魔獣使いと錬成師が合わされば世界最強   作:マロニエ19号

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M次元ラッシュで、メガムクホークとメガケケンカニが実装されました。本編で出したいなぁ……

他にも追加メガシンカ出たら嬉しいけど、どうだろ……


パーティー

誠司達は、帝城のパーティー会場で、リリアーナ王女とバイアス皇太子の婚約パーティーに参加していた。パーティー会場は、流石と言うべき絢爛豪華さだった。立食形式のパーティーで、純白のテーブルクロスが敷かれたテーブルの上には何百種類もの趣向を凝らした料理やスイーツが並べられている。

 

装飾や調度品も素晴らしく、つい目を奪われるほどの華やかさだ。

 

『HQ、こちらアルファ。Hポイント制圧完了』

『HQ、こちらブラボー。全Jポイント制圧完了』

『HQ、こちらチャーリー。全兵舎内の兵士達の睡眠を確認』

『HQ、こちらエコー。皇子、皇太孫並びに皇女二名確保』

『HQ、こちらホテル。該当の人物を確保。至急、帝城に向かう』

 

耳につけているイヤリング型の通信用アーティファクトから次々と報告と情報が入ってくるのだが、そんなことは気にせず貴族達の他愛のない会話を続ける誠司達。

 

会場に入った時から、誠司達は注目の的で、少しでも面識を得ようと帝国貴族がしきりに話しかけてくる。

 

何せ、神の使徒であり、()()勇者パーティーだ。世間一般ではオルクス大迷宮の攻略階層を破竹の勢いで更新した強者だと認識されているため、強さが基準の彼らからすればなんとも興味のそそる存在なのだろう。もちろん、あわよくば個人的な繋がりを持ちたいという下心もたっぷりある。

 

もっとも、誠司に話しかけている者達だけは、別の意味で下心が満載のようだ。

 

「ほえ〜〜。世の中には、こんな場所があるんですねぇ〜。樹海では考えられません」

 

会場の豪華さにぽか〜んとしっぱなしのシアは、ムーンライト色のミニスカートドレス姿だ。スラリと長く、引き締まった美脚を惜しげもなく晒している。しかし、決して下品さはなく、ふんわりとしたスカートと、珍しく楚々としたシアの雰囲気が彼女の可愛らしさをこれでもかと引き立てていた。普段は真っ直ぐ下ろしている美しい髪を纏めて前に垂らしている姿も、彼女の上品さと可愛らしさを与えている要因なのだろう。

 

「そうじゃな、料理も酒も一流じゃの」

 

その横で、上品にワインを傾けるティオは、普段の黒い和装モドキと同じような黒いロングドレス姿だ。しかし、体のラインが出るようなタイプのドレスなので、凹凸の激しいボディラインが丸分かりであり、更に、背中と胸元が大きく開けているので、彼女の見事としか言いようのない美しい双丘が今にもこぼれ落ちそうなほどあらわになっている。会場の男性陣の視線が、動く度にいちいち大きく震える凶器に吸い寄せられ、パートナーの女性に嫌味を言われる姿が続出していた。

 

「……ん、美味しい」

 

美味しそうに目の前の食事を楽しんでいるユエは、光沢のある赤色のエンパイアドレス姿だ。肩口が露出しており、裾はフリルが何段も重ねられ大きく広がっている。髪はポニーテールにしていて上品な白い花を模した髪飾りで纏められていた。そして、いつもの外見の幼さと纏う妖艶な雰囲気のギャップからくるユエの魅力が何十倍にも引き立てられている。

 

三百年ぶりとはいえ、女王様だし、こういった美味しいものには慣れているかと思いきや、パーティー自体はよくあったものの、出される食事は正直美味しくなかったそうだ。曰く、長年の伝統やら各方面への気遣いやらで、どれも血のように真っ赤かつ鉄臭かったらしい。

 

そんなことをげんなりした表情で語るユエに、誠司達は思わず同情した。寧ろ、「たくさんお食べ」と言うかのように、料理を取り皿によそってあげる。

 

「うーん……なんか落ち着かないな……」

 

そして最後に、ハジメは肩口が完全に露出したタイプの白いスレンダーラインのドレスを着ている。女性陣の中で一番化けたのは、ハジメと言って良いだろう。ティオほどのボディラインはないが、それでも十分バランスは良く、チャイナドレスのように深いスリットが入った裾からは美脚がチラリと覗かせている。誠司も着飾ったハジメのドレス姿には、思わず見惚れてしまった程だ。

 

そんな訳で、着飾ったハジメ達は非常に魅力的なため、帝国貴族が群がるのも無理はないのである。もっとも、そんな彼らも、それとなく立ち塞がって対応する誠司と、彼女達から感じる無数の威圧感を前になすすべもなく、引き下がるしかなかった。

 

ちなみに、勇者パーティーの女性陣、香織、雫、鈴も十分に着飾っており、帝国の令嬢方に負けないくらい華やかだ。特に香織と雫は元が良いこともあって、彼女達目当てに話し掛けて来る者もいるが、雫が香織の分までばっさり対応しているため、光輝のように異性に群がられることはなかった。もっとも、香織がずっと雫にくっ付いているので、相手からそういう関係だと勘違いされているようだが。

 

なお、龍太郎は「うんめぇ」と連呼しながら料理を貪っており、鈴がしきりに、「ちょっと龍太郎くん! 恥ずかしいってば!」と諫めている。もっとも、止めながらも「あ、このケーキおいし」と、鈴も美味しそうに貪っているので似た者同士ではあった。

 

「それにしても、中西殿のお連れは本当にお美しい方ばかりですな」

「全くだ。この後のダンスでは是非一曲お相手願いたいものだ」

 

諦められない貴族達の言葉に、誠司は営業スマイルで返した。

 

「まぁ、機会が()()()()()()

 

『HQ、こちらデルタ。全ポイント爆破準備完了』

『HQ、こちらインディア。Mポイント制圧完了』

 

誠司の含みのある曖昧な返答に帝国貴族達が「ん?」と首を傾げる。

 

しかし、その意味を問う前に、会場の入り口がにわかに騒がしくなった。どうやら、主役であるリリアーナ姫とバイアス殿下のご登場らしい。文官風の男が大声で風情たっぷりに二人の登場を伝えた。

 

大迎に開けられた扉から現れたリリアーナの姿に、会場の人達が困惑と驚きの混じった声を上げる。

 

リリアーナは、全ての光を吸い込んでしまいそうな漆黒のドレスを着ていたからだ。

 

本来なら、リリアーナの容姿や歓迎、婚約祝いという趣旨を考えれば、もっと明るい色のドレスが相応しい。そもそも、今回のパーティーでリリアーナは桃色のドレスを着用すると通達があった。

 

こういったパーティーでは、主役の女性とドレスの色が被らないようにするのがマナーである。なので、主役の女性がどのようなドレスを着ていくのか、事前に通達がされているし、このパーティーでも()()を除いて桃色のドレスを着ている女性はいない。不幸にも、主役と色が被ってしまった黒いドレスの女性達は顔色を悪くしているが、急なドレス変更だったので、周囲からはそこまで冷めた目で見られてはいない。

 

登場したリリアーナは、如何にも「義務としてここにいます」と言わんばかりの澄まし顔を浮かべている。それもあって、リリアーナの漆黒のドレスは彼女が張った最後の防壁のようにも見えた。

 

パートナーのバイアスもまた、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべており、どう見てもこれから夫婦になる二人には見えない。

 

そのせいか、リリアーナが入場次第、睨みの一つでもくれてやろうと意気込んでいたバイアスの愛人達も、出端をへし折られたように、呆然としている。

 

会場は取り敢えず拍手で二人を迎え入れたものの、なんとも微妙な雰囲気になるが、二人は、そのまま壇上に上がった。

 

司会の男は、困惑を残しながらもパーティーを進行させていく。そして、今にも笑い出しそうなガハルドの挨拶が終わると、会場に音楽が流れ始めた。リリアーナ達の挨拶回りとダンスタイムだ。

 

微妙な雰囲気を払拭しようと流麗な音楽が会場に響き渡る。会場の中央では、それぞれ会場の花を連れた男達が思い思いに踊り始めた。リリアーナとバイアスも踊るが、主にリリアーナの表情や雰囲気が原因で、どうにも機械的だ。バイアスが強引に抱き寄せても、旋律似合わせて気が付けば微妙な距離が開いている。

 

そうこうしている内に一曲終わってしまい、リリアーナはさっさと挨拶回りに進んでしまった。イラついた表情で、しかし、挨拶回りは必要なので追随するバイアス。先程から首筋をしきりに気にしていた。

 

『HQ、こちらロメオ。Pポイント制圧完了』

『HQ、こちらタンゴ。Rポイント制圧完了』

『HQ、こちらホテル。帝城に侵入完了。該当人物は睡眠中』

 

「なんて言うか、リリィらしくないね。いつもなら内心を悟らせるような態度は取らないのに……」

 

ハウリアの報告を聞いていると、香織が特に笑顔もなく淡々と挨拶を交わすリリアーナを見てポツリと呟く。

 

「まぁ、無理もないがな」

「……ん?」

 

誠司の言葉にユエが首を傾げる。

 

「えっと、中西君、何か知ってるの?」

 

雫がリリアーナを心配そうに見つめた後に、誠司に視線を向ける。誠司は頬をポリポリと掻く。

 

「まぁ、イトマルから聞いただけなんだが……」

「……ポケモンと普通に会話出来ているのは置いといて、リリィに何かあったの?」

「イトマル曰く、皇太子に無理矢理交尾されそうになっていた王女殿下を助けたらしい」

「そう、リリィがこう……ナンデスッテ?」

「ちょっと、中西君!? 今なんて!?」

「うわぁ、この国の男ってそういうのしかいないの?」

 

誠司の言葉に、雫や香織が仰天し、ユエ達もギョッとした表情を浮かべていた。そして、ハジメはげんなりした表情を浮かべた。ダンスが始まってから、男連中がダンスの誘いで寄って来ていたが、どこからか漂ってくる物凄い威圧感によって追い払われており、周囲にはハジメ達や雫や香織しかいない。

 

光輝は、半ば強引に淑女達に連れ出されて慣れないダンスを必死に踊っており、龍太郎は未だにご馳走に夢中だ。鈴は、どこぞのダンディーなおっさんに連れ出されて「ほえ〜」とひたすら流されるままに踊っていた。

 

なので、リリアーナがバイアスからされたことは周囲には伝わっていなかったが、香織と雫が掴みかからんばかりの勢いで誠司に説明を求めるので、何事かと注目が集まり出している。そんな状況に、ハジメが溜息を吐くと、助け舟を出す形で誠司をダンスに誘った。

 

「ねぇ、誠司。折角だし、一曲踊らない?」

「あ、ちょっと、ハジメ! 中西君からの説明がまだ……」

「そ、そうだよ! 重大事だよ!」

「手遅れになる前にイトマルが助けたんでしょ? だったらそれで良いじゃない。それに……姫さんもこれからどうせ助かるだろうし」

 

ハジメの含みのある言葉に、香織と雫は何とも言えない顔になった。ハジメは改めて誠司をダンスに誘う。

 

「誠司、一曲踊ろうよ」

「俺、上手く踊れる自信がないんだが……」

「ある程度見てたから大丈夫。それに、こういうのは目一杯楽しまないと。人生楽しんだもん勝ち……でしょ?」

「そう……だな。よし! 楽しむとするか」

「そうこなくちゃ!」

 

そうしてハジメの手を取ると、誠司はダンスホールに歩みを進めた。それから曲に合わせてゆったりと踊る誠司とハジメ。先程まで、踊りを観察していたこともあって、ハジメのリードでそれなりに形になっている。誠司も、少し経つとコツを掴んだようでスムーズに動けるようになっていた。

 

「足踏んだらごめんな」

「気にしないで。お返しにしっかり踏み返すから」

「お〜、怖。気を付けないと」

 

そんな軽口を叩きながらも、二人とも楽しそうに踊っている。二人とも素人なので、よくよく見るとダンスには粗がある。だが、それでも堂々としているのと何より……心から楽しそうにしているため、そんな粗は目立たなかった。

 

どこかギスギスしていた空気に、楽士達も場を盛り上げることで必死になっていたのだが、誠司とハジメの雰囲気に気分が乗ってきたようで楽しげに演奏し始める。

 

今や、会場の主役は誠司とハジメであり、誰もが楽しそうに踊る二人に注目していた。そんな二人の様子を、リリアーナは微笑みながら見つめている。そこには、僅かばかりの羨望の色が含まれているようだった。

 

やがて演奏が終わり、二人に帝国貴族達から盛大な拍手が贈られる。彼らの瞳には、ただ純粋に称賛の気持ちが現れていた。帝国貴族の令嬢達も「ほぅ」と熱い溜息を吐いてうっとりしている。

 

贈られる拍手に優雅に礼を返した誠司とハジメが、仲間の下に戻る。ユエ達からもお褒めの言葉を貰っていると、そんな誠司に声を掛けて来る人物が現れた。

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