正義のヒーローヘヴンホワイティネス   作:アトラクション

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ケイタばっかりずるいぞ!
こんにちはアトラクションです。

もっとケイタとレンを書きたいと思い、かいてみました。

恋愛はいいぞ!

そしてトータル20話になりました!
これからもよろしくお願いします!
それでは、どうぞ


19・宮寺レンと角倉ケイタ、夏の夜の下

 

 6月29日。

 

 ギンジの誘拐と襲撃、それからあの映像を見たヘヴンホワイティネスのそれぞれに決意と覚悟を背負わせた。

 

 まともに戦える三人がそれぞれ行動を開始する中、ケイタは一人で気になることを調べていた。

 

 ギンジを撮影していたあの部屋のトロンボーンのレリーフ。

 

 (どこかで見たことあるような気がするんだけどな・・・)

 

 ミドリコからコピーしてもらった映像を自分のスマホに移し、何度もその動画を見る。

 

 どこかで見た事があるというその動画に写るトロンボーンのレリーフ。

 

 未だにミドリコも公安警察の権限を持ってしても、その場所の特定にいたっていない。焦らない様に冷静さを持っていても、どこか内心焦っているようにも見える。

 

 「ん〜・・・僕にもなにかできないかな・・・」

 

 一生懸命自分の出来る事を模索しながら、情報を洗い出す。

 

 「ケイタ、精が出るな。何か見つかったかい」

 

 カエデハウスのリビングに入りがてら、ミドリコがケイタのスマホや、ノートに目を通す。

 

 「まだ何も見つからないよ・・・あいつら、ヘルブラッククロスの動きが湾岸エリアの事件以降、何も探せないんだ」 

 「困ったものだね。私も色々と探しているんだが、見つからないよ・・・」

 

 不安な顔になるケイタとミドリコ。

 

 「必ず、何か情報を掴んでみせるよ。だから、ミドリコさんは、ミドリコさんの出来る事を・・・」

 「解っているさ。時にケイタ」

 

 ミドリコがケイタの側から離れると、キッチンへと移動する。コーヒーでも淹れるのだろうか。

 

 「君は・・・警察とか向いていそうだな」

 「僕が?ハハ、お金とか抜きにしても素晴らしいお仕事だと思うけど、僕はいいかな」

 

 流石に警察という仕事は怖くて出来ない。自信が無いのもそうだが、銃なんて握った事のない、ただの男子高校生がそんな事言われると思わなかった。

 

 「そうかね?誰かの為にそこまで集中してメモや、情報を探すのは誰にでも出来ることじゃないと思うぞ?」

 

 お湯を沸かしながらミドリコが、カウンター越しにケイタを覗き見る。

 

 「それだけの情報を調べて、例え答えに導けなかったとしても、時間は無駄にはならないしね。結果を焦らず、私も頑張るとしよう」

 

 ギンジを助けたいのは皆同じ事だから、と。

 

 ケイタもちゃんと仲間なのだ。戦えない彼のやること、役目は情報収集。今後の為にも、敵の行動はなんとしても掴んでおきたい。

 

 その執念にミドリコはケイタの実力を高く評価していた。

 

 内心自分では思いつかない所から情報を探すケイタの姿勢は、正直警察には欲しい人材だからこそ、警察に向いているのかも知れない。

 

 「そうだ、ミドリコさん」

 

 ケイタは手元の端末から、トロンボーンのレリーフの写真を印刷すると、その紙をキッチンまで持っていき、ミドリコに見せる。

 

 「この写真のレリーフ、調べてもらう事出来る?」

 「これか・・・いいぞ、調べよう」

 

 ミドリコがその写真を受け取ると、ケイタは再び席に戻る。

 

 情報を調べて、必ずギンジの救出に役立つ。その為に調べられる事は全部調べようと、改めて情報収集に戻り始める。

 

 (必ず、なにかあるはずなんだ・・・)

 

 まだまだギンジと話したい事は沢山ある。もっといっぱい男同士でしか出来ない話や遊び、それらをまた出来るように、ケイタは覚悟を持って情報を集め始めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ビーム剣を振り回し、ダミーの敵を斬り崩す。

 

 レンはただひたすら無心になって訓練を行っていた。

 

 集中し、神経を研ぎ澄ます。

 

 様々な形状に武器を変更して、あらかたプログラムされている訓練を全て終わらせると、次はカエデと交代になる。

 

 「次は、カエデ」

 「はーい。やってやるわよ」

 

 ガントレットのギアを回し、戦闘態勢に入る。

 

 現れるダミーはヘルブラッククロスの怪人・・・オーク怪人と同じダミーのプログラム。

 

 初めて戦った時から異質な雰囲気を持つこの怪人には、かつてカエデ達は三人がかりでなんとか倒せた。

 

 もっと強くならないと、ギンジの救出の際に勝つことは難しいからこそ、今ここで二人は訓練している。

 

 「カエデ、気をつけて」

 「勿論よ!」

 

 レンの声援に応えると、カエデはダミーオークと訓練を開始する。

 

 このオーク怪人は、剣士の怪人と同じぐらいの強敵。

 

 一度敗けかけたその存在との戦いを思い出し、全力で駆け出し、ダミーの怪人とぶつかりあう。

 

 力も、戦闘技術も何もかもがカエデよりも上のオーク怪人のダミーを相手に、自分の出せる攻撃手段で何度も試行錯誤を繰り返す。

 

 この攻撃では駄目だ、ならば次はこうだ、と。

 

 次々と思考を巡らせ、攻撃を与えていく。

 

 ダミーとは言え恐ろしい強さは健在で、カエデの強力な攻撃もほとんどの場合はびくともしない。

 

 「頑張って〜」

 「わかってるわよ!」

 

 二人の少女達は、今日にもギンジの居場所が判ればいいと、そんな気持ちで訓練を行う。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 今の時間は18時を回る頃、僕は相変わらずトロンボーンのレリーフについて調べていた。

 

 学校でも、街でも見たことのあるような、無いような。

 

 「どこかで・・・絶対見たはずなんだよなぁ〜・・・」

 

 僕は今日はずっとこのミドリコさんの自宅である、カエデハウスでジッと調べ続ける事、数時間。

 

 「ケイタ・・・?」

 「ああ、お疲れ様、レンちゃん」

 

 訓練を終えて、シャワーも済ませたのか、とても良い香りがリビングに充満する。

 

 「ずっと、調べ事?疲れて、ない?」

 「うん。僕は大丈夫だよ」

 

 普通の人が見たら無機質に感じるレンちゃんの言動は、僕からすれば美しい天使の姿に見えるよ。

 

 「朝からずっと、だよね?休憩はした?」

 「してません・・・」

 

 湾岸エリアでの一件以来、僕は無茶をしてたりするとレンちゃんに怒られる事も増えた。

 

 勿論湾岸エリアの件は僕が悪い。

 

 僕は彼女達や、ギンジと違って表立って戦う事はできない。

 

 好きな人の力になりたいって、思うのは普通のことじゃないかな。僕が怪我をするならいくらでも怪我したっていいしね、レンちゃんが傷つくのは見てられないよ。

 

 「駄目、だよ。ケイタくんが・・・無理しちゃ、駄目」

 「そうですね。ごめんなさい」

 

 ジトーっと睨まれると思わず敬語になる。なんかトラに睨まれる様な気分になる。

 

 「身体動かさないと、なまるから・・・それと、これからもまだ、調べる事、あるの?」

 

 運動は苦手とまでは言わないけど、僕にはあってないんだよぉ。

 

 調べる事と言えば、相変わらずトロンボーンのレリーフ、そしてそれを飾っているあの動画の部屋。

 

 僕はノートを纏めると、レンちゃんもそれを手伝ってくれる。

 

 レンちゃんの傷だらけの手、指、腕を見るといたたまれなくなる。

 

 本当にこんな戦い、早く決着が着かないかな。

 

 皆可愛そうだ・・・。

 

 「ケイタ、ご飯はどうする・・・?」

 「ああ、そうか、もう夜になるしね。何か買って来ようか?」

 

 訓練とかでも疲れてるだろうし、こういう時は僕が頑張らないと!

 

 「あまり、外に出るのは、駄目。奴らが、どこまで手をのばしてるか、解らないから」

 

 確かにそうだ。だから僕は、カエデハウスに保護されているんだ。最低限の着替えとか持って急いでここまで運ばれたんだよね。

 

 必死な形相のカエデにチョップされたり、ミドリコさんに銃を持たされたりしたけど、それはまた別のお話。

 

 「だから、その、えーと」

 

 珍しく歯切れの悪い口調に、僕はなんだか可笑しくなる。

 

 「一緒に・・・行こう?」

 

 レンちゃんの提案に僕はとても嬉しくなる。

 

 はにかむ彼女の仕草や、丁寧にしようと思って沢山の感情を見せてくれる、この瞬間だけは僕だけのひととき。

 

 「それじゃあ、行こうか」

 

 僕たちは二人で、近くのコンビニまで行くことにする。

 

 ようやく手を繋いで歩ける様になって来たのに、こんなネーミングセンスの悪い部屋で集中し続けるのも変だしね。

 

 それにせっかくレンちゃんと一つ屋根の下で、寝泊まり出来るんだし、こういうイベントがあっても・・・って思ってたけど、そんな楽しい事ばかり考えても行けない。

 

 今はギンジの救出を急ぐ為に、皆思い思いに考えてる。僕だけが戦闘に行かないからって、こんな邪な事ばかり考えるのは駄目だ!

 

 男だろ、角倉ケイタ!

 

 僕は心の中で両手を頬に叩きつけると、引き締まる思いになる。

 

 「ケイタ、行こー」

 (でも手、ぐらいはつなぎたいなぁ・・・)

 

 呼びかける彼女に、追いつく僕。

 

 玄関を開けて、夏の夜を歩き出す。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 私が戦わないといけないのは、産まれた環境のせいだって、かつてはそう考えた事があった。

 

 戦わなくていいなら、私は戦いたくない。

 

 痛い思いもしたくないし、怪我もしたくない。

 

 放棄するならその方がずっと楽だということを、私は知っている。

 

 でも・・・例えばそれで守りたい人が、辛い思いをしないと行けないのは、良くないと思う。

 

 私が戦わないと行けないから、戦う。ただそれだけの簡単な理由。未来から今、過去の日本へ送ってもらえたのも、そういう戦いへの志が大きかったからかも知れない。

 

 私ならきっと勝てると、そう信じて貰えたから。

 

 その期待に必ず応える。

 

 (私は、戦いに勝てれば、それでいいと思った)

 

 でも今は・・・。

 

 ただ勝つなら、ヘルブラッククロスと同じ。その先で何を守るのかが大切。

 

 それはミドリコに拾って貰った時から、そしてカエデやギンジと共に戦い始めた時から、なによりもケイタくんと一緒に居ることで、守りたいものの意味を知った。

 

 私だけが守るのでは駄目。私も誰かに守られる存在である事を忘れても駄目。

 

 最優先に守るなら、ケイタくん。これだけは間違いない。

 

 私に、生きる意味も、友達の意味も、なにより。

 

 「好きになる、ことの意味を、教えてくれた人」

 「え?すき焼き?コンビニに売ってるかな〜?」

 

 ・・・?コンビニにスキヤキなるものがあるの?

 

 未来には無い食べ物の名前が出るたび、私は心が踊る。

 

 「・・・今の、聞こえてた?」

 「ん?すき焼きがどうって・・・」

 

 良かった聴かれてない。

 

 人を好きになる事が、こんなに苦しくて、素敵な事だと教えてくれた彼には感謝しかない。

 

 この時代へと来て、人を知り、守る事の意味を知り、愛する事を知り、人を好きになるという事の意味を知った。

 

 だから私は戦いを我が身可愛さで、放棄したりすることはしない。

 

 例えどんな理由があっても、未来を守るために放棄すること自体が、許されることではないのだけれど。

 

 「・・・」

 「・・・」

 

 一緒に来たはいいけど、何を話して良いのか解らない。

 

 「レンちゃんは、この戦いが終わったら、何かしたい事、あるかな?」

 

 私のしたい事。

 

 「・・・ずっと、皆と楽しく暮らしたい、かな」

 「うん。僕もそれは同感かな」

 

 日が沈みつつある住宅街エリアを歩きながら、ケイタくんは私の顔をジッと見つめてくる。

 

 これだけでも鼓動は、私の意思に関係なく早く動く。

 

 「僕は、この戦いが終わったらレンちゃんと、旅行とか行きたいな」

 「旅行・・・」

 

 言葉の意味は知っているけれど、実際に行ったことはない。せいぜい未来で、ちょっと遠いレジスタンスの遠征にでかけた事があるぐらい。

 

 緑の木々が揺れる道を二人で歩きながら、ケイタくんは話の続きをつなげていく。

 

 「一緒に見たことのない景色や、美味しい物を食べて、二人で大切な一瞬を共有し合うんだ」

 

 両腕を広げながら話す彼の姿勢に、楽しみが増える。

 

 それと同時にいつ終わるか解らない、この戦いへの恐怖が大きく膨れ上がる。

 

 「ケイタくん・・・あのね」

  

 いつも思うことを、いつか話そうとして、今まで先延ばしにして来た。今なら話すべきことだと思う。

 

 本当はカエデもミドリコも居るといいんだけど、今だけは二人で話しておきたい。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 「うん?どうしたの?」

 

 夏の夜が広がり、熱気が上から下から来る、この季節。

 

 僅かな風で木々が揺れる。

 

 レンの強張った表情がケイタの表情も同じ様に強張っていく。

 

 「ずっと言おうと、思ってたの、でも怖くて・・・」

 

 レンは歩みを止める。

 

 ケイタも遅れてその足を止めて、半歩後ろのレンへと向き直り、彼女に近づく。

 

 かつての言葉を同じ様に、そのまま返そう。そして少しでも話しやすくなるなら、と配慮もしよう。

 

 「大丈夫だよ、ゆっくりで良いから、レンちゃんの言葉を聴かせてほしいな」

 

 ケイタはレンの手を握り、近くのベンチまで行くと、二人隣同士で座る。

 

 ずっと話そうとしていた事とはなんだろうか。

 

 きっと彼女なりに思いつめていた事も、沢山あるのだろう。ケイタは自分の好きな子の為に、なんとか力になりたいと、時間がかかっても正義の見方であるレンの言葉を、確実に聞き出して行こうとする。

 

 「私、本当は、戦うのが、怖い」

 「・・・」

 

 膝に肘を乗せて、前かがみになるレンの背中を、優しく撫でる。

 

 「そうだよね・・・君はずっと戦ってきて、今日まで・・・」

 

 駄目だ。言葉が出ない。

 

 結局戦わない自分には、命がかかる戦いに身を投じないし、なにより気休めの言葉にしかならない事を、この瞬間で理解すると、押し黙ってしまう。

 

 「でも・・その、僕は、レンちゃんが今まで戦って来た所を、全部じゃないけど、見てきたつもりだし・・・」

 

 どうやっても悪い方に転がっていきそうな気がする。このまま空気を上げる為にも、何か話した方が良いのか、それともこのまま彼女が口を開けるようになるまで待った方がいいのか。

 

 「・・・私はね、ずっと戦う事が、正しいって、思って来たの」

 

 重苦しい空気感の中で、レンが語り始める。

 

 それを隣で静かに聴いているケイタ。

 

 「でも、カエデやミドリコ、ギンジ・・・そして君に、ケイタくんと触れ合っていく事で、戦う事が段々怖くなってきて・・・」

 

 何か言いたいけど、ここは我慢する。自分の彼女が、この戦いへの想いの丈を話しているのだから、口出しは野暮というもの。

 

 そもそもの覚悟の重みが、ケイタとレンではまったく違う。

 

 「私は、未来でもそうだけど、過去である、この時代においても、ずっと戦う事が、普通だと思ってた」

 

 弱々しく言葉を繋げる。今まで戦士として戦ってきたレンとは思えない様な、その口調にケイタはただ黙って聞き続ける。

 

 「でも、守りたい人が、沢山出来て、負ける事が、余計に怖くなったの」

 「レンちゃん・・・」

 「前にケイタくんが、湾岸エリアに一人で、行った事があったでしょ」

 

 その時のケイタの心情を考えれば、力になろうとして行動を起こしてくれた事に感謝の気持ちはある。だけどそれでケイタが死んでしまったら、レンにとってのこの世界の光は無くなるに等しい。

 

 ケイタと同じくレンもまたケイタに恋をし、愛を知ったから・・・。

 

 「ケイタくんが、頑張るのは、すごく嬉しい。それが、私の為なら、もっと嬉しい」

 

 今のレンは未来を守るだけではなく、自分の愛する人を守る為に戦っているのも事実であり、何よりもそれを失うのが怖くてたまらない。

 

 ベンチに座りながら、夏の夜の空気を肌で感じ、ケイタとレンはそのまま話を続けていく。

 

 「いっそ、このまま逃げたい。失うかもしれない、その気持ちを、忘れた事は、無いと思っていたのに、今は、こんなにも戦う気持ちが。守りたいって、思う気持ちが、どんどん無くなりそうで・・・」

 「レンちゃん!」

 

 名前を呼ぶ声が大きくて、レンは驚くが、二人で眼が合う。

 

 「僕も同じだよ。確かに、湾岸の件は僕が悪いとは思うけど」

 

 苦笑しながらもケイタは、レンから眼を離さない。

 

 二人の瞳が逸らされずにその言葉の重みを、二つ繋がっていく。

 

 「僕も、君を失う事がすごく怖いよ。だから、ギンジの言うことを信じてきたんだ。君と立場を代われるなら、今すぐにでも代わりたいよ。でも、僕に戦う事はできないから、君に頼りっぱなしになってしまっていたね」

 

 夕日が消え闇夜に飲まれていく美しくも儚い空を、二人で眺める。

 

 「僕は、君が好きだ。本当に、ずっと、好きだ」

 

 わかっていた事なのに、二人の鼓動は早まる。

 

 「だから、怖いと思ったら、直ぐに僕に話してほしい」

 

 戦えない自分が、戦う仲間の為に出来ること。

 

 話を聴いて、その心をたくさん救う事。

 

 それが戦う事情を知った角倉ケイタの立ち位置。そしてそれは他の誰にも出来る事ではなく、ケイタしか出来ない特別なモノ。

 

 ベンチから立ち上がり、レンの肩を掴む。緊張で震えるような、でもしっかりとした男の手に、形や指の一本まで、感じていく。

 

 「君の不安が少しでも消せるように、僕ももっと頑張る!だから、辛いと思う前に、僕に全部話して欲しい!未来を守れるのは君しかいないんだ、だから、怖くてもいいから、僕を守って欲しい」

 

 自分だけじゃない。

 

 「何度でも言うよ。僕に君の心を守らせて欲しいんだ!」

 「ケイタ・・・」

 

 かつて告白した時も同じことを言った。思い出した訳ではないが、それがきっと今に至り、二人の心が繋がった瞬間なのだとレンもケイタも自覚した。

 

 この戦いが終わらないと、本当の意味での安心や平穏は得られない。

 

 だけど、今この瞬間だけはそれを忘れて、二人は愛する人の為に、再び誓う。

 

 「レン・・・僕が君の心を守るよ」

 「私が、あなたの全てを守る」

 

 『君と、未来を、生きていたいから・・・』

 

 不思議と言葉が解る気がした。

 

 今思う事は二人で言おうとした事。

 

 「忘れないでね、今の言葉」

 「忘れたりなんかしないよ・・・」

 

 夏の夜空の下、二人は唇を重ねた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 コンビニで美味しそうなモノを買い、二人はカエデハウスへと帰路につく。

 

 「旅行とか、一緒に音楽を聴きに行くのもいいね」

 「音楽・・・?」

 「うん!度固化市って意外と、音楽の文化が強い学校が多いんだよ。最近は学園エリアの音楽堂も・・・」

 

 そこで思い出す。

 

 「音楽堂?そこは、きっと楽しい場所、なのかな」

 

 レンの言葉で更に記憶を思い出していく。

 

 「ああああ!」

 「な、何!?」

 

 急に叫びだしたケイタに、レンは驚きでビーム剣に手を伸ばしかけた。

 

 「あのトロンボーンのレリーフ!音楽堂だ!!!」

 「・・・?つまり・・・」

 

 ケイタがずっと気になっていたトロンボーンのレリーフ。

 

 ギンジの動画に載っていた、あの場所。

 

 そこに映っていたトロンボーンレリーフについて、ずっと探していた答えが今みつかった。

 

 「・・・帰ったら、直ぐに調べたい事があるんだけど、レン、力を貸してくれるかな?」

 「勿論。私の、か、彼氏・・・の頼み、だから」

 

 顔を赤くし、眼を反らすけど、レンは言い慣れないその言葉を言うと、直ぐにケイタと手を繋ぐ。

 

 「ありがとう!大好きだよ、レン」

 「それは、私も、同意」

 

 二人は急ぎ足でカエデハウスへと戻る。

 

 角倉ケイタ、非戦闘メンバー。

 

 宮寺レン、戦闘メンバー。

 

 二人の相性は、最高という領域に近づいていた。

 

 運命の戦いの日も、同じく近づいていたのであった。

 

 

続く

 

 

 




お疲れ様です。
最近恋愛モノをまた読みたく、色々読みました。

今回は「唇を重ねた」って単語を書きたかったんです。無理やり?いつものことよ

キャラネタ書きます
角倉ケイタ
好きな人の為に一生懸命になれる素晴らしき人。
「次は、もっとロマンチックにしたいな」

宮寺レン
好きな人と、レジスタンスの為に恐怖を隠しながらも頑張って戦って来た健気な人。怒ると怖い。
「ろまんちっく?それは、食べ物?」

甘白ミドリコ
ケイタの集中力を評価し、警察が向いているんではないかと言う。

神宮カエデ
もっと強くならなきゃ、守れる筈のモノも守れないと、意気込んでいる。

ダミーオーク怪人
過去遭遇したオーク怪人と同じ強さのデータ体。
ちなみに今のオーク怪人とは比較にならない弱さ。

佐久間ギンジ
「早く助けてくれー。早く来てー。頼むよー。なぁー。このままじゃミヤコのモノにされるー。いやそれはそれでいいんだけど、洗脳はやだー。はやくー、はやくー」
ミヤコのモノになるのはいいそうです。

次回はついに、ヘヴンホワイティネスvsドクターミヤコ派の、大幹部戦、始まります・・・

それではまた次回・・・!
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