陰鬱系魔法少女モノに、子供向けキラキラ魔法少女が落ちてきた話。   作:ヒオルカ

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第十話

 

 

轟音が鳴り止む。

 

 

 

「あ...」

 

 

 

私から湧き出た膨大な魔力は...

 

 

 

彼女の強化されたシールドを全て削り切ったところで、急速に収束する。

 

 

そして彼女の体には一切ダメージを与えることはなかった。

 

 

 

 

「ッ....冗談じゃない...!あたしのブレスレット全部持っていくなんて!」

 

狙いが定まらない。

撃ってはいけないという心が、私の魔力を完全に制御する。

 

 

 

「あれだけ数があったっていうのに...あんたはどんだけ貯め込んでたのよぉ。先にあんたを気絶させて持って帰ればよかったわぁ...」

 

 

 

撃てない。

 

やらなきゃサキちゃんがやられる。

さっき隠した子供も。

 

残った魔法少女だって、もしかしたら。

 

 

 

 

 

それでも私の心は、彼女を人だと言っている。

 

どれだけ酷いことをしていても、災禍に人生を狂わされた少女の中の一人。

 

 

 

 

「はぁ...流石にもう使い果たしたみたいね。ブレスレット五本分の落とし前もあるし...ここで死んじゃいな!」

 

彼女が指先をこちらへ向ける。

 

 

「っ...!ダイヤモンドベール...!」

 

 

再構築したベールを展開したけど、なんだか不安定な力しか出ない。

 

ポリッシュリングのヒビのせいだろうか、魔力が十分に行き渡らない。

 

「...っやあ!」

 

「あぅっ...!」

 

またしてもベールは粉々に砕け散ってしまう。

 

 

 

その衝撃でコスチュームは元に戻り、体を包み込む魔力が消え去る。

足の力が抜けて、うまく立っていられない。

 

 

 

「終わりよ!」

 

彼女は容赦なく斬撃を私に向かって走らせた。

当たれば...きっと私はもう目覚めることのなくなるであろう一撃を。

 

 

 

 

「駄目ルビーっ!」

 

 

ポシェットからルビリンが飛び出してきて、迫り来るそれを受け止めた...!

 

 

 

 

「...!ルビリンッ!」

 

負傷したルビリンは力なくゆらゆらと地面へ落下する。

 

「ルビリンッ!どうして...!」

 

「る、ルビ...」

 

 

ルビリンは苦しそうに息をしている...

 

 

「ルビリン...!ぅう...!」

 

「類は友を呼ぶってやつぅ?どいつもこいつも、お優しいことでねぇ。」

 

彼女は何度目かの攻撃を、もう一度繰り出そうとする。

 

「じゃあね.........っ!?」

 

 

 

 

彼女は瞬時にその場から飛び退いた。

 

その刹那、彼女が立っていた場所に魔力のこもった三本の矢が突き刺さる。

 

 

 

 

「おいおい、もう朝だってのに妙な魔力を感じると思ったら...クソ魔女さんがいるじゃねぇか!」

 

「...チッ。」

 

 

 

どうにか声の出どころに向かって振り向くと、そこにはジュリとコトノが、結界を破って乗り込んでいた...!

 

 

 

「ジュリ...ちゃん...!コトノちゃん...!」

 

結界のせいで気が付かなかったけど、空には既に日が昇っていたようで、辺りが一気に明るくなる。

 

 

 

「あーもう、邪魔ばっかり!...引くよラクネ!」

 

「わーったヨ!」

 

「逃がすか...!」

 

 

元々逃走用に張っていた糸があるのだろうか、魔女の体は急速に引っ張られ、この戦線から離脱しようとする。

 

「おっと!これくらいのお土産がなきゃ骨折り損だもんねぇ?」

 

その途中で、倒れ伏したサキちゃんとルビリンを掴んで連れ去ろうとする。

 

「サキ...!ルビリン...!ぐっ...返セ!」

 

「待ちやがれ!」

 

ジュリちゃんは一瞬だけ脚力を強化して、魔女に肉薄する。

 

「オラァッ!」

 

その勢いのままハルバードを...

 

「危ないねぇ!」

 

 

 

その瞬間、魔女は動かないサキちゃんを糸で操ってハルバードの軌道上に置いた。

 

 

 

「ッ...!?クソッ!」

 

ジュリちゃんはどうにか刃先を逸らし、そのまま体勢を崩して失速した。

 

 

「それじゃあね、お人好しのお馬鹿さん達〜。」

 

 

 

 

そうして...長い夜明けは、邪悪な魔女が行方をくらますことで幕を下ろした。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「...酷い有様だな?」

 

ジュリちゃんに抱き起こされる。

 

「あ...あっちに、倒れてる子供がいるから...お願い...!」

 

 

「...分かったわ。まったく、少しは自分の心配したらどうなの?」

 

コトノちゃんがあの子を抱き抱えているのが見える。とりあえずこれであの子は安全だろう。

 

 

「クロ...!あんた無茶しすぎなんじゃないノ...?」

 

「あんまり動いちゃ駄目だワ!」

 

「うるせェ...!サキ...ちくしょウ...」

 

 

私とクロは回復魔法をかけてもらい、どうにか動けるくらいになる。

 

 

「二人とも...来てくれてありがとう...」

 

「勘違いすんな、目障りな魔女を叩き潰せるチャンスだと思っただけだ。逃げられちまったが...」

 

 

私は彼女との長い戦いを、二人に話した。

 

 

 

 

 

 

「ブレスレットを五本...ガキを餌に...チッ、性根の腐り切ってるようで尊敬するぜ。」

 

「あの魔女は陰湿な罠と躊躇のない搦手で、多くの魔法少女を消してきたと聞いているけど...何の誇張もなさそうね。」

 

 

二人は考え込む。

 

 

「とにかくサキを助けにいかねぇト...!」

 

「...無理だろ、あの魔女は痕跡を残さない。そう簡単にいる場所がわかればもうボコられてるはずだぜ。」

 

 

 

 

魔女がいる場所...

 

その時、ポリッシュリングを通して...よく知る気配を感じ取ることができた。

 

 

 

 

「...?何をしているの?」

 

 

 

目を閉じて感じる...慣れ親しんだあの魔力を。

 

 

 

 

「......!向こう!あっちにルビリンがいる!」

 

「はぁ...?なあコトノ、自分の妖精の位置とか分かるか?」

 

「いや、さっぱりよ...」

 

 

確実にいる。

私の大切な友達がそこに。

 

「...きらりとルビリンは、変身する時にほとんど完全にシンクロしてるかラ、そのおかげだナ...!」

 

「これで...助けに行ける...うぅ...!」

 

「ちょっと...!そんな体で敵の本拠地に攻め込んでどうすんのよ!」

 

「...けどよ、せっかく奴のブレスレットを五本消し飛ばしてやったんだ。あんまり時間かけると...サキは消えるしアイツは補充を終えちまう。」

 

 

疲れで頭が働かないけれど...動けるならば、行かなくちゃいけない。

この世界とあの世界での親友を失うなんて、私には耐えられないから。

 

「おい...!はぁ、しょうがねぇ。アタシ達でどうにか...」

 

 

「私が行こう。」

 

 

 

 

私たちのすぐそばに、一人の少女が降り立つ。

その彼女は西洋剣を背中にしまいながら、こちらに手を差し出した。

 

 

「カナタ...!」

 

 

「協力させてほしい。今まで尻尾を見せなかった魔女を倒す、千載一遇のチャンスだ。」

 

 

そう言って彼女は、頼もしい微笑みと共に、私に肩を貸してくれたのだった。

 

 




タ◯シード仮面枠とか出......

やっぱやめとこう。
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