オリ主×女性キャラの短編集   作:オリ主とくっ付けるの大好きおじさん

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作品名:閃の軌跡

ヒロインキャラ:アルティナ=オライオン


黒兎の初恋

トールズ士官学院第2分校

 

そこにある寮の一室。

 

その部屋の主であるシオンは目を覚ます。

 

「朝か……起きたくない……」

 

そう呟き、布団を被って二度寝をしようとする。

 

その時、布団の中に、誰かが侵入しているのに気づく。

 

同室のクルトが寝ぼけて入って来るのはあり得ないし、今の時間ならクルトは早朝の鍛錬に行ってるはずだ。

 

なら、誰が布団の中に居るのか。

 

シオンは勢いよく布団をめくる。

 

そこには、丸まる様に体を小さくして寝ているアルティナが居た。

 

「なぁ!?」

 

予想外の人物の登場に驚きの声を上げるシオン。

 

だが、そんな声にも反応せず、アルティナはすやすやと気持ちよさそうに眠っている。

 

何故こんなところに彼女が居るのか、シオンには理解できなかった。。

 

しかし、このままというわけにはいかない。

 

シオンは意を決して彼女を起こそうとする。

 

「おーい、起きろ!」

 

そう言ってアルティナの肩に手を掛けながら、揺する。。

 

すると、アルティナがゆっくりと起き上がる。

 

「ん……」

 

まだ眠気が取れていない様子で、そのまま立ち上がり、部屋を出て行く。

 

「え?なんなの?」

 

おはようも言わず、無言で部屋を出て行くアルティナにシオンは困惑を隠せなかった。

 

「まあ、いいか……。とりあえず着替えるか」

 

結局何だったんだろうと思いながら、シオンは制服に袖を通した。

 

その後も、色々やることをやり、食堂に向かうと、既に多くの生徒が席についていた。

 

いつもより少し遅い時間に来てしまったためだろう。

 

そんな中、ある人物が声を掛けて来た。

 

「シオン、おはよう」

 

声を掛けたのはシオンが所属する特科クラスⅦ組の担任、リィンだ。

 

「おはようございます、リィン教官」

 

挨拶を交わした後、シオンは席に座り、その隣にリィンも座る。

 

食べ進めていく中、シオンはある事に気付いた。

 

それは、アルティナの姿が無いと言うことだ。

 

自分よりは先に食堂に来ていると思っていたシオンは、アルティナが居ないことを不思議に思う。

 

すると、隣のリィンから声をかけられた。

 

「どうした、何か考え込んでいるようだけど」

 

「ああ、実は……」

 

そう言いかけた時、「失礼します」と言いながらアルティナがやって来た。

 

そして、自分の分の食事を貰うと、アルティナはそのまますぐに別の席へと行ってしまった。

 

「……やっぱり、おかしいよな」

 

アルティナの行動を見て、シオンは今朝の事をリィンに相談する。

 

「確かに、ちょっと変かもな」

 

「ですよね。起きたらいきなり布団の中にいて、その後何も言わずに出て行きましたし」

 

「そうか……。でもどうしてそんなことをしてたんだろう」

 

「わかりません。そもそも何であんな所に潜り込んでいたのかさえ分からないんです」

 

「よし!ここは本人に直接聞いてみよう」

 

悩んだ結果、リィンは直接聞く事を提案した。

 

シオンもそれに同意し、早速アルティナに声をかけに行くことにした。

 

「アルティナ、ちょっと良いか?」

 

「はい、大丈夫ですけど……」

 

シオンはアルティナを連れて、人通りの少ない場所へ移動する。

 

「それで、一体私に何の用ですか?」

 

「ああ、実は……」

 

そう言って、シオンは先程の事を説明する。

 

すると、話を聞き終えた後、アルティナは口を開く。

 

「そうですね……よくわかりません」

 

「え?」

 

「理由が分からないんです。昨日は夜遅くまでユウナさんとお話をしていて、その後自分のベッドで寝たのは憶えてます。でも、今朝起きたらシオンさんの部屋に居て、シオンさんと一緒のベッドで寝ていた………どうしてでしょう?」

 

「いや、俺に聞かれても……」

 

逆にこっちが聞きたいくらいだとシオンは思った。

 

「あの、シオンさんは私が何故シオンさんの部屋に居たのか知っていますか?」

 

「いや、それは知らないんだけど……。本当に心当たりは無いのか?」

 

「はい、全くありません。それに、シオンさんと一緒に寝ていたという事は、私は無意識のうちにシオンさんのところへ行ったという事になると思うのですが、その理由もよく分かりません」

 

「そうなのか。なら、もう1度考えてみるしかないかな。でも、それって結構難しいよな。だって、俺は別にアルティナに好かれるようなことした覚えないし」

 

「………それ、本気で言ってますか?」

 

アルティナはジト目をして、シオンに言う。

 

「あ、ああ、そりゃクラスメイトでそれなりに親しいとは思うけど、これと言ってアルティナに何かした覚えはないぞ」

 

「ふぅーん、そうですか……」

 

どこか棘のある言い方をするアルティナにシオンは困惑していた。

 

そんな2人のやり取りを、少し離れた場所でリィンは見ていた。

 

(なるほど、そういう事だったのか。どうりで最近アルティナの様子がおかしかったわけだ)

 

アルティナがおかしくなった原因に、リィンは思い当たる節があった。

 

(アルティナはシオンの事が好きになったんだな)

 

アルティナがシオンに対して好意を寄せているのを、リィンは知っていた。

 

しかし、その気持ちを彼女自身が自覚していないことも知っているため、特にアドバイスをしたりはしなかった。

 

だが、今回アルティナがシオンの所に行ったのを見て、彼女がシオンを好きになっている事に確信を持ったのだ。

 

(まあ、相手がシオンじゃ仕方がないな)

 

アルティナの相手として、シオンは申し分ないと思っている。

 

だが、彼はあまり異性に慣れていない。

 

そのせいもあってか、今まで女子から告白された経験も無いようだ。

 

しかし、それでもリィンにとって、大切な教え子であり、大事な友人でもある。

 

(とりあえず、アルティナの恋を応援しないとな)

 

そう決意しながら、リィンはその場を後にした。

 

その日の放課後、リィンからアルティナに話しかける。

 

「アルティナ、ちょっといいか」

 

「あ、はい。構いませんが……」

 

「そうか。なら、ちょっと来てくれないか」

 

「は、はぁ……」

 

リィンに連れられて、アルティナは教室を後にした。

 

そして着いた場所は、屋上だった。

 

「ここに来たのは、シオンとの事で話がしたいと思ってさ」

 

「は、はあ……。シオンさんとのことですか?」

 

「ああ。単刀直入に聞くけど、アルティナはシオンのこと好きなんだろ?」

 

「え!?」

 

リィンの言葉に、アルティナは驚く。

 

「そ、それはどういう意味でしょうか」

 

「そのままの意味だよ。アルティナはシオンの事が好きだろ?」

 

「なっ!どうしてそれを!」

 

「やっぱりそうなんだな」

 

リィンの言葉を聞いて、アルティナは自分の顔が熱くなるのを感じた。

 

「ど、どうして分かったんですか?誰にも言ったつもりは無かったんですが」

 

「う~ん、前からなんとなくそんな気がしたんだよ。まぁ、今朝のシオンの部屋への侵入事件を聞いて考えは確信になったかな」

 

リィンの発言に、アルティナの顔はさらに赤くなった。

 

「わ、私、そんなに露骨でしたか?」

 

「まあ、そうだな。シオンの方は気づいてなさそうだけど」

 

「ええ、そうですね。シオンさんは私の行動の意味を理解していないようでしたので」

 

「やっぱりそうか……。でも、どうしてそんな事を?」

 

「実は……ミュゼさんから、シオンさんはリィン教官に似て鈍感だから、ぬるい方法じゃ意識はしてくれないと言われて、それで思い切って添い寝を……」

 

そう言って、アルティナは自分がどうしてそんな行動をしてしまったのかを説明した。

 

「そうか……。でも、どうしてシオンなんだ?他にも男子は居るだろ」

 

「確かにそうかもしれませんが、でもシオンさんが一緒に居て安心できるんです」

 

「なるほど」

 

「でも、どうしてリィン教官は私がシオンさんに好意を持っているとわかったんですか?」

 

「う~ん、まあ、あれだな」

 

「?」

 

「アルティナがシオンを見る目が恋する乙女の目をしていたからだな」

 

「ッ!!」

 

リィンに指摘され、アルティナは顔を真っ赤にする。

 

「そ、そんなに分かりやすかったですか?」

 

「ああ、かなり」

 

「そうでしたか……」

 

アルティナは恥ずかしくなり、その場にしゃがみ込んでしまった。

 

「でも、アルティナがシオンを好きになる理由は分かるよ」

 

「本当ですか」

 

「ああ。シオンは誰にでも優しくて、気配りが出来る奴だからな。きっとあいつの良さがわかる人が沢山いるはずだよ」

 

「そうですよね。私もそう思っています」

 

「うん、なら大丈夫だ。アルティナならシオンと上手くやっていけるよ」

 

「はい。ありがとうございます」

 

「それと、シオンにはこの事を伝えなくていいのか?」

 

「いえ、まだいいです。もう少し自分の中で整理してから伝えたいと思います」

 

「そうか。なら、その時が来たら教えてくれ」

 

「はい、わかりました」

 

こうして、アルティナとリィンはシオンについての話を終え、屋上から出て行った。

 

それから数日後、アルティナはシオンを呼び出した。

 

「シオンさん、少しお時間よろしいでしょうか」

 

「構わないけど、どうかしたのか?」

 

「ここではちょっと……。場所を変えましょう」

 

アルティナはシオンを連れて、人気のない場所へ移動する。

 

「それで、何の話なんだ?」

 

「実は……私、貴方のことが好きなんです」

 

「……は?」

 

アルティナからの突然の告白に、シオンは戸惑った。

 

「えっと……それはライクではなくラブのほうで?」

 

「はい」

 

「マジで?」

 

「はい」

 

「う~ん……」

 

まさかアルティナが自分の事を好きになっていたとは思わず、シオンは頭を悩ませる。

 

すると、アルティナが口を開いた。

 

「やはり、迷惑でしたか?」

 

「いや、そんなことはないけど……。でもどうして俺なんかを?」

 

「どうしてって……。シオンさんはとても優しい方じゃないですか」

 

「え?」

 

予想外の言葉に、シオンは驚きを隠せなかった。

 

「私はずっと前からシオンさんを見ていました。他の生徒の面倒見が良く、困っている人がいたらすぐに助けに行く優しさがあるところを。そんなシオンさんの姿に惹かれたんです」

 

「そうか……」

 

「それに、シオンさんはいつも笑顔を絶やさない素敵な男性です。ですから、私はシオンさんが好きです」

 

「……」

 

アルティナの想いを聞き、シオンは何も言えなかった。

 

彼女の真剣な眼差しから、嘘ではない事がよく分かったからだ。

 

「すみません。いきなりこんなことを言われても、困惑するだけですね」

 

「あ、ああ……」

 

「では、私はこれで失礼します。これからは良き友人としてよろしくお願いします」

 

そう言って、アルティナはその場を去って行った。

 

残されたシオンは、しばらくの間その場を動くことが出来なかった。

 

その後、シオンは寮に戻り、ベッドの上に寝転がっていた。

 

(どうすれば良いんだろう)

 

アルティナの事は嫌いではないし、むしろ好意的に思っている。

 

ただ、その気持ちが恋愛感情なのかと言われれば、はっきりと答えられない。

 

(でも、アルティナのことは友達としても好きだ)

 

シオンにとって、アルティナは大切な友人である。

 

だが、それが恋心に変わるのかと言われると分からない。

 

(どうしよう……。こういう時、どうしたら良いんだ?)

 

シオンは悩んだが、結局その日は結論を出すことは出来なかった。

 

その日の夜、シオンは眠れずにいた。

 

今日あった出来事を考えている内に、どんどん不安が募っていく。

 

(アルティナは俺のどこが好きになったんだろう)

 

アルティナが自分を好きになった理由が分からない。

 

アルティナはああ言ってくれたが、自分に人を惹きつけるような魅力は無いと思っている。

 

なので、アルティナがどうして自分の事を好きになってくれたのか分からなかった。

 

(俺はアルティナのことをどう想ってるんだ?俺はアルティナの事が好きなのか?それとも友人としてなのか?俺はアルティナに恋をしているのか?ただの友人としてなのか?俺はアルティナの事を女として見ているのか?それとも男として見ているのか?)

 

頭の中では色々な考えが浮かんでくる。

 

だが、どれもハッキリとした答えが出せず、シオンは悶々と考え続けた。

 

(明日になったら、アルティナに返事をしないとな)

 

このまま何も言わないで放置しておくのは良くないと思ったシオンは、次の日の朝にアルティナへ返事をする事にした。

 

しかし、その翌朝にアルティナが教室に来なかったため、シオンは心配になり、アルティナを探しに行った。

 

そして、彼女が屋上で泣いているのを見つけた。

 

「アルティナ、どうしたんだ!?」

 

慌てて駆け寄ると、アルティナはこちらに気づいた。

 

その瞳からは大粒の涙が流れていた。

 

「シオン……さん」

 

「一体何があったんだ?何か辛いことがあったのか?」

 

「……」

 

アルティナはしばらく黙っていたが、やがてゆっくりと語り始めた。

 

「私、昨日の事で凄く後悔しているんです」

 

「後悔?」

 

「はい。あの後、一晩中考えたんです。もし私が告白しなければあんなことにはならなかったんじゃないか、と」

 

「……」

 

「でももう遅いんですよね。だって、私はもう振られているんですから」

 

「え?」

 

「ごめんなさい。私、シオンさんのことが大好きでした」

 

アルティナは泣きながら笑みを浮かべていた。

 

その姿を見たシオンは、胸が締め付けられるような感覚を覚えた。

 

「アルティナ……」

 

シオンは無意識の内にアルティナを抱き寄せ、抱きしめた。

 

「シオンさん!?」

 

突然の出来事に、アルティナは驚く。

 

「アルティナ、聞いてくれ………好きだ」

 

「え?」

 

シオンの言葉に、アルティナは呆然としていた。

 

「ど、どういうことですか?」

 

「そのままの意味だよ。俺はアルティナの事が好きだ」

 

「ほ、本当にですか?」

 

「ああ。俺はアルティナのことが好きなんだ」

 

「そうですか……」

 

シオンの言葉を聞いたアルティナは、嬉しさで涙を流していた。

 

「良かった……。私、嫌われてしまったかと思っていました」

 

「そんなわけ無いだろ。俺はアルティナのことを大切に思ってるよ」

 

「嬉しいです。私もシオンさんの事が好きです」

 

アルティナの言葉に、シオンはホッと安堵した。

 

「でも、どうして私の事を?」

 

「う~ん……。まあ、きっかけは些細なことだったんだけどな」

 

シオンはアルティナと初めて出会った時の事を思い出し、懐かしむように語る。

 

「俺とリィン教官が初めて会った時に、アルティナは俺の事を助けてくれただろう?」

 

「あ、はい。そうですね」

 

「あそこでアルティナが声をかけてきてくれなければ、今頃どうなっていたか分からない。だから、その時に感謝してるんだよ」

 

「そうだったんですか……」

 

「まあ、それだけじゃなくてさ。アルティナと一緒に居ると落ち着くというか……。とにかく、一緒に居ると楽しいんだ」

 

「ふふっ」

 

「ん?どうかしたか?」

 

急に笑い出したアルティナを見て、シオンは首を傾げる。

 

「いえ、シオンさんらしいなと思いまして」

 

「そ、そうか?」

 

「はい。シオンさんは優しくて素敵な人ですよ」

 

アルティナに褒められ、シオンは照れくさくなった。

 

「そっか。なら、お互い両思いだな」

 

「そうですね。これからは恋人同士ということでよろしくお願いします」

 

「ああ、そうだな」

 

互いの想いが通じ合い、恋人になるとアルティナはシオンにとあるお願いをした。

 

「シオンさん、私にキスをしてもらえませんか?」

 

「え?」

 

唐突なお願いに、シオンは戸惑った。

 

「どうしてそんなことを?」

 

「シオンさんと恋人になれたんです。その証が欲しいんです………ダメですか?」

 

上目遣いで見つめてくるアルティナに対し、シオンはドキドキした。

 

(これは反則だろ……)

 

普段はクールな印象を受けるアルティナが、こんな可愛らしくおねだりをしてくるとは思わず、シオンはドキッとした。

 

「分かったよ」

 

シオンはアルティナの肩に手を置き、顔を近づけていく。

 

アルティナは目を閉じ、唇を差し出す。

 

(緊張するなぁ……。でも、アルティナが相手だから大丈夫かな)

 

シオンは覚悟を決め、アルティナの唇を奪った。

 

アルティナの柔らかな感触を感じつつ、シオンは舌を絡めていった。

 

「んぅ……ちゅぱ……レロ……ぷはあっ!」

 

10秒ほど口づけした後、二人は口を離した。

 

「どうだった?」

 

「はい……。とても幸せです」

 

アルティナは頬を赤く染め、満足そうな表情をしていた。

 

「今度は私からします」

 

「え?」

 

アルティナはシオンを押し倒し、その上に跨った。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ」

 

まさかアルティナの方から来るとは思わず、シオンは慌てる。

 

「嫌です。ずっと待ち続けてました、もう待ちたくありません」

 

「うわっ!!」

 

シオンが止める前に、アルティナはシオンの服を脱がしていった。

 

「シオンさん、好きです」

 

アルティナは、もう歯止めが利かなくなっていた。

 

我慢に我慢を重ね続け、ようやく恋人になれたことでその我慢してきた物を一気に解放した。

 

「はぁ………アルティナ、愛してる」

 

シオンも諦め気味にアルティナを受け入れ、互いに求め合った。

 

その後、二人の関係は今まで以上に親密なものとなった。

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