すいません大嘘つきました、アトラクションです。
今回は甘白ミドリコのメイン回!
毎日夜明けまで書いている故に、眠いぞ!
でも頑張って書けた感はある。あるんだけど、これで大丈夫かなという不安もある。
もしかし勢いというのは大切だし、勢いだけで生きてきたので、大丈夫でしょう!
それではどうぞ
音楽堂での戦いに、いよいよ決着が近づいていた。
気がつけば辺りの損傷が激しく、ミドリコは専用カスタムされた拳銃を構えながら、足元にばかり視線が向いていた。
上からはサキュバスの怪人による、ハートの弾丸の乱射、足元には割れたタイルや、斬り崩された椅子、叩き壊された瓦礫の数々。
「ミドリコーー!あたし達は勝ったわよ!」
「ミドリコ、頑張って・・・」
ヘヴンホワイティネスの二人が、ミドリコに声援を送ると、それを見て彼女達が誇らしく思える。
「いつまでも逃げてばかりでは居られないな・・・」
タコ、剣士の怪人が敗れた事で、上空で血相を変えたサキュバスの怪人が、ミドリコへと数多くのハートの弾丸を撃ちこんでくる。
「さっさと死になさいな!」
「断る!」
降り注ぐハートの弾丸の威力は、以前国道橋で戦った時よりも、硬い床を鋭く貫いて行く。
音もなくサキュバスの怪人がどんどん攻撃を放つと、ミドリコも走りながら拳銃を引き抜き、相殺していく。
怪人専用弾丸は、銀色で重みをまして爆発力を極限まで高めた、特別な弾丸。
入っている鉛も、火薬もその他科学薬品を特別配合した、特別性の弾丸。それを装填できる特別カスタム銃は弾丸に適応する為に、おおよそ片手で扱うのは不可能な口径の物を二丁、ミドリコは撃ち続けている。
しかしながらその強力な弾丸はサキュバスのハート矢を相殺するのに2発も使用する。人間の限界と、怪人の強さの象徴、力はここでも差がついていた。
「逃げ回るだけじゃつまんないんですけどー?」
サキュバスの怪人は滑空に近い高度で接近し、しなやかな身体で回ると、ミドリコの肩にハイヒールを打ち付ける。
「ぬお・・・!」
「しょうがないから接近戦で戦って・・・あら?」
直後ミドリコは大口径甘白拳銃の銃口を握り、ガンストックで殴りつけようと振り回すも、その攻撃は当たらず、サキュバスの怪人は後退する。
それをあざ笑う様に舌を出すと、今度は顔面に向けたもう一丁の拳銃が爆発音を響かせる。特別性の弾丸はサキュバスの怪人の顔を目掛けたモノだが、それらは当たらずに軽々しく避けられていた。
「これなら・・・!」
次に取り出したのは青い手榴弾。強烈な光を炸裂させる、閃光手榴弾のピンを引き抜き、怪人にめがけて投げつける。
投げた直後、右胸に引っ掛けているカーボンのケースから、コンバットナイフを取り出し、それを右手で逆手持ちにして怪人へと突っ込む。
「キャハハ。次はどんなマジック?」
「手品がお好みなら見せてやろう!怪人を花火にする、おがかりな手品をな!」
「アホ面で叫んじゃって・・・可愛いわね」
浮遊したままサキュバスの怪人は嘲笑の姿勢を崩さない。まるで長いソファに寝そべる様な体位に、余裕の笑みがこぼれている。
その態度に反吐が出るような気分になりながら、ミドリコはナイフを構えて、ダッシュの勢いを殺さずに、前転を行う。
不可解な行動に、サキュバスの怪人は一瞬気を反らすが、再び視線をミドリコのすぐ真上に浮かぶ物が視界に入る。それを確認した瞬間、眩い閃光がサキュバスの怪人を包み込む。
瓦礫に身を隠し、戦いに巻き込まれない様に戦況を眺めていたカエデ達も、その閃光を見てしまい眼がやられる。
「怪人にこんなモノ、効かないんですけどー?って・・・」
サキュバスの怪人がわずかな眼暗ましを受けて、復活するとその周囲にミドリコの姿が無い。
逃げた?違う、彼女なりの戦い方が始まる。
「ふーん?あの時みたいに、あーしの体力消耗作戦でイク気なんだ?」
サキュバスの怪人の見渡すその眼は、閃光にやられたカエデ達が写る。
「でも、それだったら・・・あーしあの子達とオジサマを食べちゃおっかな〜?」
脅しをかけてもミドリコからの返事はない。聞こえるのはわずかにカエデ達が、何かを言い合っている声と、すぐ近くのステージ上で戦うオーク怪人とギンジの交戦音。
「じゃあ、ヘヴンホワイティネス、討ち取っちゃお〜」
妖艶で美しいその身体と綺麗な茶髪を揺らし、カエデ達へと急接近する。肘まで届く漆黒の手袋を二の腕にひっぱり、唇をいやらしく舐めると、グロスによってぷるぷると艶めかしく厚みのある唇が、いびつに開く。
「それじゃあ、いただきま〜・・・」
「今よ!ミドリコ!」
カエデの叫びに返事する様に、どこからか空気の破裂するような音。
ライフルの超回転弾丸が、サキュバスの鼻先をすれすれで飛び、分厚い鉄の壁に綺麗な穴を開ける。
「猿芝居を・・・!」
「あんたなんかに、あたしの仲間が負けるもんですか!」
閃光による眼暗ましはフェイク。ミドリコ一人で今の状況において勝つのはほぼ不可能。それを察したカエデは、ピンチになるかも知れないのに、仲間の意思を汲み取った。
カエデの演技に引っかかる事で、怪人のプライドに火が着く。そして挑発で怒りがこみ上げる。
その手を振り上げてカエデを叩こうとするも、その上がった一瞬の右手にミドリコの狙撃が命中する。
「痛った・・・!ええい、このクソ!」
右手が無くなるも、サキュバスの怪人はハートのキャノン砲を、天井に打ち上げると、ハートの形に大穴が開き、瓦礫と埃が落ちてくる。
カエデ達は頭を守るために、避難し、ギンジとオークはミヤコを守りながら瓦礫を壊しながら、戦いを続行。
それをスコープ越しで見ていたミドリコは、瓦礫の穴に注視してしまう。
その結果サキュバスを見失ってしまう。
(私としたことが・・・2秒以上は見るなと教わっただろ!)
自衛隊時代の教訓を思い出し、ミドリコは自分を叱責する。
(どこだ・・・奴はどこに・・・)
サキュバスの怪人の移動先を探しながら、ミドリコはひたすらスコープを覗く。
(あ〜見つけた・・・クソ人間がよぉ)
ものすごく口の悪くなったサキュバスの怪人は、ハートの矢を黒く染めていく。
ミドリコを見つけた真上では、その黒いハートの矢がミドリコの頭上に落ちてくる。
殺気を強く込めた矢はミドリコに当たる直前、横に転がり避けられる。頬をかすめて、血がスゥ、と流れるがそれを気にせず、ミドリコは殺意の来た方向へライフルを構える。
「お前の殺気だけは、本当に判りやすいな!」
しかし構えたライフルの銃口に矢が着弾し、ライフルがバキりと砕けておかしな方向に曲がってしまう。
「くっ・・・怪人が・・・」
お気に入りのライフルをこうも簡単に壊されて、ミドリコも手元を怪我する。それに歯を食いしばり、再びミドリコは、サキュバスの怪人から見えない所まで姿を消しに行く。
サキュバスの怪人もミドリコを追いかけずに、物陰を探し飛びながらミドリコからの攻撃を警戒する。
もうミドリコに使えるのは、甘白カスタム拳銃、重装貫弾装填済みアサルトライフル、グレネードガン、コンバットナイフ。
それに閃光手榴弾と、切り札のあの武器・・・。
「さて次はどうするか・・・」
呼吸を整えて、アサルトライフルのスコープで周囲を見渡す。柱の影や、瓦礫の山、そしてステージ上で戦うオーク怪人とギンジの姿。
「・・・オーク怪人を撃った方が、解決・・・は、しないな」
一瞬目的を見誤る所だったが、それをやめると、再び敵を探す。
「お探しの人は見つかったかしら〜?」
「!?」
背後からの冷たい声。振り向くとそこにはサキュバスの怪人の殺意に満ちた双眸がミドリコを捉え、ハートの矢で腹部を刺される。
「ぐぅあああ」
痛みに叫び、それを聴いたサキュバスの怪人が喜びに絶頂する。
「はぁ〜その顔が一番昂ぶるわぁ〜!!」
胸を捕まれ、強引に揉みこまれ、押し倒される。
あまりの痛みに声にならない悲痛な叫びをあげて、藻掻き苦しむ。上に乗ったサキュバスの体重によって身動きの取れないミドリコの顔だけでサキュバスの怪人は歓喜に打ち震えた。
身体を仰け反らせて全身でその喜びと気持ちよさを感じ取り、隙だらけになった形の良い腹筋へと、ミドリコの抵抗の一撃が決まる。
「はっ?」
その一撃は刺突。鋭く鈍い光を放つコンバットナイフ。返しのついたギザギザの刃が、抜き出す時に血液を吹き出させ、肉を削りながら先端が顔を覗かせる。
「ぐふっ・・・怪人だろうと、元自衛隊を舐めない事だ・・・」
カスタム拳銃を取り出し、ミドリコは顔についた血液を拭う。
依然として腹部の痛みは消えず、かつてリコニスに刺された時の事を思い出す。まだ嫁入り前なのに、腹には2つの刺し傷があるなんて、実家の両親が知ったら、きっとおおいに悲しむだろう。
「私には私の正義がある。それは仲間である若者達への思いを背負う事で、平和の為に戦う事だ」
痛みでよろよろと後ろに下がりながら、腹部を抑えるサキュバスの怪人へ、ミドリコが一発撃ち込む。
公共の安全と秩序を守る為の公安警察に身を置くミドリコは、今までだってただの一度も悪を見逃したことはない。
そして悪に敗けた事も無い。
自分の産まれたこの街で動く巨悪を前に、ミドリコはただの一般市民も同然だった。怪人だの、悪の組織だの、子供じみた話に興味はなくともいつか掴んでみせると思っていた、その悪の手先とこうやって戦う事になるなんて、思いもしなかった。
「私の目的はただ一つ。彼女達が平穏無事に暮らせるならば、それでいいんだ。お前たちみたいのが居るから、レンやカエデやケイタや・・・ギンジだって・・・!」
大切な仲間の名前を一人一人上げていく。ギンジの名前を出した瞬間、彼が攫われて暴行を受けたのではないだろうか、ということを思い出して、銃を撃つ。
孤独に生きていたギンジの今を守りたい。たとえ彼が怪人でも、人間でも、その心があるなら、人を思いやり、友達を大切にし、女性を尊重し、仲間の為に自己犠牲さえもその身で行うならば、ミドリコは佐久間ギンジという人物を、好きになれたのだろう。
「覚えておけ・・・公安の、いや、私の仲間に、す、好きな人に手を出すなら・・・この世界の全てを破壊することも厭わない女がいると云うことを!!!」
「一人でべらべら喋って、結局何が言いたいのよ・・・」
サキュバスの怪人が黒いハートの矢を、打ち出す準備を整えている。
「これであーしの勝ちは揺るがないし・・・死ね」
冷たく言い放たれた言葉が言い終わるよりも速いか、ミドリコも顔にめがけて飛んでくる。
「こんなモノ・・・通用せんぞ」
ガンストックで矢を弾くと、ミドリコは再び銃を撃つ。弾丸の全てがサキュバスに当たり、ミドリコめがけたハートの矢も、ミドリコの脚に刺さる。
「ぐぅ」
「いだぁ・・・」
お互いの苦悶の末に、使える武器はもう少ない。
「これで・・・あーしの勝ち。この距離なら勝てる」
青い顔をしながらも勝ちを確信したサキュバスの怪人に対して、ミドリコも勝ちを確信する。
「恋の手ほどき、教えてあげたんだから、あの世で上手くヤリなよ」
「断る。もう何度も失敗しているんだ、恋愛は。せめて死ぬ前に、逢瀬ぐらいは叶えたいのでね」
拳銃を構えて引き金を引こうとしたが、黒いハートの矢が飛んできて、思わずそれを銃で防御して手元から剥がされる。
「これであーしの・・・勝・・・ち・・・!?」
サキュバスの怪人の眼の前では迷彩服を血液で汚しながらも、力強く立ち、肩に構える武器に驚愕する。
鉄製のボディに、四角い棒の形状。その重心は黒く、すぐにでも炎を吹き出しそうな銃口に、サキュバスの怪人は何が起きているのか理解出来なかった。
ロケットランチャー。ミドリコの切り札。
「これで私の勝ちだな」
ほぼ至近距離、爆風を気にしないつもりなのか、ミドリコはその指をトリガーに引っ掛けて、絶対に避けられない0距離発射を行う。
「おのれ・・・人間の女風情にぃ!」
「終わりだ・・・サキュバスの怪人!!」
因縁と言えば因縁。
ヘルブラッククロスの好きにはさせない。ここで自分達が戦わねば、きっともっとひどい未来が待っているのだろうから。
「ギンジは返して貰う!!」
「ぎにゃあああああ〜〜!!」
強大な爆発にミドリコとサキュバスの怪人が巻き込まれるが、既の所でカエデがミドリコを担ぎ上げて、その爆発からすぐに離れる。
サキュバスの怪人は原型をとどめていないぐらいに、爆発によって燃やされた。
「ふぅ、間一髪ね」
「助かったよ。ありがとう、カエデ」
痛む傷口を抑えながらもお礼を言うと、倒れた戦闘員や、タコ怪人の肉片、剣士の怪人の墓を超えて、レン、藤原、イロがカエデとミドリコのところまでやってくる。
「流石だな、甘白ぉ!おじさん、上司として鼻が高いよ」
「やめてください、鼻高が感染ります」
いつものやりとりだが、今回は二人して清々しい顔つきで、このちんどんを繰り返す。
この勝負もヘヴンホワイティネス・甘白ミドリコが勝利を収めた。
「後は、ギンジだけ」
レンがステージ上でのギンジとオーク怪人の戦いに眼をやると、二人の戦いはまだ続いていた。
カエデもレンもミドリコも、彼の戦う姿を見て、応援する。
ヘルブラッククロスを叩く為に、佐久間ギンジという怪人の決死の戦いが本格的に始まろうとしていた。
続く
お疲れ様です。なにげに場面の切り替えのない話が3つ連続でしたね。
当初はこの三人を纏めて書くつもりでしたが、行けるかどうか不安になったので4話構成になりました。
さて、次回はギンジメイン回!いよいよ主人公の復活!!!
vsシリーズはまだ続きます、すいません
そして運命の戦い編(勝手にそう呼んでる)は佳境に入ります!
キャラネタ書きます
甘白ミドリコ
通常時はただのミドリコ。
現在の武装状態は、武装形態甘白ミドリコ
その上が完全武装ミドリコ
そして最終形態が
フルアーマー・スイーツホワイト・ミドリコォン
最後のは嘘です。ギンジの事が好き。
サキュバスの怪人
ミドリコでも勝ててしまったからとて、普通の人間で勝てるわけではありません。サキュバスの怪人は強いんです。多分。サキュバスらしい要素出せないまま退場した。
さてさて次回は、vsオーク怪人戦!
それではまた次回!