デブで動きが遅いから素早さに極振りする。   作:伊達 マイム

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速度特化(極大)とプロローグ

 

 

「『New World Online』が手に入った!」

 

男が手に持っているのは『New World Online』。

このゲームは世界滅亡の危機に立たされる事はなく、命を賭ける必要もなく、余計な邪魔が入る事もないゲームをひたすら楽しみライバル達と競い合う。

〝ノンストレスにゲームを楽しむ〟をモットーに2か月前に発売したゲームだ。

『New World Online』は広告に力を入れていなかったようで、初週こそ人気はそこまでなかったが、他のVRMMOとの差別化を図っていてインフルエンサー達によって瞬く間に広まり、人気になりつつあるゲームである。

 

 

「最後の一個だとは思わなかったな。早く帰ってプレイするぞ!」

 

ウキウキでさっさと家に帰った男であった。

 

家に帰って、自身の部屋に入ったとたんにゲームをプレイする準備をした。

楽しみが過ぎたようで、勢いのままに口走った。

 

「『New World Online』をさっそくプレイするぞ!」

 

そう言っている男は最新型のVRゴーグルを装着して、ゲームの中へ意識を飛ばした。

 

「設定はっと、身長と体重はいじれないんだ。まあ、髪を少し変えるくらいにしとくか」

 

男の容姿は身長が180㎝を超えており、体重も100㎏を超える肉がたっぷりと乗った巨漢である。

そのため、このゲームでは身体を変えることでができないことを知って、少し残念に思う男だった。

 

「プレイヤーネームをどうするか。ん~~~・・・本名が菊名 進登(きくな しんと)だから菊を英語にするとクリサンセマム。でもそれだと長いから、真ん中の3文字を取ってサンセにしよう。でも、三世みたいでなんかちょっと・・・!りもつけてリサンセにするか。でも、リサンセってなんかしっくりこないな。ん~~~。あ、別の国の言葉で、フリザンテーマってのがあったな。よし、フリザンにするか。しっくりしたしな」

 

プレイヤーネームを決めるとステータス画面が表示された。

 

「初期ステータスの設定か、身体をいじれたらきちんとしたステータスに割り振るんだが、100㎏越えの俺だと素の動きが遅すぎるから、AGIのブッパするか」

 

ステータスを決めると武器選択の画面が表示された。

 

「どうしよっかなー。AGIに極振りだからハンマーとかの重量系の武器は嫌だし、だからって双剣とかの軽量系の武器もバランス悪いし」

 

そうやって武器を選んでいるとある武器にたどり着いた。

 

「!これは、ナックルか!・・・この武器にするか!」

 

ナックルは重量系の武器ではないが、パワー系の武器の一つで、超近距離戦闘を軸として戦う武器であり、フリザンにとって好ましい武器だった。

 

「よし!設定はこれで終わり。ゲームにログインするぞ!」

 

フリザンの体が光に包まれて消えていった。

 

気が付くと街の中にいるのだった。

 

 

 

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