正義のヒーローヘヴンホワイティネス   作:アトラクション

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こんにちは、アトラクションです。

お久しぶりです!ちゃんと二週間後に投稿出来て良かった!

今回の章では、レジスタンスたちのお話がメインなのもありますが、実はレジスタンスと言えば・・・そうです、宮寺レンも80年後の未来におけるレジスタンスのメンバーでした。

この章ではレンがメインになるお話でもあります。

前の章はカエデ、前々回はミヤコに。
今回はレンにフォーカスを当てた話にもなります。

レジスタンス、レン、もう一人ある人物にもフォーカスを当てる物語になります。

今回のお話は少し短いですが、始まります!どうぞ!


118・東度固化市

 東度固化市。

 

 文字通り中央度固化市から、東に進むと見える街。

 

 海からは遠ざかり、人の手によって整備されたアスファルトと、様々なコンクリート、木造建築が並び始める、開拓によって切り拓かれた街並みが並ぶ街がこの東度固化市。

 

 そんな東度固化市は、大きな商店街が十字に造られ、様々な人々でこちらも歴史の道々を切り拓いて来れた、アーケード街がここでは有名だ。

 

 優しい住人、心の広い人々で構成されたこのアーケード街は、テレビや雑誌でも幾度も取材をしてもらえている様な場所でもある。

 

 そんなアーケード街には、人間らしくない人間が居る事で更に有名となり、今では多国籍の人種に限らず、怪人、魔人、闇人なる種族まで暮らし始める始末・・・。

 

 「おう、これ高いぞ!」

 

 青い鬣を上に伸ばして、ハードジェルで固めた様な髪型をしている男が、馬の顔みたくのっぺりした鼻の穴を荒々しく広げて、獅子の顔をした店主にイキリ立っている。

 

 「だぁぁぁ!!その薬は勝手に使うなって!」

 「あら、いいじゃない。こうした方が良く効くわよ?」

 

 灰色の毛皮を鱗の様に逆立てながら、熊の様な獰猛な牙を見せつけて、更に咥えタバコの大男が、リスの尻尾をモフモフと振り回す白衣の女性に、キレ散らかしている。

 

 その白衣の女性は、薬の入った瓶を持ち出すために、両手では足りなかったのか、ほっぺにぎゅうぎゅうに詰めて持ち出している。

 

 そしてもう少し離れた場所でも、また喧騒が聞こえる。

 

 「オイィィィ!!結界の中で大雪を降らせるな!」

 

 アロハシャツを着用し、麦わら帽子をつけた恰幅の良い、顔色の悪い・・・一言で言うならばおじいさんと呼ぶのがふさわしい男が、9月という季節に似合わない白装束の着物に身を包んだ女性に、なにやら怒号を上げている。

 

 「ヒィ!ま、また怒鳴ったぁ〜うえーーん」

 「あ、ああ・・・ごめんて・・・怒ってないって、泣くなよ・・・」

 

 着物の女性がついさっきまではクールな顔つきをしていたのに、おじいさんに怒鳴られた事で大泣きしてしまった。

 

 あまりにももろいメンタルで毎回泣きだされては、おじいさんも困り果てている。

 

 おじいさんも着物の女性にも、共通した特徴があった。

 

 その二人は顔も身体も人間の形をしているが、眼の部分だけは、人とは明らかに違う色をしていた。

 

 その眼球は黒く、瞳孔、瞳の部分には赤く染まっている、不気味な色。

 

 おおよそ生物的には見えない様な不気味な色は、他の人ならざる人々にも共通しており、それぞれ黒と赤、青と紫、金と白の眼。

 

 怪人と呼ばれるならば黒と赤。

 

 魔人と呼ばれるならば青と紫。

 

 闇人と呼ばれるならば金と白。

 

 それぞれ特徴はあるのに、身体や形は共通していない者も中々の数で別れている。

 

 一括でくくって、種族の呼び方を統一させるために、彼ら彼女らは、異人と呼び、この街で暮らす事となった。

 

 異人と総称され、日本人でも外国籍の人物でもない彼らが住まう事で、いつしかこの街、このアーケード街は異人町とまで呼ばれる事となる。

 

 この人ならざる存在が住み着いた異人町にはもう一つ、目を引く特徴がある。

 

 それは一見近くまで来れば、壁にも見える大きな建物。

 

 コンクリートと大量の鉄剤で構築されて、さらには結界と呼ばれる不可思議なモノでコーティングされている、巨大と異様の2つが特徴となっている建物が、この異人町には出来上がっていた。

 

 要塞。

 

 それがこの異人町にそびえ立つ、警察も介入しない謎の建物こそが、この異人町の新しいシンボルになっている。

 

 この要塞を立てたある人物は、完成直後に中央のクアッドタワーにも負けないとまで言い出す程である。

 

 「キエェェェェ!!!」

 

 また異人町のどこかで、奇声が一つ上がった。

 

 「おい!!今度は何した!」

 

 奇抜なボンテージ衣装と、ウェーブパーマをかけてアフロみたくなった髪型の怪人、名を暴力の怪人。

 

 そんな彼が、隣を走るトレンチコートに身を包んだ、赤いヒゲの似合う怪人、名を血の怪人へとなにやらツッコミを入れている。

 

 「いや何・・・男性恐怖症を克服させてやろうと、吾輩が人肌脱いでやろうとしてな・・・股を開かせるまでは進んだのだが・・・」

 「・・・は?」

 

 彼ら二人が飛び出した家は、普通のあばら家であり、職を持てない事が多い異人たちには、あるだけでもありがたい家なのだが、そんなあばら家を中から黒い衝撃波が飛び出しては、あばら家を崩壊させかねない程の威力が、屋根を突き破って青空に飛んでいる。

 

 「キエキエキエキエ!!!キャァァアアアアアアア!!!」

 

 けたたましく、恐ろしくこだまする少女の絶叫が、異人町に響き渡る。

 

 「おー、また拒絶ちゃんが暴れてるね〜」

 「うおお良いところに!」

 

 暴力の怪人が血の怪人と共に黒い衝撃波から走って逃げる道中、小麦色に日焼けした少女の姿を発見する。

 

 彼女はこの異人町で花屋を営む主人の自慢の娘。

 

 今は女子野球部で青春の汗を流す、スポーツが命の少女の名前は菊沢トモカ。

 

 スポーツに人生をかけている少女・トモカの左右を暴力の怪人と血の怪人が同時に走り抜けると、黒い衝撃波に対して後を任せる事にする。

 

 「すまねぇ!血の奴には後でオレがしばき倒しておくから、拒絶の怪人の怒りを沈めてくれ!」

 「うん、無理〜」

 

 トモカはこんな異人たちに囲まれているが、彼女はなんの戦闘能力を持たないただの人間だ。

 

 おっとりした様な返事を返して、暴力の怪人は絶望一色の顔を見せる。

 

 暴力の怪人と血の怪人の無理難題には、普通に無理の一言で返して、彼女は通学に使っているスポーツバッグを持って、家でもある花屋へと歩を進めるのであった。

 

 そしてあばら家はと言うと、完璧に粉々に砕け散り、ガラスや木材でさえ、粉になる程消え失せてしまっていた。

 

 コンクリートもクレーターみたく削り取られて、途中まで適当に伸びた水道管からは水が吹き出ている。

  

 電線もちぎれたのか、火花が散ってしまっている。

 

 あばら家が置いてあった場所の中心に立っているのは、蝶の羽を大きなホチキスで無理やり背中にくっつけていて、緑色の短髪の少女。

 

 口角を引つらせながら、頭に生えた触覚の様な器官をぴこぴこと動かしながらも、真っ黒な眼をぎょろぎょろと動かしている。

 

 彼女の名前は拒絶の怪人。正式名称としては蝶の怪人の名を授かるはずだった怪人である。

 

 普段は落ち着いているが、男性恐怖症が強く出てきたり、自分にとって不利な状況が続いたり、怖いと思う様な出来事に直面すると、触れる事が出来ず、しかし明らかに鉄みたいな硬度を誇る衝撃波を発動して、周囲に被害を及ぼす、最大級の害悪怪人である。

 

 「フシュウウウ・・・ボウ、リョク、チ・・・イラ、ナイ・・・イラナ、イィィィェヤアアア!!!」

 

 そんな害悪とまで言われている拒絶の怪人は、暴力の怪人と血の怪人が走っている真後ろまで、身体をぐにゃりと捻じりながら、重力を無視した動きで接近してきた。

 

 拒絶しているのだから、離れるだけで良いのだが、わずかに狂乱モードと称される今の状態では、わずかに残った理性から、男性二人に明らかに殺意と乙女の怒りを醸し出しているのだ。

 

 「オレは違うって!オレはまだ何もしていないって!」

 「吾輩もだぞ!何もしていないぞ!股を開いただけだ!あと太もも柔らかかった。うむ」

 「ずりーぞテメー!」

 「キエエェアアアアア!!!」

 

 黒い衝撃波が吹き出し、アーケード街のど真ん中で黒いドーム状による小規模な爆発が巻き起こる。

 

 「あああ!死ぬ!今度こそ死ぬ!」

 「このままでは被害が!吾輩、まだDTのまま死にたく無いのである」

 「どうでもいいから!」

 

 ボンッ・・・。

 

 こうして、この街で暮らす人々には見慣れた光景である、三異人の日常が今日も繰り返された。

 

 暴力の怪人。

 

 血の怪人。

 

 拒絶の怪人。

 

 彼らはヘルブラックロスから脱走した、処分待ちだった怪人たち。

 

 反旗を翻す為に、彼らはこの異人町においてレジスタンスと言う組織を結成しようと、三人で脱走した同士である。

 

 しかし・・・最近は思うように物事も進んでおらず、毎日あばら家を崩壊させてしまう日々を過ごしてしまっている。

 

 東度固化市のもう一つの名物となった、要塞の一室の中から、そんな小規模な爆発を見て、小鳥遊アキラは眼を細める。

 

 この要塞の一室はすぐ真下にアーケード街が見下ろせる形になっていり、爆発の音でアキラは外に視界を移したのだ。

 

 「・・・また爆発したのか・・・」

 

 スラリとした足を組みながら、日の当たる窓際の椅子にもたれながら頭を抱える。

 

 彼女もまたこの東度固化市の異人町の異人たちによって結成されたレジスタンスに所属する事になった元公安警察の人間なのだが、怪人と言う突飛な生物たちの問題行動には頭を悩まされるばかりだ。

 

 「・・・この要塞は大丈夫だよな?」

 

 誰か居るわけでも無いが、あんな小規模な爆発とは言え、死人も出かねないあの爆発を見て、アキラはため息を一つ吐き出すのであった。 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 「身体の調子は、ど、どうかね、ふひひ」

 

 要塞の高層にある小さな医療室で、猫背の男が声を出した。

 

 白衣はくたびれていつまでも洗濯されていないのか、シミだらけシワだらけである。

 

 男の顔も正直不潔感満載のヒゲもじゃの顔をしており、白髪混じりの髪を後ろに束ねて、これまた汚らしいメガネをかけた男だ。

 

 窓のないこの部屋は見渡せば、よくテレビやドラマで見る事が出来る、手術室にも見える青白い部屋だった。

 

 「・・・ここは」

 「あ、ああ、まだ喋らなくても、良いよ、ふひひっひ。君の身体は、怪我だらけ、それに人間じゃ、わ、わた、わ、わ・・・私の研究対象には、な、な、ならないからね、ふひひひ」

 

 汚らしい歯を見せながら、少々会話に難がある喋り方をして、猫背の男はあぶらぎった顔で、ベッドに眠る男にそう言葉を続けた。

 

 「しかし・・・まさか有名人(・・・)を拾うとはね、う、う、嬉しいよ・・・」

 

 猫背の男がよたよたと、彼の持ち物を一つ見せつける。

 

 眩しいぐらいの強いライトにかぶせる様にして、男の視界に見慣れたカードが差し出された。

 

 「日本の軍隊、そ、そ、それも、まさか・・・現状で軍のトップとも言うべき、お、お、お、男・・・銀葉イオリ・・・」

 「・・・」

 

 ベッドで眠る男の名前は銀葉イオリ。

 

 9月6日に起きた大規模テロ攻撃、虹層作市の防衛の為に立ち上がったのだが、日本軍はあえなくヘルブラックロスと呼ばれる超常の悪の組織によって、精鋭部隊が壊滅・・・その後残ったメンバーでバラバラに脱出した・・・事をイオリは思い出してきた。

 

 どうやってこの場所に来たのか、どうやって生き延びたのか、それすらも色々とわからない事だらけで、気がついた今この瞬間では、身体が言うことを聞かないどころか、激しい疲労感で恐ろしく眠く感じる。

 

 「い、い、い、今はゆっくり、す、す、すると良い」

 「そうさせて、もらう」

 

 うまく呂律も回らないが、汚らしい男の言葉に甘えて、イオリは意識を落とすかの様にして、その瞼を閉じた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 現在日時は2022年、9月14日。午前11時を回る頃。

 

 あれからほとんど赤鬼によって破壊された神宮亭は、ほぼ元通りに修復されており、神宮財閥長の神宮ソウイチロウも怪我の治療を終えて、この屋敷に戻ってきた頃合いだ。

 

 新しいカエデハウスの建設計画も進める中で、一先ずは正義のヒーローであるヘヴンホワイティネスは、ヘルブラックロスからの宣戦布告を待ちながらも、虹層作市みたいな惨劇を起こさないように、パトロールを行う日々を送っていた。

 

 「おいーっす、戻ったぜ」

 

 朝のパトロールを空から行ってきたギンジが、テラスへと滑空しながら戻ってきた。

 

 最初は羽を出すだけでも背中と洋服を引き裂いたモノだが、今はもはや痛みも無く、洋服も破ることもない、コウモリの羽を消滅させる様にたたみ込むと、ギンジは肩こりでも気にする様に肩と首をぐりぐり回す。

 

 「玄関から入りなさいよ、ギンジ」

 

 邪険な顔つきでギンジを咎めるのは、カエデ。

 

 この財閥の一人娘であり、令嬢としての気風を兼ね備える彼女は、普段とは打って変わって、フリフリが沢山ついたいかにもお嬢様の様な洋服に身を包み、ティーカップを口にする。

 

 「そういや、お前学校は?」

 「平日だからね、普通なら行かないとだけど・・・あたしは別にいいの」

 「なんで?」

 「財閥だからよ」

 「理由になってないけど、財閥ってスゲー」

 

 しかしよくよく考えれば、カエデはいつか18代目のソウジロウから後を継ぐ事になるお嬢様。

 

 学校の勉学レベルのモノならば、特に集中して取り組む必要が無いぐらいには、勉強やらは出来るのであろう。実際夏休みの宿題はメンバーの中では誰よりも早く終わらせていたのだ。

 

 そんな事よりも経済学や帝王学、経営術であったり傘下の企業の事を頭に詰め込む事の方が彼女にとっての本当の意味での勉強になるのであろう。

 

 よって、レン、ケイタは学校へ、ミドリコは本庁に出勤し、赤鬼とミヤコは毎晩遅くまで・・・と言うよりは朝方まで起きている為、今はスヤスヤタイム・・・。

 

 カエデはこうして紅茶をたしなみながら、様々な専門書とにらめっこ。

 

 ギンジはパトロールも終わって、誰にも相手されず、今は一人ぼっち。

 

 「昼ごはんは?」

 「ん・・・まだ11時ね、あと一時間は我慢してよ」

 「お、まぁ、そうだな・・・」

 

 普段と違ってそっけない返事で、ギンジは内心がっくりとうなだれる。

 

 (ぬあーーバカバカ!そうじゃないでしょうが!ギンジ、お腹空いてるの?しょうがないわねぇ、あたしがご飯作ってあげるわよ!ぐらい言いなさいよあたしのバカ!)

 

 素っ気ないのではなく、鏡の怪人の襲撃された日の夜に、キスした事を恥ずかしがってか、カエデは自分に素直になれないだけであった。

 

 一方のギンジは・・・。

 

 (いやーしかし腹減ったなぁ・・・ラーメン食べたいんだけど、カエデって麺類啜れないなんだよな確か。あ、そう言えばこいつ何飲んでるんだ?ミントっぽい香りがするから・・・ハーブティー?あ、でも高級なやつだから・・・ロイヤルハーブティーかな?)

 

 全く違う事を考えていた。

 

 「暇なら、どっか出かけても大丈夫よ。ミヤコもまだ起きないだろうし、たまには好きに出かけて来なさいな。あ、お金ある?無いならあたしが・・・」

 「いや、出かけるならカエデと一緒がいいなぁ・・・」

 「・・・?」

 「え?俺変な事言った?いつも一緒に出歩いてるんだから、いつもの事かと思ったんだけど・・・」

 

 ギンジからの思わぬ発言に、本で顔を隠すカエデ。

 

 今は多分顔が真っ赤なのだ。

 

 ギンジにこんな顔は見せられない。

 

 だが・・・。

 

 「もーそこまで言うならしょうがないわね!あたしの時間は高いのよ!高いけど、そこまで言うならまーーーしょうがないわねぇ!」

 「なんだその言い方!お前アレだろ、高飛車な自分がかっこいいとか思ってるそういう口だろ!」

 「ハァ!?そんなわけないでしょうが!っていうかあんた、あたしの下僕のくせに偉そうなのよ!」

 「いや実際財閥長の娘の下僕って相当デケェ立場だからな!他の社員に務まる訳ねぇだろ!」

 「何言ってるのよこのぼんくら怪人!」

 「そ、そのぼんくらにキスしたの「わーーー!!声がデカイわよこのバカぁ!」

 

 『怪人でも分かる!経済学!』と書かれたタイトルの本をギンジに思い切り投げつけて、ギンジの頭にめり込んでしまった。

 

 そのままギンジが倒れるが、カエデは肩で息をしながら顔を真っ赤にしている。

 

 舌戦において初めてギンジが勝った瞬間でもあった。

 

 「・・・いいわよ」

 「え?何が?っていうか、本が刺さってるんですけど・・・」

 

 こんな理不尽な暴力も当たり前な毎日だ。

 

 立ち上がりながらギンジが本を抜くと、カエデに手渡すした。

 

 「だから、出かけるんでしょ?いいわよ、行きましょ」

 「え?勉強はいいの?」

 「うるさいもう!」

 「ひでぶっ」

 

 手渡された本を今度は顔面に突っ込まれて、顔面が鼻から顔の内側にめり込んでしまった。

 

 「ま、前が、見えねぇ・・・」

 

 『怪人でも分かる!経済学!』と描かれた本は、テラスに置いていかれる事になった。

 

 まさかギンジの為にこの本を読んでいるとは思っても居ないギンジは、顔面が潰れて前が見えない状況になっているが、そんな顔になってしまったギンジを見て、申し訳なさや愛おしさではなく、面白さが勝つのはこの二人の関係性があるからだ。

 

 「ほら、早く支度しなさいよ!」

 「ふぁい・・・」

 

 前が見えないままのギンジと、今の状況をいつもどおりに過ごせなくなってしまっている様なカエデの二人は、とりあえず出かける事にするのであった。

 

 「ちなみに、どこに行くの?」

 「え、ああ・・・腹減ったから、なんか食べたいなーって思ってよ」

 「ふぅん・・・それじゃあ・・・」

 

 カエデが少し笑みを見せてから、ギンジの前に躍り出てきた。

 

 こうして見るだけならば可愛いらしい仕草なのだが、今のギンジは顔面が陥没して前が見えない。

 

 「東に、麺類食べ放題の屋台が複数出てるみたいよ。どう?行ってみない?」

 

 カエデがニッと笑う。

 

 麺類は啜れないから嫌いと言っていたカエデからの思わぬ提案に、ギンジもようやく顔を戻して、同じ様にニッと笑う。

 

 サングラスをかけたギンジに、同じ様にサングラスをかけたカエデ。

 

 カエデが食べたいかどうかは別だが、今はこの二人だけなのだ。

 

 せめて食べたいモノにありつけるならば、とギンジは大手を振って喜びを見せた。

 

 「東に麺類食べ放題か。そりゃ良い。センスも、食べるモノのチョイスもな」

 「そうでしょそうでしょ。もっとあたしの事を褒めなさい」

 

 そうとなれば今すぐでかける支度を初めて、カエデとギンジは二人で食事の為の外出を始めるのであった。

 

 

 

続く 

 

 




お疲れ様です。

いやー久しぶりに投稿出来て嬉しい!

前置きにもありましたが、現代のレジスタンス編はレンのお話になるところです。もちろん久しぶりに登場した三怪人たちも活躍するお話になります。

異人町の面々も活躍、やっぱりヘヴンホワイティネスも大暴れな章です。

キャラネタ書きます

暴力の怪人
ヘルブラックロスから脱走した、処分を待っていた怪人。
同じく血の怪人、拒絶の怪人も脱走したが、一応暴力の怪人が二人を従えている。

怪人らしく性の力が大きいモノの、決して強引に手は出さない。
人と共存する以上、理性を働かせている。拒絶の怪人をよく眼で追う。

血の怪人
トレンチコートを着ている、赤いヒゲをした恰幅の良い怪人。
血液が常に汗の様に流れる為に、吸血を行わないと生命を維持できないのだが、そこは暴力と拒絶に毎日血を少し分けてもらっている。
暴力の怪人を頼りないとは思いつつも、一応リーダーとしては認めている。
拒絶の怪人に血を分けてもらっている事から、今回ワンチャンあると思って股を開かせた。

拒絶の怪人
蝶の様な羽を持っている怪人で、非常に可愛らしい小柄な少女なのだが、毒蛾の怪人に羽をもがれた事からデカイホチキスで羽と背中をくっつけている。
極限を超えた男性恐怖症でもあり、自分の思い描いた通りに物事が進まなかったり、男性に言い寄られるだけで拒絶の意思を実体化した衝撃波を生み出す事を得意としている。何気にギンジに気絶させられた過去を持つ。
自分のこの性格を直したいとも思っているが、あまりうまく行っていない。

菊沢トモカ
異人町の花屋の店主の娘。
女子ソフトボール、野球部に所属。
褐色の肌に、健康的なスポーティブ少女。蜘蛛の怪人に風呂を覗かれていた過去アリ。

佐久間ギンジ
久しぶり、俺だよ俺。この物語の主人公だよ。

神宮カエデ
この物語のヒロイン。見せ場は主人公よりも多い。

鈴村ミヤコ
ギンジ君大好きな半分怪人のドクター。何故女の子なのにドクターなのか?良いんだよ細かい事は

赤鬼
ミドリコと手を繋いだだけでアホ程喜んでいる。

甘白ミドリコ
公安局が事実上の機能停止陥った為、本庁に出勤している。
いつもどこにロケットランチャーを隠しているのかは彼女にしか分からない。

角倉ケイタ
レンと手を繋いだだけで引く程喜んでいる。将来は警察?神宮財閥?それともお父さん?

宮寺レン
2102年の未来から、2022年にタイムスリップしてきた少女。
次回は主役回。

銀葉イオリ
実は名前は違うけど、既にこの物語に登場しています。
どこに居るかは探してみてね。

・・・

次回はレンの主役回!下校中、見覚えのある人物を見て・・・?な回です。

近頃は更新頻度が遅くて本当にごめんなさい!
それではまた次回!!
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