ちょっと間が空いた様な気もします。
いやほら、アークナ○ツがイベント来たしね、たまにはゆっくりしたかったのもあるしね、布団カバーを買い替えたり、牛丼食べたりね
アークナ○ツが一番理由としてはでかい気がします。。。w
それでは、どうぞ!サマー編ラストです!
ホテルのマッサージチェアで、昼間の襲撃の疲れを癒やしながら、オーク怪人は隣に座るギンジと話していた。
「以上が、私の仕入れた情報だが・・・」
ブヒ、と鼻を鳴らした浴衣姿のオーク怪人は、マッサージにゴリゴリされながらも、声を震わせる事は無く、いつも通りの対応をする。その隣ではギンジが背中をゴリゴリと振るわせながら、心ここにあらずと言った態度で相槌を打っている。
オーク怪人とはたまたまここで再開したのだが、ギンジはひたすらぼーっとしている。
無言の間に耐えられず、放心にも近い状態のギンジを見て、仕入れた情報を伝える事にしていたのだが、ギンジがこんな状態では張り合いみたいなモノが足りなく感じる。
「どうしたと言うのだ」
「どうもこうも・・・別に、何もない」
落ち込んでいるのか、少し残念な気持ちなのか。
「そんなことよりお前、生きてたんだな」
音楽堂での戦いの後、ギンジ達を逃したオーク怪人は、ヘルブラッククロスから除名されてしまった。急いでギンジ達を追いかけたにもかかわらず、かつての同僚からの裏切りや、新たな怪人の誕生、そしてドクターミヤコの抹殺・・・。
いくらでも組織に対する忠義は持ち合わせられるが、自分の親同然のミヤコが殺されるのは良しとしないオーク怪人は、ヘルブラッククロスから離反したのだ。
「夢の怪人のことも話した筈だ。いつまで呆けているのだ」
ギンジとオーク怪人の間には、友情とまではいかないが奇妙な関係が出来ていた。
協力の体制が出来ているので、いつでも手に入れた情報はギンジ達に伝える気だったのだが、肝心の自分の打ち負かした男は、こうも抜け殻に等しいと、残念な気持ちになる。
今、ここには紫と呼ばれる元ミヤコの護衛部下の解き放った怪人達が来ているとの事、そしてそれに合わせて怪人四天王も襲撃に来ていたというが、それらの話はあまりギンジの耳に入ってこない。
と言うより、聴く気がない。
「ヘヴンホワイティネスと何かあったのか」
「・・・!」
一瞬顔を動かしたギンジだが、何も喋らない。どうしたものかと思ったが、おそらく喧嘩でもしたのだろうか。
「なぁ、例えばの話だが・・・」
ギンジはオーク怪人へ言葉を投げる。どうしても今になって寂しいと思える様な、弱気な声音にオークが耳を傾ける。
「例えば、他の怪人達が、仲間だったのに、急に親・・・お前らの場合、ミヤコから二度と近づくなって言われたら、お前ならどうする?」
「言葉の意味がわからんな」
「だから、ミヤコから・・・嫌われたりしたら、お前らはどう想うんだ。例えばだぞ、例えの話な」
そんな例えはないのだが、オーク怪人はマッサージを堪能しながら、ギンジの質問に答える。
「ドクターが決めた事なら、我々怪人は従うしか無い。そうあれと造られているのだからな」
ヘルブラッククロスと似たりよったりなのだが、ミヤコが言うなら、ミヤコの怪人達は皆それに従うしかない。そこに怪人達の感情等は関係ないからだと言うことを皆理解しているからだ。
「しかし、今は違う。今は、何があってもドクターの下へ戻ろうと思っている。あんなに組織に尽くしてきたドクターを、こうも簡単に切り捨てるのは納得がいかん」
静かな怒りを灯し、オーク怪人は腕に力を込める。
「組織も組織だ。総統の望む世界は、あんな残酷なモノで良いのか?」
あろうことか、オーク怪人は組織の望む世界、力の支配世界に疑問を持ち始めている。
「何に悩んでこうなっているのか知らないが、自分の望む通りにやればいいだろう。お前はそうやってヘルブラッククロスを裏切り、ヘヴンホワイティネスへの味方をすると決めたのだろ?」
オーク怪人の言うとおりだ。ギンジは何があっても自分がこうだと思って行動してきた。それが正しいとか間違いだとかは関係ない。
でも、今回はカエデの父親に結構酷い事を言われた。父親だからしょうがないかも知れないが、それでも二度と近づくなとあそこまで言われてしまうと、ギンジの心が大きく傷つく。
「明日起きたら、色々と話してみるといいさ。あ、でも夢の怪人をみつけるまでは寝るなよ」
「なんで?」
また夢の怪人の脅威について話さないといけない。そう思うと、すこしだるくなってしまったオーク怪人であった。
だけど、この男には少しだけ、眼に光が戻った様な気がする。
何かの力になれればよかったのだが、オーク怪人は思う。
「さて、再度説明するが、夢の怪人というのはだな・・・」
ギンジはその話を聞きながらも、こくりこくりと首を落としそうになる。
「能力を発動している時、無条件で睡眠した者を、自分の世界に取り込み・・・」
オーク怪人の話す内容に、耳を傾けてはいるのだが、瞳を閉じてしまう。海で遊び疲れてしまっているのも事実。
ソウジロウから罵声を浴びせられた後は、一人で物思いにふける気持ちになりながら温泉にも入った。一日トータルの疲れがここに来てギンジに一気に襲いかかってくる。
それどころか、ギンジは毎日何かのトラブルと戦っている。疲れていないわけがない。
(いっそ疲れなんてなければいいのになぁ・・・やべぇ、眠い)
マッサージチェアの振動が心地よく、そして疲労している身体になんとも言えない気持ちよさが広がってくる。
隣でオーク怪人が何かを叫ぶ様にこちらに話しているが、もうギンジには何も入ってこないし、何も聞こえなくなった。
「寝るな!バカ者!おい!寝るな!ギンジ!寝るな!ここは言わば戦場だぞ!しかも敵陣の真ん中だ!寝るな!」
身体をゆすり、叩き、マッサージチェアごと持ち上げるも、もうギンジは起きない。
彼もまた夢の怪人によって、夢の世界へといざなわれて行った。
「・・・仕方有るまい。寝てしまったのなら、私は私のやり方で行かせてもらう」
ドクターを守るために、オーク怪人は今この瞬間で奮起する。
「・・・もう少しだけ、コレを味わおう」
マッサージチェアはオーク怪人の好みになったらしい。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「うおおおおお!!!!姐さあああああーーーん!!!」
森の中で赤鬼は一人叫ぶ。テーマパークの様なお城のある場所までは、距離はそこまで無いように見えて、相当遠い。
自然が造り上げた迷宮には、猿や狼と言った、様々な動物達が、レン達に立ちはだかる状況にあった。
しかし、どんな獰猛な動物も毒を持っている虫でも、今のレン達には、鉄壁と暴虐を二つ同時に兼ね備える赤鬼が暴れ回れば、たちまち全滅させられる。
邪魔をするから倒すのではなく、ミドリコを探す過程でたまたまぶつかっているので、轢いておこう、ぐらいの感覚でしか無いのだが。
「しっかし、兄貴もカエデの姉御も、ミドリコの姐さんもどこにも居やせんぜ・・・あの城にもたどり着けん」
「確かに。このままじゃ、いつか皆倒れる。どうにかして、皆と合流しないと、私と赤鬼だけじゃ、戦闘になっても、戦い続けられるか、心配」
レンの言葉に、ケイタと赤鬼が頷く。ミヤコは相変わらず何か考え込んでいる様で、今はひとまず列の一番後ろに運んでいる。
辺り一面優しい日差しに照らされる、穏やかな森だと言うのに、いたる所に狼やら猿やらがぶっ飛ばされて転がっている惨劇と言うのが正しい環境になっていた。
耳をすませば、所々から聞こえる子どもたちの歓声に、ケイタとレンはずっと違和感を覚えている。
「この歓声、レンはどう思ってる?」
「私には解らないけど、ずっとこの歓声には、怪しい何かを、感じてる」
鳴り止まない時もあれば、等間隔で広がる様に子供達の声が聞こえる。
その歓声には何か意味があるのか解らないが、レン達は再び迫りくる狼や猿達に、行手を阻まれながらもお城まで向かう事にする。
この謎の空間には、痛みも、血の感覚も、攻撃する感触も全てが現実になっている。正確には現実に感じている。
水の冷たさも風の心地よさも、この空間の肌寒さも。
「もし、子どもたちが、何かに巻き込まれているなら、それは、正義のヒーローの出番。必ず、脱出しよう」
急に取り込まれたこの空間をいち早く脱出して、ケイタと夏休みを満喫したい。それを胸に秘め、レンはビーム剣を力強く持って、妨害を斬り捨てながら進むのであった。
「・・・夢・・・夢・・・うーん」
一方のミヤコは、未だに何かが引っかかるようで、ずっと頭をひねっている。
テーマパーク(仮称)に到着は出来るのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
赤く濁った水面には、様々な瓦礫、かつて建物であったであろう、残骸が沢山浮いている。
満月・・・と言えばいいのだろうか、怪しい光を吐き出し続ける、謎の月の様な物体が赤く暗い空に浮かび、その光に照らされてソウジロウは眼を覚ます。
「ここは・・・!?」
常人でなくてもこんな所で眼を冷ませば、誰でもびっくりする。足元の水面に引っ張られる様に、脚を滑らせてソウジロウは自慢のスーツを汚してしまう。
「・・・以外と浅いな」
浅いと言っても膝まではある深さの赤い水に、ソウジロウは血の気が引いていく。どう考えても不気味で、おかしいこの空間に、もう一人の人影がある事を確認する。
同じ状況の人間を発見すると、ソウジロウは喜びながらも、その人影に近づいていく。
その者はソウジロウが一番大切に想い、16年間ずっと大切にしてきた実の娘の姿があった。
カエデもこの空間でうつ伏せに倒れて、眠っていた。
「カエデ!起きなさい、カエデ!大丈夫か!」
見た目では怪我は無さそうで、呼吸も正常に思えた。
「あ、あれ?・・・お父様?」
ソウジロウがその身体を抱きかかえると、カエデは眼を覚ます。そしてこの異様な空間に驚き、勢いでスーツに変身してしまう。
その姿を見てソウジロウは、自分の娘であるカエデがあのニュースでよく見るヘヴンホワイティネスである事を知ってしまった。
「・・・」
「・・・あ、しまった」
いつもの襲撃と思い、警戒してしまったのか、ここでもあっさり正体をバラしてしまった。
「うん、夢だな」
あまりに現実離れした事が重なり、ソウジロウは現実逃避することにした。娘の恋する人物が、怪人で、気がついたらこんな所で眼が冷め、そして娘は綺麗なスーツに変身する。
情報量が多すぎて、ついていけない。
「きっと私は疲れているのだろうな。夢の中だが、二度寝しよう」
ここで寝たらどうなるのか解らないが、カエデは変身を解いてソウジロウに詰め寄る。
「駄目です!お父様!寝ないで」
「やっぱり・・・いいや、パパは信じないぞ!」
変身が解けた娘の姿は見慣れたカエデという実の娘なのだが、ソウジロウはここが夢だと信じ込み、一切の情報を遮断しようとする。
「本当に夢だと思う?ほっぺつねりましょうか、お父様」
「ぜひ頼むよ。本当のカエデならめっっっっっちゃ痛いから」
素が出たのか、言葉使いを緩ませるソウジロウに、カエデが思い切りほっぺをつねり回す。
「あ、ものすごくいた〜い・・・ふざけるなぁ!!」
「神宮財閥ジョークをここでも・・・!」
流石ですお父様、と頷くボディラインが強調されるスーツを身にまとうカエデを見て、ソウジロウはいよいよ膝から崩れそうになる。
「あっさり言ってくれるが、本当にここは夢じゃないのか・・・」
ほっぺの痛みもさながら、カエデの仕草や声を聴いていよいよ戦慄するソウジロウ。
「い、いやいや・・・!そんな事より、聴きたい事が沢山あるぞカエデ!なんだその格好は!」
「い、いや〜・・・なんだと言われましても」
「今直ぐ脱ぎなさい!はしたないぞ!」
ソウジロウの一喝を聞き入れ、カエデは変身を解く。光に包まれて綺麗な身体の線を描くと、元の姿に戻っていく。
元の夏服に戻ったカエデを見て、ソウジロウは安心感と同時に、またもや疑問が出てくる。
「なんで変身出来るの・・・?」
ソウジロウが見たその姿は間違いなく、テレビやニュースで目撃したあのヘヴンホワイティネスの姿そのもの。世間が正義のヒーローとはやしたてる、例のあのヒーロー。
「・・・あたし、実は変身出来るの」
「何を言っているんだ?」
「実はお父様に内緒で、正義のヒーローになってたの」
「マジで何言っているんだ?このアホ娘は」
次々と出てくる娘の言葉に、困惑、戦慄、怒り、悲しみ、成長、様々な感情がとうとうソウジロウの脳をバグらせて、言葉使いを悪くさせる。
「詳しい事は、また後でいいかしら?お父様」
「いやいや駄目だ!今!今説明しなさい!」
ソウジロウの強い語気に赤い水面が揺れて、瓦礫を避けるように音も無く消えていく。
「とにかく、今説明している場合では無いので・・・」
「いいや!今!今してくれないとパパ泣いちゃうぞ!既に色々ありすぎて、もう倒れそうなんだ!」
「困ったわね」
ソウジロウの言うことも尤もなのだが、カエデは今この状況をあまりよろしくは無いとしっかり解っていた。
こんな所に人を運び出せるのは、間違いなく悪の組織・ヘルブラッククロスの仕業に違いない。それも兵器とかではなく、怪人クラスの何者かの仕業。
「お父様!早くここから脱出しますわよ!」
「え?出られるの?」
「・・・」
「カエデ?」
「・・・」
「何か言いなさい。怖いから、パパ怖いから!」
ソウジロウの言い分を無視して、カエデは後ろを振り向く。
その先に見えるのは、塔の様な形をした瓦礫。建物として中には入れそうなモノを見据えると、カエデはそれを怪しいと睨む。
それと同時に、戦いの中で幾度も感じた気配・・・怪人の気配を、カエデは確かに感じ取っていた。
(怪人が居る・・・)
不思議なモノで第六感のようなモノが働く。それは決して無視しては行けない悪の気配。
「お、おいカエデ?」
あまりにシカトされ続けたので、とうとう真面目な雰囲気を感じ取り、ソウジロウはカエデの腕を引っ張る。
「・・・お父様、本当に・・・説明している時間は無さそう」
その塔の頂上から怪人の気配が強くなる。
そこにヌッと現れたのは、くすんだ金髪にツーブロックヘア、そしてサングラスをかけた黒いアロハシャツを着た・・・。
「ギンジ!」
「うおっ!カエデ!・・・と、おとーさんじゃん」
「なんで貴様がいるんだ!!!!!」
唐突なギンジの出現に喜ぶカエデと、怒りに身を焦がすソウジロウ。
二人をきょとんと見つめるギンジは、何がなんだか解らない様子で塔の頂上から、カエデ達の居る所から飛び降りてくる。
高さはかなりあるが、ギンジはコウモリの羽で滑空すると、最後は綺麗に着地を決める。
「ギンジ、ごめんね・・・あたしが余計な事を言ったばっかりに・・・」
ソウジロウの泊まる部屋でも失言を謝ろうとするカエデに、ギンジは特別気にはとめていないと言った態度で、両手をひらひらと振って何事も無いという素振りを見せる。
「あーあーいいってそんな事は・・・それより、よ」
ギンジはソウジロウを見る。少しだけバツが悪い顔で目を逸らすと、次に怪しい満月を見る。
「ここってよ、色々さまよったんだけど、夢の世界らしいぜ」
「やっぱり?変だとは思ってたのよね」
ついさっきまでの緊張に強ばっている様に見えたカエデの表情は、とても明るくて頬を少し朱に染めている様に見えた。
ソウジロウは二人の会話に割って入る事はせず、ただジッとカエデの横顔を見つめる。
(・・・やっぱり恋してるぢゃん。おとうさんショック)
カエデの顔は間違いなく、かつての妻、カレンと同じ顔をしていた。親子だから解るその表情にソウジロウは心をやきもきさせる。
「さて、脱出の手段だけどよ」
「何か案でもあるの?」
「ハッキリ言うが無い!」
ハッキリしすぎたギンジの発言は、ソウジロウを落胆さえてしまうが、カエデは違った。
「なあんで何も無いのよ!嘘でもいいからこういうのはビシッと決めなさいよ!」
「しょうがねぇだろ!こんなんなるとは思ってないし!っていうかこんな世界で彷徨うならちゃんとオークの奴の話し聴いとけばよかったーー!!」
行き当たりばったりな事を繰り返すギンジと、それを叱るカエデのデコボココンビを見ていると、少し面白くも感じる。
「私はお前だけは認めんぞ〜!!!」
カエデパパの絶叫がこの残骸だらけの空間にこだました。
「そう怒らないでくださいよおとーさん」
「黙れ青二才!化け物!お前の様な息子はお断りだ!」
「いやいや、脱出するんだから、ここは仲良くしとこうぜ。ほら、行こうぜ」
ギンジが指を指し示す方向は塔の頂上。
「あそこから俺は来たけど、あっちまで行くと、なんかでかい城の所に通じてるっぽいんだよ。行こうぜ」
「ここで何もしないよりマシね・・・じゃあ、行こうか」
ギンジの提案をすぐに受け入れると、カエデは移動し始める。
「待てーい!」
「なんだようるせーなこのおじさんは。藤原か?」
「あたしのお父様よ!あんなおじさんと一緒にしないで!」
また新しい人の名前が出てくる。いったいカエデの交友関係はどうなっているのか。
「ちゃんと説明してくれ!それまで動かんぞ私は!」
「・・・えーとここは夢のせかいで、夢の怪人が」
「黙っていろ青二才!カエデ、まずはお前のことだ!ちゃんと説明しなさい」
この空間で眼が冷めて何度、説明と言う単語を出しただろうか。
「うーん・・・家族の事は、カエデに任せた。周りを警戒しとくからよ、頼む」
「説明して解ってもらえるかしら・・・」
簡潔にまとめられるか心配だが、カエデは事の経緯を全部説明していく。
正義のヒーロー・ヘヴンホワイティネスの正体。
宮寺レンという親友の事情。
ヘルブラッククロスという悪の組織の存在。
怪人という超常の存在のヒミツ。
そして佐久間ギンジという男について、色々と説明出来る事はなんでも説明した。
日夜秘密裏に戦ったり、急な襲撃による戦い等など、色々全部話していた。
「・・・にわかには信じがたいが、本当にカエデがあのヘヴンホワイティネス・・・なのか?」
「そう、です・・・」
「グッズも出てるあのヒーロー?」
「そうです・・・」
本当に信じられない。
実の娘は危険な戦いに身を投じていたとは、父親として心配になってしまう。
「でも・・・あたし達は、絶対勝つから、心配しないで!」
「いや、しかし、ううむ・・・」
未だにそれを見ても全てを信じきる事は難しい。
理解が追いつかない。
「人間に善悪の際限があるように、怪人だって正義の為に動く奴も居るんだ。俺もその一人だしさ。俺を信じなくてもいいけど、ここを脱出するまでは、俺とカエデと一緒に居た方がいいぜ」
「カエデとは一緒に居るが、貴様とは慣れ合わん!」
「強情だなぁ・・・」
相変わらず敵意は強いが、ある程度の話しを聴いてソウジロウは歩み始める。
これはギンジの事を信用しているのではなく、カエデを守る為。小さい頃から、自分が守ってきた娘と共に行動するため。
そして全てが無事に終わったら、最後は娘と話そう。こんな危険な事、続けさせるわけには行かない。
「見つけたよぉ〜きゅっふっふ」
空気の抜ける様な笑い声が上がり、ギンジとカエデはソウジロウを守る様に、警戒を始める。
「なんだ、どこから来てる?」
「解らない。お父様はしゃがんで!」
カエデが言いながらも再度スーツに変身し、ギンジも右手に炎を構える。
「ここだよ」
その声の主はギンジの瞬きの間に、目の前に現れる。
着物に身を包み、仮面をつけた童子の姿のそれを見て、ソウジロウは驚きへたりこむ。
「何モンだ・・・お前」
「あちは、夢の怪人。・・・ここでお前たち、ヘヴンホワイティネスを倒す者だよ!」
童子が叫ぶと髪の毛を槍の様に変質させて、ギンジたちに向けてくる。
「カエデ!おとーさん連れて離れてろ!」
「解った!」
指示を貰って直ぐに動き出し、カエデはギンジにこの場を任せると、ソウジロウを担ぎ上げて、赤い水面に浮かぶ瓦礫と瓦礫の間を飛び越えて、夢の怪人との距離を開けていく。
「きゅっふっふ!」
槍の髪は、太く、そして不規則に動き、ギンジを確実に追い詰める。その攻撃を避けても、直ぐに形を変えて、刃の先を標的であるギンジへと方向転換していく。
「向こうじゃお前には勝てないが、こっちだったら、進化の怪人なんて赤子の手を撚るぐらいさ!」
「やってみろ、クソガキ!」
急に現れたこの怪人はギンジの事を知っているようだったが、今は二人とも戦闘を開始する。
ギンジの炎と、夢の怪人の槍の髪が幾度もぶつかっていく・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
赤鬼達はようやく森から脱出して、テーマパーク(仮称)へとたどり着いていた。
「よ、ようやく着いたね」
ケイタが荒い呼吸でレンと隣同士で歩いてくる。
あれから森に出口は見つからず、手当たり次第破壊して進む事にした赤鬼の提案で、森を野ざらしにした。
その後渦の様な形状の何かに触れたらここにたどり着いたという。
ここまでの行動を起こしておきながら、赤鬼はまったく疲れておらず、それどころかまだ暴れられるといった様子に、ケイタは今だけは怪人の体力が欲しいとさえ思っていた。
「ケイタの旦那、大丈夫ですかい?俺っちに手伝える事あらぁ、いつでも言ってくだせぇ」
「あはは、ありがとう」
「問題ない。私がケイタの、サポートをするから。ありがとう、赤鬼」
赤鬼の心使いに素直に感謝を述べると、レンは再びミヤコの方へと視線を動かす。
彼女はこの空間に来てからと言うもの、ずっと何かを考えている。きっとギンジが居ないから心配なのかもしれないと、冷静さを保っておきたいのかもしれないと、レンは考えていた。
『おおおーーーい、れーんーあーかーおーにー』
上から声がする。ものすごいエコーのかかった声に名前を呼ばれると、なんだか頭頂部が痒くなってくる。
「うおおおお!」
「ろっ・・・」
赤鬼とケイタは上から話しかける存在が何者かが解った様で、そしてその者の姿に偉く興奮している。
「くふふ・・・新たな強敵みたいだね・・・」
「でも何か、見覚えがある・・・」
ミヤコとレンはそお上から覗く存在に、違和感を覚えつつも敵として見定める。
超合金で出来たであろう、その顔部分、そしてネイビーに色をした肩や腕に、ボディもネイビー。まるでボタンの様に中心に止まる黄金色のポチポチにいかつい形をした肩に積まれたロケットランチャー・・・。
「うおおおおお!うおお!うおおお!ミドリコの姐さーーーん!!」
赤鬼は心からその姿を感じ取ったのか、大興奮している。
その隣ではケイタも同じく興奮している。それはミドリコが見つかったからではなく、ロボットだから・・・という事からなのだが。
辺りを見渡せば、子供達の姿がたくさんあり、それぞれ幼少の子たちが多い。
ある子はレンを見るやヘヴンホワイティネスだと、目を輝かせ、またある子は赤鬼を見て少し怯えている。
「ガキんちょ共〜食ぁべちゃうぞぉ〜」
赤鬼の冗談に子どもたちが怯えると、少しだけ力が増したのか、赤鬼は調子づく。しかしそれを真上から制裁する為に迫ってくる、巨大な超合金の拳が赤鬼を殴り潰す。
『や〜め〜ん〜か〜ば〜か〜も〜の〜!』
ミドリコがでかいロボット故か、声が遅い。
明らかに一撃必殺級のダメージなのに、血だらけになった赤鬼はクレーターから這い上がると、涼しい顔をしているつもりなのだが、その血だらけの顔を見た子供達が、とうとう大泣きし始める。
「皆、問題ない。私が、この怪人を、倒す」
ビーム剣を振るい赤鬼を斬り捨てるフリをして、赤鬼がわざとらしく倒れる。
一瞬眼が本気だったが、いつかふざけていると斬られてしまうかも知れない。
「ぐぅうぁあああ!やられた〜・・・ぐふ」
「くふふふ・・・意外と相性いいね、あの二人」
「え!?そんな事ないよ!絶対ない!」
ミヤコの言うのは、会話という意味合いだったのだが、ケイタは違う意味合いで感じ取り、焦って否定する。
「おねーちゃーん!あそぼあそぼ!」
一人の可愛らしく小麦色に焼けた女の子が、子供特有の突進力でミヤコに抱きつく。
「くふふふ・・・いいよ、何して遊ぶ?」
左の黒い眼は奈落の様に深く、おぞましく、なにより子供にも本能的な怖さを引き立たせる。
鳥肌が立ち、子供は涙目で離れていく。
「ミヤコ姉さん、今怪人の力使ったでしょ」
「くふふ。子供はあんまり好きじゃないからね・・・」
メガネのズレを直してミヤコは、くふふと短く笑う。
子供なんてギンジ君との間に出来たのしか信用しないし、ソレ以外はフェーズ2の研究にしか使わない。
確固たる思いを持ちながら、ミヤコは子供達を視界から離すと、空を眺める。
「くふふ・・・そうかそうか・・・ここは、【そういう場所】なんだね」
ミヤコはまるで夢みたいなこの空間に、ある確信を持った。今までも考えていたのだが、夢という単語についてずっと考えていた。
ここは、この空間は。
「ここは、夢の空間だったかな。夢の怪人が創り出せる、人の精神を運び出せる世界・・・」
ミヤコの言葉は誰かに聞こえる訳ではないが、この空間の対処方を思い出す。
夢を望めば、なんでも出来る世界。つまり・・・。
「ギンジ君がここにいるとは思えないし、わたしは先に帰るね」
「え?帰れるの?」
ケイタの質問にミヤコは遠い目で、言葉を返す。
「うん。ここは夢の世界だからね。帰りたいって夢を持てば帰れるよ。くふふ、ギンジ君はこんな所でつまずく様な人とは思えないし、わたしはギンジ君と一緒に寝たいから・・・おさき!」
ギンジ以外はどうでもいいと言ったミヤコの態度に、レンと子どもたちは露骨な怪訝な表情を出すも、次々と子どもたちも帰ろうと、夢を持ち始めていった。
「えーと・・・それじゃあ、僕たちも帰る?」
そのあっさりとした光景を見て、ケイタは仲間達に訪ねるとレンと赤鬼は首を横に振る。
「まだ・・・カエデを見つけてない。私は探してから、帰る」
「俺っちも同意見ですね。ギンジの兄貴は、姉さんの言うとおりだと思いやすが、カエデの姉御も来てるかも知れやせんぜ?旦那のお友達でしょう?」
「うっ・・・確かに」
レンと赤鬼の仲間意識の強さを見て、ケイタも一旦夢を持つ事をやめる。
「ミヤコは・・・本当に帰る?」
子どもたちがどんどん夢の世界から帰るさなか、ミヤコはジッとしていた。
「・・・何、これは・・・?何・・・!?」
最後の子供が現実世界へと消えると、この場に残っているのは、ケイタ、レン、赤鬼、ミヤコ、フルアーマーミドリコのみとなるそのお城の空間に、ミヤコだけは何かを感じ取って、震えてその場に座り込む。
「姉さん!ケイタの旦那ぁ!」
「わかった!ミヤコ、こっちへ・・・」
赤鬼がその異様な雰囲気を見て、一度ケイタにミヤコを連れて引き換えさせようとする。
「ひっ・・・!?」
ケイタがレン達の後ろに下がろうとして、ミヤコとケイタの視界に謎・・・というよりはかなり異質な存在がそこには立っていた。
「ケイタ・・・!?」
レンも赤鬼もミドリコもそれを見て、身体が固まる。
その場に唐突に現れたのは、殺気を凝縮いたかの様な、黒い人の形をした明らかな敵。
それもただ、怪人だとか、ヘルブラッククロスだとかそういう類に収まらない様な、とにかく常軌を逸した怪物。
「・・・なんだい、あんたぁ」
赤鬼が一番前に出て、その異質な怪物の目の前に大きな身体を見せつけるように立つ。レンはその後ろでビーム剣を構えている。
「我らは・・・無であり有である」
どこが正面か解らないその人の形は、赤鬼の質問に答えたのか、身体に浮かび上がる炎の様な模様が脚から頭へとメラメラ上がっていく。
「我らは・・・個であり、多であり、命であり、死である」
「つまり、敵・・・?」
震える手でビーム剣を持ちながら、レンは敵から視線を外さない。
感じたことのない殺気を肌で感じながら、ケイタは倒れそうになる。ミヤコも同じようで、その眼には涙を浮かべている。
「用が無いって事ぁないんだろうが・・・何もしないなら、とっとと帰んな」
赤鬼が睨みを効かせながら異質な怪物に、近寄っていくのだが、怪物が手を振り上げた瞬間に、重い打撃の音が鳴り赤鬼が飛ばされる。
「ぐぅお!?」
攻撃をされた事でレンがついに戦闘に立ち向かう。ミドリコも超合金の拳を振り下ろし、異質な怪物へと命中した。
命中したのは間違いないのだが、超合金の拳は直ぐに壊され、内側から怪物が出てくる。
『うわあああああああ〜』
振り下ろした左手が壊され、苦悶の絶叫を上げるロボミドリコを見て、赤鬼がキレて突撃する。
「あんまり舐めてると殺っちまうぞゴルァ!」
「ビーム剣術─!」
レンも赤鬼も同時に攻撃を繰り出すが、赤鬼の拳は届かず、レンも剣が弾かれた。
「我らは、全であり、1である。全ては等しく、死へと至る」
低くつぶやくと、体制を崩したレンと赤鬼をすり抜けるように、背後に立つ。一瞬遅れてレンと赤鬼が動けなくなるまで全身を殴打される。
「うっ!」
「なんだ・・・!?」
何をされたのか解らない。それほどまでに速く、予測不可能な攻撃を受けたレンは、その場に倒れてしまう。
「レン!」
ケイタがレンの下へ走りだそうとするが、赤鬼が立ち上がりケイタを静止する。
「駄目だ!旦那はミヤコ姉さんを連れて、少し離れた場所に居ろ!」
夢の中に現れた異質な怪物。おそろしく強い。
レンは倒れて動けず、ロボミドリコも腕が壊れてまともに動けない。
「今まともにやれるのは、俺っちだけか・・・!」
赤鬼の目の前に異質な怪物が現れる。
「やっべ」
「我らはお前であり、その少女であり、怪である」
「なんだと・・・?」
攻撃が来る。次は今まで一番強い一撃。
それを本能でなんとなく感じ取った赤鬼は、死ぬ事を覚悟した・・・。
ミヤコが震えながらも立ち上がり、異質な怪物へと夢を吐き出す。自分の今の夢を。
「わたしの夢は・・・!お前がいなくなること!」
「・・・我らは、夢であり、現実である。今は、その言葉通りにしよう」
異質な怪物はミヤコの言葉を聞き入れると、その場所から攻撃せずに音もなく消え失せた。
「ふぅ〜・・・」
夢の世界の特殊な法則を理解したミヤコは、自分の夢を言う事で、あの怪物を退く事に成功した。
緊張感が一気に抜けて、赤鬼はその場で息を吐くと、石畳に座る。
「いや〜流石姉さんだ・・・助かったぜ」
ミヤコは今の怪物の事をずっと忘れないようにしようと、心に留める。
「・・・私は、まだまだ、弱いのかも・・・」
「そんな事、無いよ。レンは強いから、戦えない僕が言うのもアレだけどさ・・・」
上手く慰められない。それよりもあの脅威的な殺意を、まだ身体が覚えていて、ずっと震えてる。
恐怖からずっと・・・。
「・・・少し休んだら、カエデを探そう・・・」
レンの言葉でそれぞれが頷き、青い空を眺める。
「・・・僕、まだ怖いや・・・あはは・・・」
レンも赤鬼も手が出なかった強敵に、ケイタは未だに震えが収まらない。もしアレと戦うのがギンジだったら・・・。
(くふふふ・・・ギンジ君だったら、あんなの簡単に、倒してくれるはず・・・早く会いたいよぉ・・・)
この場に居る五人全員が、あの異質な怪物と戦うとして、ギンジなら勝つと信じたい。
そう思いたくなるぐらい強い殺気を全員が味わい、死を意識してしまった。
一気に疲れてしまったがレンは再び、拳を握りしめる。
もう二度とあんな強敵が来ても敗けないようにしないと。
もっと強くならないと。
勝てなかったら、何も守れない。
戦えなかったら、誰も守れない。
立ち向かわなかったら、未来も守れない。
正義の志を持って、ケイタを見つめる。宮寺レンは改めてそう思った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
赤い水面の上に浮かぶ瓦礫を蹴って飛びながら、カエデはソウジロウを抱えて飛び続ける。
何度も何度もギンジと夢の怪人から離れているのに、気がついたら目の前に夢の怪人とギンジが現れ、攻撃が飛んでくる。
(ったくどうなってんのよ!)
この空間はまるで地球みたいに、一周する様になっているのか、カエデは何度も激しい戦いの目の前に出てくる。
逃げ場の無い様なこの空間は、やはりギンジの言うとおりに、塔の頂上から出ないと行けないのかも知れない。
「カエデ!さっきから何やってんだ!早く逃げっ・・・がああ」
「ギンジ!」
夢の怪人の手数もさながら攻撃力も高く、ギンジは既に何度か水面に落とされている。
それを見たカエデが常に心配になるが、ソウジロウはほくそ笑んでいる。
「クソ・・・あのガキ意外と強いぞ!マジで早く逃げた方が良い気がしてきたぜ」
「あの塔の頂上に行くのも、なかなか大変そうね。手、貸した方がいい?」
「頼めるか?」
ギンジの問には快く聞き入れる。その後すぐにいつもの笑顔で笑うと、ソウジロウを広めの瓦礫に置いて、夢の怪人の方へ向き治る。
「お父様は少し待ってて」
直ぐに加勢に向かおうとするも、ソウジロウはカエデの腕を引っ張る。
「お父様!もういい加減に」
「カエデ・・・本当に、お前はあんな得体の知れない奴らと戦って、街の平和を守っていたのか?」
悲痛な顔をしながらソウジロウは、未だに娘が正義のヒーローとして戦っている事が信じられない・・・受け入れられる様な気がしない。
「あたしはね・・・自分の育ったこの街が好きだし、お友達もたくさんいるし、なによりレンっていう、親友が出来たの」
腕を引っ張られながらも、嬉しそうにそんな言葉を告げる。カエデの瞳は確かな想いを乗せていた。
「たくさん笑って、人と触れ合って、楽しく生きていけるはずの未来が・・・80年後にはなくなってる・・・なんて、信じられる?」
2102年。レンの居た未来では、既に日本という国は崩壊しており、希望を失わないレジスタンス達が、勝てないと解っていても、諦めきれないで戦い続ける、そんな世界。それが、80年後の日本はそうなっている。
レンから聞いた話しを全部信じて、それでもカエデは自分が本気で助けてあげたい親友だから、今日までこうして戦って来た。
誰に何を言われようとも、怪我をしようとも、光を失っても。
神宮カエデは、自分の家の家訓を誇りに思っている。
「困っている人がいるなら、手を差し伸べる。それってヒーローと同じでしょ?あたしは、困ってる親友を助けたい。そして、ギンジの事も・・・」
「カエデ・・・」
どうやらカエデは、自分の娘は、ソウジロウが思っていた以上に成長していた。
「あいつの事、きっと最初は皆嫌うと思うの。だけど、正義の為に戦って、誰かの為に戦える行動力をもっているから・・・」
自分の正義を持っていても、ヘヴンホワイティネスの正義の為に協力してくれている。
カエデ達を信じて、トモカを助ける時や、学校が襲撃された時も、逆に助けに行ってあげた時も、なんだかんだお互い信じてたから、ここまでやってこれたのかも知れない。
「時間はかかってもいいから、あいつの事、信じてあげて」
カエデのその言葉が決め手となり、ソウジロウは娘の腕を離す。
「行ってきなさい・・・正義のヒーロー!」
「ありがとう・・・パパ、大好きよ!」
最大の笑顔を浮かべてカエデは、瓦礫を蹴ってギンジの加勢に向かう。
かつてのカエデの夢は、正義のヒーローになることだった。
大好きなママとパパを守れる正義のヒーローになる事を、発表してくれた事を思い出す。
自慢の娘は文字通り大人へと成長していた。
(・・・でも交際とかはまだ認めないぞ)
槍の髪の毛が幾度も往復して、とうとう逃げ場をなくすギンジ。
「必殺!ドライヴ・レイザー!」
ガントレットのギアを回し、熱くなったスーツと拳はカエデの速度を向上させ、無数の拳を生み出せる速度で、槍の髪の毛を粉砕していく。
「待たせたわね、ギンジ!」
「助かったぜ、カエデ!」
「きゅっふっふ・・・獲物が増えても、こっちの世界じゃ、あちが勝つんだ!」
再び槍の髪を展開させてギンジとカエデが立つ瓦礫に向けて、複数本が激突していく。
煙と水しぶきをあげてギンジは空を飛びながら、カエデを抱きかかえている。
「行くわよ、ギンジ!」
「任せろ!」
最早戦闘における信頼感は非常に高く、迫りくる槍の髪を華麗に避けながら、夢の怪人へと突っ込んで行く。
「とりあえず夏休み始まったばっかりなんだから・・・邪魔しないでよこの、大バカ怪人!」
ギンジの腕の中で、ガントレットに力を込めておおいにその力を振るう。
「飛べぇ!」
回転滑空しながら真上の月へとカエデを、飛ばして夢の怪人へと向かうのはギンジ。槍の髪が妨害するも、炎で焼き払いながら突撃を繰り返す。
「お前の防御はここで・・・打ち滅ぼす!」
炎と同じ様に雷も両手両足に纏い、槍の髪の防衛を破壊していく。
「きゅっふっふ・・・無駄無駄ぁ!」
髪はいくらでも復活して、ギンジの攻撃に対応していくが、それを真上で見つめるカエデは、現状最大の必殺技の準備が出来ていた。
両手のガントレットのギアを最大まで回転させた、神宮カエデの今の最大の必殺技・・・!
「必殺!チャージング・バスターフィスト!」
「きゅっふっふ・・・解っていた事さ・・・!」
夢の怪人が円型の盾になるように、槍の髪を組み合わせて、カエデの必殺技を防ぐ。防がれた事で、カエデの両肩には跳ね返る衝撃が強く、盾の上で動けなくなってしまう。
空いた胴体へ向けてギンジの攻撃も迫るが、夢の怪人は一切動じず、空気の抜ける笑い声をあげる。
「あちの夢は・・・お前に勝つ事だ、進化の怪人!」
「はぁ?」
いきなり意味の解らない事を言われるが、それでもギンジの拳は止まらずに夢の怪人の顔に当たろうとしていた。
「・・・おいおい、お前まさか・・・」
ギンジはある事に気づく。速度を落とした拳は、夢の怪人には簡単に避けられしまい、身体を髪に巻き疲れて、形成逆転してしまう。
「ギンジ・・・!」
「次は、お前だぁ!」
髪を束ねて巨大な一本の丸太に成り、それを動けないカエデに思い切り当てる。
「きゃあああ・・・!」
死角からぶつけられ、赤い水面に落下していくカエデを見て、ソウジロウは娘の危機に走り出す。
赤い水は浅かったはずなのに、カエデが落ちた場所へ向けば向かうだけどんどん深くなっていく。
「カエデ!カエデぇええ!」
必死になって娘の名を叫び続ける。
やがて沈み行くカエデをその目で捉え、ソウジロウは濡れたり汚れたりする事を気にせずに、自らも沈んでいく。
「うぐぐ・・・離せ、このクソガキ」
夢の怪人の髪に力を込めて引きちぎろうとするも、締め付ける力の方が強くなっていく。口も塞がれてまともに喋れなくななったギンジへ、槍の髪が何本も狙いを定める。
「きゅっふっふ・・・終わりだ!」
(クソ!こいつが女じゃなければ・・・!)
ギンジの気づいた事は、この夢の怪人が女の子だったということ。今はそんな事を言っている場合ではないのだが、カエデも気になる。
早く助けないといけない。なのに今の自分は動けない。
早く助けに行かないと、ここで二人共死んでしまう。
(もうなりふり構ってられねぇ!フェーズ3!)
心の中で念じて、ギンジは黒い炎を巻き上げて、切り札にも等しいその力を発動する。
これに頼らないと行けないぐらいの強敵。
そう判断した上で発動したフェーズ3の黒い炎による力で、夢の怪人の髪を焼き払い、急いで脱出してから水へと向かうも、夢の怪人が再び髪を鉄格子の様に展開させて、ギンジの逃げ場を無くす。
「きゅっふっふっふ!ここで終わりにしてやろう・・・!」
「退けぇ!」
未だ浮かんでこないカエデとソウジロウに気を取られて、槍の雨とも呼ぶべき攻撃が、ギンジに襲いかかってくる。
「うおおおおらああああ!!!」
黒い炎と紫電を纏わせ、夢の怪人を殴り倒そうと、全力で挑む。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
赤い水は、色がついていてもただの水の様で、飲み込んでも大丈夫なようだ。
カエデは攻撃がクリーンヒットしてしまい、気絶に近い状態で沈んでいた。うっすらと見える視界では、怪しい満月が揺れ動きながら、こちらに光を与えている。
照らす光は闇には勝てず、どんどん沈む度に何も見えなくなってくる。
(ああ・・・ごめん、皆。あたしきっともう、駄目かも・・・)
鈍痛で動かせない沈みゆく身体を自覚して、カエデはひたすら沈んで行く。
もし助かっても、もう・・・。
しかし、沈んでいたのに、何かがカエデの脚を引っ張りながら、浮上を目指そうとソウジロウが必死になって泳いでいた。
(ああ・・・お父様)
痛みに敗けてカエデはとうとう意識を手放しかける。それは父親が助けてくれた安心感もあるのかもしれない。
(カエデ・・・やっぱりお前にこんな事はさせたくない・・・)
ソウジロウは自慢の娘が危険な戦いに身を置いているのが、どうしても納得できない所もあった。
正義のヒーロー。聞こえはいいが、現実はこんなにも残酷な事もありえる。
(カエデ・・・お前を守れるなら、私はなんだってしよう、今だけでも、お前と立場を変われるなら・・・)
自分の娘は自分で守ってあげたい。
ソウジロウから力強く握られる右手はカエデのヘヴンスーツへと、意思が組み取られているのか、赤い光は明滅していた。
(・・・なんだ・・・光が?)
赤いラインの入ったヘヴンスーツは、ソウジロウを包むように発光する。何かを守りたいという想いと、立場を変わってあげたいという、今この瞬間の夢が、ヘヴンスーツを動かした。
その光はなによりも優しく、強く、正義の心を、より深く、より輝いてソウジロウの身体にまとわりついていく。
(ああ・・・カエデはいつも・・・こうやって・・・)
自分の娘がどんな思いで戦っていたのか、ソウジロウは一瞬で理解していく。
これだけの強い気持ちと志、それらはカエデが精神的な成長だけじゃない、もっと違う別のモノをたくさん感じ取る。
(・・・ああ、解ったぞ。一緒に戦おう)
ヘヴンスーツの訴えかけなのか、ソウジロウはスーツから来る様々な想いを受け取り、力を借りる。
(・・・待っていなさい、今直ぐに行く)
今までとは比較にならない力で、ソウジロウは上へ上へと急加速して浮上する。
大きな水しぶきをあげて、瓦礫が浮かぶあの不気味な場所へと、ソウジロウは浮上した。
「え・・・」
ギンジはその姿を見て誰かが解らなかった。
カエデを両腕で抱きかかえつつも、それをしている姿は赤いラインの入った白がメインとなるスーツに、オリンポスの戦士を思わせるヘルメット。
薄く、透明に近い白地のマントを身につけた・・・ヒーローの様な姿をした、新たな存在。
「お前は・・・な、何者だ!」
夢の怪人が警戒を最大まで上げながら、言葉を出す。
「子供を・・・自分の娘を守るためなら、なんでもする・・・」
カエデは薄れ行く意識の中で、自分を抱きかかえる者を見上げる。
その姿は常に憧れている、正義のヒーローだった。それを見ると、カエデは意識を落とす。
ソウジロウは全力で自分が何かを伝える。
「ただの、父親だ!」
両腕に抱きかかえた愛娘を、愛おしく見つめて、正義の力を借りた父親は、怪人を倒す為に
夢の怪人がその名乗り口上に苛立ちを見せると、槍の髪を多数突き込んで来る。
顔に飛んでくるモノも簡単に避け、上から飛んでくる槍も後退しながら飛び下がり、避け続ける。
「動きがまるでカエデみたいだな・・・おとーさん、意外とやれる方か・・・?」
ギンジの感心をよそに、ソウジロウは夢の怪人の攻撃に乗ったり、避けたり、弾いたりと忙しなく動いているのに、その動きの一つ一つは余裕を見せつけている。
ヘヴンスーツはカエデやレンと違って、ボディラインを強調せず、聖なる鎧の様に見える。天使の大きな翼にも見える模様は、カエデの羽のモノより強い事を証明している事が解る。
つまりスーツの適合率は、カエデよりもソウジロウの方が高いという事になる。
「何故だ!当たると・・・攻撃が当たる夢を見ているのに!」
夢の怪人の叫びと共に増える槍の髪を空中で舞う様に、回避し続けるソウジロウへ、更にさらにさらに増やしていく。
「おぉっとそうはさせないぜ!」
「ようやく・・・みつけた!」
「ギンジ、カエデ!無事か!」
増えた槍の髪を塔の真上から飛び出した赤鬼、レン、元の姿に戻ったミドリコの攻撃によって、髪が滅びていく。
しかしそれで全部は消せず、残った髪をギンジが焼き払う。
「くふふふ・・・まさか本当に夢の怪人がいるなんてね・・・」
ミヤコとケイタもこの不気味な空間へと、来ていた。
「おお、お前らも来てたのか!ナイスタイミングだぜ!」
ギンジの言葉に、仲間たちが全員緊張を解いたのか、それぞれ笑みを浮かべる。
「ふざけるな!あちの夢が・・・夢が、叶わないなんて!!!」
夢の怪人が焦りから叫び、攻撃を増やし続けるが、それを赤鬼とレンが阻止していく。
「この夢・・・終わらせてもらおう・・・!」
空中の槍の髪の上に乗り、ソウジロウは拳を構える。
「必殺・・・!ゴッドブレス・バスター!」
構えた右拳は閃光を纏い、夢の怪人へと向かって光線となり、明らかにどんな技よりも強い迫力を示していた。
「娘を傷つけた事、償ってもらおう!!」
「うぅ・・・!」
再び槍の髪で円型の盾を張り、防御の姿勢を取るもその光線は硬い髪の毛を容易に貫き、夢の怪人へと命中する。
「バカな・・・!そんな、バカな!夢を・・・見ていたのに、なぜだああああああ!!!!!」
光線が夢の怪人を貫いて、その一撃が終了すると、夢の怪人は髪を全て失い大爆発を起こした。
その爆発と同時に空間にヒビが入り、割れた亀裂から全員が吸い込まれる様な風圧が起こる。
「くふふふギンジ君がここにいたなら話は早い!一緒に夢をみましょ?ね?ね?」
「急になんだー!」
吸い込まれる途中でミヤコが抱きついてくるが、ギンジはそれを離れようとする。
「さっきまでギンジはここにいない〜って言ってたくせに・・・」
「ケイタの旦那、ありゃぁ、噂のツンデレってやつですぜ」
「二人とも違う。あれは、ただの面倒な、性格をしているだけ」
「何はともあれ、全員無事で良かった!」
それぞれの仲間達との合流に安心して、ギンジは少しだけ嬉しく思う。かつてのギンジの心にはこんな感情なんてなかった。
本当に一緒に戦える仲間がたくさんいて良かった。
そう思いながらギンジ達は、空間の亀裂へと吸い込まれて行った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ホテルのどこかで眠っていたはずなのに、どうしてか夢の怪人は最悪の存在にバレてしまっていた。
「ブヒ・・・何か言い訳はあるか」
オーク怪人が怒りによって血管を浮かばせながら、手刀を震わせている。
「あちは・・・あちは・・・」
「・・・終わりだな」
ヘルブラッククロスでも協調性が持てないという理由で、切り捨てられた彼女だが、今回は復帰のチャンスを貰ったのにも関わらず、戦闘に敗けた。
そして反撃のチャンスを伺おうと、眼を覚ましたら目の前にはオーク怪人の姿。
絶体絶命とは、こういう事だろう。
現実世界では一切の力を持たない夢の怪人は、ここでその生命に終わりを告げるだろう。
「貴様はドクターミヤコに危害を加えた。ブヒ、ここで終わりだ・・・!」
手刀を構えて突き刺す様な強さで、夢の怪人の仮面を貫く。木が割れる様な音と、骨を砕きながら貫通する腕。
夢の怪人はここで息絶えたのだが、まだ身体はビクビクと動いている。
吹き出る血液を拭い、オーク怪人は浴衣を脱ぐと部屋を出る。
「やれやれ・・・もう一度温泉に入らないとな」
その部屋には、砂となり霧散していき、童子の着物と割れた仮面だけがそこには虚しく残っていた・・・。
これでドクターミヤコの脅威は一つ減った。
その事に安心し、オーク怪人は再び浴場へと脚を進めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
朝。
ギンジは朝食前に、カエデに呼び出されて、ソウジロウの部屋に向かっていた。
「でも良かったぜ、お前が怪我してなくて」
「そうね。ありがと」
素っ気ない態度で返事をするカエデだが、内心はすごく嬉しい。
しかし今はそれどころじゃない。昨日の失言もそうだが、またソウジロウがギンジと話がしたいと言う事に、カエデは怯えていた。
またギンジが色々言われるのでは無いかと、それが心配だった。しかも、夢の世界で戦った事も、ヘヴンホワイティネスとして、日夜ヘルブラッククロスとの戦いに身を投じている事も、全て話してしまった。話すしかなかったのだが・・・。
「なんか体調悪いか?大丈夫か?」
「ううん、大丈夫。ありがとう」
本当に嬉しいのに、今はいつもみたく反応が出来ない。
「お父様、入ります」
ホテルのカードキーを使い、ソウジロウの部屋に入る。
昨日の今日で、再びカエデパパと対話する事になるとは。
「来たか・・・待っていたよ」
ソウジロウはなにかの書類をまとめながら、一枚だけギンジに手渡す。
「これは・・・」
「雇用契約書だ」
「はぁ!?」
ソウジロウは何か考えがあるのか、後ろ手に組んで窓を見る。そこから見える海の景色はとても美しく、これを見るだけでも夏季休暇を取って良かったと思える。
そしてそれを守る為に戦うのが、自慢の娘であるカエデ。
「我が神宮財閥が君を雇おう。あれから娘とも色々話してね。誤解があったとは言え、済まなかった」
「雇用って事は、給料が出たり・・・?」
「残念ながら、君には個人の口座が無い。故に支払わないが、正義のヒーローなら、別に必要ないだろう?よく契約内容を読み給え」
ソウジロウの言葉通りに契約内容に目を通して、その内容にギンジは表情を緩ませる。
正義のヒーローとして認めてもらい、かつ、カエデハウスへの永住を許可されている。
それはつまり・・・。
「ヘヴンホワイティネスとして活動していていいって事か!」
「無論だ。これからも私の娘を頼むよ、佐久間君」
ソウジロウは朝日を背中に座り、ギンジを見つめる。
「では、夏休みを楽しんで来なさい。それから、カエデ」
「はい!」
カエデはビシッと背筋を伸ばして、ソウジロウに向き直る。
「これからも街の平和の為に、頼むぞ。無理だと思ったら、直ぐに私に言いなさい」
「・・・はい!」
正義のヒーローとして人知れず活動する事も許してくれた。
スーツの適合率が高いなどの話も、カエデから聞いたのだがどれだけ適合出来たとしても、もう自分が出る幕は無いだろう。
(それに・・・あの空間だからこそ、なのだろうな)
夢の空間だったからこそ、ソウジロウはあの戦いが出来たのかも知れない。
とはいえ、また娘がピンチならば、いつでも戦うつもりでは居るのだが。
「サインは済んだかな?」
「あ、ああ・・・でも、いいのか?俺、おとーさんの言う、化け物なんじゃ・・・」
「娘を守るのであれば、敵とは判断しない事にしたよ。だが、まだ君の事は認めないぞ、私は・・・!」
「お父様・・・」
「へへへ・・・」
何を認めてもらうのかは解らないが、離れる事にはならないとギンジは喜んでその契約書にサインをして手渡す。
「で、俺の役職はなんになるんだ?」
「契約内容を読んでないのか?」
「え?」
カエデが雇用契約書をソウジロウから取り上げると、その内容をギンジが覗きに来る。当たり前の様な距離感に、一瞬イラっとするがそこは流す事にする。
気になる役職はただの正社員かと思っていたのだが・・・。
「おい、これなんだ?下僕とか書いてるぞ」
「ああ、カエデの下僕だ、君は」
「なんだこれ!役職ですらねぇじゃねーか!」
雇用契約書と言う名の奴隷誓約書に、ギンジが怒り、カエデは笑う。
「ぶわはははは!もうサインは貰ってるもんね〜!ばーかばーか!せいぜいカエデにいじめてもらえ!」
子供の様にはしゃぎながらソウジロウが爆笑すると、カエデもそれに準じてギンジを煽り、ギンジは二人と舌戦を繰り広げる夏の朝なのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ホテルのビュッフェ形式の朝食を食べながら、全員が集まる。
モーニングブレットの香ばしい香りや、コーヒーの香り、白米の炊きたての香りやら、とにかく空腹を刺激する。
「ギンジくーん!カエデ〜!こっちこっち」
サクラが遅れてきた二人を呼びながら手を振る。
「おはよう、ギンジ」
「おう、レイナ!おはよう」
「席は開けてあるんだ。こ、こっちで二人で座らないか?」
「お、悪いね〜」
ギンジがレイナに案内された場所へ行こうとすると、今度はミヤコがギンジの腕を引っ張る。
「くふふふふ・・・朝は卵の口移しでしょ?くふ、くふふ」
「毎日やってたでしょ?みたいに言うんじゃねー!」
さらにカエデが不機嫌気味な顔でギンジを睨む。
「あんたはあたしの下僕でしょ!こっちに来なさい!」
少し離れた所では、ケイタとレンが目玉焼きと食パンのモーニングセットにプラスアルファの一品を追加した美味しそうなセッティング。
その隣では赤鬼がミドリコを逃がすまいと、色々料理を持ってきていた。
ギンジ、カエデ、レン、ミドリコ、ケイタ、赤鬼、ミヤコ、サクラ、レイナ・・・。
気がつけば正義の志を持った者達はこんなに増えた。
元々三人しか居ないヘヴンホワイティネスも、今では常時戦えるのが五人。情報収集が一人、科学面サポート(捕虜)が居る。
ヘヴンホワイティネスではないが、同じ志を持った仲間が公安にも、魔法少女や退魔警察。
きっとこれからもっと協力者が増えて、正義の為の戦いはより大事になっていくかも知れない。
「へへへ・・・」
ギンジは笑った。この光景がとても嬉しくて、尊いと思えたから・・・。
(まーた守りたいモンが増えたぜ・・・気合いれてかないとな)
サラリーマン佐久間ギンジから、ヘルブラッククロスの進化の怪人、そして無職の正義の怪人から、果ては神宮財閥・19代目予定の神宮カエデの下僕・・・。
ひとまずは戦いの事を忘れて皆でホテルの食事を楽しんで行くのであった。
彼ら、彼女達の夏休みは、まだ始まったばかり・・・。
こういった簡単な日常を、守っていかないといけないと思う。これもまた、ギンジの持つ夢の一つに加えられた。
ヘヴンホワイティネスのハッピーエンドを見る為に、ギンジはまた今日も明日も楽しみにするのであった。
続く
お疲れ様です。
今回でサマー編は終わり、次回からは赤鬼が主役か、ミドリコが主役の話を書こうと思ってます。
キャラネタ書きます
佐久間ギンジ
何故か下僕にさせられた。解せぬ
フェーズ3に頼る事が増えた
神宮カエデ
今回、新たに下僕を手に入れた。
宮寺レン
夢の世界で出会ったあの異質な怪物にはもう敗けたくない。
甘白ミドリコ
夢の世界のロボミドリコを、現実でも造れないかミヤコと相談中。
赤鬼
かつてない強敵だったぜぇ、と異質な怪物とはあまり会いたくないらしい。
角倉ケイタ
夢の世界でもう一度レンと歩きたい。
鈴村ミヤコ
ギンジ君がいればそれでいいんです。はい。
異質な怪物
夢の世界に現れた謎の敵性存在。
赤鬼をしてかつてない強敵、レンをしてあれに敗けたら全ての終わりとまで言われてる。
ミヤコはこの存在を本能で恐怖の塊として見て、ケイタは動く殺害衝動と思った。
ミドリコはその時人ではなかったので、感情では感じていない。
神宮ソウジロウ
夢の世界でヘヴンスーツと適合した。適合率は非常に高く、カエデを超える程。ただし夢の世界で、娘の立場を案じたことから出てきた夢による力が大きい。
オーク怪人
夜明け前にホテルから逃走した
それでは、また次回!!!!!!!