正義のヒーローヘヴンホワイティネス   作:アトラクション

29 / 125
アトラクションです。
夏と言えば水着。異論は認める。



それでは、どうぞ


サマー編
28・夏だ!海だ!砂の怪人だ!


 

 7月20日。

 

 世間は夏休みシーズンと言う事もあり、有姪海岸や、繁華街、クアッドタワーのサマーキャンペーン等で人がごった返している。

 

 かき氷に黒密をかけた甘い食べ物の特集が行われており、冷房の効いた部屋でサクラはそんなニュースを見ながら海を眺める。

 

 北度固化の海は商業施設が多く、行くなら中央の有姪海岸の方と、北度固化市の地元民は言う。

 

 「サクラ〜熊沢さんて方からお電話来てるわよ」

 「あ、はーい。ママありがと」

 

 サクラの母、アズサから伝言を貰うと、家の電話へと向かう。

 

 桃色の髪を揺らしながら、電話の主、熊沢レイナへと連絡を取り合う。

 

 「もしもしレイナさん?」

 『久しぶりだね。すまない、スマホの充電が切れていてね』

 

 レイナの落ち着いた声を、久しぶりに聴くことでサクラは安心する。お互い秘密裏に戦う事が多い以上、あまり顔合わせばかりも出来ない。

 

 だからたまにはこうやって情報の交換を行ったりしている。

 

 『ところで・・・サクラは、今夏休みかな?』

 「はい!夏休みでっす!」

 

 元気よく挨拶する。高校生活最後の夏休みなのだが、もう宿題などは無く、2学期からは自由登校になる。

 

 『それは良かった。で、もし良ければなんだが、旅行に行かないか?』

 「旅行・・・ですか?」

 『そう、旅行だ。とは言え、この度固化市の・・・神宮帝国リゾートホテルなのだが・・・チケットを手に入れてね』

 「ほう・・・!」

 

 電話の内容に眼を輝かせるサクラを、横目に母親であるアズサは青春の匂いを感じ取る。

 

 (サクラ・・・あなたあんな綺麗な声の人と・・・旅行!?いいわね、楽しんでらっしゃいな・・・!!)

 

 女性同士の旅行なら何も気兼ねなく行かせられる。

 

 小町サクラの母、小町アズサ、旧姓・桃野アズサはかつて魔法少女であった。

 

 マージ・ジゴックの先代となる悪の組織、アビ・キョウカンとの戦いに、今の夫でもあり、魔法戦士でもあった小町ツバキと共に勝利を収めた。

 

 そして娘であるサクラは、魔法少女として巨悪との戦いに勝利を収めていた。

 

 名実共に魔法少女の中で最強の娘を持った事で、アズサは娘・サクラの事はたいていの事は心配していない。特に戦闘面。

 

 『一泊なのだが、どうかね。高校最後の思い出作りに・・・』

 「もちろん!ご一緒させてもらいます」

 

 サクラの喜びの声を聴いて、母親はクスリと笑う。

 

 「ところでレイナさん」

 

 サクラはこの話において気になる事を、電話越しに聴いてみる。

 

 「いつから行くんですか?」

 『明日からだ』

 

 あまりにも急な提案だが、それでもサクラは喜んでその提案を了承する。流石に明日だとは思っていなかったので驚きの方が強いが、それでも憧れのお姉さん的なポジションのレイナに誘われるなら、断るはずもない。

 

 話が終わり電話を切ると、サクラは急いで準備に入る。

 

 「ママ!ちょっとでかけてくる」

 「はいはい。気をつけなさいね。後、空を飛ぶのは駄目よ」

 「飛ばないよ!じゃあ、行ってくるね」

 

 飛び出す様に自宅を出ると、サクラは明日の旅行の準備の為、色々とアイテムが揃う、繁華街のクアッドタワーへと向かうのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 同時刻、神宮家。

 

 カエデは父親のソウジロウの執務室へと呼び出されていた。

 

 厳格だが優しく、カエデが誇りに思える父親。

 

 父親は遊びほうけている娘を心配しているが、成績を落としていないから特段問題は無いと思っている。

 

 「どうかされましたか、お父様」

 

 夏の強い日差しを背に座る、カエデの父親、18代目神宮財閥頭首・神宮ソウジロウへと面と向かって話すカエデに、父親であるソウジロウは優雅な印象をもたせながらも父親として、聴きたいことがあるからと呼び出していた。

 

 「カエデ・・・今年も夏休みがやってきたが、今年はどこに行きたい・・・というか、どこに別荘を立てたい?」

 「んー・・・いや、今年は別に・・・」

 

 先程までの姿勢の良いご令嬢オーラを消して、素に戻るカエデを見てソウジロウは苦笑する。

 

 「ふふふ・・・まだ、財閥としての気骨は持てないか?」

 「い、いえ・・・その、すいません」

 

 いつも強気なカエデも実の父親の気迫には、どうしても勝てない。

 

 頭の良さとか性別がどうとかの、問題ではなく、単純に人としての器や器量にカエデは勝てない。

 

 「まぁ、そんな青い顔しないでくれ。今年は、どこにも行かない・・・それじゃあ、今年の夏休みは・・・」

 「あ、友達が居てね」

 「友達・・・ああ、角倉さんのご子息かな?」

 「それもあるけど・・・」

 

 カエデはスラスラと友達の紹介を話す。

 

 宮寺レン・・・高校に入ってからの親友で、良く話に聴く。

 

 甘白ミドリコ・・・その宮寺レンの保護者。親戚という。

 

 角倉ケイタ・・・カエデの良き理解者でもあり、友達。よく毎日家に来ては、一緒に登校している。

 

 そしてここから聞き慣れない人物の話を聴いて、ソウジロウの顔に陰りが出始める。

 

 アカ・オーニさん・・・赤鬼みたいな見た目だからそんなあだ名。

 

 ミヤコ・・・高校から知り合った狂ってるやばい人。

 

 そして・・・最後の人物の時だけ、カエデが、実の娘の顔がやや赤くなり、眼を泳がせながら話す最後の友達紹介。

 

 「さ、佐久間ギンジって奴が居てね・・・その、色々と助けてもらってる人で、えーと・・・たまには休んでほしいなって、思ってるの。だから今年は・・・有姪海岸に立ててあるホテルを使わせて欲しいなって・・・思ってて」

 

 最後の人物だけはしどろもどろ話す娘の反応を見て、神宮ソウジロウは奥歯を噛みしめる。

 

 これは・・・この姿と反応は。

 

 (じゃじゃホースでもめちゃくちゃ可愛いうちの娘が、ボーイフレンドを造ろうとしている??????)

 

 コホン、と咳払い。

 

 娘がこんな反応を見せるとは。名前からして佐久間ギンジは男だろう。そうなると、これは・・・恋に違いない。

 

 父親として娘の恋愛には口を出すべきでは無いと解っていても、ソウジロウはその佐久間ギンジが気になってしょうがない。

 

 「カエデ・・・その佐久間さんという方は、どんな人なのかね」

 「えーと・・・?」

 

 言い淀むカエデにソウジロウは質問を変える。

 

 「その、ご両親とか・・・何をされている方の・・・」

 「ああ、ギンジに家族は居ないのよ」

 「・・・じゃあ、その佐久間さんは何歳なんだ?」

 「詳しく聞いたことはないけど、多分成人しているんじゃないかしら」

 「・・・仕事は何をされてる方なのかな」

 「・・・無職」

 「今直ぐ関係を絶ちなさい」

 

 最後の無職という言葉でスパッと斬る。父親としてそんな人物と娘を例え知り合いだとしても突き合わせるわけにはいかない。

 

 まかり間違っても、神宮財閥の娘。付き合う人間関係にまで口を出すつもりは無いが、流石に成人していて無職な人間と娘を近づけるわけには行かない。

 

 「お父様・・・でもギンジはね、優しくて、強くて、何度も助けてくれてね・・・」

 

 父親の言葉に反論しようとして、ギンジの良いところをアピールする。そのアピールタイムで、カエデは顔を赤くしながらうつむく。

 

 「すっごく乱暴なのに、優しくて、その・・・風邪引いた時は、当時そいつが住んでたところまで運んでくれてね・・・」

 「・・・その人をいますぐここに連れて来なさい」

 

 風邪を引いた時に看病と同時に、乱暴されたのに優しい・・・。

 

 (それってもう致してるじゃん!!!!)

 

 神宮ソウジロウ。厳格な人物でその界隈では有明な人だが、実はかなりの親ばか。

 

 (ああ・・・あんなに可愛かったカエデが・・・カレン、君の娘は非行に走った男と一夜を過ごした様だ・・・済まない)

 

 亡くなった妻の写真を見ながら、涙目になって謝罪するソウジロウに、娘であるカエデは少し引く。

 

 「・・・服が汚れるからあまり行きたくは無いが・・・私も付いていってもいいかな?」

 「え・・・?うーんまぁ、大丈夫かな。あ、でもあたしの、じゃなくて、わたくしの友人に変な事をしないでくださいますように」

 

 最後の最後でカエデは令嬢オーラを復活させて、父親に言い放つ。

 

 「それで、いつ行く予定なのかな?」

 「明日!絶対明日」

 

 カエデのわがままなら何でも聴いてあげるが、佐久間ギンジという男を許すわけには行かない。

 

 子の為なら、なんでもする。それが父親だが、流石に娘の恋の相手が気になり、交際を認めるのも父親の努め。

 

 神宮ソウジロウは執務室から出ていく娘の背中を眺め、沢山の思い出が頭に蘇る。

 

 『ぱぱー!』

 

 小さい身体でボールを持ちながら、くしゃくしゃの笑顔で笑うカエデ。

 

 『あっこしてー!』

 

 まだ言葉も喋れないのに、抱っこして、と言われた時は天才かと思った。

 

 『ぱーぱ、おきてー』

 

 休日、部屋で眠る父親の瞼を両手で開いて無理やり起こそうとしたカエデ。

 

 『おちょうさま〜!』

 

 言葉の教育をして、お父様と初めて呼ばれた時は、涙が出るほど嬉しかったのを良く覚えている。

 

 『ぱぱのにがおえ、かいてきたの!』

 

 アカデミーのテストでは、似顔絵を書いて来てくれて、本当に嬉しかった。この子の為ならなんでもする。そう言った妻の言葉を今でも覚えている。

 

 『ぱぱ、だいちゅき!』

 

 これは三歳ぐらいだろうか。朝起きて直ぐに言われた言葉だったのを思い出す。 

 

 『おおきくなったら、ぱぱとままを守れる、せいぎのヒーローになりたいです!』

 

 小学校一年生の発表会とかだろうか。突拍子も無いが、こういうのが大人は嬉しく思う。

 

 「カエデ・・・大きくなったんだな・・・」

 

 もう高校二年生。16歳。

 

 「大きくなるわけだ。君、外しなさい」

 

 近くの何も喋らない秘書に命じると、一礼してソウジロウにティッシュ箱を手渡す。

 

 「流石はカエデお嬢さまですね」

 

 うんうんと頷き、秘書は部屋を離れる。

 

 さて・・・。思い出に浸り、泣くのは終わり。

 

 「佐久間ギンジ・・・我が娘をたぶらかした罪は大きいぞ・・・」

 

 ソウジロウは自分の妻の写真を見つめて、なんにもならないが力を貰う気になって、旅行の準備を始める。

 

 (何者か、必ず突き止めてやる・・・!)

 

 父親の決意は大きく、それを止められる人は誰も居ない。

 

 真夏の日差しは強く眩しく、執務室の中に降り注いでいた。 

  

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 クアッドタワーのショッピングフロアでは、色々と旅行の道具を買い揃える為、ギンジと赤鬼の怪人は荷物持ちをさせられていた。

 

 「一度車に乗せに戻るのは駄目なんか」

 「まぁまぁしょうがないっスよ、兄貴」

 

 赤鬼の怪人はこのままの見た目で居ることが、疑問なのだが、ギンジと同じくサングラスをかける事で完璧な変装が出来ているらしい。

 

 手鏡で見せてもらったら、ただの人間になっていた。

 

 一角まで隠せるとは驚きの変装能力だが、それはあくまで一般市民にのみ通じる。

 

 ちなみにギンジは何も変わらない。なのに、一般市民はギンジをヘヴン3として見えているらしい。

 

 最初は困惑していたが、今はどうにもならないし、興味がない。

 

 「それ、あんまり触らない方がいいぜ。サングラスに指紋つくとダセーから」

 「ガッテンでい」

 「それにしても遅せーなあいつら・・・」

 

 海に行くならば水着が必要ということで、レンがいの一番にこのお店に入って行った。

 

 どうやら3月に海に入ろうとしたらしく、その時は寒くて入れないとかの理由でショックが大きかった・・・という話を聴いてギンジは苦笑したことを覚えている。

 

 今は実家から戻ってきたカエデ、レン、ミドリコ、ミヤコは水着を買いに、お店へ。

 

 ケイタは、皆の海で食べるお菓子なんかの調達。

 

 そしてギンジと赤鬼は荷物持ち。

 

 「んお、カエデからだ」

 

 程よい高さのベンチに座りながら、ギンジの新しいスマホにはカエデからチャットが入る。

 

 「・・・こっち来いってよ」

 「どら、行きますかね」

 

 明らかに海に行くには必要の無い荷物を持たされながら、ギンジと赤鬼は水着ショップへと入店する。

 

 親切なスタッフが大荷物を見るなり話かけ、荷物を預かってくれる。

 

 「どうよ、水着は」

 

 特段興味も無いため、適当に声をかけるギンジにカエデはうーんと頭を撚る。

 

 「どれもしっくり来ないのよね・・・」

 「っていうかご令嬢でもこういうの買うんだな・・・」

 「そりゃあね。家に頼むと100着ぐらい作るか買うから、正直めんどいのよ」

 「100!?」

 

 さらっと聞き慣れないワード、ないしは数字にギンジは驚きのあまり声がデカくなる。

 

 「おほーっ!ミドリコの姐さん!いい水着ですね」

 

 そんなギンジとカエデの横では、赤鬼がハンガーにかかった水着を身体に当ててるミドリコを見て、べた褒めしている。

 

 「くふふふ・・・水着はね・・・なにも露出だけが正解じゃないんだよ・・・」

 「勉強に、なる」

 

 更にその隣では、ミヤコがダイバースーツみたいな水着を試着して、レンが二枚の水着を選びながらミヤコの話を真剣に聴いている。

 

 試着室の隅には、制服と白衣。相変わらずサイズの合っていないモノを着用している。

 

 (そういえばミヤコって季節問わず長袖だよな。そういう子もいるけど、暑くないんかな)

 

 明らかに季節外れの冬服と白衣だが、ミヤコは汗一つ流さずに毎日着用している。

 

 (・・・まぁ、俺が気にしてもしょうがないけど)

 「ギンジ君〜どうどうこれ」

 

 ミヤコがギンジに気づき声を上げる。

 

 ダイバースーツに身を包み、髪を縛るミヤコはギンジへのラブコールが収まらない。

 

 「くふふふ、ダイバースーツならギンジ君も逃げられないね・・・」

 「一応聞くが、何から逃げるんだ」

 「何って、ダイバースーツの中から」

 「お前はダイバースーツで何をしようってんだ!!」

 

 考えてることが解らない。本当にミヤコの発言はギンジの悩みの種である。

 

 頭を抱えるギンジに、レンが蒼い水着を持ちながら、ギンジに話しかける。

 

 「ギンジ、ミヤコは意外と勉強させられる、事が多い」

 「勉強・・・?なんの勉強だ」

 「くふふふふ・・・水着っていうのは、なんでも露出すればいいってことじゃないの・・・例えば、このダイバースーツとか、ボディラインが強調されて、より女の子の身体を意識しやすいのよ。それが返って魅力的に見えたり・・・くふふ、ギンジ君はどう思う?」

 「いやどうって言われても・・・な・・・」

 

 ミヤコの小さな身体を足先から、脚の付け根、それから身体へと視線を動かす。

 

 ちょうど胸の当たりまで視線を動かすと、そこで眼が止まる。

 

 ダイバースーツで身を包んで居ても分かる、膨らみをギンジは凝視する。

 

 小さな少女の身体をマジマジと見つめるサングラスの大男・・・それはさながらロリコンか変質者の様に見えなくもない。

 

 「あ・・・」

 

 その視線にミヤコとレンは気づく。

 

 「も、もう!そんなに見られたら、わたしでも恥ずかしいよ?」

 「ごめんギンジ」

 

 無言で見つめるギンジへ気恥ずかしさから、その小さな胸を腕で覆い隠すミヤコ。その後ろではレンがビームハンマーを構えてギンジをぶん殴る。

 

 「い、いや・・・良いものが見れたかもしれん」

 「何やってんのよあんた達・・・」

 

 倒れるギンジにレンは遠くを見つめ、ミヤコは顔を赤くしながら試着室に戻る。

 

 ミドリコと赤鬼はまだ何か喋っているが、今のギンジには何も入ってこない。

 

 (・・・いや、良いな!ダイバースーツ!)

 

 新たな扉が開かれそうなギンジだった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 翌日・・・7月21日。

 

 世間の夏休みブームは始まったばかりで、そのブームに浮かれてヘヴンホワイティネス達も、海へと繰り出す。

 

 有姪海岸には人だかりが多く、カップルや、学生、家族連れ等、多数の人々が海を楽しみに来ていた。

 

 「本日はよろしくお願いいたします」

 

 ミドリコが丁寧に頭を下げて挨拶をするのは、神宮ソウジロウ。

 

 真夏だと言うのに礼節のある紳士服に身を包み、姿勢良くしたその立ち姿に、どことなくカエデも背筋を伸ばしている様に見える。

 

 「では、私は先にホテルに行くとするが・・・その前に、君」

 「へ?俺?」

 

 ソウジロウがサングラスのガラの悪い男、ギンジへと指を刺す。

 

 いつもの七歩袖の黒いシャツではなく、海仕様の黒いアロハシャツとビーチサンダル。なんだかんだ海を楽しみにしているギンジを急に呼び出す。

 

 「初めまして。カエデの父です」

 「ああ、これはご丁寧に。どうも佐久間です」

 

 意外と礼儀正しくするギンジの反応に、少しも興味を持たずにソウジロウは踵を揃えて重い口を開く。

 

 「カエデから良く君の話を聴くのだが・・・君は娘とどういった考えで関係を持っているのかね」

 「えーと・・・どうと言われましても」

 

 ほぼこの世界では役に立たなかったサラリーマン時代の技術を、今ここで使うべきなのだが、あまりにも気品と金持ち感溢れるオーラがギンジにそれをさせない。

 

 「別に・・・なんも無いですよ」

 「君は!私を!お義父さんと呼ぶつもりなのかね!?」

 「ハァ!?いやいや、いきなりなんだよ」

 

 例えそうなったとしてもかなり段階を踏み越えている。ギンジはソウジロウから離れると、直ぐに両手を伸ばして否定に入る。

 

 「そんなん無いって!第一、あいつは、カエデは俺に対して何も思ってないと思うぜ」

 「その言葉を信じるとでも・・・?」

 「ちょっと、お父様!」

 

 カエデの静止にソウジロウがギクリと背中を震わせる。睨みが強いのは母親譲りなのか、その眼を見るとソウジロウはすくみ上がり、ギンジの肩を優しくポンポンと叩き、秘書を連れて離れていく。

 

 「・・・今は、何も聴くまい。後で、じっくり話をしようじゃないか」

 「なんだ、アレ」

 「あたしの父よ。なんかあんたに話があるんだって。そんな事より海よ、海!」

 

 カエデの父親がギンジになんの話があるのか解らないが、とりあえず夏の海を楽しむことにする。

 

 レジャーシートをセットし、パラソルを刺して、ビーチチェアかければ、常夏のビーチを楽しむ準備が出来る。

 

 一方、ミヤコは何やら手元の端末を捜査している。

 

 「ミヤコ姉さん、何を?」

 「くふふふふ・・・妨害電波を出しておこうかと思ってね」

 「妨害?」

 

 赤鬼の不思議そうな言葉に、ミヤコが薄気味悪い笑顔で中央度固化市のデジタルマップを見せる。

 

 「こりゃあ?」

 「いつ、どこで、どんなタイミングでヘルブラッククロスが襲撃してくるか、わからないでしょ?だから、怪人達が目的を見失う可能性が高い・・・それとついでだから、攻撃しとこ」

 

 攻撃というのはどういうモノなのか。それが気になる。

 

 「くふふふ。ヘルブラッククロスのpcにウイルスを送っておいた。対処すればするほど、力が強まるウイルス。くふふ、名付けて【エヴォリューション】・・・我ながら完璧」

 

 くふふふふ、と笑いながらミヤコは端末上で、ヘルブラッククロスを攻撃する。

 

 こうなればしばらく活動は出来ないはず、とミヤコはメガネの奥の瞳を輝かせる。

 

 「これで・・・わたしとギンジ君を邪魔する者は現れない!」

 「なるほど・・・」

 

 ミヤコの隣で赤鬼は良く解っていないが、相槌程度に首をうなずかせる。

 

 「じゃあ、着替えてくるから!荷物見てて、ギンジ」

 「頼んだぞ、ギンジ、赤鬼」

 

 カエデとミドリコ、レンとミヤコが荷物を持ちながら、更衣室へと向かう。

 

 ケイタは既に履いてきた様で、準備万端だった。

 

 「さて、俺たちは、あいつらが来るまでゆっくりしてようぜ」

 「そうだね。まだ昼前だけど、お腹すいてきたよ僕は」

 「俺っちも腹は減ってきたな。ギンジの兄貴、何食べやすか」

 「夏で海だろ・・・。焼きそばだな」

 「ああ、いいね!海で食べる焼きそばって最高だよね」

 「分かるぜ。おおいに分かる。じゃあ俺っち買ってくるっす」

 

 すっかり後輩気質が板についた赤鬼は、急ぎ足でレジャーシートから離れていく。

 

 ケイタはギンジと二人になり、海と人々を眺めながら、これからの予定を話し始める。

 

 「海で死ぬほど遊んで、その後は、カエデの用意してくれたホテルがあるんだけど、そこの下で夏祭りが開かれるんだって!」

 「マジでか!」

 「楽しみだよね!で、祭りのフィニッシュには花火も開くって・・・」

 「今年の夏はいいなぁ〜。こうやって海に来るのも、夏祭りだ、花火だなんて俺は久しぶりだから、結構楽しみだぜ」

 

 ギンジは手元のお茶を飲むと、サングラスのズレを直す。

 

 その横でケイタはシャツを脱ぎ、海に出る為の準備運動を開始する。

 

 「聞き覚えの有る声だと思ったら〜」

 

 ギンジとケイタの少し後ろ側から、優しい少女の声がした。

 

 ふと、ビーチチェアから後ろを覗くと、桃色の髪、桜色の水着の上にサマーパーカーを身に着けた女の子の姿。

 

 そしてその横にはスタイルの良い体格に、程よく筋肉質な身体をして、濃い紫色のビキニを着て、ヒールタイプのサンダルを履いた、美女というのがふさわしい雰囲気を持った大人の女性。

 

 「ギンジくんも来てたんだ?お久しぶり!」

 「ギンジ、元気そうで何よりだ」

 

 サクラとレイナ。なんの運命かギンジと共に戦った戦友達二人も、この有姪海岸へと遊びに来ていた。

 

 特にレイナはギンジに会えて嬉しそうな顔をしている。

 

 「うおおお!久しぶりだな!サクラ、レイナ」

 「あれ、サクラさん!」

 

 喜びながら立ち上がるギンジの後ろで、ケイタは湾岸エリアで助けてくれた恩人、サクラを見てここでも喜ぶ。

 

 「なんだ、君たち三人共知り合いだったのか?」

 「いやーなんか色々あってね。湾岸エリアではありがとうなサクラ」

 「いいよいいよそんなの〜。っていうか湾岸エリアで居たのは知ってたけど、あの後会えて無いんですけど!」

 

 楽しげな空気で会話をして、あれから起こった戦いの話だったり、ギンジが攫われたり・・・そうこうしたら新しい仲間が出来たりと、お互いの近況を話して情報交換を行う。

 

 「色々大変だったんだな。その、ギンジが大変な時に、手助けできなくて、申し訳ない」

 

 レイナはギンジに恋をしている。自分の好きな人が悪の組織に攫われていた。その事は形は違えど、親友のナルミが退魔教会にいいようにされていたのと同じ。

 

 そう考えると、ミドリコから聞いた話でしかなかったそれが、現実味を帯びて胸が苦しくなる。

 

 「今度は、私も力になるよ」

 「私も!私も!」

 

 日に当たるレイナの顔は眩しく、美しい。

 

 サクラもぴょんぴょん跳ねながら、協力の姿勢が見えている。

 

 「心強い味方だね、ギンジ」

 「いやーありがてぇよマジで。レイナもサクラも強いからな」

 「君にそう言われると嬉しいな」

 

 ギンジへの好意をあまり隠していないのか、レイナは丸めてあるレジャーシートをギンジ達の隣へ敷いて、常夏セットを設営する。

 

 「じゃあ、ギンジくんはこっちね」

 「俺が真ん中なの?」

 (カエデが見たら怒りそう・・・)

 

 二枚のレジャーシートの間に座らせれ、その隣にはレイナが座る。

 

 それを見たケイタは状況を見るに、これはカエデが不機嫌になりそうだと、内心では覚悟する。

 

 わがままお嬢さまは不機嫌になると長い。

 

 これから海に入りに行くために、仲間を待っているギンジとケイタ。

 

 それとサクラとレイナ。

 

 この二人の女性達はたまたま当たったチケットで神宮帝国リゾートホテルへと泊まるそうだ。

 

 「あれ、そのホテルって今日泊まるところだよね」

 「ああ、確かにそんな事言ってた様な気がする」

 

 なんの偶然かギンジ達の泊まるホテルも、カエデが用意してくれた高級ホテルなのだが、レイナはギンジの手を握ると、引き寄せてくる。

 

 「同じホテルに泊まるなら、部屋はお、おお、同じでいいかな」

 「落ち着け!そんな事したら多分俺は明日の朝日を拝めない!」

 

 それこそカエデとミヤコとミドリコに、殺されそうな気がする。 

    

 そこへ・・・。

 

 「ギンジーー」

 

 カエデが呼ぶ声がする。

 

 「兄貴〜焼きそば買ってきやした・・・ミドリコの姐さん!!!」

 

 そのタイミングで赤鬼も戻ってくる。

 

 カエデは右胸にヤシの木のマークがある純白のビキニタイプの水着。

 

 健康的な肌と、わずかな玉汗が、この海岸に絶妙にマッチしており、首から下げたサングラスはギンジのものと同じシルバーフレームの女性版になっている。

 

 「うわぁ・・・レン!すっごく可愛いよ」

 「うう・・・あまり、ジロジロ見ないで」

 

 レンの水着はフリフリのプリーツがついた蒼いボーダーのワンピースタイプ。

 

 胸の周りには大きめのリボンがあしらわれており、背中はわずかに隙間をあけておしゃれポイントがある。

 

 「ミドリコの姐さん!!!姐さん!!!」

 「そ、そんなに見るな!恥ずかしいだろぉ」

 

 ミドリコの水着は白と緑色のグラデーションが綺麗な、ビキニタイプ。上下セットの上の方は、胸部分からワイヤーホックで下部分へとクロスさせて繋がっている。

 

 そしてなによりも赤鬼が興奮しているのは、この水着が腰回りを隠す、パレオになっている事。

 

 日焼け帽子に大きく白いハットがあるのもポイントが高い。

 

 「ん〜〜辛抱たまらん!素敵ですよ、ミドリコの姐さん」

 「うるさい!」

 

 そして・・・。

 

 「くふふふふ・・・」

 

 ミヤコはと言うと、タオルで身体を隠しながら、メガネを直しつつ、輪に入ってくる。

 

 「早く来なさいよバカミヤコ」

 「くふふ・・・まさかこんな水着になるとは、よくもやってくれたね、カエデモンキー」

 

 ミヤコとカエデが何やら火花を散らすが、ケイタが指を刺す。

 

 「あれ、ひょっとしてダイバースーツじゃないの?」

 

 顔を真っ赤にしながらもくふくふ笑うミヤコは羞恥心に耐えている様な表情をしていた。

 

 「ギンジ君にだけなら見せてもいいけど、他の人がいるのはちょっと・・・」

 「あたしが買ってあげたんだから、ちゃんと見せなさいよ」

 

 言うとカエデが強引にタオルを引っ張る。

 

 (傷のところが見えないモノを買ってあげたでしょ)

 (そ、そうだけどぉ・・・)

 

 小声で話すカエデとミヤコ。

 

 「じゃーホラ。ギンジ・・・は、駄目だ。あ、ミドリコ、こっち来て」

 「可愛そうだとは思うが・・・セイヤ」

 「あたしもセイヤ」

 

 カエデとミドリコがタオルを剥ぎ取る。

 

 そこから現れたのは、スポーティタイプのビキニ。ビキニとは言っても、首元から、へその辺りまで隠れる薄手のシャツみたくなっており、下の方は飾り気のないレギンスタイプの水着の上下セット。

 

 袖も長く、白いジャージの様なラインが入っており、いずれも小柄なミヤコが着用するには十分すぎる可愛らしさを出す。

 

 『おお・・・』

 

 男三人と、後ろにいるサクラとレイナがどよめく。

 

 「っていうかレイナさんも来てたのね・・・気づくのが遅れてごめんなさい」

 「カエデ、遅すぎ。私は、今気づいた」

 「じゃあレンも遅いじゃないのよ」

 

 そこでカエデとレンは見慣れない顔の少女と眼が合う。

 

 「初めまして!私、小町サクラ!ギンジくんの戦友よ」

 

 ギンジの口から度々出てきたサクラと言う少女は、天真爛漫の明るさと少女らしさを併せ持つ元気かわいい印象があった。

 

 「初めまして・・・あたしは神宮カエデ。事情を知っている人なら話は早いけど、あたし達がヘヴンホワイティネスよ」

 「私は、宮寺レン。初めまして、サクラさん」

 

 レンもかつてケイタから聞いたことのあった、命の恩人、サクラを見て心からのお礼を言う。

 

 「次は私か。私は甘白ミドリコ。熊沢さんの協力者というのは、貴女の事だね」

 「おお、公安の人ですね!」

 

 サクラの嬉しそうな顔が、全員に入ると、赤鬼は焼きそばを食べながら自己紹介をする。箸は使えるようだが、牙のせいで上手く食べれない様だ。

 

 「俺っちは赤鬼の怪人!」

 「え!??怪人!?嘘、今まで人間の姿だったのに・・・」

 

 サクラが赤鬼を見ながら驚く。今怪人と認識するまでは、それまでただの人間に見えていた様で、同じくレイナもそれを見て驚く。

 

 「ようし!それじゃあ、遊ぶわよ!!」

 

 全員の自己紹介が終わり、海へと飛び出して行くカエデ達。

 

 それをパラソルの下で眺めながら、ギンジ、ミヤコ、レイナはお留守番をする。

 

 「彼女達が戻ったら、私達も行こうか」

 「くふふふ・・・ギンジ君、日焼け止めオイル塗ってあげようか?」

 「ああ、それ、私も塗ってあげよう」

 「いや、遠慮しておく」

 

 身の危険を感じて、ギンジはレイナ、ミヤコの日焼け止め地獄を回避する。

 

 「ちょっと飲み物買ってくるね〜」

 

 ミヤコが立ち上がると、海の家まで小走りで向かう。

 

 「結局ダイバースーツじゃないのか。なんなんだあいつは」

 「おや、女性の水着はダイバースーツが好みかね。覚えておくよ」

 「要らん事覚えなくていい!」

 

 レイナの言葉にギンジが否定を入れる。否定ばかりしているが、別に楽しくない訳ではない。

 

 (はぁ〜〜皆綺麗だな〜。生きてて良かった〜)

 

 眼の保養を味わいつつ、ギンジは海岸で遊ぶ仲間たちを眺める。

 

 レンは初めて見る海に興奮しているのか、ケイタと手を繋ぎながらの寄せては返す波を楽しんでいる。

 

 カエデとサクラは意気投合したのか、バシバシと泳いでいる。

 

 ミドリコは足元の小波の冷たさに感動しつつ、後ろでは赤鬼がミドリコが転ばない様に支えている。

 

 レイナは仲間よりもサングラスをかけたギンジを見つめ、何も喋らないがニコニコとギンジの横顔を堪能する。

 

 彼らの常夏はまだ始まったばかり。夏を最高に楽しむことに、ギンジは本当に運命の日を、全員で乗り越えられて良かったと心の底から喜ぶ。

 

 輝かしい未来へとまた一歩近づき、ギンジは青い海を眺めて、ビーチを楽しむ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 夏のビーチには獲物となる人間、それも女が沢山いる。

 

 日本武将の様な甲冑の形をした鎧の怪人は、シリンダーに入った砂の塊を持ち運ぶ。

 

 手のひらサイズのシリンダーは、甲冑の怪人に振り回されて中で暴れている様にも見える。

 

 加えてここはビーチ。砂の怪人の武器となり身体となる条件が整い、この怪人は恐らく無限に巨大化して大暴れ出来ることだろう。

 

 一つ誤算があるとすればそこには、ヘルブラッククロスの天敵であるヘヴンホワイティネスが居る事だろうか。

 

 (何故ここに奴らが・・・ううむ、しかしドクターパープルはここで実験せよ、と言っていたし・・・)

 

 甲冑の中身は空洞なのだが、黒い闇が蠢いているようにも見える。

 

 (・・・しかし、ヘヴンホワイティネスへの人質を沢山作れるとなると、これは僥倖やもしれぬ)

 

 歯は無いのだが、ギリリと犬歯を噛みしぎり、甲冑の怪人は砂の怪人を解き放つ。

 

 (さぁ征け!奴らを一気呵成にたたけ!)

 

 軍配を引き抜き、開戦の刻を告げる様に叫ぶ。その声は誰にも聞こえない筈だが、一人の有る人物にはしっかり聞こえていた。

 

 「ブヒ・・・」

 (む・・・最悪の拍子だ・・・)

 

 海の見える高台にて、オーク怪人はミヤコの観察をしていた。

 

 ギンジと上手くやって行けているか心配だったのか、しっかりとドクターを遠くから見守っていた。

 

 近くに居てもいざこざは起きやすい。

 

 遠くに居れば、こうやってドクターに迫る悪事を阻止出来る。

 

 「済まん。今はヘルブラッククロスの怪人では無いのでな。ここでお前を倒す」

 (・・・皆の者、出会えー!出会えー!)

 

 甲冑の怪人の掛け声で、本来なら戦闘員が出てくるはずなのだが、道路には誰も現れない。

 

 「貴様の声は、怪人にしか聞こえない波長だろう?ドクターはこういう時の事を考えているとは、全く恐れ入る」

 

 右手に力を込めて、甲冑の怪人の頭部を吹き飛ばす。

 

 分厚い拳は容赦なく怪人を叩き、甲冑は音もなく消え去る。

 

 「・・・さて、次は砂の怪人だが・・・」

 

 オークは砂浜を見下ろすも、まだ被害が出ていない事を確認して少し安堵する。

 

 「今から向かうべきか・・・」

 

 踵を返して砂浜まで向かおうとするも、新手がオーク怪人の前に降りてくる。

 

 「貴様は・・・」

 「オ初ニオ目ニカカリマスネ。某ハ骨ノ怪人」

 

 全身ただのドクロなのに、表情に合わせてコロコロと形が変わる不思議で不気味な雰囲気を纏わせる。

 

 「総統の怪人四天王か・・・!」

 「総統【様】をおつけになって?オーク怪人」

 

 オーク怪人の背後にさらにもう一人の気配。

 

 季節に合わない冷たく白い玉を軽くぶつけられる。

 

 「うふふ・・・わたしは久しぶりね。オーク怪人」

 

 黒い着物に身を包み、病的なほど白い肌をした顔の綺麗な怪人が現れる。

 

 「ここで足止めをさせて貰うわ。いいこと?」

 「逃サンゾ・・・」

 

 総統の怪人四天王、骨と雪の怪人。目的な何かオークは想像がついた。

 

 ドクターミヤコの抹殺に違いない。そしてどういう訳か居場所を突き止めここにやってきたのだと・・・そうオーク怪人は思う事にした。

 

 この2名と戦うのは今のオークでは厳しい。だが、逃げるわけには行かない。ここで逃げれば必ず矛先がドクターミヤコに向いてしまう。

 

 「・・・仕方有るまい・・・」

 

 ボロボロになった軍服を脱ぎ去り、オーク怪人は雄叫びをあげる。

 

 「ヒィイッ!?ごごごごごごめんなさい、ごめんなさい、殺さないで〜わたしを好きにしていから〜靴でも舐めますから〜」

 

 しかしそれを聞いた途端今まで強気だった雪の怪人は、びびり倒し泣いてしまう。

 

 「相変ワラズ調子ノ狂ウ怪人ダ」

 

 しかし泣きながらも扇子を回し、雪の怪人は、大雪を召喚するとオーク怪人へと転がしてくる。

 

 それに合わせて骨の怪人も、どこからともなく骨の破片をつなげて広げると、巨大な手を作りオーク怪人へとそれを差し向ける。

 

 「・・・来い!」

 

 巨大な破裂音が鳴り、オーク怪人と雪の怪人、骨の怪人は交戦を開始した。

 

 「ふむ・・・結果が楽しみだ」

 

 それを木陰から眺める紫の姿があった。

 

 恐らく・・・というか確実にミヤコの妨害もあったのだが、紫はそれを難なく突破してここまでやってきた。

 

 「お手並み拝見と行こうか・・・」

 

 紫はオーク怪人の交戦を眺める傍ら、砂浜にも現れる謎の巨大生物を見下ろす。

 

 砂の怪人による襲撃も始まろうとしていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 「何・・・あれ・・・」

 

 誰かがその一言をつぶやいた時、砂浜に巨大な影が現れる。

 

 具体的には下半身の無い巨大な人の形をした、異様な存在。

 

 巨大な腕は振り下ろすだけで、多数の死者を出しそうなほど大きい。

    

 「なんだアレは・・・」

 

 砂浜でパラソルに身を隠しながらレイナは、巨大な怪物を見上げる。

 

 「ありゃあ・・・砂の怪人だな・・・」

 「ギンジ〜」

 「兄貴!!」

 

 砂浜に現れた巨大な怪物の登場と、異変を感じ取ったカエデ達が戻ってくる。

 

 「カエデ、悪い知らせだ・・・砂の怪人がここに襲撃して来た!」

 「どうして、このタイミングで・・・」

 

 レンが悲しそうに言うとケイタも悲しそうになる。

 

 「変身の道具は持ってるよな?」

 「もちろんあるわよ!」

 「ミドリコ!赤鬼!」

 

 カエデの返事を聴くと、次はミドリコと赤鬼に声をかけるギンジ。

 

 「こっちは万全だぜ、兄貴!」

 「私は武器が・・・」

 

 ミドリコは悔しそうに言うと、赤鬼がかばんをゴソゴソと漁る。

 

 重くがちゃがちゃとした音を立てて、砂浜に落としていくのは、様々な武器・・・それもミドリコの専用カスタム銃がたくさん出てくる。

 

 さらには戦闘の為の迷彩の服。

 

 「言ったでしょ、万全って!さぁ、姐さん!」

 「ありがとう・・・!」

 

 パレオを剥ぎ取り、その上から迷彩の自衛隊衣装を身につけるミドリコ。

 

 それに続いてカエデとレンも変身をする。

 

 「サクラとレイナはどうする?バカンスを楽しめる雰囲気じゃないけど・・・」

 

 ギンジのテキパキとした支持出しに感心を示すレイナが、サクラと共に変身を済ませていた。

 

 「もちろん、私達も協力するよ!」

 「無論だ。ギンジ、君達もバカンスの途中だったんだ。もちろん私も。君の隣で海を眺めるのは、なかなか幸せだったよ」

 「へぇ〜泳ぎもせずにそんな事してたのねぇ〜」

 

 レイナの言葉を聴いてカエデは笑顔のままギンジに詰め寄る。

 

 「あたしも!あんたと!遊びたかったんですけど!?」

 「いやぁ・・・それは悪い事をした・・・それじゃあ、後で付き合ってやるから・・・」

 「ええ!」

 「あいつをぶっ倒すぞ!」

 

 ギンジ、カエデ、レン、ミドリコ、赤鬼、サクラ、レイナ、ケイタは砂の怪人へと全員視線を合わせる。

 

 「僕は市民の誘導を行うよ!」

 「それなら私も!空を飛べるから、誘導は魔法でも出来るしね!」

 「ごめんねサクラさん・・・」

 「気にしないで!カエデちゃん!」

 

 言うと、ケイタとサクラはそれぞれ行動を開始する。

 

 「行くぞ!!」

 

 ギンジの掛け声に合わせて、ヘヴンホワイティネス、退魔警察は一斉に行動を開始する。

 

 正義のヒーローのいきなりの出現に、有姪海岸にいる一般市民から歓声が上がる。

 

 「死にたくなかったらさっさと離れろ!!」

 

 ギンジの一喝で、周りのギャラリーは一斉に離れていく。

 

 砂の怪人vs正義のヒーロー達の戦いが始まった。

 

 「くふふふ・・・さて・・・どうなるかな〜」

 

 海の家で走るギンジ達を見て、ミヤコは不敵に微笑む。

 

 もう悪としての側面は無いのだが、それでも彼女はギンジが勝つと信じている。

 

 砂の怪人は海の家はターゲットにしていない様で、ただ浜辺をドシドシと叩いて大暴れしている。

 

 それどころか人間をターゲットにさえしていない。

 

 だと言うのに、ギンジ達は砂の怪人を倒す為に、立ち向かう。

 

 「くふふふふ・・・完璧だね・・・でも・・・【師匠】とやらは超えれたかな?紫」

 

 たこ焼きを食べながら、ミヤコは砂の怪人を見上げる。

 

 そして心の中で彼女は謝る。

 

 (ごめんね・・・砂。君は、実験に使われている・・・わたしの怪人として産まれたなら結末は変わったかもね・・・ごめんね・・・)

 

 後のことはギンジが上手くやる。ミヤコは手元の端末で、さらなる妨害電波を送ろうと、操作し始める。

 

 ミヤコと紫の電子機器を操る、頭脳戦が始まろうとしていた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 「破邪の巨剣!」

 「ビーム剣術・シャトルフヴィント!」

 

 レイナの巨大な剣と、レンの回転斬りが砂の怪人の根本に炸裂する。

 

 砂を巻き上げ、バランスを崩すが、斬られた箇所は砂を吸収して復活していく。

 

 「マジカルマジカル〜・・・ピンクキャノン!!」

 「空気ごと砕けろやぁ!!」

 

 サクラの打ち出す砲丸を、赤鬼が金砕棒で思い切りの良いフルスイングをブチ当てると、速度の限界を超えて砂の怪人の根本を再び破壊する。

 

 再び再生を繰り返そうとするも、今度はギンジとカエデとミドリコが同時に再生箇所に向かって攻撃を当てにかかる。

 

 「オラァアア!!!」

 「必殺!チャージング・バスターフィスト!」

 「2連装・ロケットランチャー!」

 

 豪雷を纏ったカエデの必殺技が炸裂し、その直後にロケットランチャーが大爆発を誘発する。

 

 これだけの攻撃を与えても、砂の怪人は傷ひとつ付かない。

 

 「どうなってんのよ!」

 「ギンジ、何か対策を・・・」

 

 触手の様に砂を飛ばし、砂浜を突き刺して来る。

 

 それらを避けながらカエデとレンはギンジの下へ走る。

 

 「砂の怪人は俺の知識にもあるぜ。安心しな」

 「その知識とやらを披露して欲しいぜ、兄貴」

 

 ゲームでの知識を思い出す。

 

 この怪人は実は中に、個体となる砂の塊がある。

 

 それを探す為に、カエデは捨て身で飲み込まれる。

 

 中は柔らかい砂で一杯で、蒸し暑く最悪な空間の中でカエデは弄ばれる。

 

 その後なんとかして実体に個体の下へとたどり着き、破壊することでカエデは勝利を収める・・・のだが、快楽の後遺症が大きく残ってしまう。

 

 というものだった。

 

 「いくら根本を攻撃してもしょうがねーぞ。中身に実体・・・というかコアみたいのがある。それをぶっ壊すしかねぇ!」

 「手当たり次第ぶっ壊せばいいんだな?分かりやすいぜ、兄貴」

 「外側を壊すにはどうしたらいい?」

 

 ミドリコが砂の触手を銃で落としながら、ギンジの後ろをついてくる。たまに触りそうになる触手は赤鬼が粉砕していく。

 

 「ここじゃどうしても俺たちが不利だ。なぜなら、あいつは砂がある限り無限に復活し続ける!」

 「でも敵が移動しないんじゃ、戦えないよ!?どうするのギンジくん」

 

 そのとおりだ。相手は動かせない巨大な怪物で、その背後が海であっても、押し倒せないと意味がない。

 

 「・・・サクラ!」

 「なあに!?」

 「あの大砲・・・もう一回出せるか!?」

 

 ギンジは想像する。誰も中に入らず、再生しつづけるこの怪人を倒す想像がイメージとなってギンジの脳裏に浮かぶ。

 

 しかしその想像は非常に難易度が高く、成功している想像が出来ない。

 

 サクラに打ち上げてもらい、急降下して中身ごと怪人を叩くというモノだが、その断片的な想像しか出てこない。

 

 「上手く行くかわかんねぇけど、今は皆の力が必要だ!」

 「不安なの!?怪人様が弱気ねぇ!」

 

 隣でカエデが触手を打払い、ギンジを煽る。

 

 「どうにしろ・・・ギンジにしか頼めないなら、お願い。アレを倒して」

 

 左隣ではレンがビーム剣を振り回して、砂の弾丸を防ぐ。

 

 「俺っちはなんでもいいが、ミドリコの姐さん達の夏休みを、守ってやりてぇ!兄貴!ドカンと頼みますぜ」

 「早く幸せな時間を取り戻したいな。力を貸すよ、ギンジ」

 

 赤鬼とレイナもギンジの援護に回る。

 

 「ギンジ!君たちと違って私は走り続けられない。どうしたらいい!早く結論を出してくれ」

 

 ミドリコも拳銃を撃ち、ギンジの防衛に入っている。

 

 自分たちだけじゃない。ここに遊びに来ていた一般市民を守るために、そして、個人こじんが楽しんでいた幸せな時間を取り戻す為に、ギンジはその答えを出す。

 

 「頼む!サクラ大砲を!」

 

 ギンジの指示でサクラがピンク色の大砲を用意する。

 

 「赤鬼!俺に棒を貸せ!レンもだ、武器を貸してくれ」

 「よし来た!」

 「形状は何にする?」

 「長剣だ!」

 

 二人からビーム長剣、金砕棒を預かる。

 

 「レイナ、カエデ、サクラの三人で、この大砲を思い切り打ったたけ!」

 「何をするつもりよ!」

 「カエデ達にしか出来ない事を頼んでんだ。やるぜ!」

 「解ったわ。信じてるから!」

 「任せとけ!」

 

 言いながらギンジの取った行動は、大砲の砲身に入るという奇行。

 

 「よいしょっと・・・あれ?どうしたの皆」

 「何ふざけてんのよ!」

 「いやいやこれが作戦なんだって!間抜けな行動かもしれないけども!」

 

 ギンジの頭を叩くカエデだが、ギンジはいたって真面目な行動をしている。これで勝てるとは思えない。

 

 「それで、私達はどうすればいいんだ?」

 

 レイナの声に焦りが見える。早くしないと砂の触手がどんどん迫ってくる。

 

 「ありったけの必殺技で、この大砲をぶっ飛ばせ!火力の大元はお前ら三人の必殺技が俺を打ち出す火力になる!」

 

 足元に黒い炎を纏い、フェーズ3を発動する。

 

 「行くわよギンジ!」

 「力みすぎるなよ!」

 「死ぬことも覚悟してね!これ、人を打ち出す大砲じゃないから!」

 「なんでもいい!俺に任せろ!!!」

 

 ビーム長剣と金砕棒を砲身から飛び出させ、ギンジは発射の体制を整えている。

 

 全身隠して、武器隠さず。そんなありもしないことわざが似合う状態のギンジへ、カエデ、レイナ、サクラがそれぞれ必殺技を放つ。

 

 迫りくる砂の触手は、赤鬼とミドリコとレンがなんとかして抑えている。

 

 「砲身を真上へ!」

 

 サクラが魔法で砲身を上に向ける。狙いは空。常夏の支配者が顔を向ける、大空へとギンジを飛ばす。

 

 もう何も言わずに、その不可思議な言葉をただ信じて、三人の女性達は、各々必殺技を混ぜてこんな技を創り出した。

 

 「必殺!」

 「破邪の・・・!」

 「マジカルマジカル〜・・・」

 

 『怪 人 大 砲 ! ! !』

 

 三人の必殺技が大砲に命中し、大きな爆発音と共にギンジが黒い炎を巻き上げながら大空へと吹き飛ぶ。

 

 「頼んだわよ・・・ギンジ!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 大空へ。ひたすら上へ。

 

 再生し続ける砂の怪人を撃破する想像は、あまりにも雑な映像しか流れなかった。

 

 でも、その映像を信じてイメージ通りに動けば、間違いなく勝てる。

 

 「行くぜ・・・我流ビーム金棒剣術!」

 

 ビーム長剣に黒い炎を、金砕棒には紫電を纏わせ、前転するように回転していく。

 

 「うるおおおおおおおお!!!!!!」

 

 炎と雷の二つの力と、斬撃、打撃の力。

 

 4つの力を借りて、ギンジはずっと下の砂の怪人へと、大回転しながら落下する。

 

 「やったんぞオラァアアアアア!!!」

 

 やがて空からギンジが見えてくる。

 

 「来た・・・!」

 

 ケイタがそれを捉え、喜ぶ。

 

 丸鋸の様な、巨大な回転は、砂の怪人の真上から直接ぶつかる。

 

 ギャインギャインギャイン・・・。

 

 砂を砕き、斬り、燃やし、通電させて行く。

 

 「ギンジーー!」

 「行け!兄貴!」

 「がんばれ・・・ギンジ!」

 「信じてるぞ・・・!」

 「君にしか出来ないな、これは!」

 「やっちゃえギンジくん!」

 

 砂の怪人の頭は砕かれ、胴体は斬られ、左右に別れた巨大な砂の塊は燃えて、もしくは雷で爆発させられる。

 

 「復活する前に・・・頼む!!」

 

 回転が終わり、浮かんだ砂の怪人コアを見据えて、ギンジは叫ぶ。

 

 「カエデ!!」

 

 叫んだ大トリを務めるその者の名前を。

 

 「必殺!ヘヴンリー・インパクトぉぉぉ!!」

 

 ガントレットからギアをフル回転させて、カエデは自慢の必殺技を解き放った。

 

 砂の怪人のコアは非常に脆く、弱く、この一撃には耐えれずに粉微塵になって吹き飛ばされた。

 

 砂の怪人の撃破を確認したカエデはギンジの肩を叩く。

 

 「おつかれ!」

 「おう・・・ありがとうな、カエデ」

 「〜っ、別にいいわよ・・・」

 

 いいとは言っても嬉しい。好きな人に褒めてもらうのは、こんなにも嬉しい。

 

 喜びに顔を上機嫌にさせて、仲間達が集まる。

 

 そしてヘヴンホワイティネスが有姪海岸中に、放送を行うと、すぐに一般市民が集まり、賞賛と拍手喝采が広がる。

 

 「なあ、そう言えば、ミヤコは?」

 「へい、それがどこを見渡しても見つかりませんで・・・」

 

 ギンジも辺りを見渡すが、ミヤコの姿は見つからない。

 

 もしかしたらケイタがどこかで見つけて、合流しているのかも知れないと、ギンジはそう思い、ギャラリーから抜け出していく。

 

 「ギンジ・・・今の怪人、何か変じゃなかったか?」

 「変って・・・?」

 

 ミドリコの言葉に、ギンジも疑問に思う。

 

 そう言われてみると、砂の怪人は何か不思議だったと思う。

 

 「なぁ、誰か・・・砂の怪人からダメージとか貰ったりしたか?」

 「え?いやぁ・・・全員無傷じゃないかな?」

 

 サクラは何もなかったよね〜っと呑気に話す。

 

 「違和感というか・・・なんだろうか・・・」

 

 ミドリコはなにかおかしく感じるが、撃破したのだし夏のバカンスを楽しむことにする。

 

 「さ!遊びを再開するわよ!」

 

 人混みから離れて変身を解除した面々は、再び海へ戻る。

 

 「ギンジ!行くわよ!」

 「お?おう!」

 「私も行こう!」

 

 ギンジの腕を引っ張りながら、カエデが走り出し、その後ろをミドリコが走りついていく。

 

 「ケイタ・・・どこ・・・?」

 

 レンはケイタを探しているが、すぐには見つからなさそうだった。

 

 「くふふふふ・・・」

 

 そして海の家ではミヤコが、砂の怪人撃破に心からの賞賛を送る。

 

 遠くからの拍手は誰に聞こえる訳でもないが・・・。

 

 「ね?ギンジ君なら勝つと言ったでしょ・・・紫」

 

 そこに紫は居ないが、確かにこの言葉が紫には届いている事だろう。

 

 「くふふふふ・・・くふふふふ・・・」

 

 薄気味悪い笑い声を上げながら、ミヤコはギンジを見つめる。

 

 「くふふふ・・・素敵だよぉ〜ギンジ君・・・これからも期待してるからね?」

 

 遠くから好きな人を眺めているだけでいい。

 

 今は・・・まだ、それだけでいい。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 「何ノ冗談ダ」

 

 骨の怪人と雪の怪人の目の前に現れた、その存在にオーク怪人も同じ様に驚く。

 

 「撤退だ・・・」

 

 薄手の布に身を包んだ龍の怪人が、槍を突き刺して戦闘を中断してきた。

 

 正直このまま戦っていたらオーク怪人は、死んでいたかもしれない。

 

 怪人四天王はダテではない強さであった。

 

 「・・・」

 

 後のことは龍の怪人は話さない。ただオーク怪人を睨むだけ。

 

 「ふふ・・・せいぜい拾った命を大切にすることね・・・」

 

 泣きながら戦っていた癖に、今は高圧的な態度でオーク怪人を侮辱していく。

 

 骨の怪人はもうそれ以上は喋らず、龍の怪人の指示に従い、離れていく。

 

 「・・・ぶひぃ・・・身体が痛い・・・マッサージにでも通いたい気分だ・・・」

 

 ひとまずのドクターへの脅威は去った。

 

 その事に安堵してオーク怪人は、軍服を着ると痛みで震える身体を抑えるのであった。

 

 

続く 

 

 




お疲れ様ですアトラクションです

サマー編の始まりです。サマーと言えば、今年の夏は死ぬほど暑かったですね。そんなサマーもおわりオータムがやってきますね。

風邪には気をつけてください

それにしても今回はキャラが多くなった。多分、ドクターミヤコのそれいけ怪人伝説以上にキャラが一度に登場した様な、そんな感じがするです。

キャラネタ書きます

佐久間ギンジ
カエデとミヤコの水着はポイント高かった。うん。ダイバースーツも良かったけどな〜

神宮カエデ
ギンジと遊びたい!
好意を隠しているのか隠していないのか・・・

宮寺レン
念願の海に感動。水着を褒められてうれぴっぴ寺さんだった

甘白ミドリコ
まさか海で武装形態になるとは思わなかった。
パレオをつけるとなんか安心する。

角倉ケイタ
普通の海パンで来た。レンを見てっぐあああってなった。

鈴村ミヤコ
ダイバースーツ。
しかし、傷でもあるのか、別の水着になってもわりと長袖気味だった。
カエデはミヤコの身体のその真相を知っている模様。

小町サクラ
久しぶりに登場した桃色ヘアー魔法少女。
ピンク色の水着。

熊沢レイナ
結構きわどい水着かもしれない。ナルミは放っておくと、脱水症状で倒れる為、教会に置いてきた。

赤鬼の怪人
ミドリコの水着にムラムラした

オーク怪人
遠くからミヤコを見守っている。

骨、雪の怪人
怪人四天王達。直ぐに泣くのは雪の怪人。カタカナで喋るのは骨の怪人。加工声だと思ってください

砂の怪人
まともな攻撃はしていない・・・?
元々はミヤコが造ろうとしていたらしいのだが・・・?

次回は少し間があくかも知れませんが、頑張って続きを書きます。毎日眠い・・・

それでは、また次回!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。