正義のヒーローヘヴンホワイティネス   作:アトラクション

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こんにちはアトラクションです。

こんな拙いし文章もおかしい物語も気がつけば100話超えていました。

そう言えばいつの日か100話突破記念をしたいとか言った様な気がしますが、今回一周年記念の長期番外編なので、100話突破記念の方は、また次の機会に書ければと思います。
とは言え、本編の方も色々ネタはあるので、そこもそろそろ執筆ペースを取り戻して書いていきたい所です。

それでは、どうぞ!


101・曲芸と腐肉

 

 神宮温泉街での破壊の跡は色濃く残り、至る所で煙と源泉の爆発が残っている。

 

 ヘルブラッククロスの意味の無い襲撃によって、今日の旅行を楽しみにしていた人々は苦しみに絶望し、泣き叫ぶしか無い。

 

 だが、それもここまでだ。

 

 正義のヒーローがここに来て、敵の悪事を食い止める為に、ようやく参上したのだ。もう誰もが見てもこんな凄惨な地獄から救い出してあげようと、ヘヴンホワイティネスが奮迅を開始したのだから。

 

 「でゅふふ!私の相手は、お前だな、ヘヴン1!」

 

 黒ずんだ悪臭を放つ身体の肉の断層を見せつけながら、ゴロウこと、腐肉の怪人はカエデをいやらしい下卑た笑みを見せながら鼻息を荒くしている。

 

 「あたしが嫌でも、あんたはあたしが相手してあげる。光栄に思いなさいよ」

 

 真っ白なガントレットのギアを回しながら、カエデは目の前の怪人大男に軽蔑の視線を見せる。

 

 「ほな、ワイはヘヴン2と楽しませてもらうで」

 「どっちが相手でも、私達は、敗けない。ここで終わりにする」

 「カカ、息巻くのう。気合も入るっちゅうモンやで!」

 

 カエデの隣に立つレンが、ビーム剣を構えながら黒と白のピエロ装束の男に青白い切っ先を見せる。

 

 「ワイら大幹部の力、見せつけたろうやないか」

 

 ピリカが両手にいきなりジャグリングの棒を、指に四本ずつひょうたんみたいな形を棒を取り出しては、レンに向けて構えを取り始めた。

 

 両者ふざけた格好をしていても、ヘルブラッククロスの大幹部と言うだけあって、その気迫はやはりかつてのミヤコや、柏木タツヤに似た底なしの悪意を感じ取れる。

 

 「レン!油断しないでよ!」

 「そっちも、油断大敵」

 

 カエデの左手とレンの右手で軽く拳をぶつけると、二人のヒーローは思い切り跳躍して二人の大幹部へと飛び出した。

 

 「大幹部だからって─」

 

 先程と同じく身を捻りながら飛び出したカエデが、ゴロウこと腐肉の怪人の頭上へと飛び出し、ブーツのギアを鋭く回転させる。

 

 「やって良いことと、悪い事あるでしょうがぁ!」

 

 すぐに空中で体制を整えて、左足に込められた正義の衝撃が斧の様に振り下ろされる。

 

 踵落としの要領で繰り出されたそれは、純白の聖斧にも見える程美しいモノだが、腐肉の怪人はその攻撃をまるまる太った脂ぎった腹で受け止める。

 

 「なっ・・・」

 「でゅふふっふー!捕まえた」

 

 カエデの左足が腐った肉に埋め込まれ、勢いを一瞬で殺される。

 

 体重もかけた攻撃がズブズブと飲み込まれる様に、カエデの足首は腐肉に飲み込まれ、不快な感触がカエデの足に走ってくる。

 

 「やりおるなぁ、ゴロウはん」

 「よそ見、してると、危ないよ?」

 「せやなぁ」

 

 ゴロウの一手に関心しているピリカは先程までの臨戦態勢とは打って変わり、今はジャグリングを構えた両手を腰に当てながら余裕そうな態度を取っている。

 

 そこへ背後を一瞬で取ったレンのビーム剣が向けられるが、隙だらけに見える背中に焼き斬る刃が向けられる。

 

 「ほい、王手って奴やで」

 「!?」

 

 ピリカは何も行動をしていないが、レンの身体に黒い十字架が無数に伸びて来た。

 

 何が起こったのか一瞬わからなかったが、レンの身体を絡め取ろうとしたその十字架を斬り裂いて、後方に跳躍して事無きを得る。

 

 「どや、ワイの曲芸。キラークロスっちゅうんやで。これでワイらの邪魔ばっかりする阿呆共を、いっつも捕まえてたのに、やるのう」

 「ふざけた曲芸、だね。触手とか紐の方が、まだやる気を、感じる」

 

 実際どっちもやる気を感じないのだが、レンは挑発材料として怪人達の能力を引き合いに出した。

 

 「そりゃぁ怪人達の方が能力はぜーんぶ人を超えてるんや。当たり前やろが」

 

 ピリカの声音はそこまで変わらず、そんな当たり前の事を言われても、と言った態度のままである。

 

 「それより、早く動かんと、次、来とるで」

 

 ピリカがゴロウとカエデの戦いから、レンに視線を動かした。

 

 その瞬間にレンの背筋に怖気が走った。

 

 ニヤリと笑ったピエロの顔が、不気味さに一役買い、レンの反応を少し遅らせた。

 

 レンの足元には再びあの黒い十字架が、コンクリートを突き出して茨の様に足下から突き出て、彼女の身体を黒く染めようと襲いかかってくる。

 

 「ビーム剣術・シャトルフヴィント!」

 

 青白い回転斬りがたやすく十字架を斬り払い、なおも再現なく伸びてくる黒い十字架を蹴りながら、空中に飛び出したレン。

 

 そんなレンの視界には瓦礫の上に偉そうに立つ、大幹部のピエロ。

 

 ピリカが見上げた空には、青と白のスーツに身を包んだヘヴン2。

 

 ヘルブラッククロスの宿敵であり、今こそ組織の為に様々な復讐を果たす目的が、ピリカの目の前に居る。

 

 「ビーム槍術!」

 

 ビーム剣の形状を槍に変えながら、レンは下に居る大幹部めがけて、その槍を真下に構える。

 

 槍の柄の部分が青いブーストの様に炎を噴出して、ピエロめがけて急降下していく。

 

 「来るんかいな。ほな、ワイも行くで」

 

 黒い十字架が再び地面から伸びだして来る。それは再びレンの視界を覆い尽くす程隙間の無い黒い壁となるが、レンのビーム槍の急降下によって内側から貫いて破壊される。

 

 その破壊された先には、いよいよ大幹部であるピエロ男の姿に肉薄した。

 

 「ヴィンタート・ランス!」

 「キラースイング!!」

 

 棒を思い切り振り回して、レンの槍と激突してからは空中で爆発が起こる。その爆発に巻き込まれる様にして、ピリカとレンは爆発の中心で、次の一手を繰り出しながら、激突が開始された。

 

 一方のカエデの方は、片足を飲み込まれたまま、腐肉の怪人の悪臭と、大きなハンデを背負わされた状態である。

 

 「くっ、このっ!」

 

 左手のガントレットのギアを回して、衝撃を何度も打ち込んでいるが、この怪人には通用していない。

 

 「なんで・・・!」

 「でゅふふっ!私のこの腐肉の身体に、そんなへなちょこ打撃は通用しないのだよ!あ、そーれ!」

 

 腹筋に力を入れる様にして、腐肉の怪人はカエデの足を肉で挟みこみ、ギチギチと狭い肉穴の圧力がカエデを左足を締め付ける。

 

 「痛った!ちょっと、離しなさいよ!」

 「腐肉!」

 

 腹を頭上に向ければ、自然とカエデも全身を持ち上げられる。

 

 「ただのデブの癖に、何をするつもりよ!」

 

 そのデブに良い様に抑え込まれているのは自分自身なのだが、捨て台詞の一つでも吐いておかないと、カエデのプライドが収まらない。

 

 「圧殺!!」

 「いっ!?うわっ・・・」

 

 腐肉の怪人が身体を浮かして、カエデの地面に向けて思い切り自重を叩きつける。

 

 パワーボムの如く、カエデを荒れたコンクリートに叩きつけて、手痛い一撃を先に与えた。

 

 うつ伏せのまま大の字に倒れ込む腐肉の怪人の真下には、腐臭で密閉されたカエデが潰されている。

 

 「臭っさ・・・おえっ、吐きそう」

 「でゅふふ、まだ減らず口が叩けるんだね!」

 「いい加減に・・・離れてよ、臭いのよ・・・おゔぇっ、死にそう」

 

 暗くて何も見えないがあの気持ち悪い身体に圧迫され続けると、いずれスーツに臭いが染み付いてしまいそうだ。

 

 「でゅふふ!パンパン!」

 

 うつ伏せに倒れたまま、腐肉の怪人は自分の腰をコンクリートとカエデの右足に浮かせては、下ろしての不可解な行動を繰り返す。

 

 「は・・・?ちょ、何を・・・」

 

 一瞬だけ新鮮な空気を取り入れるが、そのすぐに悪臭が倍以上にカエデのスーツに入り込んでくる。

 

 腐肉の怪人はまだ腰を浮かせては、下ろしの行動をしてカエデの左足に負荷がかかる。

 

 「痛っ!このっいい加減にしなさいよ!」

 

 カエデが次に新鮮な空気を取り込んで、そのまま呼吸を止める。

 

 そして悪臭を吸い込まない様にして、まだ自由に動ける両腕に正義の衝撃を思い切り溜め始める。

 

 「ほひーっ、ほひーっ、これがヘヴンホワイティネスの身体!」

 

 しなやかで、美しくて、脆そうで、自分の好みにあるスケベな身体。

 

 そんな身体を自分が今組敷いて思い通りにできている事が、腐肉の怪人にとってないより嬉しい事だった。

 

 きっと娘が産まれた時よりも、今が嬉しいかも知れない。

 

 「離れろ、この変態っ!」

 「でゅふ?」

 

 そんな楽しくて嬉しい時間も長くは続かない。

 

 瓦礫を背に、腐肉布団にくるまったカエデが、自分を抱きしめる腐肉の怪人の胸骨めがけた衝撃を打ち込む。

 

 「必殺!テラマグナム・インパクト!」

 「でゅふふ、無駄無駄・・・」

 「テラマグナム・インパクト!」

 

 ボゴッ、と腐肉の怪人の背中の肉が浮かび上がる。

 

 「でゅふっ!?」

 「超必殺!」

 

 両手に込めた正義の衝撃を全身で操り、腐肉の怪人の身体を内側から、その強力な一撃、二撃、三撃目を叩き込む。

 

 「ツイン・テラマグナム・インパクト!!」

 

 ついに腐肉の怪人の身体を打ち上げて、腐肉に覆われた身体の奥へとその衝撃が届いた。

 

 ピザの生地を内側真ん中から伸ばす様に、腐肉の怪人の身体が浮き上がり、その真下でカエデがもう一撃、今度は赤いオーラの拳を叩き出した。

 

 「薄く伸びたなら、流石に通る(・・)でしょ・・・!」

 

 黒く腐った身体に臆する事無く、カエデの拳が打ち込まれた。

 

 「必殺!極・バスターフィスト!」

 「でゅっふごぉえ!??」

 

 薄く伸びた黒ずんだ身体に、思い切りカエデの拳が叩き込まれた衝撃で、カエデの左足も抜けて、それと同じく腐肉の怪人がその巨体に見合わない速度で空中に浮かんだ。

 

 またその重さ通りにすぐに床に落ちて、痛みに転げまわる。

 

 「いだだだだ!ほ、骨が折れた!筋肉も伸びた、いだい!痛すぎる!あいだだだ!」

 

 そんな転げまわる腐肉の怪人の涙目を前に、カエデの左足がコンクリートを強く踏みつけた。

 

 「もう対処は解ったわ!」

 

 強く見下す少女の顔は、確実な勝利を手にした戦士の顔をしており、腐肉の怪人は痛みで胸を抑えながらも、ぷるぷると巨体を震わせながら、カエデを見上げる。

 

 「よくもやったな!」

 「それはこっちの台詞よ、このバカ臭肉団子!」

 「でゅふ・・・大人しくヤラれてれば良いモノを!」

 

 立ち上がった腐肉の怪人の怒号には、臆しない。

 

 「おのれ・・・ミートロー腐!」

 「んなっ・・・!」

 

 その巨体をホイールの様に回して、不意打ちでカエデの身体を撥ね飛ばした。いくらスーツで身を守ろうと、この一撃はしっかり効いた筈。

 

 こうなったら持ち帰る事は諦めたのか、腐肉の怪人が飛ばしたカエデに指を指して、脂ぎった腹でもう一度圧殺する事を企てたのだ。

 

 「んふーっ!種付けは辞めだ!お前らは全員殺してやる!」

 

 もう一度身体をホイールにして高速回転をして、腐肉の怪人はカエデが立ち上がる前に、手当たり次第に壁や床や、破壊した建造物、黒い十字架にぶつかって乱反射していく。

 

 「痛った〜・・・何すんのよ、このバカ・・・」

 

 カエデも頭をぶつけたのか、後頭部を抑えながら立ち上がる。

 

 こんな痛みは日常茶飯事だし、得に後遺症にもならないのだが。

 

 「でゅふ!捉え切れるか!この速度!当たれば当たる程速度を増して、やがてお前を追い詰めて、そして最後は圧殺!」

 

 腐肉の怪人がカエデを囲む様にして、自分の身体を乱反射しながら黒く赤い怪人の瞳に残光を残していく。

 

 「これぞ私の奥義!大物政治家舐めてたら終わりだぞ!」

 「政治家・・・?」

 

 一体なんの事だか。

 

 それよりも、カエデのスーツでも視認出来なくなる程早くなっていく。この乱反射は何か危ない気配が残っている。

 

 「喰らえヘヴンホワイティネス!これが大物政治家である私の究極技!!」

 

 乱反射が眼にも止まらない速度で、カエデを捉えた。

 

 逃げ場すら無くなる程のスピードによる、腐肉の一撃。

 

 「肉厚ピンボール!!」

 「がっ・・・!?」

 

 その一撃は背後から。

 

 この怪人が扱う技の中で今日一番の破壊力が、カエデの背部へと直撃して、ヘヴンホワイティネスの瓦礫の山へと突き飛ばした。

 

 「ヘヴンホワイティネス!砕け散ったり!でゅふふー!」

 

 気持ち悪い高笑いを上げて、腐肉の怪人はヘヴンホワイティネスの撃破に高く両腕をあげる。

 

 「この大物政治家・鶴ヶ峰ゴロウに出来ない事なんて無いのだ!」

 

 鶴ヶ峰ゴロウは声高らかに、ヘルブラッククロスの大幹部としての戦果に、この怪人の身体に満足が行っていた。

 

 「でゅふふふ・・・げほごほ・・・やっぱりいだい」

 

 喋るだけで揺れる肉の身体。その胸を抑えながら、腐肉の怪人は片膝をついた。

 

 「でゅふー、でゅふー・・・流石に強敵だった」

 

 思えば怪人になってからの戦闘は初めてであったが、腐肉の怪人は周囲に悪臭を撒き散らしながら、ヘヴンホワイティネスが突っ込んだ瓦礫の山へと視線を動かす。

 

 粉塵舞う瓦礫の山の奥には、まだ彼女の気配を感じるが、腐肉の怪人は荒い呼吸のまま、ヘヴンホワイティネスの無様な姿を確認しに向かった。

 

 「必・・・殺・・・」

 

 崩れた瓦礫の下から、まだ戦意を失っていない少女の声が聞こえた。

 

 「でゅふ・・・」

 「必殺・・・!」

 

 瓦礫の下、薄暗い闇の底から、黒く赤い光が、腐肉の怪人の視界に映った。

 

 「必殺!」

 「でゅふ・・・!?」

 「メテオライザー・インパクトォォ!」

 

 瓦礫を下から打ち破り、隕石の如き一撃が腐肉の怪人ごと、突き破った。下から突き上げるその衝撃は、地面に亀裂を作り、瓦礫に埋まった源泉によって腐臭を洗われた少女が、先程とは違う姿で現れた。

 

 赤いラインはより深い赤となり、白を基調としたボディスーツは、全てが黒くなっていた。

 

 真紅と漆黒とは怪人にも思える瞳の眼光にも見えて、腐肉の怪人は今目の前に現れた少女。

 

 間違いなく先程のヘヴンホワイティネスだが、腐肉の怪人が明らかに驚き、狼狽している。

 

 「よくもやってくれたわね!」

 

 声を聴いてこれは、ヘヴンホワイティネスだと言うのが解った。

  

 「でゅふ、なんだその姿は・・・」

 「ダークヘヴンスーツよ。光栄に思いなさい、このあたしが・・・全力を出すって決めたんだから・・・そして」

 

 源泉が突き上がるのを利用して、カエデは更に上空へと飛び上がる。

 

 「覚悟しなさい!あんた達ヘルブラッククロスに、もう逃げ場なんて無いんだからね!」

 

 黒く赤い残光を見せ返すカエデが、腐肉の怪人めがけてもう一度あの踵落としを決めにかかる。

 

 「超必殺!」

 「腐肉圧殺!」

 

 黒く禍々しくも、天使の様な神々しさも併せ持つ、先程よりも強力になったカエデの大技に、腐肉の怪人は再び腹を頭上に向ける。

 

 「ヴィレンタル・アックス!」

 

 再びあの足を飲み込もうと、腐肉の怪人は腹を向けた。だが、それは今度は成功しなかった。

 

 なぜなら、二度も同じ戦法を取った事で、カエデの狙いは腐肉の怪人であっても、防御に使えるあの厄介な腹を狙うのをやめたからだ。

 

 「あんた達がこの温泉街を襲撃して、あたし達を捕まえる気で居るなら・・・!」

 

 振り下ろされた天の使い、天使の大斧。

 

 それは腐肉の怪人の頭頂部へと深くめり込んだ。

 

 頭の肉を裂いて、骨を砕き、脳天に届く最大限の正義の衝撃が、悪の腐肉を叩き落とした。

 

 「もっとまともな兵力を連れてきなさいよ・・・」

 「でゅふ・・・総統閣下、申し訳・・・」

 

 メキメキと首の骨まで届くその一撃が、腐肉の怪人の戦意を一気に失わせて、かつ、敗北を認めさせる決定打になった。

 

 「この変態バカ臭肉団子!!」

 

 左足の斧はそのままに、体制を一瞬で変えて、右足による高速突き出し蹴り。

 

 「ダーク・ドライブ・レイザー!!」

 

 赤黒いオーラをまとった黒いブーツの、腐肉の皮膚を伸ばして、薄く伸びた本体に届く最大限の連撃。

 

 「でゅぶぶぶぶぶ!」

 

 肉が揺れて顔が揺れる。

 

 後方に飛び退いたカエデが、最後に両腕のギアをフル回転させた。

 

 「超必殺!デストラクション・インパクト!」

 

 最後の一撃はやはり自慢の必殺技により、打撃を吸収する皮膚を引き伸ばして現れた胸骨へと、このダークスーツ限定の必殺技を繰り出して、腐肉の怪人を今度こそ叩き飛ばした。

 

 その一撃が強烈だったのか、肉の壁を貫いて、胸骨は砕け散りながら身体が後方へと伸びて行き、後ろに飛んでいく。

 

 「でゅふーーーーーっ!!!?!?」

  

 重たい巨体がバウンドしながら瓦礫を飛び出して行き、源泉が溜まったお湯溜まりにその身体ボシャンと落ちていった。

 

 「・・・大物政治家なの、に・・・」

 

 最後にその言葉を吐いた腐肉の怪人が、源泉によって身体を流され、怪人形態が解けていく。

 

 そこに現れたデブ男は、カエデも知っているあの政治家の姿であり、汚れた身体が温泉によって綺麗になっていく様子が、なんとも皮肉に思えた。

 

 そしてこの男が自分で言うとおり大物政治家ならば、我が財閥に手を出した事を後悔させてやろうと、カエデは鼻を鳴らした。

 

 「神宮財閥に手を出した事、一生後悔させてあげるわ。そこで溺れて待っていなさい。そこが貴方の政治家人生の終着点よ!」

 

 見下ろしながらカエデが軽蔑たっぷりの声音で言うと、仲間の戦況を確認する為に、レンの下へと向かうのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 爆発を切り抜けたレンとピリカは、まだ交戦が続いていた。

 

 「カカカ、ほんまごっついのう!」

 「さっきから、曲芸ばかり。同じ手しか、使えないの?」

 

 飛んでくるブーメランを斬り崩して、レンはピリカを睨む。

 

 最早見なくても、死角からの攻撃を余裕で斬り壊すレンに、ピリカは感激すらしている。

 

 「ほな、こういうのはどや!」

 

 投げナイフを懐から取り出して、レンに投げ出す。

 

 正確に関節や額を狙う投げには関心するが、今のレンには通用しない。

 

 「かーらーのっ!」

 

 ピリカが両腕を交差させながら拳を握る。

 

 その瞬間、ナイフが挙動を変えてレンの背後へと回りだしたのだ。

 

 「また曲芸?」

 「今度のはただの曲芸と(ちゃ)うで!」

 

 ナイフがレンを取り囲みながら、その場で停滞しつつ、その刃先は少女を狙っている。

 

 これがいったい何が違うと言うのか、レンには分からない。

 

 だが次の瞬間、今までは一個ずつ飛んできたナイフが、一斉にレンへと突っ込んできた。

 

 「っ!」

 

 刃を一本斬って弾くが、二本目は間に合わず、スーツに弾かれる事なく刃が刺さる。

 

 肩に、足に、腕に、ナイフが次々と刺さる。

 

 幸い実体には届いていないが、それでも苦痛が走り、レンの顔色が少しだけ悪くなっていく。

 

 「ほうれ、お次はどないや!」

 

 ピリカがお手玉をしながらレンを挑発する。

 

 すぐさま体制を整えたレンの眼の前で、そのお手玉が燃えながらピリカの手元に収束していく。

 

 その動きは今までの曲芸とは違う、大幹部としての迫力を持った、ただの曲芸の域に収まらない大技である。

 

 「燃え尽きぃ!ヘヴンホワイティネス!」

 「・・・っ」

 

 キラーフレイム。それがこの大幹部中山ピリカの持つ最大の技であり、それらが一度に10個も飛び出された。

 

 「・・・」

 

 レンは無言で一発の炎を弾き、あらぬ方向にその球体が飛んでいく。

 

 「まだまだあるでぇ!」

 

 次々と炎が飛んでくるが、それすらもビーム剣で斬り飛んでいく。

 

 「おっほほ、やりおるわい。そうら、おかわりと行こか!」

 

 再びキラーフレイムが作り出されて、無数の炎の球体が突っ込んでくる。

 

 「・・・防ぎきれない・・・!」

 

 ビーム剣一本では防げず、急いで二刀流のデュアルに変えるが、その時点でもう遅かった。

 

 身体に炎が命中して、打撃と灼熱が同時にレンを襲う。

 

 「くっ・・・はぁ・・・」

 

 胸に走る痛み、身体に走る高熱がレンの呼吸を潰し、みるみる内にレンを炎で包んでいく。

 

 「これで・・・終いやぁ!」

 

 最後に両手で炎を作ると、ピリカは今までの中で一番大きな炎を創り出す。

 

 業火球は頭上で練り上げられて、両手で投げ飛ばすと、レンまだ形が見えていたレンを丸焼きにしようと包み込んだ。

 

 「ほい、ヘヴンホワイティネスの全身焼き、いっちょあがり!」

 「ビーム剣術!」

 「は?」

 

 業火球はピリカの眼の前で簡単に真っ二つになり、そこからレンが大上段にビーム剣を振り下ろした姿が出てきていた。

 

 そしてピリカから見えたレンの姿は、まるで天使とはおおよそ言い難い奇妙な姿をしている。

 

 手に持ったビーム剣は先程より長い形状をしているが、そこはまだ良い。

 

 奇妙に見えたのは、彼女の背後に様々なビームの武器が天使の羽の様にして並んでいる事だった。

 

 ハーフブレード、ハンマー、ドリル、ランス、牙、デュアル、ダブル、ビームアックス、蛇腹剣、フランベルジュ。

 

 そして手に持ったビーム長剣。

 

 11の形状の武器が、レンの手に持つビーム長剣に張り付いていき、可変しながら彼女に手元に集まった。

 

 「ビーム剣術・イレブンソード・・・!」

 「なんや、奥の手あったんかいな・・・」

 

 自分の持つ最大の技を斬り抜けてきた事には驚いたが、それでもピリカは大幹部として敗けを認める訳には行かない。

 

 しかし余裕を崩さずとも、もうピリカには次の一手となる技がもう存在しない。

 

 キラーフレイムは有効かもしれないが、あんなに武器を展開する少女に、果たして通用するのだろうか。

 

 「ビーム剣術!」

 「やったろうやないけ!」

 

 黒い十字架を再び展開してレンを拘束しようとするが、レンには通用しない。粉微塵になるまで一瞬で斬り裂かれ、レンの周りにはドリルとデュアルが飛び交う。

 

 「キラーブーメラン!」

 

 続く黒い十字架のブーメランが2つ、飛んでくる。

 

 刃を取り付けた切れ味の鋭い刃が、レンを撃破しようと飛んできても、それはハンマーによって叩き落とされ、もう一つは牙によって噛み砕かれる。

 

 「キラージャグリング!」

 

 棒とナイフを使った無差別飛び道具も、ハーフブレードで崩され、蛇腹剣が貫き、ドリルが全てを削り散らす。

 

 「き、キラーフレイム!」

 

 いよいよ万策尽きかけたピリカが、再び炎のお手玉を出すが、デュアルとダブルセイバーが回転しながら炎を鎮火させ、最後の業火球は同じく炎を体現するフランベルジュが飲み込む様に炎を消し飛ばし、ランスがピリカの右腕に命中していく。

 

 「ぐぬぁ!?」

 

 青白いビームの刃がピリカの右腕を破壊した事で、もう攻撃が打てなくなる。

 

 そこへビームアックスと、ビーム剣を構えたレンがもう一度肉薄する事に成功した。

 

 「今、右腕見てた、でしょ。よそ見してると、危ないよ」

 「なっ、待っ!!」

 「曲芸の続きは、地獄の底で、どうぞ」

 

 スカイブルーの髪を風圧で揺らしながら、レンは両手に持ったビーム剣とアックスで乱舞を決める。

 

 「ビーム剣術・イレブンストリクス!」

 「あっ・・・ぎゃああああ!!!」

 

 手に持つ武器以外にも、後からやってきた11の剣が中山ピリカの装備を引き裂いて、ピエロ男に大ダメージを与えて行く。

 

 「温泉と言えば、花火。これで終わって、二度と地上に現れないで」

 

 レンが最後に構えたビーム剣は、牙。

 

 大きなアギトを開いて、口内には熱による光がチャージされていく。

 

 ハーフブレードで手足を斬られ、ハンマーで身体を上空に打ち上げられる。

 

 「強刃熱光撃(きょうじんねっこうげき)!」

 

 牙から青白い刃のビームが射出されて、上空を舞う様に上げられたピリカへと、そのビームが命中した。

 

 「うせやろ!ワイは、わいは・・・だいかんぶ・・・」

 「私は、ヘヴンホワイティネス。貴方じゃ勝てないよ」

 「クソォォォォォ!!!」

 

 最後の絶叫を上げて、破壊された温泉街の上空で、白黒のピエロ男がビームによって爆発した。

 

 光が無数に散りながら霧散していき、中心では黒焦げになった大幹部の姿がそこにはあった。

 

 その光は正しく花火であり、温泉街にひときわ大きな青い花が、昼間の空に輝いた。

 

 「後でケイムショに連れて行ってあげる」

 

 ビーム剣だけを構えて落ちて来たピエロ男に、その刃を向けて、その言葉だけを静かに告げた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 温泉街えと飛行しながら向かっていたギンジは、カエデ達との合流が叶わず、新たに現れた強敵によって進行を妨害されていた。

 

 「くっそ、なんだあいつ!下からバシバシ攻撃して来やがって」

 

 ミヤコを抱えながらの空中戦は理に敵っていない。

 

 そもそもギンジが飛んでいる真下は、あまり人も通らない林道であり、木々に隠れて狙撃の如く黒い衝撃が飛んできているのだ。

 

 場所は温泉街と神宮の旅館の丁度中間であり、敵は自分達を標的と捉えて確実にこちらを狙っている。

 

 街の煙や爆発から察するに、恐らくカエデ達も交戦が開始しているに違いない。

 

 そうでありながら飛行するギンジとミヤコを狙うと言う事は、敵は明らかにこちらにも気づいていると言う事。

 

 「ミヤコ、降りるぞ!あの衝撃も厄介だけど・・・」

 「くふふ、距離が悪い、だよね?」

 

 仮に敵をやり過ごして温泉街に居るカエデ達と合流したとしても、今度は旅館を襲われたらそれも問題だ。

 

 ギンジはあまり良くない自分の頭に、精一杯の考えを張り巡らせながら、真下に居る姿の見えない敵と戦う事に決めたのだ。

 

 そうなると今かかえているミヤコを守りながらの交戦は、ギンジにとって大きな不利を背負う事になる。

 

 「くふふ、もっとギンジ君とスリルある抱っこを楽しみたいなぁ〜」

 「バカ言え、スリルなんて無くても、いつでもやってやるよ」

 「え?公式カップリング達成?」

 「ふざけた事ばっかり言うなよ」

 

 ミヤコの冗談はさておき、なおも飛び続ける黒い衝撃を、ギンジは再度にらみつける。

 

 「降りるぞ!」

 

 決めた直後に滑空しながら、しかし重力を無視した不規則な動きで敵の的にならない様に、舗装されていないコンクリートへと降りていく。

 

 地面に到着する瞬間に重力を取り戻し、風を巻き上げて腹から滑走する様に地面に降り立った二人の怪人。

 

 「あいたた、眼にゴミが」

 「悪いな。大丈夫か?」

 「う、うん平気・・・」

 

 ミヤコが名残惜しそうな顔でギンジから離れると、錆びてボロボロになったガードレールの向こう、人の姿を簡単に隠せそうな林道の木々の間からまたも黒い衝撃が飛んでくる。

 

 それはミヤコとギンジの間に割って入る様に飛び込んできて、二人に当たるギリギリを抜けていくと、すぐ近くの峠道のコンクリートに命中する。

 

 斬烈したコンクリートが二人の眼の前で崩落するのを確認すると、ギンジは衝撃が飛んできた林道に目線を動かした。

 

 「あいつはこっちの居場所を解ってるみたいだな。ミヤコ、姿を隠しとけ。結構やべーかもな」

 「敵がこっちの居場所を解るなら、ミドリコが居れば察知出来たかもね・・・」

 

 今居ない仲間の事を話してもしかたがないのだが、ギンジは確かに同じ事を思った。

 

 ミドリコが扱う魔法は敵の気配が解ると言うモノ。

 

 それが自分にもあればな、とは思うが今は本当にどうしようも無い。

 

 「なるべく身を低くして、攻撃が当たらない様に気をつけろよ」

 「くふふ、ギンジ君が心配してくれるなんて、うれしいなぁ」

 「またお前はそう言う・・・いやいいや。とにかく、攻撃が俺に向くようにするから、気をつけろよ」

 

 ギンジがガードレールに足をかけて、自分が的になるぞと言う姿勢を見せる。敵からしてもこうすればギンジが狙いやすいだろうと、解っていてやっているのだ。

 

 なんとしてもミヤコには攻撃させない。

 

 「それじゃあ、俺行ってくるわ。後でまたな」

 「はーい、気をつけて行ってらっしゃい。あ・な・た・・・」

 「なんだかやる気失せるな・・・」

 

 ミヤコの愛情たっぷりの言葉には後ろ髪を引かれる思いなのだが、とにかくギンジはミヤコを置いて林道に向かう。

 

 そんなギンジに黒い衝撃が飛んでくるが、モノともせずに弾いていく後ろ姿を見て、ミヤコはまたも自分の最高傑作にときめきを隠せないで居るのだ。

 

 だけど、それでも。

 

 「ギンジ君、無事で居て」

 

 これから戦いに赴くであろう彼に、無事で居るなんて事は無いのだが、それでもミヤコはギンジを最早自分の怪人という枠を超えて心配している。

 

 ギンジの姿が見えなくなってすぐ、もう一つの殺意に満ち溢れた気配がミヤコの上空から現れた。

 

 昼間の陽光に弾かれた黄金の鎧は、ミヤコには眩しく見えて、それで居て得も言われぬ底なしの悪の気配。

 

 「む〜ら〜さ〜き〜!!殺す殺す殺す殺す殺す!!!」

 

 むらさき。間違いなくあの色の紫の事だろう。

 

 そしてその人物が放ったと言う事は、これもまた間違いなくあの紫の事だろう。

 

 黄金の刀を引き抜いたまま、崩落したコンクリートの山を斬り壊して、その人物はミヤコの前に着地する。

 

 可愛らしい少女の顔とは裏腹に、恐ろしい程に眼を血走らせて、ミヤコと眼を合わせる。

 

 「・・・どうしてここに居るの、リコニス」

 「あんたこそなんで居るのよ、ミヤコ」

 

 何故ここに・・・大幹部として狂っている少女と、ヘヴンホワイティネスの捕虜として狂っている少女が居るのか。

 

 「あ、そうかそうか、ギンジちゃんと温泉旅行してるんだっけね」

 「・・・ねぇ、リコニス、君がギンジ君をちゃん付けで呼ぶのをやめてくれないかな?」

 「あんたの事もちゃん付けで呼んであげようか?」

 

 一気に険悪な空気感の中、ミヤコの顔の横に、黒い衝撃が飛んでくる。

 

 一瞬で狙われた事に死を感じたが、それをリコニスが軽く弾き落とすと、眼を血走らせたままの顔で林道に顔を動かす。

 

 「あ、そうだ、あんたの部下だったよね、紫ちゃんは。今どうしてもぶっ殺してやりたいのよあいつ。手を貸して」

 「わたしやギンジ君にあんな事したのに、素直に手を貸すと思う?」

 「いいのよそんな細かい事は!紫を殺すわよ、ミヤコも来るの!」

 

 リコニスの強い力でミヤコの腕を握ると、何かベタついたモノがミヤコの腕を滑っていく。

 

 「うわ、なにこれ・・・」

 「ドクターパープル特性入浴剤よ。これでひどい目にあったわ」

 「へ、へ〜・・・ヌルヌルの入浴剤なんだ、へ〜」

 

 期待に満ちた眼でミヤコの表情が明るくなるが、リコニスはその入浴剤の効能に嫌悪感を示すどころか、怒りと狂気的な殺意を顕にしている。

 

 「私の身体に間接的にでも屈辱を与えてくれるなんて、許したくも無いわね。腐っても大幹部なのは認めるけど、マジであいつだけは殺す」

 「・・・」

 

 ここでミヤコはある作戦を思いつく。

 

 こんなに怒るリコニスを操り、ギンジとも一緒にいられて、あの憎きカエデをも自分の手中に収めるであろう、ある作戦を。

 

 「ねぇねぇリコニス。わたしある良い事を思いついてね、協力してあげるからさ〜」

 

 リコニスに怪しく話しかけるミヤコの瞳は、久しぶりに見えた奈落の底の様な狂気の瞳。

 

 右目は人間の瞳、左目は怪人の黒く赤い瞳。

 

 その双眸が見せる元大幹部としての、ミヤコの底力。

 

 それを見たリコニスの背中に久しぶりに感じる、現役の時のミヤコの迫力。

 

 「くふふ、一緒に紫、いや今はドクターパープル?彼を見つけてあげるから、わたしを守って。ギンジ君にも会わせてあげるし、きっと今ここでわたしを連れて行った方が、後々良いことあるよ〜くふふ」

 

 薄気味悪い笑い方をしながらも、かつてのミヤコの気迫を感じ取ったリコニスは、肌にまとわりついたままのヌルヌルを取り払う様な、その狂気と奈落に沈んだ大いなる地獄の化身の少女に、口角を釣り上げる。

 

 「ギンジちゃんに会わせてくれるの?いいね、ノッた」

 (ふーん。こういう時でも反応はギンジ君に寄るんだね。じゃあ、リコニスもギンジ君が好きなんだ・・・)

 

 絶対にリコニスなんかにギンジを渡す訳には行かないが、それでも今はリコニスが紫を探し、殺すと言う事に形だけでもい協力しないと行けない。

 

 そうしないとミヤコが思いついたある事、新しい野望を成就出来ないと思ったからだ。

 

 (紫・・・君は本当に良い仕事をするよ・・・くふふふ)

 

 頭の中で紫の作った入浴剤と、彼の腕の良さに関心もするが、それだけではない。

 

 恐らく自分達を攻撃してきたのは、彼の造った新しい怪人だろうと、ミヤコは内心彼の成長がどんなモノかと期待も寄せる。

 

 「それじゃあ、ギンジちゃんを探しながら、紫ちゃんをぶっ殺しに行くわよ。私、約束だけは守るからさ、ミヤコを守るっての、信じていいわよ」

 「くふふ、そうだね。殊更戦闘においては、信用しているよリコニス。でも、できればわたしには近寄らないで欲しいな。また指を折られたらたまったモノじゃないのでね」

 

 ミヤコの言葉にリコニスも頷き、リコニスの言葉にミヤコも頷いた。

 

 首を縦に振った少女二人。しかし一般市民と同じ世界に生きる事のない、地獄からの使者二人の、奇妙な共闘がここに成立した。

 

 まだ昼間だと言うのに、闇が立ち込める様に見える林道の木々から、再び飛んでくる黒い衝撃を、リコニスが斬り払い、ミヤコはその後ろにメガネを怪しく輝かせながらついていく。

 

 「さぁ、行こうか」

 

 ミヤコが静かに告げる事で、リコニスが道無き道を強く歩き始める。

 

 リコニスは紫を殺すために、ミヤコはギンジと共に成る為に。

 

 

 

続く 

  

  




お疲れ様です。

少女二人の奇妙な共闘が出来上がり、ギンジは次回この番外編における主人公らしいことします。

この物語の構成上、ヘヴンホワイティネスの面々やそのほかのキャラクター達に活躍の場面を大きく取り上げていますが、ギンジが主人公なのでだいたい最後にまわしている所が多いです。

でも主人公なので、主人公なので!誰よりも花を持たせたいですね

キャラネタ書きます

佐久間ギンジ
最近かっこいい事あんまりしていない。

神宮カエデ
腐肉の怪人相手に全力を出した。
正直強かったらしいです
大幹部を単独で倒した

宮寺レン
イレブンソードとか言うゴロ悪い技名を持っている。
大幹部を単独で倒した

赤鬼、角倉ケイタ、甘白ミドリコ
敵をぶっ飛ばして一般市民救出なう

リコニス
次回何があったのか語られます。前回のキャラネタにて温泉に入っていたが・・・


言わずと知れた大幹部こと、ドクターパープル
仮面の下は誰にも見せた事が無い。

鶴ヶ峰ゴロウ/腐肉の怪人
肉厚攻撃はカエデに効いたし、腐臭も効いた。
しかし温泉に入る事で全部流された模様。
神宮財閥によって処断される未来が確定した。

中山ピリカ
大幹部なのだが、具体的に何をしてきたのかは不明。
ヘヴンホワイティネスを捕まえようとしたが、花火になった。

・・・

さて次回は、ギンジとリコニスとミヤコとドクターパープル!
四人集まってイレギュラー祭り!
そしてギンジにある変化が・・・!?
な、お話です。物語はまだまだ続きます。

それではまた次回!
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