正義のヒーローヘヴンホワイティネス   作:アトラクション

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こんにちは、神宮財閥の平社員・アトラクションです

今回はメインヒロインの1人であるカエデにフォーカスした話になっております。

恋愛の話ってメインのキャラであれば有るほど難しいネ・・・

みんなミヤコみたいにギンジ好き好き言ってりゃあいいのによぉ!
嘘です。キャラの個性をちゃんと出せるように頑張る次第です
それでは、どうぞ!!


41・想いと思い

 

 ヘルブラッククロスとの戦いはいつも突然だ。

 

 学校を襲撃してきたり街に現れたり、登校、下校中、祝日問わずいつも襲ってくる。

 

 ギンジが加入する前は、いつも単独撃破を強いられ、助けられない命もあった。それらは正義と平和の為に、そして親友の未来の為に戦うカエデにとって、非常に辛い事でもあった。

 

 しかし、ココ最近ではギンジの加入と、ミヤコの事前感知により怪人の襲撃に少し遅れての対応に済んでいる。

 

 不必要な犠牲も少なく、最小限の被害に済んでいるのは間違いなく彼らのおかげだろう。それだけではなく、たまにレイナやサクラ、そして最近ではルカ、信じがたい事にオーク怪人も手助けに入る事もある。

 

 とはいえオーク怪人の目的は別にあるため、手助けはミヤコの指示が無い限り来ないのだが。

 

 「もうすぐ夏休みも終わるわね」

 

 かなり寂しそうにカエデはリビングに居る仲間達へと、その言葉を出す。その言葉を聞いた途端にケイタは顔をやつれさせて、レンは再び学校へと行ける事を楽しみにしている。

 

 「そういえばお前らの学校って、襲撃受けて修繕をしてる間の一週間はお休みになったんだよな」

 

 よく覚えている5月の襲撃。剣士の怪人との初遭遇でもあった襲撃の日。学校を一週間休校にする代わりに、夏休みを一週間早く繰り上げるという前代未聞の事態に発展する。

 

 「夏休みの宿題まで一週間分少なくなるかと思ったら、そんな事なかったよ・・・助けて〜!」

 

 ケイタの悲痛な叫びはリビングに良く響く。もう3日程前から聞いているのだが、レンもカエデも既にクリアしており、ミドリコからすれば懐かしい単語を聴く度に浄化されている。

 

 ミヤコはその頭脳的に、学校の問題等、赤子の手をひねるぐらいには簡単である。ギンジも宿題なんてものはわりかし最後まで残す方だが、それでもちゃんと終わらせる。

 

 「あとどれぐらい残ってるのよ」

 「カエデ〜!」

 

 呆れたカエデがケイタのプリントを見る。

 

 数学、科学、理科、国語・・・。

 

 「まだ、半分も残っている。ケイタは、この夏休み、ずっと遊んでた」

 「・・・」

 

 レンの告発に、ティーチャー・カエデは目を虚ろにする。

 

 それを告発されたケイタも目を虚ろにしている。

 

 「半分「も」って事は、全体何%なんだ?」

 

 進捗状況を聞いたギンジはかなり後悔する事になる。

 

 「・・・20%」

 「よし、ヘヴンホワイティネス出動!パトロールしに行くぞ〜」

 

 即答で現実逃避しに行くギンジに、ケイタは涙目になりながらギンジの脚を引っ張る。

 

 「人でなし!ろくでなし!助けてよ!」

 「知らん。残り2日の夏休みをせいぜい絶望しながら楽しめ」

 

 流石にこの体たらくでは、助けるも何もない。つまり見捨てるしかないのだ。

 

 「自業自得だ!自分でどうにか終わらせろ!」

 「ごむたいな〜!!僕の命を助けると思って!ね?ね?」

 「ケイタ・・・ごめんなさい、私達は、正義の為の、使命がある」

 「だから頑張れ!ケイタ!」

 

 ギンジ、レン、さらにはカエデにまで呆れられて、角倉ケイタはいよいよ、絶望に苛まれる事になった。

 

 「うおおおお助けてー!正義のヒーロー!!!」

 

 ケイタの夏休みの叫びは、誰にも届かずに空虚な夏の空へと消えて行った・・・。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 8月の下旬に近づいたが、世間はまだまだ続く猛暑に苦しめられている。とはいえ夏休みシーズンもまだまだ続いており、度固化市、繁華街エリアには学生と思わしき若者達でごった返している。

 

 可愛い動物を模した夏のスイーツや、冷たさを感じるかき氷やら冷やし中華。それら夏の風物詩とも呼べるモノ達を眺めながら、ギンジとカエデは相変わらずいつものパトロールを開始している。

 

 レンはケイタの為になんだかんだ言いつつも残り、一緒に夏休みの宿題を見てあげており、ミドリコは警察絡みの急用が入った為に、途中で別行動となってしまった。

 

 「思えばこうしてパトロールするのも久しぶりだな」

 「そう言えば・・・そうね」

 

 最後にパトロールしたのはいつだっただろうか。

 

 「最後のパトロールって確か、レイナの親友の・・・ナルミとか言ったな。あいつに襲撃されてさー」

 「退魔教会・・・だったかしら?あれと戦う事になった日ね。覚えてるわ・・・」

 

 退魔教会。南度固化市における正義の組織・・・だったのだが、その実態は私利私欲にまみれた薄汚い【悪】の組織になっていた。

 

 レイナの心を踏みにじった事でギンジの怒りを買い、最終的にはヘヴンホワイティネスによって成敗された。

 

 「その後は・・・あんまり思い出したくないわ」

 

 カエデにとっては辛い記憶。

 

 6月28日には、皆でケーキを食べに行く約束を取り付けていた。本当はギンジの為に色々と食材を用意して、ハンバーグを振る舞おうとしていた。

 

 そんな中、オーク怪人率いるヘルブラッククロスとの交戦・・・ギンジはさらわれてしまった。ヘヴンホワイティネスも悪を目の前にして、撤退だけを余儀なくされた、実に辛い記憶。

 

 あの時からカエデはギンジの評価を良い方向へと変えていただけに、ギンジが自己犠牲の末に捕まった事を、今でも忘れていない。

 

 「あ・・・」

 「ん?どうした、カエデ」

 

 カエデは今の状況を冷静に思い出す。今、ギンジと二人きりで居る事を。

 

 距離感が近かったからこそ、いつもの様に話していたのだが・・・今は再び意識してしまう。好きな人と、今二人で居て、いつもの様に一緒に歩いている。

 

 ギンジが言ってくれるお礼の言葉は、ヘヴンホワイティネスとしてではなく、人として感謝を述べる事で、実は嬉しく思ったりしていた。

 

 幾度と無くピンチを助けて、助けられて・・・次第に怪しいと言う感情は無くなり、信用、そして正義の為に一生懸命になるギンジの強さを憧れとして見始めていた。

 

 誰かの為に一生懸命、必死に頑張るその姿や、ギンジがこの世界に転生してきてからの行動を見てきたカエデにとって、ただの仲間以上の関係、絆を築いてきた。

 

 (不思議なモノね・・・)

 

 いつもはすぐに言い合いをするにあたって、ギンジの反応を見るのが面白くて、そして楽しくて・・・こういう談笑はきっとレンやミドリコやケイタ、ミヤコとは出来ない。

 

 「そう言えばギンジって、あたしが風邪引いてダウンしたときも、ここの繁華街だったわね」

 「あー・・・そういえばそうだな・・・初めて会った時もさ、ここだったよな」

 

 苦笑しながらもギンジは思い出に浸る。

 

 トモカを助ける為に尽力した事、カエデが倒れた時にはミドリコの家までおぶってくれた事、それは正しくギンジの持つ性根の部分の優しさからの行動である事を、カエデは嬉しく感じる。

 

 いつからか学校に居ても、レンと話していても、頭の中にはギンジが居る。居続ける。

 

 大雑把で乱暴な癖に、優しい時はずっと優しい。

 

 困ってる人が居ればきっと今にも誰かを助けに行く、そんな正義のヒーローの様な男が佐久間ギンジだ。

 

 もっともその本質は全て、ヘヴンホワイティネスのハッピーエンドを見たいからなのだが。この世界がエ○ゲーの世界である事をしらないカエデは、ギンジの真の目的を知らない。

 

 (・・・そんなだから、きっとあたしも、こいつの事好きになったんだろうな)

 

 少し先を歩くギンジを横目で追うような目線で、カエデはギンジの横顔を覗く。相変わらずのサングラスだが、その瞳をしっかりとカエデは眼に入れていく。

 

 いつか・・・いつか本当に、サングラスを外して生きていける世界になれればいいな、とカエデはギンジを想う。そうすれば色のある綺麗なこの世界を二人で眺める事も出来るのに・・・。

 

 でもそうなるのは後にも先にも、ヘルブラッククロスとの戦いに決着をつけてからになるだろう。

 

 (ギンジは戦いが終わったらどうするんだろう)

 

 ずっとココに残って居てくれるのだろうか。それとも・・・。

 

 「ねぇ、ギンジ」

 「どうした?」

 

 この戦いが終わった後の事を聞いてみたかった。呼び止めたギンジの振り返った笑顔を見て、カエデは聴きたいと思った事が、言葉として出なくなる。

 

 思わず喉に蓋をしたように、どうしても言葉に出せなくなる。

 

 きっと残り続けてくれる。そう自分に都合よく考えてしまい、上手く言葉が出ない。

 

 「ん・・・なんでもない」

 「そうか?何かあったら言ってくれよ」

 「うん・・・ありがとっ!さ、行くわよ」

 

 どうしても不安になる。だけど今は聴かなくてもいい。もしかしたらいずれ話さないと行けない事になるだろうが、カエデはそれをぐっと我慢する。

 

 「何かあったか?大丈夫か?あ、体調悪かったり・・・」

 「え・・・ああ、いや、うん。大丈夫」

 

 少しだけ心配になったギンジはカエデに訪ねてみるが、返事はどうということはないモノで帰ってくる。

 

 これもギンジなりの優しさからだと思うと、正義のヒーローと学生の二足の草鞋を履くカエデにとっては嬉しく感じる。

 

 正義のヒーローとしてではなく、神宮カエデとして聞いてくれているからこそ、余計に嬉しい。

 

 「・・・ギンジ、その」

 「なんだよ。大丈夫か?」

 

 いつもより瞳を揺らしたカエデの言葉を、ギンジは本当に心配になる。

 

 この気温で体調が悪いなら、すぐに言って欲しいとギンジは思う。

 

 「ううん。体調は大丈夫。その、さ」

 

 言葉に詰まりながらもカエデはギンジと眼を合わせる。真っ直ぐに見つめて、カエデの鼓動が早くなって、苦しくなる。

 

 「今まで、色々ありがとう」

 「なんだよ急に。お礼を言うならこっちもだぜ」

 

 こうして改めて思い出すと、カエデからギンジへ感謝を述べる事は少ない。好きだと想うなら、ちゃんと言葉にしてその感謝を伝えたかったのもあるが、なかなか言えない事もあった。

 

 今なら言えると・・・声を大きくして、しっかりそれを伝える。

 

 「事有る事に叩いたり、殴ったりしてるけど、あたし、あんたの事、嫌いじゃない・・・から」

 「へへへ・・・どうしたんだよ。それにお前にぶっ飛ばされる事なんて、別に嫌じゃないぜ。あ、俺がMってわけじゃないぜ?ほら、なんていうかこーゆーのが当たり前っていうかさ・・・」

 

 言いながらもギンジも言葉に詰まり始める。

 

 自分の憧れであり現実逃避の手段であったギンジの目の前に居るのは、ヘヴンホワイティネス・神宮カエデ。

 

 人としてその精神力や、正義の為に揺るがない信念を持った彼女の事を、ギンジは尊敬している。

 

 カエデの想いを知ってか知らずか、ギンジはなるべく優しく接して行こうと思っている。

 

 (キャラクター)として好きなのは間違いないし、何より怪人の身でありながらも、ずっと戦える事を誇りに思っている。

 

 (この戦いがおわったら、カエデはどうするんだろうな)

 

 神宮財閥の19代目として帝王学でも学びに行くのだろうか。それとも正義のヒーローを続けるのか。

 

 将来の事は不明だが、ギンジはこの戦いが終わったら、いつの日か湾岸エリアで話した事の全容の通りに、カエデ達のサポートをしないと行けない。

 

 この世界が物語の世界である事は伝えた。ならば次は・・・。

 

 (この世界における、本当の意味での俺の生きれる居場所を探さないと行けないしな)

 

 ギンジはハッピーエンドの先を考え始めていた。このままカエデ達と仲良く笑いあり涙ありも悪くはないだろうが、ちゃんとその事も考えないと行けない。

 

 この先何もしないで生きるなら、再び生きた屍に逆戻りになるだろう。それだけは何があっても嫌だ。

 

 出来るならずっとカエデ達と一緒に笑い合っていたい。

 

 (そうするためには、俺がもっと強くなって・・・カエデ達を守れる様にならないとな)

 

 ぐっと握り拳を作りながら、ギンジは人混みを眺める。

 

 何がヘヴンホワイティネスにとって最良な行動になるのか、そしてどうやってカエデ達の笑顔を護り続けようか。

 

 カエデだけではないが、この子達が悲しんだり、悔しそうにしているのを見ると、ギンジとしても胸を痛める事になる。

 

 (・・・もう見たくないな)

 

 サングラスを直してギンジはさらにカエデを横目で見る。

 

 整った顔立ちと、ひと目見て解る綺麗だと言う感想、それからきめ細かい肌に良く似合うプラチナブロンドは、正しく財閥のお嬢様という気品を感じ取れる。

 

 絵で見たソレと同じ顔なのに、ゲームよりも表情豊かで感情も彩り、より神宮カエデというキャラクター・・・いや、女の子を意識出来る。

 

 笑えば可愛く、戦えば凛々しい。こんなに元気で、一緒に居て楽しい人はギンジの人生では初めて知り合えた大切な人だ。

 

 (ギンジってあたしの事どう想ってるのかな・・・)

 (カエデは俺をまだ怪人そのものとか思われてるかな?)

 

 お互いに見ているベクトルは違うモノだが、ふとお互いに眼が合う。

 

 「なによジッと見て」

 「ん・・・いや、なんでもない。パトロール再開しようぜ」

 

 何気ない一言でも嬉しくなる。正確には楽しみ、そういう感情が身体の中で大きく膨れ上がる感覚だ。

 

 (戦いが終わるまでは、しばらくこのままでいいかも・・・)

 

 不安な事等一切消し去るこの瞬間において、戦いの後の事なんて考えなくてもいいだろう。今は・・・まだ。

 

 お互いに笑顔を浮かべながら、繁華街エリアをパトロールするそれはデートの様にも見えたし、仲の良い友達にも見える。

 

 二人はそれでも・・・お互いの想いと思いを交差させていく。

 

 答えの出ない考えを・・・何度でも・・・。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 

 パトロールも適当な所で切り上げて、夏により蒸されたアスファルトを乗り越えてあたしとギンジは帰宅する。

 

 怪人サマはいいわね〜汗とかあまりかかなくて。とか、少し前のあたしなら嫌味たっぷりめで言っていたかも・・・。

 

 でも今は・・・そう、本当に今はあいつを怪人だなんて呼びたく無くなってきたし、人間なんだろうなって思ってるから・・・どんなに馬鹿でも、ギンジの心を否定している様な気がして来てね。あんまり言いすぎるのも良くないって、最近は少し反省してるわ。

 

 でも煽ると必ず返してくれるから、面白いし好きなのよね、ギンジと話すの。

 

 「カエデ・・・また、ニヤけてる」

 

 今のはレンの声。帰宅するなり、あたしとレンは汗を流すためにお風呂に入ってた。

 

 今日はミドリコも帰ってこれないそうだし、残り少ない夏休みには、このあたしも残っていてあげるわ!

 

 まぁほぼカエデハウス(こっち)で寝泊まりしてるんだけど・・・。

 

 「別に〜ニヤけてないし」

 「ギンジと一緒に居る時は、いつもニヤけてる、最近はずっとそうしてる」

 

 湯船に入りながらレンは腕を枕代わりに、前かがみな姿勢を取りつつもあたしの顔を覗き込んでくる。

 

 トラの様な鋭い眼も、ここでは優しい淡いブルーの瞳。

 

 そんな眼であたしの顔をニコニコしながら見つめてくる。抜群のプロポーションしてるけど、見つめても何も出ないわよ。

 

 「ギンジとは、何か進展はあった?」

 

 いつもレンはあたしの事を応援してくれている。それに答えるにはあまりにも少ないモノだが、少しずつ、少しずつ報告はしている。

 

 あたしがレンにしていた様に、レンもあたしと同じ事をしている。

 

 お互いの恋愛には、お互いの応援をしたい。ゴールインしても、次のスタート地点に立っているレンは、早く次の進展を聴きたいとの事で、あたしもそれは良く解る。

 

 だって親友の恋とかすごく気になるでしょ?

 

 「残念ながら・・・このパトロールでもあまり無かったわ」

 「でもニヤけてる。良いことあったんだね」

 

 そ、そんなにニヤけてたかしら?これでも財閥の19代目(予定)なのよ。お恥ずかしいですわ。

 

 「あ、そうだ」 

 

 あたしはギンジと同じぐらいに、レンにも聴きたい事があった。

 

 「話を変えるのだけれど、いいかしら」

 「ん・・・」

 

 ちゃぽん・・・と、水滴の音が湯船から広がる。

 

 「・・・レンはこの戦いが終わったら・・・未来に帰っちゃうの?」

 「・・・」

 

 身体についた泡を流しながら、あたしは聞いてみる。ただの興味本位なのだけれど。

 

 「うーん・・・家族には合いたいけど・・・私は、未来という過去に戻るより、今という未来に、沢山思い出があるから。帰りたくは無い・・・かな。ケイタと一緒に、居たいから、ね」

 

 未来を過去とか、今を未来とか難しい事言うわね。なんとなく言ってる事は解らなくもないけど。

 

 「ヘルブラッククロスを、倒したら、前までは必ず、帰ろうって思ってた。だけど・・・」

 

 レンの口から出てくる言葉は、聞いていると、毎日が楽しいんだなって思う。

 

 ケイタと一緒に居ること、愛を知って、友達を知って・・・。

 

 「ケイタやミドリコ、ギンジの事もあるけど・・・カエデも居るから」

 

 あら、嬉しい事言うわね。撫でてあげようかしらこの子。

 

 「カエデが居なかったら、私はきっと、押しつぶされてた。カエデが嫌じゃ無かったら、私はずっとここに、居るよ」

 「レ〜ン〜!!」

 

 思わず嬉しくて涙が溢れる。

 

 「で、カエデはこの戦いが終わるまでに、ギンジに想いを、伝えられるの?」

 「ふぐっ」

 

 うう、結局そこに行き着くのね。

 

 でも確かにいつまでもうだうだはしてられないわ。

 

 「頑張るわ」

 「うん。応援、してるから。辛かったら、いつでも頼って。いっぱい話そう?」

 「うわーん!レ〜ン〜!!」

 

 ちょっとなんでそんなに良い子なの?泣きそうなんだけど。泣いたんだけど。ちょっともー。

 

 「くふふ・・・いつまで入っているのかな。わたしもそろそろ入りたいのだけれど」

 

 バカミヤコの声が、お風呂の扉の向こう側から聞こえてくる。

 

 海の時もそうだけど、本当に肌の露出を嫌うのよね。

 

 「あーごめーん。今から出るから」

 

 ちなみにあたしは湯船に浸からない派なのよ。

 

 「裸は見ないでおくよ、くふふ。ギンジ君の裸しか興味ないからね」

 「そういう事言うんじゃないわよ!っていうか見たの!?」

 「毎朝みてるよ、くふふふ・・・」

 「ギ〜ン〜ジ〜ッ!!!!」

 

 ギンジを取り巻く人は、何もあたし達だけじゃない。バカミヤコも、レイナさんも居た。そして多分ミドリコも。何よ、モテモテじゃない。

 

 いや(ちゃ)うねん。

 

 そうじゃないのよ。なんでギンジのは、裸をこのバカミヤコが毎朝見てるのよ・・・!

 

 「これは尋問しなければ、そうしなければ、ならない」

 

 レンの言葉に頷いて、あたしは急いでお風呂を出る。

 

 こうなったらミヤコにも問い詰め・・・って居ないわ。

 

 どこに行ったのよ・・・!

 

 「おーい、何か用か・・・?あっ!?」

 「なっ・・・!?」

 

 脱衣所に来たのはギンジ。さっき出かけたままの姿で、どうしてこいつが!っていうか・・・!

 

 「・・・うん、生きてて良かった」

 「なら今日死ねぇぇええ!見るなぁぁぁ!」

 

 マジマジと見ようとしてるんじゃないわよ!

 

 「いや見てない!本当、本当!本当だって!」

 「うるさい!ミヤコにも裸をみ、見せ・・・見せつけて!挙げ句、あたしのまで・・・」

 

 落ち込んじゃ駄目よカエデ。あたしは正義のヒーロー。堂々と覗きに来た事に敬意を評して、直々に叩き潰してあげるわ。

 

 ヘヴンスーツ!あたしに力を!

 

 「なんで変身してんだよ!マジじゃん!マジで殺る気じゃん!」

 「必殺!!!!」

 「お、おい!待って!」

 「メガトンインパクトぉぉぉ!!!」

 

 このギンジの脱衣所入室の背景には、ミヤコが一枚噛んでいるのを知るのに、そう時間はかからなかったのだけど、今のあたしにそんな事を考えている余裕は無く、容赦なくギンジをぶっ飛ばした。

 

 言ってくれたら・・・いつでも・・・見せ・・・いや、やっぱ無理。今は無理。

 

 「くふふ。いいお湯だね」

 「同意。ミヤコ、実は、カエデとお風呂に、入りたくないだけ?」

 「くふふふ、どうかな」

 

 お風呂場では二人が何かお話しているようだけど、あたしの方は、得も言われぬ悔しさと、ギンジに見られた恥ずかしさでとにかくぶっ飛ばさないと気が済まなかった。

 

 「いやでも・・・スタイル良いよな、いやー綺麗なお肌で、濡れた髪が背中に張り付くそのお姿、とっても素敵ですよ?いやマジですいませんでした」

 「素直でいいわね。ぶっ飛ばす」

 「ぎゃあああああ!!!」

 

 もう叩かないようにしようって決めたのに・・・トホホ。

 

 いやでもこれはギンジへの戒めなのでノーカンになるかな?ならない?まぁ、覗きは犯罪なので・・・戒めって事で!

 

 「メガトン・・・ヘヴンリー・・・メテオライザー・・・!」

 「やめろおおお!死ぬ!死ぬ!」

 

 でも・・・いつか、きっと、どこかで見せる事になるのかなぁ・・・お互いに。

 

 あたしの体温がものすごく熱くなって行くのを感じながら、とにかくギンジを必殺技で葬るのでありましたとさ。

 

 

 

続く

   

 

 




お疲れ様です。

最近は早出の連続で、死にそうになりながらも出勤しながら、少しずつ書いてます。少し違う物語も書きたいなーとは思いつつ、ヘヴンホワイティネスを執筆してたり・・・

でも完結まで頑張るぞ!これからもカエデを応援してね!

キャラネタ書きます

神宮カエデ
ギンジへの振る舞い方を変えていこうとは思っているが、どうしてもやや暴力寄りになってしまっている。ついに必殺技を持ち出した。

佐久間ギンジ
色々あるけど、カエデを始め、ヘヴンホワイティネスの悲しい顔を見たくない。絶対に自分が理由で悲しむ事もさせたくない。カエデが悲しんでると胸を痛める事もある。

宮寺レン
未来は自分の居た時代、しかしレンからすれば過去になり、今こそ自分の見る未来である。この先の未来の未来で、彼女は希望の光として戦いに勝つことは出来るのだろうか!!

鈴村ミヤコ
肌の露出はあまりしたくない。ギンジの裸を見てはいるのだが、上半身だけ。興奮してぺたぺた触るだけらしい。

角倉ケイタ
残りの夏休み日数は、3日。
夏休みの宿題は残り68%
行けるか・・・これ?

次回はキャラネタが話の主役という回を予定しております。

語り部はなんとドクターミヤコ。鈴村ミヤコ。強欲の怪人・ミヤコ。

ミヤコ主役でもありキャラネタも話の主役(予定)
違う話になりそうだったら活動報告にて、上げ直します。


また次回!!お楽しみに!
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