正義のヒーローヘヴンホワイティネス   作:アトラクション

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アトラクションです!

筆が乗った気分だったので、ちょっと頑張った!病み上がりだけど関係ない、書く

今回は新キャラが出てきます。少し話しの本筋からは逸れてしまうのですが、色々後々に必要なピースなのです。

楽しんでいただけましたら嬉しいです。

それでは、どうぞ


33・もっと強く

 意対化(いつか)市、意対化区、真宵(まよい)町。

 

 かつて人知れず悪が蔓延ったこの街で、月島ルカは友達、仲間を失いながらも、なんとか少数の味方と共に巨悪を撃退する手前まで来ていた。

 

 悪の組織の名は、サン・アンフェール。

 

 対となる正義の組織の名は、ムーン・パラディース。

 

 このサン・アンフェールとの戦いの、最大の目的はボスである、タイヨーズを撃破すること。

 

 10人居た正義の仲間は、今はもう4人だけとなった。

 

 正確に言うと戦えるのは、二人だけ。

 

 でも、その戦えるもう一人は戦意喪失して、引きこもっている。

 

 では残る二人は・・・。

 

 「やぁ、お見舞いに来たよ」

 

 ルカは夕日の美しい光が覗く、小さな病室へと脚を運んでいた。

 

 仲間である彼女達が好物だったお菓子や、果物を持ってきて。

 

 「・・・」

 

 仲間の一人、星カナミは虚ろな表情をしており、唇はカサカサで、やせ細っている。

 

 病気と思える見た目をしているカナミは、健康ではある。

 

 外傷も無ければ、髪だってちゃんときれいなままだ。

 

 何の問題があって入院しているのかと言うと、彼女は心が壊されている。守りたかった一般市民が、目の前で一人ひとり嬲られて、殺されて、屈服させられて。

 

 一人では無力─そう思い知らされてしまった彼女は、植物状態に近い所まで、悪の手によって追い詰められた。

 

 ルカはかつての元気な彼女を元に戻してあげたい。その為に、ほぼ一人になっても戦い続けてきた。

 

 そしてもう一人は・・・。

 

 「んぁっあああ〜♡♡る、ルカぁ〜・・・♡」

 

 鉄格子に身体を拘束され、涎も汗も体液も、全てを振り乱しながらも意識をはっきりとさせており、絶えず溢れ出る快楽の波に身体を泳がされていた。

 

 彼女の名は宇宙ナズナ。ムーン・パラディースの切り込み隊長で、スポーツ万能かつ、仲間想いの優しい子だった。

 

 「か、身体がうずくのぉ♡お、お願いぃ、も、もうごろじて〜♡それが駄目なら、拘束解いて〜♡」

 

 身体の底から湧き上がる性の衝動は、サン・アンフェールの科学者によってつけられた淫紋による影響で、身体はもうこれに支配されてしまった。

 

 寝ずに一人で致し続ける為、家族の了承の後、こうやって拘束されている。暴走を抑える為には睡眠薬で眠らせるか、食べ物を食べさせるしかない。

 

 こんな悲惨な状態になって、会うたびに殺してくれと言われるルカのストレスはとにかく酷いモノだった。

 

 「それでも、僕は・・・君達を助けるから・・・」

 

 落ち着いた声音で、正義の代表者としてルカは戦う覚悟を持ち続けていた。

 

 でも、それがいつまで続くのかは解らない。

 

 引きこもっている仲間は、銀河シズハ。彼女はもう、二度と家から出てこない。戦意喪失した理由が大きい。

 

 顔も身体もぐちゃぐちゃにされるまで殴られ続けた。救出が遅れて仲間達も信用しなくなった彼女は、もうずっと毎日家で泣いている。

 

 その事をシズハの親から聞かされた時、ルカは怒りと後悔でどこにも逃せない、どうにも表せない気持ちが爆発してしまった事を思い出す。

 

 治療が済んでも歩けなくなり、顔は女の子とは思えないムゴい顔をしているのだとか。

 

 「ほら、ナズナ・・・食べて」

 「〜〜はむっもぐっ・・・」

 

 身体を快楽に焼かれても、意識だけはしっかりしている。

 

 美味しいクリームパンを頬張りながら、少しだけ落ち着くと、彼女は静かに涙を流す。もうまともな生活が送れないぐらいには、快楽の後遺症が進んでしまっているから・・・。

 

 本当は他愛ない話をしていたい。来週はテストだ、夏休みはどこに行こうとか、今年こそあの子に告白しよう・・・。

 

 色々な想いがあるが、壊れるか壊れないかギリギリの所で、ルカはずっと一人で居た。

 

 やりきれない想いをその手に持ちながら、ルカは時間を見計らって病室を後にする。

 

 助けられるはずの命や仲間を助けられずして、何が正義のヒーローなのか。

 

 病院から出て、暗くなる道を歩く。

 

 サン・アンフェールは最早風前の灯火。

 

 ムーン・パラディースも同じく風前の灯火。

 

 あと少し・・・あと少しで正義は勝つ。

 

 あと少し、もっと強くならないと行けない。

 

 ルナフォースと呼ばれる変身の為の道具を持って、月島ルカは握りしめて行く。

 

 仲間や、友達の為の運命をここまで変えた悪の組織を倒す為に。

 

 「うわ」

 「おっと・・・」

 

 住宅街の曲がり角でルカは男性とぶつかる。

 

 少しだけ強くぶつかったからか、尻もちを付きそうになるが、その男性は手を伸ばして、ルカを引き寄せる。

 

 「悪い、大丈夫か?よそ見してて・・・」

 

 その男性はもうすぐ夜になろうとしているのに、サングラスをつけたままだった。

 

 「ねぇあれ・・・」

 

 その男性の背後側では、金髪の綺麗な女の子と、スカイブルーの髪をした女の子がなにか話しているが、あまり良くは聞こえない。

 

 「どうかしたか?ぼーっとして」

 「え、ああ、いえ・・・」

 

 男性は金髪の女の子に耳を引っ張られて、どこかへと連れて行かれる。

 

 この街にはあんな特徴的な人達、あまりみないからきっと観光に来たのかもしれない。

 

 ルカはまた帰路につこうとするが、その道の光景にあっけに取られる。

 

 「これは・・・」

 

 ルカが見たそれはサン・アンフェールの兵隊達が、全員ボコボコにされて斬られて、燃やされている。

 

 街に被害が出ないようにした、丁寧かつ豪快な戦いの跡に、ルカは急いで先程の三人の方へと向き直る。

 

 「やっべ・・・こっち来た」

 「───が、片付けないから。ちゃんと、隠さないと、駄目」

 「ほらぁ!あたしの言ったとおりじゃない!度固化とは違うのよ!」

 「事情知られるわけにもいかねーし、逃げるぞ!」

 

 ルカが聞こえるより早く、彼らは走り出す。間違いなくルカがこちらに迫る事を把握した上での、移動・・・。

 

 彼らが何者なのか知りたい。サン・アンフェールの兵隊を、たった3人で蹴散らし、かつ余裕なんて・・・どんな超人でも不可能と思ってさえいる。

 

 走る速度は人並み以上に早いようだが、ルカも正義のヒーローとして活動している。変身してしまえば、簡単に追いつくどころか、目の前に出られるだろう。

 

 「ルナフォース!」

 

 変身の為の掛け声をあげて、ルカは正義の衣装に変身する。

 

 エメラルドグリーンがメインカラーとなり、半月の模様が背中に描かれたぴったりとした正義のスーツ。

 

 首元からはローブが垂れており、胸元、首下、肩甲骨を覆い、髪はエメラルドと月の様な色をした髪飾りにより、真ん中分けになる。

 

 換装が終わると、ルカは先程の3人組の所へと走り出し、一気に目の前に現れる。

 

 加速による走りは人間のそれではなく、真夏の暑い道にほんの少し風を巻き上げて涼しさすら感じる。

 

 「げええ!追いつかれた!やっぱあいつらの手下っぽいぞ!俺は無理だ!もし戦うなら頼む!」

 「あー・・・やっぱり・・・」

 

 サングラスの男は、なにやら騒ぎ、金髪の女の子が横目に何か言っている。

 

 警戒されるのだが、ルカは彼らに追いつくためだけに、この力を使っただけ。敵意が無いことを伝える為に変身を解除する。

 

 「待ってくれ!僕は、月島ルカ!サン・アンフェールの兵隊を倒したのは君たちだろう?」

 

 運命の出会いによって、月島ルカは久しぶりに、本当に久しぶりに、楽しみなこの感情を思い出す。

 

 「ワケアリみたいだし・・・話せる事、話しとこうかしら。ギンジ?」

 「・・・それじゃあ」

 

 金髪ツーブロックヘアスタイル、サングラスの男は口を開く。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 赤鬼が自爆してから、だいたい2日か3日ぐらい・・・。

 

 俺達は・・・カエデとレン、そして赤鬼の自爆にショックを隠せないミドリコ。

 

 カエデもレンもケイタもミヤコも、赤鬼が自爆で死んだ事に、驚愕していた。

 

 そんでもってミヤコが、「そんな事になるなんて・・・」とか言ってたけど、何か知ってそうな口ぶりに、俺は正直怪しいとさえ思ってる。

 

 でも・・・仮に赤鬼のやつが言ってた様に、ミヤコがまだヘルブラッククロスと繋がってるなら話を聴く必要が有るな。

 

 って言ってもあの子、捕虜だったんだけどなー?なんで?どうして?

 

 ウラが取れるまではおいそれと話さない方がいいかなー。

 

 「しかしどうしたモンかね・・・」

 

 今の俺たちには、いや俺にはかなり問題が出来ている。

 

 ヘルブラッククロスとの戦いは勿論、ミヤコの裏切りの懸念、まさかのレジスタンスを結成した脱走した暴力の怪人達他・・・。

 

 ミヤコは今の俺たちからして捕虜の扱いをしている。

 

 こう言うと誤解がありそうだが、俺は正直ミヤコが今のヘヴンホワイティネスには必要だと思ってる。

 

 色々と作戦を組み立ててくれたり、怪人である俺の為にメディカルチェックをこまめにしてくれたり・・・なによりカエデとレンとミドリコの装備のメンテナンスもしてくれている。

 

 色々と狂ってるけども、大切な仲間だとは思っているんやで。

 

 そしてもう一つの問題点。今はショックのあまり、ここ2日か3日程寝込んでるミドリコ。

 

 お酒も飲まないとは・・・おいたわしや・・・。

 

 これから仲間を失わない様に、もっと強くならないとな。

 

 フェーズ3で戦う事も増えたけど、逆に言えばそれを使わないと勝てない敵が増えて来たってとこだな。そしてこのままそれに頼り続けてると、やがて勝てなくなってきそうだ。

 

 俺は何か今より強くなれる手段があればいいな、とは思うんだけど、何かいい方法ないかな・・・。

 

 オークの奴と戦うのもありかと思うけど・・・。

 

 「トレーニングルームは今、あいつらが使ってるしな」

 

 カエデハウスのトレーニングルームでは、今まさにカエデとレンが強くなろうとトレーニングしている。

 

 俺は悩んでるよ。何がヘヴンホワイティネスの輝かしい未来を手に入れるのに、必要なのはなんなのか。

 

 それを探すのに精一杯、今は悩んでる・・・。

 

 『ただいま意対化市ではこちらのお店の・・・』

 

 意対化市って・・・どこだったっけ?なんか聞いた事あるんだけども・・・。

 

 ふとテレビに目をやると、そこに映る特集に俺はある秘策を思いつく。これならミドリコを・・・復活させられるんじゃなかろうか。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 カエデハウス・トレーニングルーム。

 

 ギンジ救出の際にも使われていたが、今は赤鬼の自爆を知ったカエデ達が、自分達もちゃんと戦えるようにならないと、という意味で修行していた。

 

 カエデは悩んでいた。もっと戦う力をつけなければ。

  

 レンは悩んでいた。もっと守れるだけの力をつけなくては。

 

 「はぁ〜・・・」

 

 カエデが深く息を吐き出して、ダミー怪人へと再び突っ込む。ガントレットが激しくギアを回して、ダミー怪人の頭部を粉砕する。

 

 「ビーム剣術・・・!」

 

 腰を落とした姿勢で、左手を顔の右側へと持っていく。ビーム剣の刃はレンの顔の前に光り、鋭く輝く。

 

 「ビーム・スティング!」

 

 低い姿勢からは想像出来ない速さでダミー怪人へと突き進み、白いダミーの怪人の腹部を刺し穿つ。

 

 「必殺!ドライヴ・レイザー!」

 

 カエデのお得意の連続攻撃が、ダミー怪人を幾度も殴り続けて、トドメの一撃が顔を殴り飛ばして、ダウンを取る。

 

 そんなカエデの背後から迫るダミーの剣士の怪人の刃が来るが、その真上からレンがビームハンマーで叩き潰す。

 

 「ありがとっ!」

 

 ビームハンマーを蹴り登り、面の部分に着地する。そこからダミーコウモリの怪人の顔面を蹴り、三角跳びの要領で天井に飛びついて、レンもそれに合わせてビームハンマーを振り回す。

 

 「油断、大敵・・・」

 「解ってるわよ!」

 

 天井を蹴って着地する。その足元にはダミーのタコ怪人を踏み潰しており、レンも背後を狙われていた。

 

 「油・断・大・敵!」

 「同意。まだまだ、集中が足りない」

 

 二人の少女はダミー怪人を相手にした、戦闘訓練を行い続ける。

 

 「これじゃ足りないわね!」

 「・・・もっと、頑張ろう」

 

 カエデもレンももっと強くならなければならない。

 

 (もっと・・・)

 (もっともっと・・・)

 

 もっと強くならなければならない。これ以上仲間を失わない為にも、これ以上敗けないためにも。

 

 「おいーっす、修行は順調か〜」

 

 部屋に入るなり、ダミー怪人をぶっ飛ばしながら、カエデとレンを視界に入れたギンジは、上機嫌に二人に話しかけてくる。

 

 それが合図となり、ダミー怪人は動きを停止して、プログラムとして入る怪人達が全員消えていく。

 

 「どうしたのよ。そんなニヤニヤしちゃって」

 

 ギンジの態度に、少しだけ安堵感があるのか、カエデはギンジに歩み寄る。

 

 「いやさ、意対化市に特集がやっててよ」

 

 ギンジは自分のスマホのニュースをカエデとレンに見せる。その内容は意対化市の酒造店にて、元気がでるお酒なるモノが二人の目に入ってくる。

 

 「お酒・・・?まだ、私達は飲めない、よ?」

 

 あっけに取られたレンは普通に、未成年として当たり前の事を言い放つ。

 

 ベンチに座るギンジへついていく様に、隣に座るカエデ。その姿は最早当たり前の距離感で、レンはそんな二人を見るとどこか微笑ましい雰囲気になる。

 

 「酒なんだけど、今ミドリコは寝込んでるだろ?だから元気付ける為に、ちょっとお買い物しようと思ってな」

 「へぇ、仲間想いじゃない」

 「そうだろそうだろ?もっと褒めていいんだぜ」

 

 笑いながら会話するギンジとカエデ。ギンジは本当に心から笑みを浮かべているようだが、カエデはどことなくスマホの酒特集よりも、ギンジを見つめて笑顔になっている。

 

 (このままじゃ、ミドリコの方しか、向かないよ。カエデ、頑張って、次の会話を見つけて)

 

 レンもレンなりにカエデの恋愛を応援している。だからこそ、こういう時にカエデが言葉に詰まる所を見ていると、少しもどかしい。

 

 「で、だ。お二人とも、この後暇かな?」

 

 スマホをしまいながらギンジは、カエデとレンに言葉を投げる。

 

 ミドリコ復活の為に、何か力になりたい。そう思ったギンジの意思を汲み取り、正義のヒーロー二人は、首を縦に振る。

 

 「意対化市に行くのは久しぶりだけど、いいわ。あたしも行ってあげる」

 「流石カエデ!話が早いね〜」

 「私も行く。今日は、ケイタも勉強で忙しいって、言ってたから」

 

 ギンジの提案に、カエデとレンは快く快諾する。

 

 「くふふふ・・・いいね、皆でおでかけ?」

 

 トレーニングルームには、ミヤコがのそっと現れる。寝不足なのか、かなりフラフラしている。

 

 「ギンジ君、もし意対化市に行くなら・・・美容液、お願いしてもいい?」

 

 顔色の悪いミヤコのおつかいも頼まれて、ギンジは喜んで返事する。

 

 「おういいぜ。ところで、行く前に話があるんだけど、いいか?」

 

 ミヤコへ向けて放たれたギンジの顔は少しだけ険しい。寝ぼけ眼ながらも、ミヤコは最愛のギンジの頼みならと、断るわけがない。

 

 「じゃあ、俺の部屋で・・・」

 「ちょっと?話なら別にギンジの部屋じゃなくてもいいでしょ?」

 

 いきなり肩を掴まれて、ギンジは何やら恐ろしい気配を感じ取る。

 

 「とは言え、ここで話すのもなぁ〜」

 「じゃあ談話室使いなさいよ!っていうかあんたらが二人っきりなるのは駄目よ!このバカ」

 「くふふふふ・・・わたしが眠った時に唇をうばうつもりなのね・・・!」

 

 白衣を脱ごうとするミヤコへ、レンがそれを静止させる。

 

 カエデからすればこの二人は、家主達が居ない時に色々大変な事をしていた。愛故の暴走をお越したら、今度こそギンジが危ない。

 

 だからカエデはギンジとミヤコの二人っきりを阻止したい。

 

 「とにかく!話が進まないから行くぞ、ミヤコ」

 「はぁい・・・くふくふくふふ」

 

 トレーニングルームを出ていくギンジとミヤコを見送り、カエデとレンは変身を解く。スポーツウェアに滲む汗を隠しながら、二人は出かける準備を始めるのであった。

 

 「話って・・・何を話すんだろ」

 

 少しだけ不安になるカエデの表情は、レンからすると少し可笑しくも思えるのだが、怒らせたくはないので、何も言わない事にする。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 地下のモニタールームで、ミヤコは書類やら、マシンやらが散乱する机の前に座りながら、ギンジとミヤコは二人きりになる。

 

 薄暗く、部屋の明かりはモニターからの光のみで、余計に怪しさを漂わせる。

 

 こんな部屋では眼が悪くなる一方だろう。

 

 埃っぽい臭いと、女の子らしい香りが二つ入り乱れる部屋で、ギンジはミヤコの前に座っている。

 

 「話って・・・何かな」

 

 眠気に抗いながらも、ミヤコはギンジとお話がしたい。ただ一緒に居るだけでも嬉しいのに、部屋に来てくれるなんて、今日はなんて良い日なのだろうか。

 

 可愛らしい小顔をかしげ、ギンジを上目使いで見つめると、ギンジも気恥ずかしさに少しだけ眼を逸らすが、そろそろ話の本題に入ろうとする。

 

 「なぁ・・・お前は、まだヘルブラッククロスに戻ろうとか、考えてるのか?」

 

 単刀直入すぎたかも知れないが、赤鬼が教えてくれた懸念には、ミヤコの裏切りが入っていないとは、絶対に言い切れない。

 

 「俺とミドリコ、そして赤鬼が怪人反応を見つけて、討伐に向かったら、そこへ紫達の襲撃を受けたんだ。それは前に話したよな?」

 

 あの日の襲撃・・・赤鬼が自爆した時の話は、ミヤコにも話している。それを聞いたミヤコは動揺していた事を、ギンジは覚えている。

 

 「・・・それが、どうかしたのかな」

 「あいつは今、お前の席を継いで大幹部になってるんだ。俺たちが、各自離れ離れになるように、お前が仕組んだ事じゃないかと、俺は思ってる」

 

 それが間違いであるなら、それでいい。だが、有姪海岸の砂の怪人の襲撃や、数日前の紫の襲撃。

 

 この時にミヤコは何か別の事をしている。そう決めつけにも近い考えがギンジの脳内で確率されている。

 

 怪人とは言え、仲間として認めていた漢が、一人居なくなったのだ。命はこんな簡単に亡くなって良いモノじゃない。

 

 「わたしは、別に戻りたいとは思ってないよ。音楽堂でも言ったけど、わたしはギンジ君と一緒に居られるなら、総統が創ろうとしている世界なんてどうでもいいからね」

 

 つまり正義だ悪だと言う概念ではミヤコは立っていない。

 

 メガネを拭きながらミヤコはこの会話を続ける。

 

 「それにヘルブラッククロスと繋がっているとしても、わたしは情報の横流しとかはしていないよ。これだけは絶対。優秀な部下・・・だった人とは、何度か通信でのやり取りはしているけど、この前それがバレて死んじゃったみたいだし」

 

 再びメガネをかけると、白衣を捲くりやや伸びた爪を眺める。

 

 「じゃあ、お前は・・・俺たちを裏切ろうなんて考えてない・・・って事でいいんだよな?」

 「そうだね。くふふ、そんなに疑わないで・・・」

 

 笑いながらも少し悲しい気持ちになって、下を向いてしまう。流石に顔が怖いと思われたかもしれないので、ギンジは少し呼吸を落ち着かせて一息つく。

 

 「でも・・・どうして疑ったのかな?」

 「そりゃあ・・・今の俺たちには、お前が必要だからだよ」

 

 表向きは捕虜であっても、確かにギンジは、この小さな少女ミヤコを仲間だと思っている。

 

 仲間は大切にしてあげたい。だからこそ、ミヤコの裏切りの懸念は潰しておきたい。

 

 もし裏切るならまた戦わないと行けない。

 

 それだけは嫌だ。なんだかんだ頼りにしているのは事実だから・・・。

 

 「必要だし、頼りにしてるからさ・・・もし裏切られたら、俺は嫌だなーって・・・」

 

 上手く言葉が出てこないが、それでもギンジ個人が、ではなくてヘヴンホワイティネスとして、必要である事をなんとか説明したい。

 

 そんなしどろもどろするギンジを見て、ミヤコは今の自分が大切にされて、頼りにされている事に喜んでいく。

 

 家族にも愛されなかったミヤコは、悪の組織で尊敬と信頼を集めても、愛情なんて得られなかった。今ギンジが話してくれているのは信頼もあるだろうが、そこにはわずかばかりの愛が込められていると確信した。

 

 〈大好きな人達〉。その言葉の真意は解らないにしても、ミヤコはもう一度ギンジへ正直な言葉を告げていく。

 

 「くふふ。わたしは絶対にギンジ君だけは裏切らないよ。君が辛くなるようなことだけは絶対に・・・そしてヘルブラッククロスとの繋がりは、100%無いよ」

 

 ハッキリとした口調と姿勢に、裏切りの懸念は無い事を知る。それだけでギンジはちゃんと話をして良かったと思った。

 

 「くふふふふ・・・せっかく好きな人とひとつ屋根の下で、暮らしているのに、こんなチャンスの宝庫、失うわけにはいかないからねぇ・・・くふ、くふふふ、くふふふふふふ」

 

 相変わらず薄気味悪い笑い方だが、その恋する乙女と言わんばかりの態度は、毎度ギンジをビビらせる。

 

 「ふへ、くふふへ、わたしはね、欲深いんだよ・・・大切にされてるなんて、言われたら・・・も、もう我慢出来ないんだよ、くふふじゅるり」

 「い、いや・・・せめて酷いことしないで・・・」

 

 何故かミヤコが暴走を始める時、ギンジは恐れからか襲われる直前の女の子みたいになってしまう。

 

 飛び込んできたミヤコは、ギンジに触れる直前で床に倒れる。

 

 きゅう〜っと倒れたミヤコは、とうとう体力の限界が来たのか、気絶した様に眠ってしまった。

 

 「・・・助かった・・・もう、寝とけ、ミヤコ」

 

 倒れたミヤコを持ち上げて、書類とギンジを模したフェルト人形が並ぶ、ミヤコのベッドへと彼女を寝かしつける。

 

 「それじゃあ、美容液・・・買ってくるからな」

 

 希望のモノを頼まれたギンジは、静かにミヤコの部屋から離れる。

 

 (くふふふ・・・ごめんね、ギンジ君)

 

 眠りそうになりながらもミヤコは、心の中で最愛の人へと、謝罪をする。

 

 (本当は、まだ・・・繋がってるんだ。でも、本当に、君だけは裏切りたくないの・・・。【彼】は、わたしについてきてくれるって言うから・・・あと、少し、ほんの少しだけ・・・)

 

 ミヤコには一つだけ嘘があった。しかし、それは必ずギンジ達を助ける為、ひいては自分の恋の為に、【彼】という人物は着いてきてくれると言った。

 

 その為にミヤコは、自分の怪人達を置いてまでして、捕虜になる道を選んだ。

 

 それ以上の事を、嘘をつく事を辛く感じていても、ミヤコは深い眠りへと意識を落としていった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 意対化市、意対化区、真宵町。そこでしか売っていないお酒を買いに来たギンジ達だが、街に到着するなり、陽の色を宿した謎の戦闘員まがいの、変な奴らに襲撃を受けていた。

 

 一応襲撃の合間を縫ってお買い物は色々済ませたのだが・・・。

 

 「どこ行っても、月がどうとか言って襲って来るな、こいつら」

 「でも、なんか・・・弱い」

 「対した戦闘力じゃないわね、こいつら」

 

 夜が近くなるまで戦い続けていたのだが、あまりにもこの戦闘員まがいの悪の組織の構成員は弱い。

 

 (・・・まさかとは思うけど、ここにも正義と悪が戦ってるなんて無いよな?)

 

 金棒を心にしまうと、ギンジは道端に倒れる謎の襲撃者達を横目に

、少し先を歩くカエデ達に駆け寄る。

 

 「つ、月の波動を持っている奴らが・・・こんなに・・・」

 「まだ言ってるよ。置いてこうぜ」

 

 ギンジがそう言うと、襲撃者達を片付けずに、道を歩いていく。

 

 「ここは度固化とは違うのよ?隠さないとマズイんじゃない?」

 「流石に、よくない、ギンジ、ちゃんと片付けて」

 「俺だけかよ!」

 

 3人で歩きながら、帰路につこうと駅を目指す。

 

 途中の住宅街を通る傍ら、ギンジは少年・・・みたく見える女の子とぶつかってしまった。

 

 不思議そうに見つめてくるその女の子に、ギンジは少しだけ申し訳ない気持ちになりつつも、サングラスのズレを隠す。

 

 この街にも怪人の存在が知られていないとは限らず、自分の姿がバレるのは避けたい。

 

 「どうかしたか?ぼーっとして」

 「え、ああ、いえ・・・」

 

 会話が出来ない訳ではないが、これ以上襲撃に巻き込まれるわけにはいかないと、カエデはギンジの耳を引っ張り上げて、住宅街を抜けて行こうと歩みを進める。

 

 「どうみても、男の子に見えた・・・」

 「同感ね。あたしもアレは男子に見えたけど」

 「いやぁ・・・なんというか、女の子の気配がしたぜ?」

 

 何かとギンジは女の子に甘い態度を取ることも多い。それが余計に耳を引っ張るカエデの力を増幅させる。

 

 「いででで!ちぎれる!千切れる!」

 

 ぶらさがるぐらい強く抓られ、ギンジは後ろに眼が回る。

 

 するとその視界には、先程の子がこちらへ向かって走っているのが確認出来た

 

 「やっべ・・・こっち来た」

 「ギンジが、片付けないから。ちゃんと、隠さないと、駄目」

 「ほらぁ!あたしの言ったとおりじゃない!度固化とは違うのよ!」

 「事情知られるわけにもいかねーし、逃げるぞ!」

 

 直ぐに走り出して逃走しようとする。もしかしたらあの子は、襲撃者の仲間かもしれない。この街の悪はこの街の正義に任せよう。

 

 無責任かもしれないが、最初に問答無用で襲ってきたのは、この敵達だ。面倒事をこれ以上増やさないためにも、ギンジ達は逃げることにする。

 

 「なんで買い物に来ただけでこんな事になるんだ」

 

 ギンジが走りながら愚痴をこぼす。

 

 そんな彼らに先回りするように、先程の人物と思わしき者が、変身してまでギンジ達の目の前に回り込んできた。

 

 「げええ!追いつかれた!やっぱあいつらの手下っぽいぞ!俺は無理だ!もし戦うなら頼む!」

 「あー・・・やっぱり・・・」

 

 カエデのいうやっぱり、というのは、この目の前の人物が女性で有ることを示している。ギンジはどうしても女性とはまともに戦えない。

 

 それがギンジの決めている精神論である事は承知しているが、時たまにそれをかっこいいと思う時もあれば、場合によってはイラっとするときもカエデにはある。

 

 3人は目の前の人物に警戒して、変身しようとするが、先に変身を解かれる。

 

 「なんだ?」

 

 変身を解いた事で訝しむ表情を見せるギンジに、先程ぶつかった女性・・・には見えない服装の存在が、自己紹介を始める。

 

 「待ってくれ!僕は、月島ルカ!サン・アンフェールの兵隊を倒したのは君たちだろう?」

 

 サン・アンフェールとは街につくなり襲撃してきた敵性存在の事だろうか。

 

 「ワケアリみたいだし・・・話せる事、話しとこうかしら。ギンジ?」

 「・・・それじゃあ」

 

 変身が出来て、かつ何かの事情を持つルカと名乗る存在は、どこか楽しそうで、そして追い詰められて必死になっているように見えた。

 

 カエデはそれを見て、事情があると察したのもそうだが、どこか困っているようにも見えた。

 

 このまま見過ごすわけには行かない。元はと言えば、自分達が戦闘後を隠さなかったのが悪いのだから・・・。

 

 佐久間ギンジと、月島ルカ。

 

 本来会うはずの無い二つの正義の志を持った二人が、今出会った事で、歯車は一つ追加されて、大きく動き始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 住宅街近くの喫茶店は賑わっており、ここでも平和を実感出来る。

 

 実感は出来るのだが、賑わいに反して、どこか元気が無いようにも感じる。

 

 「改めて自己紹介を。僕は、月島ルカ。訳あって、この真宵町で戦っている正義のヒーロー・・・と、言うと自身がないけど」

 

 アイスティーを飲みながら話すルカの顔は、正直疲れ切っている様にも見える。

 

 「へぇ、正義のヒーローね・・・あ、俺は佐久間ギンジ。親しみをこめて」

 「あたし、神宮カエデ!で、こっちは」

 「宮寺レンです」

 

 それぞれの自己紹介を終えると、ギンジはいつもの挨拶ができなかったとへこむ。

 

 「サン・アンフェールの兵隊をあんな大量に片付けるなんて、すごいよ君たちは!いったい何者なんだい?」

 

 疲れていても興奮を抑えられないルカは、机に乗りださんとする勢いでギンジ達に色々聞き出そうとしている。

 

 「その・・・なんだ?アンフェアエレジーって」

 「ギンジ、違うよ、サンアンドレアスだよ」

 「違うわよ、サンアンドムーンよ」

 「3人揃って違うわ!」

 

 サン・アンフェール。太陽のマークを模した旗を掲げた、意対化市全体を牛耳っていた悪の組織であることを、ルカはギンジ達に説明する。

 

 逆に、正義のヒーローとして活躍するルカは、ムーン・パラディースの最後の一人である事を説明し、ギンジ達は感心している。

 

 「で、戦う事が出来ると言う事は、君たちも何か、特殊な能力を持っているのだろう?」

 

 ギンジがコーヒーを飲んでから、ルカに自分達の境遇を話そうとするが、カエデがそれを指で止める。

 

 「持ってるんだけど・・・」

 

 果たして全部を信用して話して良いモノかを悩む。見た所悪い人ではないと言うのは解るのだが・・・。

 

 「ああ、僕の境遇を全て話す方が先だよね・・・ごめん」

 

 ルカが謝ると追加のアイスティーを頼み、注文したモノが来るまでの間はルカが話そうとする。

 

 「元々僕たちは10人で構成された正義の組織でね。生き残りは僕を含めて4人・・・残り6人は行方不明になったり、目の前で殺されたりしたよ・・・」

 

 悔しそうに唇を噛み、その瞳はどこか後悔を孕んでいる。

 

 「でも、二年かけて、頑張って悪の組織を追い詰めたんだ。失ったモノはすごく多いけど、正義の為に戦ってこれて・・・悪を根絶やしに出来る直前までこれて・・・」

 

 言いながらもルカは今にも泣きそうで、隣に座るレンが肩を優しくさする。

 

 「最後まで諦めたくないし、仲間達の日常を取り戻す為に、僕は戦ったんだ」

 「・・・」

 

 ルカの正義の話しはとても興味深いのだが、ギンジは冷や汗が止まらない。

 

 (なんでそういうイレギュラーばっかり出るのおおおお!?)

 

 ムーン・パラディースも、月島ルカというキャラクターを知らないギンジは、悪だけではなく正義にもイレギュラーが居た事を知り、ついに対処しきれないと判断した脳ミソが、ブレイクダンスを踊り狂う。

 

 恐らくはヘヴンホワイティネスのゲームに何か関係あるキャラクターなのかも知れないが、流石にギンジはそこまで把握出来ていないし、解らない。

 

 「あと少しで倒せるんだ、その悪の組織・・・サン・アンフェール」

 

 少しだけ期待に満ちた声で、ルカは強く拳を握る。

 

 「お互いギリギリの状況下で戦ってるんか・・・大変だなー」

 

 まるで他人事の様に話すギンジへ、カエデとレンの視線が鋭く刺さる。ギンジは直ぐに言葉を出して、二人からの反感を消していく。

 

 「その戦い・・・辛いなら、俺たちが協力するぜ」

 「え・・・?」

 

 困ってる人を助けるのが正義のヒーローなら、喜んで助けてあげるギンジの姿勢に、カエデはニッと笑顔になる。

 

 「まぁ大体の状況は解ったしな」

 

 レンもその言葉に頷く。

 

 「い、いやでもまだ君達の素性とか、名前しか聞いていないんだけど・・・」

 「あたし達も正義のヒーローよ」

 「ホームグラウンドは度固化市だけどな」

 「協力するのは、賛成」

 

 ルカの眼の前の三人は、どこか勢いだけに見えるものの、その強さは兵隊達を蹴散らしていた事で、格上だと言うのが良く解る。

 

 「ん・・・度固化市で戦う正義のヒーロー・・・?」

 

 聞き覚えのある単語を思い出したルカは、カエデと眼が会う。

 

 「そう、度固化市のヒーロー・・・」

 「ま、まさか・・・」

 

 憧れの芸能人にでも会えたかの様に、顔を輝かせるルカは、次に期待通りの答えが帰ってくる。

 

 「そうよ。あたし達は正義のヒーロー、ヘヴンホワイティネスよ!」

 

 小さな喫茶店では、ヘヴンホワイティネスとムーン・パラディースの同盟が組まれようとしていた。

 

 「ま、訳あって今はここに来てるけどな。改めてよろしくな、ルカ」

 

 ギンジはサングラスを直して、ルカへ握手を求める。

 

 ルカは希望を取り戻した笑顔で、その握手に応じる。

 

 「本当は、もう二人、居るけど、それはまた後日紹介するね」

 

 レンも同じく握手をしてあげる。

 

 「協力の日程を詳しく決めたいのだけれど、これから時間あるかしら」

 

 カエデも気品のある対応をして、ルカと握手をする。

 

 ここまで気丈に振る舞っていても、正直疲弊しきって居る様に見えたからこそ、ギンジもカエデもレンも助けてあげたいと思ったから。

 

 ヘヴンホワイティネスは正義の為に戦う。それは時には、目的から逸れた違う悪と戦う事もあるだろう。

 

 「ああ、これ、連絡先・・・交換しとこうじゃないか」

 「おっいいっすね」

 

 ギンジがルカの隣に態度悪く座りながらスマホをいじる二人は、どうみても悪い人と善良な高校生にしか見えない。

 

 「あ、ありがとう・・・えと、ヘヴン3・・・さん」

 

 スマホで口元を隠したルカの感謝に、ギンジは気を良くして高笑いする。

 

 まさか憧れの正義のヒーローと協力して戦える日が来るとは、ルカ自身思っても見なかった。

 

 これほど嬉しい事はない。

 

 「とりあえず俺たち、今夜は帰らないと行けないからさ。仲間が待ってるんだ。でも心配すんなよ、どんな敵でもぶっ飛ばしてやるからよ」

 「必ず、連絡してちょうだい!あたしからも連絡するから!」

 「月島さん、私も、力になる。貴女の守りたい人達、一緒に守らせて?」

 

 正義の優しさにルカは泣きそうになるが、ぐっと涙をこらえる。

 

 会ったばかりの人間にここまで優しくしてくれるなんて、本当に絶望に近い状況だぅったルカは心から、この三人をあの時追いかけて良かったと思う。

 

 「・・・ところで、ミドリコを呼んで話す前に・・・」

 

 喫茶店の席を立ち上がるギンジは、窓にへばりつく兵隊達を見る。

 

 「サン・アンフェールの兵隊・・・!?どうしてこんな所まで」

 

 気が付かない内に現れた兵隊達に、ギンジは他の客が騒ぎ出す前に、臨戦態勢に入る。

 

 「カエデ、レン!裏口まで行ってこい!」

 「了解」

 「一般市民の安全を守らなきゃね!」

 

 纏まった行動力に感心するのもつかの間、ルカもカエデ達についていく。

 

 「仲間がふさぎ込んで待ってるんだ・・・さっさと退いてもらうぜ」

 

 喫茶店を飛び出し、ギンジは兵隊達を全員まとめて殴り倒しにかかる。

 

 おそらく兵隊達の言う月の波動というのは、正義の志の事なのかもしれないと、ギンジは頭の中で片付けると、少し遅れて、カエデ、レン、ルカが換装を終えて、喫茶店の上から飛び出してくる。

 

 「さーて・・・正義のヒーロー、参上ってな!」

 

 炎、雷、金棒を出して、ギンジ達は兵隊達を軽く蹴散らしてから、意対化市から帰宅するのであった。

 

 正義の為の戦いは、きっとどこでも巻き込まれるのかも知れない。

 

 今後は迂闊に市外にでかけるのはやめとこうと思うギンジなのであった。

 

 

 

続く

 

 

 

  




お疲れ様です。

背骨が痛いのですが、なんなんでしょうね?

キャラネタ書きます

佐久間ギンジ
勢いで生きてる人1
ルカの境遇を知って、協力してやろうと思った。

神宮カエデ
勢いで生きてる人2
ギンジのミドリコへの仲間想いに少し嫉妬したけど、仲間の事を思うギンジを結構高く評価している。
神宮家の家訓でもある、困ってる人が居るなら、すべからず助ける
これを今日まで忘れた事はない。

宮寺レン
最近出番が無かった人
ビーム剣はまだまだ形状が増えるらしい。
ミドリコには家に住まわせてくれた恩義が大きい為、ギンジの提案に賛成した。
ついでにルカの手助けにも賛成した。例え自分の目的と違っても、困ってる人が居るなら必ず助けてあげたい。

月島ルカ
意対化市のヒーロー、ムーン・パラディースの一人。
仲間が次々と離脱して心が壊れなかったのは、ものすごいメンタルかもしれないが、正直可愛そう。
ヘヴンホワイティネスを憧れのヒーローとしており、実は魔法少女の存在も、退魔警察の存在も知っている。

このイレギュラー存在はギンジの世界におけるゲームのキャラではなく、実在しない為、転生先にのみ存在するヒーローという事になる。
実力としては少数の相手なら問題ないが、怪人との戦いでは結構苦戦する。そのぐらいの強さ。ちなみにヘルブラッククロスの怪人とぶつけられたらオーク、龍、機械、毒蛾、雪、骨、鏡には勝てない。勝てても命をかける覚悟が必要。触手、紐、犬にはまぁ勝てる。

キャラネタ長いけど、次回もルカが出てきます。
次回はもっとルカを掘り下げた話になります。もちろんギンジも出るし、ブヒブヒ喋るあの人も再び出るよ!

感想や応援いただけましたら幸いです。

また次回!
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