正義のヒーローヘヴンホワイティネス   作:アトラクション

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こんにちは、アトラクションです!

今回から急遽入れる事になった一周年記念特別編が始まります。

バトルバトルしててもアレなので、また一風違った感じの章になっています。
全4話予定。

今回はお話スタート編!それではどうぞ!


温泉旅行編
97・神宮温泉街旅行


 「くふふ、おきて〜くふふ、ギンジ君〜

 

 こうやって寝起きに襲撃されるのはいつ頃だろうか。

 

 俺はミヤコが連れさらわれてからと言うモノの、ずっと魔法界のベッドでの寝起きに違和感を感じていはいた。

 

 いや、とは言うモノの・・・ミヤコが俺たちの捕虜になる前は、カエデに叩き起こされたり、ミドリコが発砲したり(してなかったかも)だったが、唯一優しく、そして強引に起こしてくれるのはいつもミヤコだけだった・・・。ああ、ミヤコ、俺の大好きなミヤコ、君はどうしてミヤコなの?」

 「あのー、一人で変な事しないでくれます?」

 

 場所は神宮亭。俺は佐久間ギンジ、今の時刻はちょうど朝の10時を回る頃。

 

 ミヤコの救出、奪還。それに成功した俺たちは昨日の大宴会もまぁまぁ楽しんだ後に、適当に片付けもせずにカエデとカエデパパが用意してくれた、豪華な寝室に一人ひとり案内された。

 

 はずなのだが・・・。

 

 「くふふ、おはようギンジ君」

 「お、おう・・・」

 

 俺の案内された部屋は、いかにも金持ちお嬢様って言うと言い方がとてつもなく悪いけど、よく見る荘厳な部屋だった。

 

 一人で案内されたはずなのに、気がついたらこいつは俺の部屋に入り込んで、いつもの有り様を見せてくる。この事じたいは別にもう構わないけどさ、そうやって俺の身体に乗っかるのもうやめない?

 

 さて部屋なのだが、先ずはベッドだ。

 

 ベッドは一人で寝るには十分だし、俺も寝た事のないぐらいの高級な生地をふんだんに使っているらしい。

 

 四角い間取りなのに奥行きを感じて、小さな化粧台とクローゼットが。置いてあるモノだけ見ればわりかし質素な印象ったけど、なんと言っても印象的なのはこのベッドだ。

 

 4方向と言って良いのかわからんが、なんかベール?みたいなカーテンがついてて、お城みたいなのに置いてあるベッドに近い印象だ。黄金の装飾とかもマジの金を使ってるのかも知れねぇ。

 

 ・・・そう考えたら一個ぐらい取って行っても・・・。

 

 いやだめだ。そんな事後でカエデやレンにバレたら殺される。

 

 そもそも泥棒なんてやっちゃだめだ。

 

 で、寝ているベッドが脚を向けている方には、大きな四角い窓が取り付けられていて、白いカーテンの隙間から9月1日、本日のごきげんな日差しが部屋に入り込んで来てら。

 

 「でさ、話を戻すけど」

 

 俺は一つの部屋で熟睡を決め込んで、もし起こしてくれなかったらもう少しだけ寝てた可能性もある。

 

 だが眼がはっきり冷めたからもういい。

 

 俺は今の自分の身体に上に乗っかっては、見たことのある光景、くふふと笑う彼女の姿が見えている。

 

 「もうおっきする?」

 「おっきとか言うなよ・・・」

 「くふふ、じゃあ朝のき、キスを・・・」

 

 キス。そうだ、その言葉を聴いて俺は思い出した。

 

 昨日の夜の祝勝会で俺は・・・。

 

 ミヤコにキスをされた・・・。

 

 いつも大胆な言動が多い上に、どんな無茶でも驚異の行動力でなんでも解決しようとするあのミヤコが、こんな俺なんかに・・・。

 

 好意自体はいつも解ってたけど、意外とあんなモノなんだな。

 

 あ、一応言っとくけど別にキスが未経験なわけじゃないからな!

 

 ヘヴンホワイティネスの世界に転生した事では、未経験だったが!俺は別に未経験じゃないからなーー!

 

 頭の中でどこに向けた憤慨をしているのか。未経験じゃない俺はその時油断していた。

 

 正面から2つの小さな手が伸びて、白くしなやかな指が俺の顔にしかがみついて来る。

 

 「くふふ、むにむにだね」

 

 もちろん顔を掴んできたのは、怪人でも正義のヒーローでもなく、鈴村ミヤコだ。

 

 寝癖のついた黒髪はそのままミヤコのほっぺをするりと落ちて、下から伸びた腕が、俺の視界、目線をずっとある位置に固定していく。

 

 「くふふふ、くふっ、くふーふふ。もう我慢できない」

 

 そのミヤコの瞳は左が怪人の黒く赤い眼球、右がいつもの人らしい瞳をしている。

 

 メガネを外しているのに、俺の顔だけはしっかり見ているのだから、困ったもんだぜ。

 

 しかーし!この時のミヤコはだいたい暴走しがちで、暴走一歩手前の状況に近い。その事を俺はちゃんと覚えている。

 

 昨日みたく無理やりじゃなきゃいいが、こうやって毎朝暴走されたんじゃ俺も困っちまう。

 

 獲物に狙いを定めた蛇の様に、爛々とした瞳を見せるミヤコには、どうにも俺は勝てる気がしない。

 

 だから・・・助けてもらう事にする。

 

 ああ、でもその前に一個だけあの言葉だけは言うべきか。

 

 「やめて・・・ひどい事しないで・・・」

 

 よくよく情けない声をしていると思うが、俺も本当は言いたくないんだよ。でもこういう時のミヤコには勝てないんだよ。そんな気がするんだ。

 

 「だいじょーぶ、ひどいことはしないよ。気絶するまで、いっぱいいっぱい、幸福ホルモンの口移しを・・・」

 

 だめだ。もう一刻の猶予も無い!最強の助っ人を呼ばせてもらう!口が封じられる前に!

 

 「助けてくれぇぇーー!!」

 

 俺の声の大きさにびっくりしたのか、ミヤコの拘束の手が緩んだ!

 

 「絞めた!脱出のチャンス!」

 「ああん、待ってよギンジ君・・・くふふ、逃さないよ!」

 

 身体を無理やり引っぺがして布団とミヤコからの脱出を成功させると、次はすぐ近くにある扉に急ぐ!

 

 とりあえず部屋を出れば、俺の勝ちだ!隣の部屋に居る赤鬼にでも助けを求めれば・・・。

 

 「ちょっとギンジ!?大丈夫!?」

 

 勢いよく眼の前の扉にたどり着いた。俺がドアノブに手をかけるよりも早く、ドアが開いた。

 

 それもめちゃくちゃ強い力で。この俺が突き飛ばされて後ろに転がってしまうぐらいには強い力で。

 

 「くふふ、あれ?」

 「うおおおどけミヤコ!」

 「わっ・・・ワァ!」

 

 扉を開けたのはカエデだった。

 

 俺の〈大好きな人達〉の一人であり、ミヤコと同じぐらいには俺が好きだと思う少女。

 

 ヘヴンホワイティネスのリーダー的ポジションであり、神宮財閥のご令嬢。

 

 抜群のプロポーション、抜群の発想力、元気の塊みたく溌剌とした顔立ち。何もかもが俺にたいな底辺には釣り合わない。

 

 でもってヘヴンホワイティネスの主人公でもあり、俺が一番守りたい人の一人でもある。うむ。

 

 カエデが血相を変えて俺の部屋に入り込んできたが、次の瞬間には一気に表情を鬼の如く怒りに染めた顔になっていた。

 

 「ギ〜ン〜ジ〜・・・」

 「え?なんで俺怒られそうなの?おいおい、何したかわかんないけど、怒るなよ!赤鬼もびっくりなぐらい鬼の形相になってるぞ!」

 

 って言ったみたけど、なんでカエデがブチギレ寸前なのか解った。解ってしまった。

 

 清潔感溢れるフローリングの上で、俺とミヤコの姿がなんとまぁ・・・なんと言おうか。

 

 「くふふ、ギンジ君、流石のわたしも他人に見られながらのプレイは・・・あ、でもギンジ君がしたいならわたしはもう・・・」

 「お前は黙っとけ」

 

 俺が仰向けに倒れてミヤコはまたもや馬乗りになって、俺の上に座り込んでいる。軽いなこいつ。

 

 「ふぅ〜〜っ・・・それじゃあ死ぬ覚悟は良いかしら?」

 

 え、なんで拳の骨を鳴らしてるの!?なんでヘヴンスーツに変身してるの!?

 

 これは誤解なんだけど!?

 

 「助けを求めた癖にあたしの家で、しかもあたしが使わせた部屋の中で、ミヤコと仲良くしているなんて良いご身分ですわね」

 

 ねぇ!ちょっと!

 

 ギアが!めっちゃギャリギャリ鳴ってるよ!

 

 それは・・・その音は、ギンジの命を確実に終わらせる、天国への片道切符になる音だった。みたいな。

 

 「破廉恥な事ばっかりして!必殺!メガトン・インパクト!!」

 

 カエデが床を蹴って跳躍すると、天井に飛び移る。そこから三角跳びの要領で、倒れてる俺に向かって光り輝くガントレットを構えた。

 

 ・・・っていうか別に俺は破廉恥な事はしてないデスよ?いやまぁ邪な事を考えてないわけじゃないけど・・・。

 

 カエデの持つヘヴンスーツの能力は、正義の衝撃。怪人を軽く叩き飛ばすあの大技は、俺がヘヴンホワイティネスになる前には、オーク怪人も撃退した技のようだ。まぁ、ゲームの方でも主力必殺技だったよね。

 

 「言い逃れは許さないわよ!」

 

 あ、死ん・・・。

 

 メッキょぉっ、とした音が聞こえた瞬間、次に俺の脳までも叩き潰しそうな破壊の音が鳴り響いて、俺達の日常がまた戻ってきたと実感する瞬間だった。

 

 ただしめちゃくちゃ痛いです。身も心も。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 神宮亭の広さは俺が設定資料の中で見たモノよりも、かなり大きくなっている。

 

 庭園があるのはそのままなのだが、使用人達の居住スペースもあったり、地下には広大ななんかの施設がある。これは俺が知らなかっただけなのか、それともこの神宮財閥そのモノにもイレギュラー的な要素もあるのか。

 

 イレギュラーなんて言えば、神宮御庭番衆なんて奴らもイレギュラーか。ゲームの方のヘヴンホワイティネスには名前すら出てこなかったしな。

 

 俺がぶっ飛ばされてから数時間。まだまだ夏の暑い日差しが俺たちに襲いかかる気温の中、カエデのパッパが俺たちに用事があるとかで、円卓会議質に呼ばれていた。

 

 ここもキレイで清潔感もあるし、マジで絵に書いたような会議場に、正直俺はドキドキしてるよ。

 

 あーだけど今ここに走っている緊張感は、俺のドキドキ感を無くしてくれるよな。

 

 俺たちが座る席はこの会議場の入り口から見て、左側。

 

 先に呼ばれていたのか、ミドリコ、レン、赤鬼、ケイタもすでに来ていた。

 

 俺とミヤコとカエデも身支度だけを軽く済ませて、この会議場に遅れて入った。

 

 「遅刻とはいいご身分だな、佐久間」

 

 俺を名字で呼ぶのは、この場ではあのポニテのお兄ちゃんだけだな。

 

 そんでその近くに座りながら、両肘をついて手を組んでいるのはこの神宮財閥のCEOであり、カエデのパパでもあるソウジロウ。

 

 そんでポニテのやつの名前は・・・えーと、十六夜だ。

 

 「十五夜だ!二度と間違えるな!」

 「軽いジョークだろ。そんな怒るなよ」

 

 そうそう、そんな名前だった。冗談が通じないのか、顔を真っ赤にして怒ってるぜ。

 

 「あら、ギンジにだけ怒るのは理不尽なんじゃないかしら。ヒトシ」

 

 おお、そうだぜ!言ってやれカエデ!

 

 「しかし、お嬢様!こいつは・・・」 

 

 ヒトシのお兄ちゃんがなんか言おうとしたが、すぐ近くに座っていたソウジロウさんの手の静止が眼に入ったのか、すぐに表情を戻して背筋を伸ばした。

 

 俺も欲しいな、あんな側近みたいなの。

 

 「兄貴!おはようございます!ここ、空いてやすぜ」

 

 野太い声で牙を見せつけて笑うのは、真っ赤な肌に黒い甚兵衛を着た、雄々しい一角がついた赤鬼。

 

 そんな赤鬼は、俺を兄貴と呼んでくれてるけど・・・。

 

 「いや、無いな」

 「へ?何がですか?朝飯ですか?」

 

 こいつが側近か・・・いや、やっぱり無いな。

 

 「いいよ気にすんな」

 「あ、へい」

 

 会話を終えると俺とカエデとミヤコは、赤鬼に用意してくれた席に座りながら、全員でソウジロウの方へと視線を動かす。

 

 なんかこうして7人全員がここに揃うのは、俺としては感慨深いよ。

 

 俺、カエデ、ミヤコ、レン、ミドリコ、ケイタ、赤鬼。

 

 「ギンジ、朝ごはんはちゃんと、食べないとだめ。カエデの家のご飯は、美味しいから、ちゃんと全部食べて」

 

 スカイブルーの髪を揺らして一枚の紙切れを俺に渡してきた。

 

 なるほど、読めたぜ。俺には解る。これが朝食用のメニューだって事を。

 

 「違うよ。これ、ルカとサクラから」

 「なんだよ・・・で、なんだ、手紙か?」

 

 〜ギンジくんへ〜

 

 ミヤコちゃんの救出おめでとう!

 私達も助けたかいがあったよ。それでごめんなんだけど、一日無断で外泊したから、私もルカもお母さんがげきおこで、今朝、おうちに帰る事になりました。

 

 パーティーの続きはまた今度しようねー。

 

 〜ギンジへ〜

 仲間を助けられた事、君と共に戦えた事を誇りに思うよ。

 

 僕もサクラと同じく、お母さんに泣きながら怒られたから、一度帰る事にしたよ。

 

 最後までここに居られない事を許して欲しい。

 

 〜〜〜

 

 「ええ・・・あいつら帰ったの?」

 「まぁ、親御さんの事も考えれば当然だろうな」

 

 俺が手紙を読みながらげんなりしていれば、ミドリコが俺の肩を叩いてくる。まぁ、それもそうか。

 

 「げ、元気だしてよ・・・あはは・・・」

 「どうしたケイタ?なんかげっそりしてないか?」

 「いやぁ・・・はは・・・」

 

 俺の手紙を横目に読んでいたのか、ケイタが疲れ切った顔でへろへろになっている。

 

 「へぇ〜結構やるじゃん、レン」

 「ふっ、次はカエデが、頑張る番」

 「いったいなんの話だ?」

 

 カエデとレンはいつもどおりだな。結局ケイタはどうしたんだ?

 

 「はっ!ミドリコ、アレだ、ケイタの旦那はきっと10回戦を」

 「い、いやまて!夏バテの可能性もあるだろう!って何をいかがわしい事を想像しているのだ君はぁ!」

 「げぺぇ!?」

 

 ミドリコが何を想像したのかわかんないけど顔を真っ赤にして、赤鬼をひっぱたいた。最近ミドリコって人間辞めてきてないか?

 

 あの赤鬼が宙を3回転しながら転げ落ちたぞ。

 

 「くふふ、わたし達もそろそろ」

 「そろそろってなんだ?」

 「くふふ・・・なんでもないです」

 

 急にそっぽ向いたけど、ミヤコのヤツどうしたんだ?

 

 「そろそろ良いかね?」

 

 ソウジロウが苦笑しながら、フリーダムな雰囲気になりつつある俺たちを止める。

 

 「カエデ」

 「はい」

 

 厳格な口調、顔つき。まぁCEOなら当然だと言わんばかりの態度で、自分の娘でもあるカエデを呼び出す。

 

 呼び方自体はとても自然なモノで、カエデもそれに慣れているのか、背筋を伸ばしてオトーサンに顔を向けている。

 

 「改めてカエデの活躍、行動には家族の輪を超えた感謝がある。1個人としてもそうだが、君たちにも感謝をしているよ」

 

 オトーサンの言っている事は、つまるところお礼。

 

 感謝の言葉って奴だな。

 

 「正直、未だに自分の娘が巷で話題のヒーローになっているなど、今も信じきれて居ないところはある。世間が手に負えない悪の組織と戦って命を削っているなんて、きっとどこの家でも自分の子供がそんな得体の知れないモノと戦っているのを見てしまい、若しくは知ってしまったら、毎日気が気ではないことだろう」

 

 その言葉は・・・まぁそりゃそうだよなって感じだった。

 

 実際、今の俺たちに家族が居るメンバーは、カエデももちろんだけど、ケイタもミドリコもそうだ。

 

 レンは未来に置いてきた家族が居るには居るが、今はノーカン。

 

 赤鬼は・・・ヘルブラッククロスの怪人がそうなのかな。

 

 ミヤコは別に良いだろう。こいつには家族が居ようと、居まいとそこまで気にしなさそうだしな。

 

 「この街の平和を守る為に戦っている事には、私自身も誇りに思うよ。今回の戦いにはそれぞれの理由があるモノだとは思うが、改めて言わせて欲しい。カエデ、そして皆も。ありがとう」

 

 ヘヴンホワイティネスは市民の命や未来の為に戦っている、それを踏まえて言えば、オトーサンを助けたのも、ミヤコを救出したのも、全部俺たちの行動方針に添ったモノだしな。

 

 「さて・・・君たちを呼んだ本件について話をしようか」

 

 なんだ?お礼を言うだけじゃなかったってのか。

 

 「お礼とはただ言葉を述べるだけでは意味が無いとは思っていてな。特に今回の件に関しては・・・」

 

 別に気にしなくて良いのに、そこまで考えるか?

 

 まぁ俺は命に関して恩義を背負わせたら、とことんつけあがる性格してると自負はあるがね!

 

 で、どんなお礼をくれるんだ?金か!金だろ!!

 

 「9月にも入った事だ。君たちにもお礼を兼ねたモノで、隣街にある意対化市(いつかし)にある、神宮温泉街にでも行ってきなさい」

 「はいぃ?」

 「どうかしたか?佐久間ギンジ」

 「あ、ああいやなんでもない」

 

 なんだよ温泉って!俺はてっきり給料増えるかと思ったのに!

 

 って言うか神宮財閥に入社(カエデの下僕として)したのに、今まで無給だぞ!そろそろラーメン食べたいんだよ!金を!俺に!くれーー!

 

 「し、しかしお父様、今はもう学業も始まっておりまして、行くのは難しいかと・・・わたくしだけならば良くても、わたくしの仲間には、そこまでの事は・・・」

 

 あ、そうかそういえばカエデ達って学生だったな。

 

 「ああ、問題ないさ。カエデ、そして宮寺君も、甘白さんも、角倉君も・・・全員、学校や職場には連絡済みであり、金を握らせ・・・んんっ」

 

 おい?今このオトーサン、金で解決したみたいな事を言ったぞ!?

 

 「なんだその顔は!佐久間ギンジ!お前にも特別に休暇をやると言っているのだ!ばーかばーか!」

 「そうだぞ佐久間!カエデお嬢様の下僕でありながら、共に温泉に行ける事を喜べバーカ」

 「なんだこの野郎!俺の事バカバカ言いやがって!」

 

 ポニテの十六夜お兄ちゃんも、オトーサンもなんだこの野郎。

 

 お前らなんかアレだぞ、俺が本気ださなくても、お前らなんか頭バシーンって叩いたらおしまいなんだぞ!

 

 しかしまぁ、なんだ。

 

 財閥ってスゲー・・・そういう事マジでやっちゃうんだもんな。

 

 「そういう訳だ。2日しかない温泉旅行だが、存分に楽しんで来なさい」

 

 オトーサンがそれだけ言うとついにこの話は終わりとなった。

 

 意対化市に行くならルカも誘いたいところだけど、来れるのかね。

 

 どういう訳かもらったこの温泉旅行。しかもただ隣町にあるだけの普通の温泉旅行。

 

 「くふふ、楽しみだねギンジ君」

 「楽しみね、ギンジ!」

 

 カエデとミヤコが昨日の祝勝会の時と同じタイミングで、そんな事を言うと、俺の前で口論を開始する。

 

 「温泉かぁ・・・俺っち温泉は嫌いなんだよなぁ」

 「ふむ、それは何故だ?」

 

 赤鬼って温泉嫌いなの?みたいな顔でミドリコが訪ねてる。そういやこいつらなんだか距離感が近くなったな。

 

 「いやぁ、なんと言うかアチィじゃん・・・」

 「温泉ってそういうモノだと思うけど」

 「ケイタの旦那はまだ解ってないのさ。温泉ってのが、どんなに危険な場所か・・・」

 「じゃあ、赤鬼は、行かない?」

 「兄貴達が行くなら行くぜ」

 「ふふっ、なら決定だな。私も赤鬼が居ないのは、少しだが寂しいしな」

 

 なんだか温泉の話題になり始めた事で、活気づいてきたな。

 

 ところで・・・。

 

 「ギンジ君とはわたしが混浴で入るの!」

 「あたし達とギンジで混浴で入れる訳ないでしょうが!」

 「カエデは相変わらず頭が硬いね!わたしとギンジ君が、ヌルヌルのお風呂に入る事で、二人で一つの超生命体が生まれるのよ!」

 「もしそんなお風呂が神宮財閥(うち)で造られてたんだとしたら、さぞかし子孫繁栄に役立ったでしょうね!とにかくミヤコとギンジの二人が一緒になるのは却下よ!」

 「くふふふ、じゃあカエデとギンジ君も共に行動するのは無しだよ」

 「あたしは良いのよ!あいつはあたしの下僕なんだから!」

 「わたしだって良いじゃん!ギンジ君はわたしの造った怪人だもん」

 

 おいおいどこまで喧嘩するつもりなんだよ。

 

 あれ?そう言えばカエデもミヤコも変なあだ名で呼ばなくなったな。

 

 前はカエデモンキーだの、バカミヤコだの・・・。

 

 ああ、そっか。こいつらも仲良くなってるんだな。良かった良かった。

 

 『仲良くなんか無い!!』

 

 二人して息揃ってるじゃん。仲良しじゃん。仲良し通り越してナカヨッピーじゃん。

 

 そんな感じで俺たちは一泊2日の温泉旅行に行く事になった。

 

 楽しみな反面、このメンバーで行くとなるとめちゃくちゃ暴走しないか不安だけど、行ってみるか。

 

 楽しみである事は間違いないしな。

 

 オトーサンが用意してくれた温泉だし、どうせ食事とかその辺は財閥パワーで全部おとがめ無しになりそうだし、魔法界から戻ってきてからまともに休めてなかったしな!

 

 じゃーそういう事で温泉旅行に行くか!

 

 

 

続く

 

 

 

 




お疲れ様です。

温泉っていいよね。

キャラネタ書きます

佐久間ギンジ
この物語の主人公。
現実世界では生きた屍とか、底辺とか呼ばれていた。
一度死んだ事で、ヘヴンホワイティネスというエッチなゲームの世界に転生した。しかし現実はエッチな事はあまりなく、血みどろの戦いを繰り返している。
カエデとミヤコの二人に恋をしている。

神宮カエデ
正義のヒーローであるヘヴンホワイティネスのナンバー1。
能力は正義の衝撃、及び神宮格闘術。

宮寺レン
ヘヴンホワイティネスナンバー2。未来から現代へとタイムスリップしてきた。
能力はビーム剣による剣術。

甘白ミドリコ
よく名前に伏せ字を使われたりする可愛そうな人。
公安警察に所属しているが、その本拠地が現在機能停止に陥っている。
使用武器はロケットランチャー、アーミーナイフ他

赤鬼
ヘヴンホワイティネスのナンバー4。3はギンジ。
空気を打ち出したり、空気を操ったりする事が出来る鬼。
額から一本の角が生えている。
異名は2つあり、一つは勇者。もう一つは死を乗り越えた勇者。
前者は魔法界で、後者は現代でそう呼ばれ始めている。

角倉ケイタ
宮寺レンの恋人であり、ヘヴンホワイティネスの中でも希少な魔法使い。ただし魔法を使いすぎると命に関わるらしい。レンとの仲は良好らしく、祝勝会の後にげっそりしていた。勘の鋭い方なら何をしているのかはご理解したはず。

鈴村ミヤコ
元ヘルブラッククロスの大幹部であり、唯一と言ってもいいぐらいには、怪人開発のプロフェッショナルだった少女。
ギンジに本名を当てられた事から、彼を運命の人と思い込み、また自分の予想を遥かに超える結果ばかりを叩き出すギンジに、怪人と科学者という枠を超えて彼を愛しはじめている。

・・・

次回は温泉編の第2話!温泉街にたどり着いたギンジ達の前には、なんとリコニスが居て・・・?なお話です。

つまりリコニスも関わってくる温泉編。彼女が居ると戦闘の予感しかしないのだが・・・

それではまた次回!
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