎」
「はい」
石崎くんが鞄から1枚の紙を取り出す。どうやら契約書のようだ。
予め用意されていた文書に、私の条件(という程でもないが。)が追記される。よく目を通したが、内容は本当に
「これでいいのかな~?」
「あぁ、十分だぜ。これで契約は交わされた」
「…ちなみに断っていたらどうなってた~?」
興味本位で聞く。やっぱリンチかな?翔は不敵に笑いながら、口を開いた。
「ククク。それを俺に聞くか。…そうだな。単純な暴力で屈服させるのも良いが、今この場で服をひん剥いて犯しただろうな。俺の性奴隷にしてやるぜ」
「…そっか~」
めっちゃ強い言葉使うな。カルマくんも真っ青の中二病イズムだよ。彼はこんなに外道ではないけれども。色んな意味で聞いてて恥ずかしくなる。
そんなに自分に自信があるのかなぁ。真似したくはないが、ある意味羨ましい。
…少し、確かめてみるか。
「それって、こんな感じ~?」
ぐいっと翔の制服の襟元を引っ張る。私のそれを暴力かと警戒し、石崎くんら3人が手を出そうとする。
「――っ!?」
が、それより早く、私は翔の唇を奪った。
予想外の行動に硬直する3人。いや、
ポカンと半開きになった口内へ自らの舌を侵入させる。そのままゆっくりと歯列をなぞってから舌を絡めた。密室に水音が響く。
あれれ、顔真っ赤じゃん。可愛いトコあるね。てかこんなんで犯すとかできんやろ~。
翔の膝が震えていたので、もういいかと思い唇を離す。
21hitってところかな?久々だと調子出ないなぁ。ぺろりと上唇を舐める。
「つよい言葉を使うのはほどほどにした方がいいよ~。飲み物ごちそうさま。じゃあね~」
呆気に取られる3人(+1)を尻目に、私はカラオケルームを後にした。