正義のヒーローヘヴンホワイティネス   作:アトラクション

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こんにちはアトラクションです

この風呂敷広げすぎてさー色々煮詰まる時とかあるよね?

でもそういう時は、カエデとギンジとミヤコのトライアングル恋愛話を書くと、意外とスルスル進んだりします。

その恋愛話が全員同級生の学園恋愛モノみたいな感じで、息抜き程度にかいているのですが、いつかそんな話も出来たら良いね。

それではどうぞ!


45・レジスタンス結成?

 異人町防衛戦の決着はヘヴンホワイティネスの尽力により、見事に達成された。

 

 町の人々が悪の驚異から逃れた事で、感嘆と喜びを上げて全員で大いにこの状況を喜んでいる。

 

 「血、拒絶・・・ありがとうな」

 

 いっぱしの人間みたいなお礼を暴力の怪人が告げる。

 

 見渡せば壊れてしまった町を、復興させようと頑張ろうと輝く人々が居て、その中にトモカも混ざっており、こちらに気づくと手を振ってくれている。

 

 「なに、気にするな。吾輩達はお前の右手と左手だからな」

 

 血の怪人が毒で腐敗した身体に包帯を巻かれながらも、気にしないと言った態度で返す。

 

 「で、でも、手中に収めようとしてたヘヴンホワイティネスにまさかギンジが居たなんてね・・・」

 

 拒絶の怪人が姿の見えなくなったギンジをキョロキョロと眼で探しつつ、二人の会話に入ってくる。

 

 「羽、大丈夫か?」

 

 龍の怪人によってもがれた羽は、回収はしていても背中からは完全に分離してしまっており、拒絶の怪人のその顔は苦悶そのものである。

 

 一応の治療が施されていても、やはり気休めにしかならない。

 

 「ん、大丈夫です・・・」

 「・・・」

 

 こんな事になるぐらいなら、助けに来なければ良かった。と、そう言われた方が暴力の怪人は気分が少し楽になったのに、彼女は痛みにあら垓ながらも、その辺りを気丈にふるまっている。

 

 「ところで・・・ヘヴンホワイティネスを手中に収めるつもりか?行くなら手伝うが・・・」

 

 血の怪人が静かに言うが、暴力の怪人は落ち込んだ様な態度で、瓦礫に腰掛け、首を横に振る。

 

 「ギンジの居る組織ならやめとく・・・あいつ言ってただろ?オレ達を友達だって」

 

 友達と思ってくれている彼の気持ちを、踏みにじる事はなるべくしたくない。

 

 共通の敵を持っているのであれば、もう一つ違う方法で協力できるはずだと、暴力の怪人は言い放つ。

 

 「・・・いずれ人間達と共存するなら、ギンジ達とは仲良くしといた方が得が大きいと思うしな。なにより、あんな強い奴らなのに、手中に収めるなんて・・・おこがましいぜ・・・おこがましいよな」

 

 名も無き組織(レジスタンス)としても、1人の怪人としても、ギンジ達の強さを知った以上手中に収めるという、下に見る様な事はしない。そもそも友達をそんな風には想いたくない。

 

 「オレはよぉ、なんとかして自分の存在価値を、『低い』から『高い』にしたかったんだ・・・」

 

 ヘルブラッククロスの1怪人として産まれた時に、自分の能力として操れるこの暴力。気に入らない奴はぶっ叩いて言うことを聞かせる、力の支配を望む組織にはうってつけの能力。

 

 戦闘員相手にこの力を振るう時に起こる、暴走が怖くて・・・いずれ振るう事をやめてしまった事を思い出す。

 

 誰もが怖がる怪人、そして誰もが恐れるこの力・・・それを使いたくないという自分の意思。しかし、自分の評価は高めたい・・・。

 

 結果として使い物にならず、廃棄と決めつけられた時の怒り。

 

 本当は組織に仕返しがしたいのではなく、自分の存在価値を上げたいだけ。

 

 「それなのに・・・なんでか今は、本当に人間の為に戦いたいって、なんでか思ってよ。なんだろうな、人の為に戦うっていうか、何か出来る事があればこの力を使いたいって言うかさ・・・上手く言えねーんだけどさ」

 

 鞭をしならせながら語る暴力の怪人を、左右で挟みながら顔を覗き見やる血と拒絶の怪人。

 

 「暴力の・・・それは」

 「き、きっと・・・」

 

 暴力の怪人は二人をキョロキョロと見る。

 

 「心を、手に入れたのだな・・・」

 「・・・良い顔、してるね」

 

 怪人と言えども人。ただの脱走にとどまらず、ヘルブラッククロスの乗っ取り、そして怪人と人との共存。

 

 果てには人間の為に何かをしたいと思う事・・・それこそが、暴力の怪人の得た、他の何にも変えられない・・・最大の宝。

 

 

 「そうか・・・これが、心、か」

 

 存外悪いモノじゃないと、暴力の怪人は自分の胸に手を当てながら、崩れた町を眺めているのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 龍、毒蛾、機械の怪人を倒した事で、ギンジ達は正体を隠す為に少し早めに帰路についていた。

 

 「カエデもレンも大変だったのだな」

 

 誇らしげに言うミドリコの背には、レンが静かに寝息を立てておぶさっている。

 

 慣れない力を使い、さらには無理をしてもう一回必殺技を放った反動か、電池切れの様に力尽きて未来人の少女は眠りについている。

 

 「身体も痛いし、最悪な気分だけどね」

 「降りろ・・・」

 

 そうやって歩くミドリコの隣で、ギンジはカエデをおんぶしている。カエデもまた制御の出来ない力を使って、骨がきしむらしい。

 

 しょうがないからギンジがおんぶしてあげているのだが、女の子の身体を柔らかさと軽さが、普段のカエデとは違うギャップを生み出して居り、おんぶしているギンジは気が気じゃない。

 

 とくに背中に時折ぶつかる柔らかい感触が、とてもじゃないが理性を失いそうになる。

 

 怪人ゆえのサガかもしれないが・・・そういう事にしておく。

 

 (決して俺の意思じゃないしね!ミヤコの時もそうだけど、可愛い女の子だからしょうがないね!)

 

 音楽堂でミヤコに言い寄られた時も、一瞬本能が理性を上回りそうになった時があったが、あの時はリコニスが止めに入ってくれた。

 

 今はきっと・・・多分ミドリコが止めてくれるだろう。そしてカエデももしかしたら本気の抵抗をするだろうから、もしそうなってもギンジがぶっ飛ばされて制裁されるだけなので、問題はない。

 

 「ところで・・・あのお友達、菊沢トモカの事は良いのか?会わなくて」

 

 これもまたゲームの知識なのだが、菊沢トモカと神宮カエデは親友同士、そういう設定でこの世界でもそれは変わっていない。

 

 なんだかんだこれでヘヴンホワイティネスが彼女を助けるのは、今回で3回目になる。

 

 3月のアモーレ襲撃、5月の湾岸エリア、そして8月の異人町。

 

 いい加減偶然でも装って、親友同士話し合えばよいのでは・・・とも思うのだが、そうもいかないらしい。

 

 「別に特別な理由はないけど・・・んひっ!」

 

 ギンジに乗るカエデが高い声でギクリと身体を逸らす。

 

 「ギンジ・・・変なとこ触んないでよ!」

 

 少しずつ落ちてくるのだから、持ち上げようとしてギンジの腕がカエデの腰あたりに手がついてしまう。

 

 それによって分厚くて大きな手と腕が、カエデを支えるのだがそこは何故かゾワリと背中を反らせる敏感な場所だったらしい。

 

 そこに手が触れた事で驚いたカエデは、ギンジの頭をポカポカと叩いてくる。

 

 「だから降りろって!」

 「嫌よ!骨痛いんだもん!」

 「お前の都合じゃねーか!」

 

 ガシッと首根っこを掴まれた次は、カエデの身体が思い切りギンジの背中にくっつく・・・正しく言うのであればぶつかる。

 

 「いっ!?」

 

 今度はギンジが変な声を上げた。

 

 大きくて広い背中に、カエデの柔らかい胸の潰れる感覚が背中に押し広がる。

 

 「・・・〜っ!」

 

 カエデもそれを一瞬で理解したのか、思わず顔を赤くしてしまい、照れ隠しにもう一回ギンジの頭を叩く。

 

 むうぅ、と何かを言いたげにしているのだが、言葉が出てこずに叩くしかないのだが、その威力は飼い犬を優しく叩くぐらいの強さ。最早理不尽に叩く、ではなく優しく撫で叩く・・・その方が印象に残りやすい。

 

 「なぁ、やっぱ降りろって・・・」

 「い、嫌よ・・・!」

 

 少し恥ずかしくなりながらも、それだけは断固拒否するカエデへギンジはもう何も言わない事にした。

 

 「いやぁ〜若いっていいな・・・」

 

 そんな若者二人の尊くなるような瞬間を見て、甘白ミドリコという女は浄化されていく。何故か背中のレンも共に、砂になりかけている。

 

 「様に見えてるだけ、だな」

 「そうね・・・」

 

 駅前のエリアに着く前には降りてもらいたいが、この二人をおんぶしながら、そしてゆったりとした速度では、もうしばらく時間がかかる頃だろう。

 

 「・・・そういえば昨日さ──」

 

 昼から夕方になりつつある道路を歩きながら、前日・・・8月24日から、25日今朝まで起こったある事を思い出したギンジは、ミドリコとカエデに笑い話に変えながら談笑を始める。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 異人町の避難所は怪我した住人や、子どもたちを一時保護する場所として、現状はしばらくリス、結界の異人、そして医療事業の人々で一時終息する事になった。

 

 戦闘員との戦いでは、キリンもライオンも右往左往兄弟も、猿も猫もそれなりに怪我を負った。

 

 特にタフネスの定評のある、ウオーバサオーバ、キリンはかなりのダメージを受けているのに、子供や女性、人間の友達を守る為に、大きなダメージをひた隠しにしながら大暴れしていた。

 

 あのヘヴンホワイティネスにあそこまで言われれば、最後まで諦めない様にしたかったと言うのと、なんとなくだが意地が出てしまったのかも知れない。

 

 無事に町を守りきり、最後まで戦った彼らにやってきたのは、仲間でもあり家族でもある住人達からの喝采。

 

 この喝采を受け入れた時、異人達は涙を流した。人ならざる存在が人の為に戦って、そして守りとおす事が出来た。

 

 その嬉しさと、安心と平和・・・それから受け入れて貰えたことの人の優しさ。それらを全部受け取って、魔人も闇人も怪人も、全てが正義を信じる事が出来た。

 

 全てが愛しく思えた。

 

 きっと涙を流したのは、人と同じく、等しい心を手に入れたからなのかもしれない。

 

 「さて!皆〜ごはんよ〜!」

 

 アーケード街の飲食店を営む者や、異人町のママ友連中がこぞって集団料理を振る舞う。

 

 「何ぃ?ヘヴンホワイティネスが居ない?」

 「めっちゃくちゃ探したんだけどよ・・・」

 

 元ヘルブラッククロスの怪人同士、結界と暴力は二人で座りながら、ヘヴンホワイティネスが急に姿を消した事をひとつの情報として話し込んでいる。

 

 「まぁ・・・彼らにはかなりお世話になったからな。恩返しの一つでもしたかったのだが・・・」

 「ギンジは多分、そういうのいらねんだろ。あ、ギンジってのはヘヴン3の事で・・・」

 

 世間一般的にヘヴンホワイティネスの名前が知られているのは、佐久間ギンジ、甘白ミドリコ・・・政府の上層部には、その責任者に山吹イロがいるという事。

 

 もちろんそんな情報を知っているのは、元ヘルブラッククロスであるこの二人だけなのだが。

 

 ヘヴン1、2の情報については女性という事しか知らない。しかし、突如として現れるヘルブラッククロスへ、急に現れては熱い正義倫理を出して戦う、純粋な正しさを掲げている人達だと言うのが解る。

 

 結界が包帯だらけの腕でビール瓶を開けると、そのままガブガブと飲み始める。こうして見ると結界の異人はただの酒好きなおじいさんそのものである。

 

 「怪我に障るぞ・・・そんなに飲んで大丈夫なのか?」

 「ガハハ!問題ないさ、兄弟」

 「もう酔ってんのか!?はえーよ!」

 

 朝方から昼間まで、トモカを狙う悪だと思っていたのだが、一緒に町を守る為に尽力した者同士、仲良くしようとする。

 

 なにかの縁か、元同じ組織同士、気兼ねなく話はしやすい。

 

 ふと辺りを見れば、拒絶の怪人が子どもたちと楽しそうにしている。

 

 「ふーん・・・子供は平気なんだな」

 

 なんだか楽しそうにしている拒絶の怪人を見たくなってしまう。

 

 よく一緒に行動もすることの多い右手であるからこそ、視界に入れるだけなのだが。それにしても最近はチラチラと眼で追ってしまう。

 

 一方で血の怪人は、巧みな話術と血液を使った手技で、ママ友連中を驚かせている。

 

 「あいつの目的は間違いなく血だろうな・・・」

 

 くだらない事とは思いつつも、血の怪人にとって血液がなくなるのは死活問題だからしょうがない。

 

 何かストックが容易に出来る手段があればいいのだが。

 

 「なぁ〜兄弟」

 「なんだよ」

 

 片手にビール瓶を持つ結界の異人が、机を叩きながら暴力の怪人へ馴れ馴れしく話かけてくる。

 

 怪我による疲労や傷の生々しさを、一切感じさせないおじいさんの言動にやや引き気味になってしまう。

 

 「お前も異人町に暮らすだろ〜?おらおら飲めよ」

 

 言いながら飲み干しているのは、結界の方であった。

 

 「この町は良い所だな・・・」

 

 崩れたアフロに汚れたボンテージをたるませて、暴力の怪人はラバーパンツを伸ばしながら、結界の異人と、町の今の状況を見渡す。

 

 この町の復興と、レジスタンスとしてのアジトの作成・・・。

 

 「なぁ、オレさ、人間と怪人の共存の世界を創りたいんだわ・・・その為によ──」

 

 暴力の怪人が話すのは夢。もしかしたら実現が可能な程の、大きく世界の常識を覆す夢。

 

 そんな大きな目標を胸に秘めて、暴力の怪人は大きく息を吸い込んで、この異人達のリーダー格である結界の異人へと向き直る。

 

 「オレの組織はレジスタンス。目標はヘルブラッククロスをいつの日か倒し、真に怪人、魔人、闇人、超人・・・その他諸々の種族が人間と共存できる世界を創る事だ。その世界を創りたいからよ・・・お前ら仲間になってくれねぇか」

 

 いきなり無理難題を言ったとは思う。

 

 しかし人間と共に、人間の為に戦おうとする彼らを見て、ついつい口走った。

 

 「・・・条件がある。個人的にはありな話だとは思うけどな」

 「その条件は・・・?」

 

 結界の異人が何本目か解らないビール瓶を開ける。

 

 「一緒に酒を飲もうや。それが条件だ。もちろんここにいる異人達もそれで賛成してくれると思うぜ」

 「・・・」

 

 難しい事は考えなくても良かったのかも知れない。

 

 それぞれ個人個人で参加の理由は違うかも知れないが、レジスタンスは今日を持って結成されたのだ。

 

 ──8月25日。レジスタンスは結成された。

 

 この組織には政府、悪を問わず人を受け入れ大きな組織となる。

 また、暴力、血、拒絶の怪人の三名は、とある怪人を加えて、いずれ各個に成長を遂げる。

 そう遠くない未来において、進化の怪人と対等な程の強大な力を手に入れる事となる・・・。

 正義と平和を守るヘヴンホワイティネスへの大きな援護を担う一手を背負う組織となる。

 来る一大事件において、歴史に名を刻む事となり、後に世界の常識を変えるのであるが、それはまた別のお話・・・。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 「起きろ・・・起きろ、毒蛾の怪人!」

 「ふあっ?」

 

 無様な姿勢で身体を曲げて気絶していた毒蛾の怪人を、機械の怪人が起き上がらせる。

 

 戦いの後に全員がぶっ飛ばされた場所にて、龍、機械の怪人は毒蛾の怪人の姿を見つけた。

 

 「・・・痛たた・・・痛っつう〜」

 

 全身に斬り傷と打撲の痕が残っている。もしかしたら骨も折れているかも知れない。

 

 痛みを抑えながらも、毒蛾の隣には同じくボロボロの姿になってしまった龍の怪人が瓦礫に腰掛けていた。

 

 「ありゃりゃ生きてたか・・・これでボク達、もう切り捨てられちゃう?」

 

 おどけて居るのに、神妙な面持ちの毒蛾の怪人に、機械の怪人と龍の怪人は首を横に振る。

 

 「総統閣下には・・・ドクターパープルよりお膳立てをしてもらっ た。我々はまだチャンスがあるようだ」

 「・・・即時撤退だ」

 

 龍の怪人が告げると、彼女は人の姿からより強靭な龍そのものへと姿を変える。

 

 黒く輝く鱗に4つの脚・・・爪が伸び出て、体重と合わせてコンクリートを削り取る。

 

 同じく黒く輝く鱗が隙間を無くす様に広がっている尻尾は、人の時のソレよりもより強くしならせている。

 

 神々しさをも感じるその真の姿は、今まさしく敗北による辛酸を吐き出さんと、咆哮をあげる龍そのものである。

 

 そして機械の怪人がその姿へバリアを貼る。ぼやぼやと陽炎みたいに揺れては消えを繰り返す、視界が曲がるような特殊な光を、変身した龍の怪人へとまとわせる。

 

 そうする事で特殊なレーダーでも無い限り、彼らを見つける事は出来ない。

 

 「痛いなぁ〜・・・」

 「悔しいが、我々の完敗だな。だが次は、あの憎きヘヴンホワイティネスを倒す・・・必ずだ」

 

 悔しい。その感情を機械の怪人が出すなんて、そしてその言葉を放つ事も合わせて毒蛾と龍の怪人は信じられなかった。

 

 音を立てず翼を広げると、風圧も無く龍は大空へと飛び出した。

 

 実際には風だけは舞い上がるのだが、やや強めな風でしか無くそれを人為的に起こされたモノだとはどんな存在でも気づかないだろう。

 

 「組織に帰ったら、まずは・・・ドクターパープルにも謝らないとだねぇ・・・はぁ〜ボク人に謝るのって嫌なんだよねぇ・・・いやまぁ、ドクターパープルはパパみたいなモンだからさ、全然いいんだけど」

 

 毒蛾の怪人の引きつった顔で話す内容には、誰も何も返さない。

 

 この大空を飛び交う龍、そしてその背中に乗る毒蛾、機械。

 

 全員が自分を倒した敵、ヘヴンホワイティネスへの大きな仕返しと、敗北の悔しさで頭が一杯だからだ。

 

 冷静な姿を見せても龍はときおり、喉を熱くうならせる。

 

 毒蛾の怪人はいつもと違い、誰も聴いていない話をペラペラと話始めている。

 

 いつもならどんな状況でも感情より、内部計算を優先する機械の怪人は、ずっとギンジと暴力の怪人をどうやって倒してしまおうか、それだけを考えている。

 

 この恨みは必ず返す。必ずだ。

 

 そう念じる3人の怪人は、次のチャンスにこの命をとして戦う事を誓うのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ヘルブラッククロスのアジト・・・その屋上のヘリポートに龍の怪人が降り立つ。疲労感が高いのか、到着するなり人の姿に戻りがくりとうなだれてしまう。

 

 「おやおや・・・大丈夫ですか」

 

 三つ揃いの漆黒のスーツに身を包む男が、襲撃に失敗した3怪人を出迎える。

 

 落ち着いている大人の印象を持たせ、紳士然とした態度でその男は後ろにいる医療チームの部下へと、彼らを保護する指示を出した。

 

 そこに現れた男の名前は、柏木タツヤ。

 

 公安に身を置きながら、ヘルブラッククロスをメインに動く二重スパイ。彼の流した政府や他の組織の情報を、ヘルブラッククロスはおおいに頼りにしている。

 

 「柏木大幹部・・・」

 「おや・・・息巻いて出撃したわりには、こんなにボロボロにされたのですねぇ・・・ドクターミヤコの怪人とは違うという事が証明されてしまいましたね」

 

 機械の怪人達の怪我を見るなり、いきなり小馬鹿にされてしまう。悔しいのだがこれにも反論は出来ない。

 

 「・・・しかし妙ですねぇ〜怪人なのに、襲撃に失敗するとは・・・なんて言ったら意地悪ですね」

 

 くつくつと嗤うタツヤの顔は、誰がどうみても悪意のある表情と形をしていた。

 

 そんなタツヤの背後には、檻の様な形をしたコンテナがあり、その中には様々な色合いのスーツを着る、美少女達が涙を流したり、絶望的な表情を浮かべて虚無を見つめる姿があった。

 

 「わたくし1人でも、ヘルブラッククロスに仇なす愚か者を、簡単に手篭めに出来るのですがねぇ・・・」

 

 大幹部柏木タツヤ。彼は間違いなく人間であり、怪人でもなければ改造もしていない純粋な人間である。

 

 紳士然としているのに、その実かなりのサディスティックでもある。今日もどこかに誕生した、もしくは活動している自称正義のヒーローの団体を容赦なく叩きのめしては、組織の為にここまで誘拐して来た。

 

 よほど怖い思いをしたのか、ほとんどの女の子達がコンテナの中で絶望にすすり泣いている。

 

 「相変わらず怖いヒトですね・・・柏木さん」

 

 毒蛾の怪人がなおもおどけた様にタツヤへとすり寄ろうとするが、タツヤが視線を合わせると、毒蛾の怪人が震え上がる。

 

 「・・・あっ・・・えとっ・・・」

 「嫌だな〜わたくしが怖いだなんて!」

 

 パッと雰囲気を明るくなった。この一瞬だけは、本当に命の先のやりとりになるかも知れない怖い雰囲気だったのに、そんな不穏な空気感はすぐに打ち消された。

 

 しかしそれが余計に怖くなってくる。

 

 「皆〜!」

 

 怖い雰囲気・・・というよりも異質な感情を孕んだ空気に、ドクターハルネが割って入る。

 

 「!」

 

 龍の怪人が疲れた顔でハルネの前に立ち、タツヤへ警戒心を見せる。

 

 「わ、どうしたの、龍・・・」

 

 龍の怪人もまた、タツヤを怖いと思う怪人の1人である。この異質な男だけは、絶対にハルネに近づけさせてはならない。

 

 タツヤと龍の視線が合うと、龍もゾワゾワと鳥肌を立たせ、嫌な汗が流れる。

 

 「ふむ。わたくしはどうやら嫌われているようですし、そろそろ彼女達で遊ぶとしますか。キミ、運んでおいてください」

 

 側近である護衛部下に指示を出すと、タツヤとコンテナの少女達はヘリポートから離れて行った。

 

 「皆、大丈夫・・・?柏木さんと何かあった?」

 

 ハルネの心配をよそに、3怪人は背中を見せているタツヤの姿が見えなくなるまで、その警戒を解く事は無かった。

 

 

続く 

 

 

 

 

 




お疲れ様です。

後書きに書くことないのでアトラクションのスリーサイズ書きますね

B999
W999
H999
嘘です。後書き書くことなくてふざけました。

キャラネタ書きます。テーマは初期設定

佐久間ギンジ
元々は神宮ギンジという名前でした。
執事なのにめちゃくちゃ口悪い感じでした。

神宮カエデ
初期設定時は存在していませんでした。
勝ち気で強気な女の子・・・っというかメスガキみたいなポジションとか言ってたのに、その役目は毒蛾の怪人に取られた。

宮寺レン
初期設定ではメインヒロインでした。このレンこそ神宮家の長女という設定でしたが、ボツ→未来人に

角倉ケイタ
初期設定では存在してませんでした。
一応名字もこの時は藤原ケイタでしたが、某声優様に似てるのでボツに。

甘白ミドリコ
初期設定では女教師でした。
迷える主人公を導くべく教鞭を握る強い先生の予定→「ロケットランチャーを取り出すしか無い!」とか言い出すロケランクイーンになった。なずぇ・・・

藤原
元々ケイタの名字だけになったのが、そのまま命を持ち始めた。

山吹イロ
初期設定では存在してませんでした。語尾が「?」をつけるヒロインの予定でした

サクラ、レイナ、ルカ
完全に後付になっていた人達。これはこれでキャラが立ったかも・・・とは思いつつも隙あらば動かしていこう

オーク怪人
初期設定では軍人気質な、威厳のあるヒト・・・
それしかかいていなかった・・・

ここから下は本編のキャラネタになります

佐久間ギンジ
女の子って柔らかいよなぁ・・・うーん

神宮カエデ
ギンジの背中って・・・堅くて、す、好きかも・・・

宮寺レン
zzz

甘白ミドリコ
若者っていいな・・・わ、私もギンジにおんぶしてほし・・・
いやいや駄目だぞ!でもほんの少しだけ・・・

暴力の怪人
皆で酒飲めば仲間って考えきらいじゃないぜ
え?拒絶の怪人を眼で追うなって?
いやなんか見ちゃうんだよね・・・

血の怪人
吾輩実は血が目的ではなく、恋人を探していたのだが・・・
ん?拒絶のは狙わないのかって?
・・・吾輩では無理なのさ

拒絶の怪人
え、えと・・・暴力と血?
・・・えーと・・・どっちも男性だから嫌かな。

龍の怪人
ここでは普通に喋らせてもらうけど、タンクトップにカーゴパンツを着せるのって作者の性癖だよね。キモい。

毒蛾の怪人
少年の見た目をした少女でメスガキポジションって作者の性癖だよね?
ざーこ♡ざーこ♡作者の特殊性癖♡へんたい♡クソザコ♡
昼飯ぼっち♡スーツに穴開いた♡パスタ好き男♡
・・・メスガキってこれでいいの?

機械の怪人
感情とはなんだ?シミュレーションでは出ない言葉だな。

柏木タツヤ
本人不在。
ヘルブラッククロスの大幹部の1人。
公安に身をおきながらヘルブラッククロスのスパイとして動くスパイ。
久しぶりの登場。ドクターパープルの怪人達も、ミヤコの怪人達も何故か彼を恐れている。
剣士の怪人のみ、彼には臆していないのはそれだけメンタルが強いから。
何か底知れない実力か、特殊な戦闘能力でもあるのか、美少女のヒーロー達を凌駕するらしい。異質な雰囲気を秘めた男。

次回は怪人四天王、ついにヘヴンホワイティネスと激突!な、話になっております。

次回もお楽しみに!
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