魔獣使いと錬成師が合わされば世界最強   作:マロニエ19号

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メルジーネ海底遺跡の設定を色々改変しました。先にお詫びいたします。


いざ、メルジーネ海底遺跡へ

エリセンに滞在して数日が経った。誠司達は街の観光も兼ねて次の大迷宮メルジーネ海底遺跡の場所を調査していた。

 

エリセンに滞在していて分かったことなのだが、この街はどうやらポケモンへの忌避感が他の場所より比較的薄いようだ。それというのも、エリセンの各地にはヤドンが生息しており、ヤドンの尻尾が名物として販売されている程である。ミュウが誠司達のポケモン達に忌避感を抱いていなかったのもそういった背景があったのだろう。そのため、街中でポケモンを出していても、特に問題は起こらずに済んだ。

 

ちなみに、ヤドンの尻尾はエリセン以外では流通していない。魔獣の肉を食べることへの忌避感もあるが、調理が複雑なのが主な理由だ。レミアから調理法を教わったシアも、調理の難しさに四苦八苦していた程だ。

 

 

そんなこんなで、大迷宮があると思われる場所を突き止め、攻略用のアーティファクトも完成したため、誠司達は遂に大迷宮攻略に乗り出すことが出来た。

 

しばしの別れにミュウは寂しそうにしていたが、レミアが優しく宥める。レミアに宥められたミュウは、元気一杯に誠司達を送り出してくれた。

 

 

 

エリセンから少し離れた場所に、一つの島がある。その島は普段は姿形が無いにも拘らず、満月の夜になると何故か姿を現すという謎の島だそうだ。そのような特異な性質を持っているものの、島には大した資源はなく、現在ではちょっとした観光名所でしかないらしい。エリセンの住民達からは、月影の島と呼ばれており、誠司達はその島に次の大迷宮の入口があると睨んでいた。ミレディからは、大体の座標と「月に関係した場所」というヒントを貰っており、それらが合致するのがこの月影の島だったからだ。

 

そういう訳で、誠司達は現在、そこそこ大きな船に乗って月影の島に向かっていた。運転手兼ガイドの男は、少し呆れた様子で言った。漫画に出てくる中国人キャラみたいな、どこか胡散臭さのある口調だ。

 

「それにしても、お客さん、ホント物好きね。あの島に行く人、殆どいないのに」

「まぁ、ちょっと探しているものがありましてね」

 

誠司が苦笑混じりにそう答えると、男はそれ以上追求することはなかった。街を出てからかれこれ数時間が経ち、それぞれ気長に船の上で過ごしている。既に日が沈み始めており、島が見えてくるのは時間の問題だろう。

 

その時、シアがあっと声を上げる。シアに釣られて、視線を向けると、そこには先程まで無かったはずの島の姿があった。

 

「さっきまで見かけなかったのに……」

「ガイドさん、もしかしてあれが……」

 

シアが尋ねると、ガイドの男は頷いた。

 

「その通り。あれが月影の島ね。一つ言っとくけど、あの島、満月が出てる間しか姿見せない。だから、朝までに島を出ないと一生島から出れなくなるので、注意必要」

 

ガイドの男の言葉に頷く誠司達。その話は、出発前の下調べの段階で知っていたので誠司達に驚きはない。タイムリミットは数時間といったところだ。最低限、それまでに大迷宮の入口を見つけられれば御の字だろう。そう決意した誠司達は、順番に船を降りて島に上陸していく。

 

 

少し島を歩くと、誠司達は高さ二メートル程の石板を見つけた。石板には何か紋章のようなものが刻まれている。どこか今までの大迷宮攻略の証に刻まれた紋章に近いものを感じる。そんなことを思った瞬間、地面が眩く輝き始めた。

 

「なっ!?」

「これは……!?」

「落ち着くのじゃ、これは……転移魔法か……!?」

 

 

ティオが皆を諌めようと声を上げた時には、既に誠司達は別の場所に転移した後だった。転移先は暗い洞窟のような場所で、大きな半球状の空間となっている。頭上を見上げれば大きな穴があってどういう原理なのか水面がたゆたっている。誠司が目を擦りながら、呟いた。

 

「ここは……一体……?」

「どうやら、ここからが本番みたいだね。見たところ海底遺跡というより、海底洞窟って感じだけど」

「ん……全部水中じゃなくて良かった」

 

どうやら、あの月影の島そのものが大迷宮の入口だったようだ。おそらく、島に攻略者が足を踏み入れると、有無を言わせずに大迷宮に転移する仕掛けが施されていたのだろう。つまり、他の大迷宮を攻略していなければ、この大迷宮に挑むことすら出来ないという訳だ。

 

何はともあれ、大迷宮攻略開始だ。誠司達は気を引き締めると、洞窟の奥に見える通路に歩みを進める。

 

通路は先程の部屋よりも低くなっており、足元には膝くらいまで海水で満たされていた。また、周囲の壁も先程までの岩壁ではなく、水で出来た壁となっている。さながら、水族館で見られるトンネル型水槽のようだ。

 

興味を惹かれたらしいシアが思わず水の壁に触ろうとするが、ハジメが止める。ここが水深何メートルなのかは分からないが、少なくとも海の底にあるのは間違いない。下手に水の壁に手を突っ込んだりして、手が水圧で潰れる可能性がある。ハジメがそう指摘すると、シアは水の壁と同じくらいに顔を青くさせて、手を引っ込める。

 

その時、魔獣図鑑の技能に反応が起こった。誠司が反応のあった方角に視線を向けると、そこにはダーツの形をした魚のようなポケモン、サシカマスと、その進化系のカマスジョーの大群がこちらに猛スピードで向かってくるのが見えた。

 

「ヤバい! 全員走れ!」

 

誠司が血相変えて怒鳴り、全員急いで通路を走る。ただでさえ、足場が海水で満たされていて歩きづらいのだが、なんとか通路の出口に飛び込んだ。そして、それとほぼ同時に第一陣のカマスジョー達が勢いよく、水の壁から飛び出し、向かい側の水の壁に突っ込んで何事もなかったかのように泳ぎ進んで行く。第一陣が来ると、第二陣、第三陣と次々とサシカマスとカマスジョーの群れが水の壁を突き抜けて行く。あのまま残っていれば、間違いなく誠司達は串刺しになっていただろう。

 

「はぁ、はぁ…… 皆、無事か?」

「な、なんとか……」

「……危なかった」

「な、何だったんですか、あのポケモンは?」

「あれは確か……サシカマスとカマスジョーじゃな。動くものに反応して猛スピードで突っ込んでくる性質があったはずじゃ。誠司が気づかなかったら、妾達は今頃、あいつらに串刺しにされていたじゃろうな」

「「「「うわぁ……」」」」

 

ティオ以外の四人が思わずゾッとしたような声を漏らしたその時、突如、魔獣図鑑の技能に複数の反応が出た。周囲を振り返ると、水色や薄ピンク色のクラゲのようなポケモン達が十五体程姿を現す。プルリルだ。ゴースト属性を持つポケモンのため、気配にすぐに気づけなかったのだ。しかも、入口が塞がれてしまい、ここから出ることも叶わない。プルリル達は誠司達に向かって一斉に“シャドーボール”を作り始めた。

 

ハジメやユエがポケモンを出すより早く、誠司はエレザードとマシェードを繰り出し、指示を飛ばす。

 

「エレザード、最大パワーで“パラボラチャージ”! マシェードは“まもる”で俺達を守ってくれ!」

「マシェ!」

「エーーーザーーーアアアァァァ!!」

 

マシェードが素早くバリアを作って誠司達を守り、エレザードは襟巻を広げて周囲に電撃を放つ。マシェードの“まもる”のおかげで誠司達にはダメージがない。

 

『プルッ!?』

 

効果抜群の広範囲攻撃に、プルリル達はなす術もなく倒れていくが、そのうち一体のプルリルの体が鈍く輝いた。それを見て、プルリルが使った()に気づいた誠司が慌ててエレザードを止めようとしたが遅かった。その前にエレザードの体も鈍い光に包まれてしまい、気絶してしまったのだ。

 

「……あのプルリル、“みちづれ”が使えたのか。俺の判断ミスだ。すまない、エレザード」

 

誠司は詫びながら、エレザードをモンスターボールに戻す。プルリル達を一掃することには成功したものの、エレザードが戦闘不能に追い込まれてしまった。この場で回復させてやりたかったが、新たに近づいてくる気配を感じて、一旦モンスターボールに入っててもらうことにしたのだ。

 

「ブールン!」

 

今度はプルリルの進化系であるブルンゲルがどこからともなく姿を現した。しかも、通常のブルンゲルの倍以上の大きさだ。おそらく……というより間違いなく、この洞窟の主であり、先程のプルリル達のリーダーなのだろう。水色の大きなクラゲポケモンは、倒れている部下(プルリル)達を見て怒りの表情を浮かべている。

 

そして、ブルンゲルは怒りのまま、“ハイドロポンプ”や“シャドーボール”、“ヘドロばくだん”を無差別に乱射し始めた。ハジメ達もポケモン達を繰り出して応戦するが、なかなか埒が開かない。

 

そこで、ハジメは一時撤退を決断した。あのブルンゲルはプルリル達のリーダーなだけあって、かなりの強さだ。このまま戦っていても味方側の被害が増えるだけである。しかも、先程のプルリル同様、“みちづれ”を覚えている可能性も高い。それを使われてしまったら、また一体戦闘不能に追い込まれる。そして、まだ大迷宮攻略は始まったばかりなので、あのブルンゲルが最終ボスとも考え辛く、他に最終ボスがいると考えた方が良い。

 

これらの要素から、ここは無理に戦闘を長引かせるより、さっさと離脱した方が得策だと判断したのだ。

 

ハジメは周囲を必死に見渡すと、地面にある亀裂から渦巻きが発生しているのを発見した。おそらくそこから脱出が可能なはずだ。

 

「皆、ここは一度、態勢を立て直そう。地面の下に空間がある。どこに繋がってるか分からないから覚悟を決めて!」

「んっ」

「はいですぅ」

「承知じゃ」

「わ、分かった!」

「僕が錬成で穴を空けるから、皆はブルンゲルを引きつけて!」

 

全員の返事を受け取り(誠司はカナヅチなため、若干顔色が悪くなっていた)、ハジメは亀裂に向かって錬成を行い、亀裂を押し広げていく。

 

ハジメは、水中に潜り、ポーチから長さ十五センチ直径三センチ程の円筒を取り出した。中程にシュノーケルのマウスピース部分のような突起がついている。これは、小型の酸素ボンベだ。生成魔法で空間魔法を付与した鉱石で出来ており、中には宝物庫と同じく空間が広がっていて、空気が入れてあるが三十分程度しか持たない。

 

タイムリミットを頭の片隅に、ハジメは水中で錬成を繰り返していき、やがて地面が反応しなくなると、ブイゼルを出して“あなをほる”を指示する。電気属性のポケモン対策に覚えさせた技がまさかこの場面で役立つことになるとは、世の中分からないものである。

 

しばらくすると、穴が無事に開通したらしく、途轍もない勢いで水が流れ込んでいった。腰元まで上がってきていた海水が、いきなり勢いよく流れ始めたので、ハジメ達も足をさらわれて穴へと流されていく。流される直前、最後に誠司はマシェードに“みがわり”を指示して偽物を作らせると、それを勢いよく遠くへぶん投げてブルンゲルの注意を逸らした。その隙にマシェードを急いで戻して代わりに出したラグラージの背中に乗り込み、地下の空間に流されて行った。




【おまけ】IF 誠司達がホグワーツに入学したらどの寮に組み分けされるか

誠司→レイブンクロー
ハジメ→レイブンクロー(スリザリンと迷う)
ユエ→レイブンクロー
シア→ハッフルパフ
ティオ→レイブンクロー

勇者パーティ→全員グリフィンドール(約1名スリザリンに行きそうになるが、何とかグリフィンドールに決まる)

愛ちゃん護衛隊→グリフィンドールやハッフルパフばかり。1名スリザリン。
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