今年はなんでか仕事が忙しいね。
新卒君も一人飛んだし、そもそも私が今年に入って新人監督みたいな事をする事にもなり、更には上司と面倒見たり、色々しないと・・・。
こんなに忙しいし仕事も頑張っているのに、どうして私には彼女が出来ないんだ。知るかボケ
ってなわけですが、執筆は遅れに遅れておりますが、物語はまだ続いていますよ!忙しくてもちまちま書いてたんです。
それではどうぞ!バトルは無いよ
「〜♪」
木製の床をきしませる音を鳴らしながら、リズミカルな鼻歌を悠長に流しているのは、この温泉宿と温泉を堪能した、ある少女のご機嫌な姿だ。
浴衣で手首を隠して乾ききっていない、まだ水分を含んだ髪を揺らしながら鼻歌交じりに上機嫌な表情をしている少女は、意外と楽しめた温泉旅行と、これまた意外と美味しかった夕飯に舌鼓を打っていた。
あと今回の旅行において一番楽しかったのは・・・。
「はぁ〜・・・ギンジちゃんも一緒に連れて来ればよかったな」
甘く人の良心につけこんで来そうな声は、正しく好きな人とここに来れたら良かった、と思える不思議な感覚から出てくる言葉。
リコニス。
それが彼女に与えられた名前であり、ヘルブラッククロスという組織によって牽かれたレールの上を蛇行しながら突き進む、底なき狂気、果てなき悪意、そして真意の見えぬ気まぐれさ。
それが彼女の全てであり、常に自分を満たしてくれる娯楽に渇望している。
「ま、どうせ今度も会えば戦えるし、ギンジちゃんにも束の間の休息をあげないとね〜」
いつか全力で殺し合うのであれば、こういう時に見逃してあげるのも立派な大幹部の役目だ。
そうと決まればギンジちゃんのあの同様しきった顔を思い出しつつ、リコニスは自分が今夜宿泊する部屋へと入る。
おんぼろの旅館だが女将は気さくだし、ご飯は美味しいしで一応は気に入ったのだが、どうせこの旅館もヘルブラッククロスの日本転覆計画が成功すれば、必ず駆逐される。
いや・・・蹂躙される。圧倒的な力によって。
そうなると決まっていても、この旅館が好きになっていたとしても、最後は結局破壊され尽くす。
その未来が分かりきっていても、リコニスにはどうでも良いのだ。
なぜなら彼女には今しかないから。常に今しか無いのだから。
「はー寝ようかな〜・・・」
宿泊する部屋に入りながら、リコニスは和室の匂いを胸いっぱい吸い込みながら、布団に入ろうとするのだが、そこで部屋に違和感を感じた。
『さぁさぁ今夜も始まりました!ヘヴンホワイティネス特集!』
旅館の部屋に取り付けられたテレビには、毎晩取り上げられている巷で噂の正義のヒーローの特番が行われていた。
いつものヒーローを追いかけるマスコミや、彼女達に助けられた一般市民達へのインタビューで一時間も使うくだらない番組だ。
そんな番組をリコニスの部屋で、誰が観ているのか・・・。
「でゅふふ、ヘヴンホワイティネスってかわいいよね〜。身体が引き締まってて、とっても美味しそうだよじゅるり」
まるまる太ったボールの様な身体のオヤジが、お風呂上がりの熱も冷めないまま浴衣を着ているのか、汗でシミを作りながらビール片手にその特番を観ていた。
「ほんま、ヘヴンホワイティネスの悪行には敵わんわ。ワイらのやっている事こそ正義の行いっちゅーのに、だーれもそこに気づかんのは嘆かわしい話っちゅーねん」
もう一人は温泉には入っていないのか、不気味なメイクをその顔に施した、ピエロの男が椅子の背もたれを前にして、腕を乗せた体重をかける前のめりの姿勢で、特番を観ていた。
「・・・何してんの?」
「でゅふっ、同じ大幹部同士、親睦会をしようかなって思ってね。知っているかい?ワカメs」
まるまる太ったオヤジ、鶴ヶ峰ゴロウの首元に黄金の刃が怪しく輝きながら、脂肪でたっぷりしている皮膚にギリギリ当たらない様に突きつけられた。
「何してるの・・・?」
「でゅふ・・・」
リコニスは浴衣の姿のままだが、どこに忍ばせていたのか、自慢の一刀である黄金に煌めく刀、抱腹絶刀を取り出してはゴロウに向けている。
「ほんま怖いわ!すぐにエモノ引き抜くあたり、ガチで殺ろうとしてるやんけ!」
苦笑いをしつつもその動きの一部始終を見ていたピエロ、中山ピリカはリコニスとゴロウのその姿を見て、本気で戦々恐々としている。
「同じ大幹部だからって調子には乗らないで頂戴。サクッと殺すわよ」
ただの少女でありながら、血走ったその瞳の奥に見える底知れぬ殺意の眼光が、ゴロウの眼を逸らさずに伝えられた。
「でゅふふ、冗談ですよ・・・お若いのに、良くないですよ?そんなに血圧あげるなんて。あ、そうだ、デトックスとリラックスがてら、いかがかな、この私の特性マッサージを・・・」
「アカンて。もう止めとき、ゴロウはん」
最後まで言おうとすれば間違いなく、リコニスにその脂肪にまみれた首を斬り落とされただろう。
それを察知したピリカはおどけつつも、本気で二人を止めに入る。
そうでもしないと、勝敗は見えていても、この旅館や温泉街そのモノが破壊し尽くされない。
「私が連れてきた旅行だって事を忘れない方が良いよ。あと、勝手に私の部屋に入らないでくれる?・・・臭いのよ、お前」
「ほんますまんて。ただ、大幹部同士親睦会はしたかったんは大マジの事なんや。ほら、リコニスはん、顔可愛いやろ?堪忍したってや」
なだめて見せるが、リコニスの殺気は止まらない。
「でゅふ・・・私もすまんやで・・・」
あまりに本気の凄みを感じたのか、ゴロウもとりあえず謝罪を入れる。
しかしその視線はリコニスの身体を舐め回す様に、ジロジロと見ている。
きっとこの体格差でリコニスの身体を組み敷いて押し潰したら、きっとヘルブラッククロス的にもなかなか面白い事に出来るかも知れない。
「・・・ま、温泉旅行だしね。いいよ、今回は不問にしてあげるから、自分の部屋に戻って。もう一度言うけど臭いのよ」
「でゅふぅ・・・」
「あーまぁ、せやな。そんじゃ、ワイらは自分の部屋に戻らせてもらいますわ」
言いながらもピリカがゴロウの肩を引っ張りながら、リコニスの部屋を出ていく。
出ていく途中で、ゴロウはリコニスのカバンに眼をつけた。きっとあのカバンの中には、リコニスの下着が入っている事だろうと、淡い妄想をたぎらせる。
「後ろからブスッとやってもいいよ。早く消えて」
女性としては到底耐えきれない様な、侮辱に等しい目線を感じたのか、リコニスは今度こそ臨戦態勢に入っている。
(でゅふ・・・いくら恐ろしい大幹部とは言えど、私が抱けばこんな女・・・煩い女だ・・・)
表面上はヘラヘラと取り繕っても、浴衣から見えるリコニスのキレイな生足をチラリと見て、ゴロウは今度こそピリカと共に部屋から出ていく。
(でゅふ。まぁ、いくらでもチャンスはある。洗脳でもかければあんなガキ、すぐにヒィヒィ言わせてやろう)
頭の中に強く狂っているリコニスが、自分の手のひらに転がされて弄ばれる妄想を働かせている。
それと同じく色付きメガネに隠された怪人の瞳も、より悪しき輝きを強めて行く。
(あの若い女も、ヘヴンホワイティネスも全部この私が美味しく頂いてやる)
ヘルブラッククロスの大幹部として、間違っていない欲深さを頭の中で練り上げながら、温泉旅行の夜はふけていく・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
楽しかった温泉旅行も終わりが近づく中、宿泊している部屋の中でギンジがムクりと起きる。
昨晩は何かひどい目にあった気がするが、気のせいだろう。そう思わないとやっていけない。
大きな窓から差し込む、優しい朝日の煌めきが、楽しい温泉旅行の終わりが近づいている事を改めて理解する。
(・・・今日が終わったら、俺たちの日常もいつも通りか)
戦う日常。それにまら向かわないと行けなくなる。その事実がギンジをややげんなりさせてしまう。
「・・・ギンジ君〜・・・」
「むにゃむにゃ・・・ぎんじ〜・・・」
ギンジを挟む様にして布団の上で寝ているのは、カエデとミヤコ。
いつものお転婆っぷりが見えない、この寝姿を見てギンジの中でモヤモヤが少しだけ晴れやかになる気分になった。
彼女達の寝顔を見てより一層、自分の求めるハッピーエンドへと向かいたいと、げんなりした気持ちを払拭出来る。
「しかし」
ギンジは二人の少女の寝言と、寝顔を見て一つ息を吐く。
「なんで酒なんか入ったんだ、こいつら」
昨日の少女達の酔っぱらいは、ギンジに悪夢を思い出させる。
まだ彼女達は未成年。
「・・・俺がしっかりしないと駄目だなこりゃ」
仲間達がまだまだ眠る中で、ギンジはもう一度戦いへの日常に戻る前に、幸せなひとときを楽しむ事にした。
自分に恋する少女達の寝顔を見て、自分が恋する少女達の寝息に耳を立てて。
・・・・・・・・・・・・・・・・
朝。
早朝とは違い、あれから二時間弱、ようやくメンバー全員が起床し、帰る支度と、朝の温泉と、朝食のビュッフェを楽しむ。
もちろんここにいるのはギンジ、カエデ、レン、ミヤコ、ミドリコ、ケイタ、赤鬼。
それとこの旅館のビュッフェを楽しもうと、こぞって入って来た一般市民の方々。
色とりどりの食卓には、これまた沢山の料理が並んでおり、どれもこの日のこの瞬間の為に用意された朝に食べるには十分すぎる程、大量なお料理達が用意されていた。
カエデの朝ごはんは、麦ごはんととろろのワンセットに、お味噌汁と焼き魚をつけた和風な盛り付け。
ミヤコの朝ごはんは、ヨーグルトと食パンにいちごのジャムをつけた、よくある朝ごはんの盛り付け。
レンとケイタは二人して白米とオムレツに、様々な付け合せを。
ミドリコの盛り付けはクラッカーにチーズ、洋風のオートミールにシチューをつけた盛合せ。
赤鬼はペペロンチーノ、カルボナーラ、ナポリタン、ほうれん草のクリームパスタ。
思わず大盛りにしすぎているパスタの量の多さに、ギンジがツッコミを入れた。
「いや食べすぎだろ!なんでおまえそんなにパスタ食ってるんだ!」
「いやいや兄貴、こういう旅行中に食べるパスタが美味しいんですよ」
「冗〜談じゃないよぉ。旅行中にはさ、もっと良いもの食べるんだよ」
「兄貴ももっと食べたらいいじゃないですか。例えばホラ、カエデの姉御の身体にヨーグルト」
「お前それ以上言ったら殺すぞ」
カエデのしなやかな身体にヨーグルトをかける。
そんな妄想をしてしまったのだが、実際そんな事したらギンジが殺されるのは間違いないだろう。
「ヌハハハ、じゃあミヤコ姉さんにとろろをかけて・・・」
「お前それ以上言わなくても本当にぶっ飛ばすぞ」
ミヤコの小さな身体にとろろが。
そんな妄想をしたギンジは、悪ノリし続ける赤鬼に睨みを聞かせている。
「本当にいい加減にしろよ!こんな事聞かれたら、マジで大変な事になるんだからな!」
「ヌハハ、まぁいいじゃないですか。兄貴だってお二人の事、好きなんでしょう?」
「ふぐっ・・・」
軽いジョークであってもかなり邪な内容なのだが、そこを赤鬼に突かれると、ギンジは何も言い返せなくなってくる。
楽しい朝食を囲む傍らで、ギンジが自分のトレイを取り出すと、豪勢な食事の並んでいる列へと小走りで向かう。
「兄貴もしかして・・・」
赤鬼も自分の食べるモノを机に置いて、ギンジについていく。
するとギンジが自分の食べるモノとして選んだのは、ヨーグルト、とろろ、そして麦ごはんと食パン。
見事にカエデとミヤコに合わせてきた。
「自分の食べたいモノの現れって事ですね、兄貴!」
赤鬼の冗談が過ぎたのか、次の瞬間には紫電一閃蹴が顎に直撃しているのだが、それはまた別のお話。
自分の食べたいモノの現れ。つまりヨーグルトもとろろも、それのセットも二人の少女が口にしているご飯と同じモノ。
イコールでカエデとミヤコが食べたい、という事につなげたのだろうか。
「うるせぇや」
苦笑いしながらもギンジは自分の食べモノを乗せたトレイを持って、カエデ達の待つテーブルに戻る。
「遅いわよギンジ。何選んでたの?」
「くふふ、おかえり、ギンジ君」
「あ、ああちょっとな・・・」
二人がきょとんとする顔を見ていると、ギンジの鼓動が早まった。
ヨーグルトを見れば、昨日記憶が残っている範囲でのミヤコの身体を思い出す。
とろろを見れば、昨日記憶が残っている範囲でのカエデの身体を思い出す。
どちらの身体も甲乙つけがたい、温泉によって綺麗になった美しい少女達の香りだけならば、まだギンジの記憶に色濃く残っている。
昨日の細かい内容は別として、どれだけの時間を使ってカエデとミヤコと身体を密着させていたのだろうか。想像するとなぜか震えが止まらなくなるが、それとは別に嬉しさと心からのときめきがギンジにやってくる。
絶妙に【見えた】のもあるが、それも良い思い出だ。
「何か良いことあった?ギンジ」
「え?いやぁ、どうだろうな」
妙にご機嫌な表情をしているギンジに、カエデが一声。
こんなに嬉しそうにしているギンジを見るのも、なんだか久しぶりな気がするのだ。
「くふふ、ご飯食べ終えたらまた温泉行こうよ、ギンジ君」
「だから混浴は無いってのに」
本来ならば女の子同士でするような会話を、ミヤコはギンジにだけ向けて提案を出した。そして相変わらずその隣でカエデがツッコミを入れている。
「くふふ、女湯にあったあのボディソープだけどね、泡立ちがすごいんだよ。これでギンジ君の逞しい身体を洗ってあげたら・・・くふ、kふふふ」
「なんでそんな変態的な事ばっかり考えてるのよ。でも泡立ちが良いのは事実よ。ギンジ、今度うつ伏せになりなさい」
「なんで俺の身体を洗える前提で話が進んでるの?おかしない?」
そんなこんなくだらない話をしながらも、ヘヴンホワイティネスの朝食は美味しい時間を皆で共有出来る最高の時間だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
切り立った岸壁はすぐ真下を見下ろせば、神宮温泉街の大きな商店街が、ドクターパープルの視界に入ってくる。
人も動物も居ない様な山道の岸壁には、明らかに異質な出で立ちの四人がそこに立っていた。
紫色の戦闘員の衣装に、紫色の仮面、そして紫色の小さなマントを身に着けたドクターパープル。
キャメル色のスーツに濃い汗染みを作りながら、ハンカチでは吸い取る事がもはや不可能な程に大汗をかいている男、鶴ヶ峰ゴロウ。
彼は言わずと知れた大物政治家なのだが、ヘルブラッククロスの力の思想に大きく踏み込んでおり、破壊、暴力、性欲、快楽、そして自分の身体に怪人の球を取り込んだ、第2世代の怪人でもある。
さらにもう一人隣に立つのは、顔の半分を白黒のメイクで彩り、その服装も白と黒の二色で両立される幾何学模様な衣装を身に着けた、ピエロ男、中山ピリカの姿もここにあった。
では最後の一人は・・・。
白銀の鎧を輝かせて、背中には身の丈と同じぐらいの大きさと、幅広を誇る長剣を背負った、鎧の怪人・王騎士型。
大幹部三名と、一人の怪人の計四人がこの山道の岸壁に集まって、温泉街を見下ろしている。
「ほんま人が悪いで、ドクター」
神妙な面持ちの空気感の中、ピリカがおどけながらドクターパープルを呼んだ。
「急に温泉に来いなんて連絡するんやから、正直気でも狂っとるんかと思たわ」
前日、大幹部会を抜けたピリカが、リコニスの準備に付き合いながら待合室で電話をしていた事を話し出すと、ゴロウも汗を拭きながら昨日の電話先の相手の正体を知り、眼を丸くしている。
「でゅふふ、でもまぁこうして会えているのですから、願ったり叶ったりですな。大幹部会ではお会い出来なかったのでね、ドクターパープル」
ゴロウもこの再開には驚いているが、何より自分を人間を超越した存在にしてくれた恩義が大きいゴロウは、ドクターパープルに忠誠にも近い感情を醸し出している。
「ははは、いや済まないね。私もこうして休暇を満喫していたのだけれど、少しイレギュラーが発生して困ってしまってね・・・」
「イレギュラー?」
ドクターパープルはあの総統直属の大幹部の一人であり、先代のドクターミヤコに代わって、怪人開発、兵器開発、物資量産のプロフェッショナルだ。
そんな彼を困らせる程のイレギュラーが発生しているのであれば、ピリカもゴロウもドクターパープルの手助けをしてあげようと、心が動き出す。
「ドクター、それでワイらは何をしたらええんでっか?」
ピリカがニヤニヤとした表情を崩さずに、ゴロウと共にドクターパープルの困っている事を聞き出す。
「ああ、とてつもなく困っているのだ。実は・・・女が欲しくてね」
女。ヘルブラッククロスならば確保も最優先にするべき対象。
それをドクターパープルが欲しがるとは、何を考えているのだろうか。
「でゅふふ、女ですか・・・」
ゴロウは汗を流しながらも、リコニスの事を頭に思い浮かべる。
「ああ、女だ。かなり極上な女でね、三人程ほしいんだ」
ドクターパープルが仮面の奥からくぐもった声を出して、しかしながらその声はどこか楽しそうな事を考えている様な声音をしている。
「でゅふ、どういった女性ですかな?」
残暑が厳しい9月の風が、ほんのりゴロウに涼しさを感じさせながら、ドクターパープルの企みに加担しようと息巻く。
それにはピリカも同じで、鼻につけた赤いボールにも輝きが出てくる。
艶を感じるそのゴロウの見た目と、ピエロらしく奇妙な顔をしているピリカ。
「捕まえて欲しいのはね・・・これなんだ」
ドクターパープルが手元の端末に表示された画像を見せると、ゴロウとピリカは食い入る様にしてその画像を視界に入れた。
と・・・。
キィィィィィーーーン。
脳内に入り込む様な、それでいて金属のパイプに反響する様な音が、ゴロウとピリカの耳に入ってくる。
その音が聞こえた途端に、画像を見た事を失策だったと気がつくが、もうその時点で遅い。
ピリカは何かを怪しいと思った。
ゴロウもソレを見て、音を聴いて怪しいと思ったが、二人共にドクターパープルの手の内に遊ばれる事となった。
その音と画像の正体は洗脳催眠アプリ。
ヘルブラッククロスの技術力を持ってすれば、こんなモノまで創り出す事を可能としており、洗脳催眠アプリを使用するぐらいならば、ドクターパープル一人で女性を得る事も可能だった。
だが今回洗脳をかけたのは、女性では無く同じ組織の大幹部。
「──」
「──」
見事にドクターパープルの手中、術中にハマった二人は、どんどんその瞳に光を失わせていく。
だらんと脱力しつつ立ったままの二人に、ドクターパープルは洗脳が成功した事に手応えを感じる。
「YEEEES!!!」
ドクターパープルが普段言わない様な喜びの声を上げると、ゴロウとピリカもドクターパープルに合わせて拍手をした。
「それじゃあ、私の手駒になった大幹部達よ」
仮面の奥の声音の激が強くなり、ドクターパープルは二人の大幹部に暗示と催眠、それから成功した洗脳の下で、命令を下す。
「この温泉街を破壊しろ。手当たり次第虐殺の準備を整えて─」
王騎士型がゆっくりと立ち上がり、幅広の漆黒の剣を抜き払う。
「ヘヴンホワイティネスをおびき出せ・・・!」
師を超える為に、師の敵であると言われたが故に、ドクターパープルは自分の進む道に、ただ綺麗にレールを敷くだけではなく、周りの誰もが考えつかない様な大胆な道標を立てた。
休暇中に組織の宿敵を見つけた事は予想外だった。だが、これをチャンスとして、ただの平坦な道を真っ黒に塗り上げる。
装飾には紫色の明かりでも灯そう。
白き敵を抹殺する、ドクターパープルの英断が斬って落とされた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
温泉街に響き渡る悲鳴。
嫌でも耳に入る大きな破壊の音。
そこらじゅうに張り巡らされた、温泉を流すパイプがぶち壊されて、いたる所から温かい源泉が吹き上がり続けている。
「でゅふふふ!」
「ホラホラ、ワイらが通るで!」
鶴ヶ峰ゴロウはキャメル色のスーツを脱ぎ去り、黒ずんだ、おおよそ人の身体の色にはなっていない、肉の身体を見せつけながら、身体そのモノを建造物や床、柱にぶつけながら、バスケットボールが強くバウンドする要領で、人を、温泉を、建物を打ち砕いていく。
「
着弾した所から全てを腐らせ、その体重に見合うそれ以上の破壊力を知らしめながら、ヘルブラッククロスという巷で名が知れ渡り始めた悪の組織のい襲撃が開始された。
「ほな、君らも暴れてやり。全てはドクターパープル
ピリカが黒い十字架のブーメランを手元でジャグリングしながら、後ろに続く戦闘員達に命令を出すと、こぞって子供や女性を攫おうと温泉街の大きな商店街に悪の進撃の音が響き渡り始める。
「ほな、行くで・・・」
黒いブーメランを両手に装備して、ピリカは光を失った瞳でそのブーメランを投げ飛ばす。
「キラーブーメラン!」
立ちふさがる喧嘩自慢や、大人の成人男性、観光客、誰彼かまわず男なら全員その身体を破壊されていく。
斬れ味の鋭い刃が取り付けられた十字架のブーメランは、回転しながら飛ぶだけでも人を殺傷しかねない全身凶器となっている。
「カカカカ!」
「でゅふふふふ!」
二人の悪の大幹部が高笑いをしながら、温泉街の襲撃が開始された。
「さて・・・お手並み拝見」
岸壁を飛びだした二人の大幹部を見て、ドクターパープルは笑っているのか、それとも真顔なのか分からない仮面に隠れた顔を、温泉街にも向けていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ちょっとなんの音よ!」
神宮財閥が所有する旅館の一室。つい昨日まではカエデ達がお酒を飲んでギンジをひどい目に合わせた部屋の中で、カエデが昼の温泉に入ろうかと皆で話し合っている中で、突如聞こえた爆音。
今更音ごときではそこまで驚かない自身もあったのだが、カエデ以外にも赤鬼もミドリコにも聞こえた様子で、お茶を入れてたカエデがリビングにやってくる。
いくら部屋の中とは言っても音が強すぎた為か、自分達が宿泊している部屋の外から、他の宿泊客のどよめきが聞こえる程だ。
今ギンジとミヤコ、レンとケイタはこの旅館のお土産の買い出しに出ており、この部屋に居るのは、カエデ、赤鬼、ミドリコの三名。
「姉御、どうやら俺っち達の温泉旅行、一筋縄じゃ行かないみたいだぜ」
「まったく・・・あいつらはどこまで私達の邪魔をすれば良いのだ」
赤鬼とミドリコは部屋の窓から、ミドリコの装備の一つである望遠鏡を覗いており、そこから温泉街に上がっている煙や、高く吹き上がる源泉を見た事で赤鬼とミドリコは、この音の元凶が何かを理解した様子だった。
「何があったの?見して」
カエデがミドリコから望遠鏡を奪い取りながら、温泉街の惨劇をその眼に入れる。
「・・・っ!」
間違いない。この音とあの破壊。
そして何より嫌いな、あのマーク。
怪人の瞳を模した黒い眼球に、赤い瞳を刺繍したあの大きい旗。
ヘルブラッククロスがこの温泉街を襲撃しに来たのだ。
「あいつら・・・」
カエデが怒りを顕にした所で、ミドリコと赤鬼がカエデの背中を軽く叩いた。
「やるぞ、カエデ。私達のプライベートまであんな奴らに汚されるわけには行かない」
「そうですぜ。それに俺っち達には、守らないと行けない人たちがいるでしょう」
怒りでまた突っ走りそうになった時に、カエデを支えてくれる仲間達がちゃんと居る。
「ええ、そうね。赤鬼、ギンジ達に連絡してちょうだい。ミドリコ、あたし達は先に行くわよ!」
「ああ!これ以上の破壊なんてさせるモノか」
カエデが赤白く発光するリングを腕に通す。
一見すればブレスレットに見える様なリングだが、それはこの現代におけるオーバーテクノロジーの一種。
ヘヴンホワイティネスがヘヴンホワイティネスである為の、未来からやってきた兵器。
ヘヴンリング。
それがカエデがヘヴンホワイティネスとして持っている装備だ。
「行くわよ!ヘヴンホワイティネス!突撃!」
男らしさも感じられるカエデの号令に、ミドリコと赤鬼はギンジの面影を重ね合わせて見えて来た。
「ヌハハ、兄貴に惚れてるだけあるな。さすが姉御だぜ」
「まったくだ。だが、赤鬼もなるべく早く皆を連れてきてくれよ」
「ガッテンでい!」
ヘヴンホワイティネスの三人の団結力を上げて、昼の駆け下りが始まった。
「よっしゃ!そうとなれば、早速兄貴達に連絡だ!」
赤鬼がギンジ達に連絡を取り始め、カエデとミドリコは先に偵察、及び敵の撃滅に温泉旅館を飛び出すのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
温泉旅館の中でも街からの爆撃音が聞こえたのか、騒然とも取れるどよめきが、豪華な装飾の電球が灯されるお土産コーナーにも聞こえていた。
「何事だ?」
その音とどよめきに一気に不穏な空気感になる。
一言はっきりと言えば胸騒ぎがする。そんな展開に、ギンジはケイタと顔を合わせる。
「ギンジ、これって・・・」
お土産コーナーの入り口でミヤコとレンの買い物が終わるまでの間、男二人は他愛もない雑談をしていたのだが・・・。
待ち時間の中、この音。
最早ギンジ達にはこの音が何なのか、だいたい予想はついた。
(リコニスの奴、また何かおっ始めたか・・・?)
ヘヴンホワイティネスには教えていないが、この温泉旅行にはあのリコニスも来ている。それを伝えればカエデ達も不安になるかも知れないと、ギンジなりに気を使ってみたのだが。
「これって、間違いなくヘルブラッククロス、だよね」
「そんな不安そうに答えを出すなよ。間違いないだろうぜ」
おずおずとしゃべるケイタに、ギンジはサングラスのズレを直しながら、肩の骨を鳴らす。
「くふふふ、温泉街に来るとはね。わたしも予想外だったよ」
ミヤコがお土産コーナーから出てくると、レンもそれに遅れてすぐにやって来た。
「性懲りも無く、私達の邪魔ばっかり、許さない」
レンもこの襲撃の音とヘルブラッククロスがすぐに紐ついて、そして怒りを顕にした顔を見せている。トラの様な眼光の鋭さが、たまに仲間達が恐ろしいと感じる表情を見せている。
「ん・・・赤鬼から電話だ」
お土産班に赤鬼から緊急の連絡が鳴り出す。
連絡が来るだけでおおよその内容はだいたい理解出来るが、それでも可愛い子分からの電話だ。
「どうした、赤鬼」
『兄貴!ヘルブラッククロスが襲撃して来やしたぜ!』
「知ってる。あいつら好き放題やり始めてるみたいだし、さっさとぶっ倒して、温泉旅行を取り戻すぞ!」
『おお、もう知ってるってのは、さすが兄貴だぜ。もうミドリコとカエデの姉御は先に向かってやす!俺っちももう行くんで、現地で合流って事で!』
赤鬼の声は興奮しており、焦りも感じられる声音をしていた。
怒りも混じった息使いは、ギンジ達にもよく聞こえるモノだ。
きっとミドリコとの温泉旅行を潰されて、ヘルブラッククロスにキレ散らかし始める寸前なのだろう。
「俺たちも行くぞ!」
「同意。ヘヴンホワイティネスの怒り、見せてやる」
「僕もできるだけサポートするよ!」
「くふふふ、ギンジ君が行くならわたしも行く!」
ヘヴンホワイティネスが一致団結し、温泉旅館から急ぎ足で飛び出すと、旅館近くの駐車場には誰も人が居ない事を確認し、レンはスーツに、ケイタは羽衣に変身をして、温泉街へと飛び出していくのであった。
「俺とミヤコは先に行ってるぞ!」
ギンジは羽をはやして、ミヤコを抱きかかえると、空を浮遊し始める。そのままミヤコがギンジの首に抱きつくが、ギンジは最早ツッコミを入れる余裕は無い模様。
「後でまた!カエデ達が無茶な事してたら、ギンジが止めといて!」
「すぐに、追いつく」
「お前らもあんまり遅れるなよ!」
ギンジとケイタが手を軽く振り上げると、お互いに無事を祈りつつも襲撃の場所まで向かう事にした。
「それじゃあ、私達も、行こう」
「うん!正義のヒーローとして、頑張ろうね」
ケイタとレンも頷き合いながら、温泉街へと走り出すのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・
温泉街。
それは色んな温泉を楽しめて、様々な形をした浴槽、様々な効能をその身体に染み込ませる最高のロケーション。
休暇を取るには十分な場所であり、極楽を体現出来る旅館やホテルが無数にあるこの神宮温泉街。
そんな天国に一番近い場所は、9月2日に地獄を迎え入れた。
「でゅふふーふ!」
「カカカカ!」
二人の大幹部、鶴ヶ峰ゴロウと中山ピリカ。
そしてそれに仕える戦闘員達。
平和で平穏な日差しが温泉街の破壊を優しく包む。
だが地上はまさしく地獄絵図となっており、怪我をした人々、戦闘員に髪を引っ張られて泣きむせぶ女性の数々。
爆発して吹き出した源泉、ぶっ壊された温泉。
平和なんてどこにも無い、この温泉街は最悪な世界へと姿を変えた。
「でゅふふ!さぁさぁ、私の食事となるヘヴンホワイティネスはどこかな!」
大きなデブデブの身体を揺らしながら、ゴロウは怪人の瞳を爛々と輝かせている。
「ひぃ」
ゴロウの近くで人の声が聞こえた。
その声は怯えた女性の声。
「でゅふーっ」
鼻息を荒くして、悪臭とも呼べる呼吸を吐き出すと、ゴロウは近くで怯えた女性に向かって太く重苦しそうな足で一歩を踏み出す。
「や、やめて・・・来ないで・・・」
「怯えなくても良いんだよ。私が肉厚のこの身体でプレスしてあげるからねぇ・・・でゅふ、でゅふふ!」
女性はその脳みそまで腐らせそうな悪臭と、黒ずんだ肉厚の身体を見て、それがかの大物政治家だとは微塵も思わない。
それよりも怪人というニュースでしか見た事の無い存在を前に、失神しかけている。
怯え、恐怖がすぐに頭を支配して、次は視界すらかすみ兼ねない凶悪な腐臭。
「さてさて、女性はいくら居ても困らない。私達の糧となり、新世界で気持ち良い生活を満喫しましょう。ね?」
臭い両手を広げながらゴロウは女性ににじり寄る。
得も言われぬ凶悪な臭いの大本が目の前に迫った途端に、女性は悲鳴を上げる事も出来ずに、ただ泣くしかなかった。
だが・・・。
いくら悪が強力な戦線を敷こうとも、人々を絶望の底に叩き落とそうとも、正義の光は決して潰える事は無い。
そう信じて、彼女は・・・女性はこの街に居るヒーローを呼ぶ。
今危機に陥っているこの街だけではない。
自分や、自分以外の人間が、こんな唐突に奪われてたまるモノかと。
女性は叫んだ。目一杯の大声で、いつも街の平和を守る為に神出鬼没のあの正義のヒーローを。
「助けてーーー!」
「でゅふ!無駄無駄!助けなんて・・・」
「ムーン・パラディース!!!」
「ヘヴンホワイティ・・・え?なんて?」
女性が叫んだそのヒーローの名前は、意対化市のご当地とも呼べる月光を携えて戦うあの孤高のヒーローなのだが、そんな事をあまり知らないゴロウは、ヘヴンホワイティネスを呼び出すのかと思って一瞬身構えてしまった。
「でゅふふ・・・なんだか分かりませんが、私達の目の前に敵なんて居ません。ここで捕まえて、肉厚プレスを─」
「必殺!」
ゴロウはまだ知らなかった。
自身の背後に、本当に正義のヒーローが到着している事を。
「メガトン・インパクト!!」
「え・・・?」
脂肪に囲まれた身体に、正義の衝撃が思い切り叩きこまれた。
「ゴロウはん!」
その強烈な衝撃が叩き込まれた時には、もう既に遅い。
叩きこんだ者は、肩から腰まで赤いラインがかけられ、白を基調としたボディラインが強調される様なバトルスーツに身を包んだ美少女の姿が、両腕を伸ばした状態でそこに立っていた。
「臭っさ・・・何よあいつ・・・」
鼻をつまみながらカエデは、女性を飛び越えて建物に突っ込んだ怪人を睨む。
「こっちだ!」
次いでミドリコが女性を避難させようと、行動を開始するがその目の前には戦闘員達が立ちはだかる。
「どら、邪魔すんなやぁ!」
更にその戦闘員達を横から一撃、なぎ倒す様にしてミドリコの為に道を作る。
赤い打撃の一閃はまるで燃えている様に見えて、それでいて一撃で全てを粉砕する。
赤鬼がかつぎ上げているのは、魔法界から持ち帰ってきた新たな武器、オリハル金砕棒。
「これはこれは・・・噂のヘヴンホワイティネスやんけ」
「何よあんた・・・あの怪人を連れてきたバカの一人かしら?」
ピエロの衣装に身を包んだ男、ピリカが崩壊した建物に腰掛けながら、カエデに拍手を贈る。
「あの怪人はアレでワイらの大事な仲間なんや。あんまりひどい事せんといてや」
「怪人を連れて来てるって事と、あたし達をヘヴンホワイティネスって知ってるって事は、あんたらもヘルブラッククロスで間違いないわね?」
「カカカ、そりゃ愚問っちゅー奴や。そないな事より、後ろ、向いてみーな」
ピリカが後ろに指を指しているので、カエデも警戒を解かずに背後を見る。
その向けた視界の先には先程突き飛ばした、黒ずんだデブ男が悪臭を振りまきながらカエデの方に転がってきている。
「ミドリコ、赤鬼!そっちの事は任せたわよ!」
「了解した!もうすぐレン達も来るはずだ!油断するなよ!」
「一般市民を助けたら俺っちも加勢しやすぜ!それまでご無事で!」
ミドリコと赤鬼が先程の女性を救助しつつ、二人が向かう先は大量にさらわれた人たちを捉えている飛行船に向かったのだ。
「ほな、ヘヴンホワイティネスはワイらを相手に大立ち回り、って事かいな。熱い展開やでこれは」
「意味わかんない事言ってるんじゃないわよ!」
「おー生のヘヴンホワイティネスは意外と可愛いモンやな」
「でゅふふ!噂のヘヴンホワイティネスに出会えたのは、嬉しい限り!私の肉厚で、否、種付けでプレスをしてやる!」
悪臭を振りまきながらアスファルトを砕きながら転がってくるゴロウに、カエデは軽く地面を蹴って身体をひねりながら空中へと飛び出す。
しなやかな身体を捻りながら飛ぶその姿勢は、ピリカとゴロウの視線を釘付けにする。
あまりにも美しく、それでいてエロティックなボディラインが、二人の大幹部を欲望によって突き動かす形を生み出した。
「ワイら大幹部二人がお前を倒して、組織に連れ帰らせてもらうで」
「でゅふふ!ヘヴンホワイティネスが一人!今ならチャンス!」
「へぇ?あたしが本当に一人かと思った?」
「おお?さっきのお仲間以外に、ここに来てるんかいな?」
「ええ、来てるわよ。あたしの仲間がね」
カエデがそう告げてから少し遅れて、ピリカの顔の横に青白いビームの針が飛んできた。
曲芸じみたその不意打ちの攻撃は当然ながら、大幹部であるピリカには命中しないが、ピリカはその攻撃が飛んできた先に視線を動かす。
「ごめん、遅くなった」
「ギンジじゃ無いんだから、遅刻しないでよ、レン」
ヘヴンホワイティネスのナンバー2。
青いラインが引かれた白のバトルスーツは、カエデのモノとは違い対の色になるようにカラーリングされている。
「ケイタは、ミドリコ達の所に向かわせた、ギンジももうすぐ、来るのかな」
「ギンジも来るでしょ。赤鬼が呼んでるんだから!そんな事より」
「目の前の、敵・・・」
レンの左手に握られたビーム剣と、カエデの右手のガントレットが、それぞれ敵の顔にめがけて狙いを定めた。
「ワイら大幹部コンビは、柏木の奴程甘くは無いで」
「でゅふふ!覚悟するんだな!」
「覚悟、するのは、お前たちの、方」
「そうね。あたし達の温泉旅行だけじゃなく、なんの罪も無い一般市民を傷つけた事、この温泉街を攻撃した事、後悔させてあげるわ!」
ヘルブラッククロス・大幹部戦
vs鶴ヶ峰ゴロウ、中山ピリカ
続く
お疲れ様です。
バトルは無いと言ったな、アレも嘘だ。
キャラネタ書きます
中山ピリカ
ピエロ衣装の大幹部。
技はキラーブーメラン、キラージャグリング、キラーボウリング等。
ヘヴンホワイティネスは美しいと言うのは中山ピリカ氏、その人である。
ドクターパープルに洗脳された。
鶴ヶ峰ゴロウ
腐臭を発する怪人体を持っている。
彼は腐肉の怪人であり、副作用として常に汗をかき続けてデトックスしないと、本来の人間体が腐る。
ムーン・パラディースの事は知らなかった。
技は腐肉圧殺、ミートロー腐、肉厚ピンボール、肉厚ギガプレス
ドクターパープルに洗脳された。
ドクターパープル
実はピリカと連絡をしていた休暇中の大幹部。
しかし同じ大幹部であるピリカとゴロウを洗脳したのは、第二世代の怪人としてのデータを得るべく、彼らを体よく操っただけ。
リコニス
今はギンジちゃんの事を考えながら温泉を満喫中。騒音については聞こえていたが、別にどうでも良い感じ。
・・・
さて次回は番外編なのだが、戦闘に入ります。
ただそこまで伸ばさず、あくまで番外編らしく手短に終わる様に戦ってもらいます。
ギンジ達も出てきますぜ!
それではまた次回!なるべく早く更新出来る様に頑張ります。