正義のヒーローヘヴンホワイティネス   作:アトラクション

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皆様新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

今回のお話は番外編になります。最近出番の無いキャラクターが少しだけ登場します。

今年もこの作品を楽しんでいただければと思います!
それではどうぞ!!


番外編〜YO-YO〜

 「よくぞ集まってくれた!今年度の新任教員達よ!」

 

 顔の見えない闇の奥底から、けたたましくも勇ましい大声が室内に響き渡る。

 

 ここは都立・ヘルブラ学園。聴く人が聴いたら誰もが恐れる、格式の高い高等学校である。

 

 総統と呼ばれる理事長が3月も半ばの着任挨拶に添えて、4月から教員として働く事になった教員達に挨拶をしているのだ。

 

 今年の新任教員は四名。

 

 「では一人ずつご挨拶をしてもらおうか!」

 

 総統理事長・・・氷室コウガが右手を広げて突き出しながら、着任挨拶を命じる。

 

 「くふふふ・・・ではわたしから」

 

 先ず最初の名乗り出たのは、黒髪がキレイな小柄な少女・・・に見える教師だった。

 

 「皆様はじめまして!4月よりお世話になります、鈴村ミヤコと申します。担当教科は保険です!好きなモノは・・・怪人ですね」

 

 チラリと横に座る男をその視界に入れるが、後は何事もなかった様にして、拍手の中から静かに席につく。

 

 「では次は私が」

 

 次に立ち上がったのも女性。

 

 キリっとした顔つきに、キレイなスーツ。校内だと言うのにハイヒールを履いており、ウェーブロングの髪をポニーテールにして清潔感がある立ち振る舞い。

 

 「同じく今年度よりお世話になります。甘白ミドリコと申します。学校の先生になるのが夢で、ようやく夢が叶いました!これからよろしくお願いいたします!」

 

 ヤル気と元気に溢れたその声は、挨拶を見に来た先輩の先生方にも伝わった様子で、拍手が広がる。

 

 「では、次は僕だね」

 

 続く3人目は怪人の瞳をしている。

 

 この世界にありふれたもう一つの人類、それが怪人。

 

 少年の様な見た目をしていても、どこか幼さを感じさせ、そしてどことなく女の子にも見える。

 

 「僕は毒蛾といいまーす!好きな事は男を毒で○○して○○を○○○○・・・」

 「いや・・・もういいぞ。それ以上しゃべるな」

 

 理事長が一言で黙らせると、毒蛾の怪人は萎縮してもう喋れない。

 

 (あーあ・・・あいつ新年度からの生活終わったな)

 

 可愛そうに・・・とは思いつつも、最後の挨拶が控えている教員が色のついたメガネのズレを直す。

 

 「では最後の君。ご挨拶を」

 「うっす」

 

 最後に残った教員が挨拶をする為に立ち上がると、ミヤコが好機の視線を送っている。

 

 それをなんとなく肌で感じながらも、最後の男は挨拶を行うのであった。

 

 「はじめまして。4月よりこの学園でお世話になります──」

 

 男は強く名乗りを上げた。

 

 常にコミュニケーションを進化させ続ける、教員として最高峰のスキルを持った男・・・。

 

 「佐久間ギンジです!よろしくお願いします!!」

 

 男の名前は佐久間ギンジ。今年度より、このヘルブラ学園にて活躍が期待されている新任教師。

 

 「うむ。元気でいいな。ではここでこの理事長より・・・」

 

 いきなり理事長がパーカーとデニムをダルく着た、ラッパーのスタイルになりだすと、後方からは2年生の担当主任である柏木と、体育を教科とする触手の先生が現れ、即興でDJのブースを造り出す。

 

 「・・・なんで?」

 

 ギンジ先生の疑問は当然なのだが、理事長はここでラップでも披露するのか、マイクを片手に目深にかぶったフードで顔を隠しながら、いきなり流れる音楽と共に理事長が歌い始める。

 

 軽快なディスクスクラッチと、電子音が重なるBGMを背に、教員室が一気に盛り上がる。

 

 一番手に合いの手を入れて大騒ぎするのは、三年の体育を担当する赤鬼の先生。

 

 その隣では剣道部顧問の剣士の先生。

 

 紫いろの白衣を着用すた紫先生と、腹まで伸びたヒゲと陽の色を宿した革靴を履いたタイヨーズ先生も一緒に盛り上がっている。

 

 曲名・ヘルブラップ

 

 作詞作曲・理事長

 

 編曲・オーク先生

 

 総統の渇望(YO-YO)

 時代の盛況(YO-YO)

  

 この力、正に最強

 この街でのし上がるぜ度固化でどうだ?

 

 今まさに力の支配が最速

 この手でぶちかますのが最高

 

 魚が水を得た、この道のりの先のこの世上場

 

 待ちわびた総統の出番

 手下と共に即興で大暴れ

 

 言わす敗北

 かます相当

 我らが新世界の王者・総統

 

 この世上々(YO-YO)

 いえぇあ、チェケラッチョ

 

 (YO-YO)(YO-YO)

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 (ダセェな・・・クソだせぇな)

 

 総統の曲もさることながら、このBGMも非常にダサい。

 

 ラップというものを好きな人が聴いたら、おそらく殴られても文句は言えないそんなラップ。

 

 ギンジはこの学園での着任が一気に不安になってしまった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 少し時が進んで入学式。

 

 『入学生代表・神宮カエデ』

 

 2年生を代表する生徒である、宮寺レンとそれを補佐する月島ルカ。

 

 その後ろではなにやらインカムを使いながら、連絡を取り合う角倉ケイタの姿。

 

 入学生としてこの学園に主席で受験を合格した、見目麗しい生徒、神宮カエデ。

 

 彼女もこの学園での生活を楽しみにしている。可愛らしくも凛々しい顔つきをしており、遺伝でもあるのか髪の色は綺麗で美しい金髪をしている。

 

 「あれが入学の主席か〜・・・不良か?」

 「いいや、見た目はアレでも、中身は清楚と見たねぇ、俺っちは」

 

 主席合格したカエデを見守る傍ら、ギンジは教員の立つゾーンにてふんわりと立たされている。

 

 ギンジの隣では赤鬼先生が並び、二人してありもしない事を話す。結論として、ギンジの不良、赤鬼先生の中身は清楚と言うのは二人とも不正解だ。

 

 何故ならカエデは・・・。

 

 「はぁ〜い♡みなさーん、あらしはぁ〜、ひんぐうカエデっていいましゅ〜♡」

 

 目を虚ろにし、ニンマリした笑みを浮かべている彼女の顔は、蠱惑な雰囲気を持つと同時に、フラフラとしている。

 

 言う慣れば、ビッ○、淫乱・・・そんな言葉が似合う。

 

 舌をいやらしく伸ばしながら話す彼女を見ていると、ギンジはどこか心が痛くなる。

 

 「ヌハハハ!ありゃーいい上玉だなぁ!」

 

 赤鬼先生が豪快に笑うと、その奥に居る甘白先生も鼻で笑っている。

 

 よく見ると甘白先生も目を♡にしており、女性は全員眼が♡になっているのを遠くでも解る程だった。

 

 「・・・」

 

 じわりと嫌な汗を背中が伝う。

 

 こんな事を見る為に、自分は教員になった訳ではないのだが・・・。

 

 「さーてここで総統理事長による、神宮カエデさんの・・・」

 

 内容は上手く耳に入って来なかった。

 

 嫌、聴きたくなかった。

 

 総統とカエデが全校生徒の前で・・・。

 

 「ッ」

 

 眼をそらしたいのに、そらせない。望む、望まざると問わず、見ないと行けない。そうさせられている様な感覚。

 

 全身をガタガタと震わせながら、ギンジの視界には総統とカエデのおぞましい行為が、さも当たり前の様に行われている。

 

 キスから始まり、身体を寄せ合い、抱きしめ合う。だらしない笑顔で喜んでいるカエデは、総統の欲望と力に飲まれて、快楽にむせび泣いている。

 

 (やめろ・・・)

 

 言葉が出ない。その言葉がすぐに喉まで来ているのに、出てこない。

 

 (やめろ・・・やめろよ!やめてくれ!こんなの・・・)

 

 バッドエンド・・・。その言葉が脳内で大きく躍り出る。

 

 そんなモノを見るために教員になったのではないし、ヘヴンホワイティネスとして・・・。

 

 (・・・あれ?俺、今まで何してたんだっけ?)

 

 カエデの無残な姿を見ながら、ギンジの視界がどんどん闇に飲まれて行く。

 

 今の時間は?この時代は?何をしていた?

 

 (あ・・・あれ・・・)

 

 くらりと、おぼろげな記憶を思い出していく。

 

 ここは度固化市。そして街はヘルブラッククロスが支配し、ヘヴンホワイティネスや魔法少女、退魔警察、ムーン・パラディース・・・その他もろもろの正義の志を持つモノ・・・。

 

 この街の支配に成功し、ヘルブラッククロスは、力による支配の世界、そして逆らう者を一人残らず殲滅するこの世界。

 

 (・・・あれ?)

 

 どうしてこうなったのだ。

 

 「く、くふふ・・・皆始めてるし、ギンジ君も、ね?」

 

 気がついたら身体が動く様になっている。男子生徒と女子生徒は、ピンクのモヤモヤがかかる様な不可思議な空間の中で、その身体をぶつけあっている。

 

 それを恐れて見ながらも、ギンジの手を握るのはミヤコ。

 

 「くふふふ、君とこんな形で愛しあえるなんて夢みたい・・・」

 

 愛しく、ミヤコ先生が涙ながらにギンジの手を握る。

 

 力と暴力と快楽に屈服しきった彼女は、ギンジにならその笑顔を見せている。女を知った顔、女の手。

 

 「皆洗脳されてるのに、ギンジ君だけは何度か意識を取り戻したりしてさ・・・精神力がすごく高いのに、でも抗えなくて、また元に戻る。くふふ、かわいいね」

 

 幼くともどこか魅力的に見える顔が、ギンジの劣情を煽る。

 

 (あ・・・)

 

 ミヤコのかわいい顔を見つめると、心がぷつんと切れる音がした。

 

 理性を失い、欲望を求めるだけの獣になったギンジの力を全身で浴び、ミヤコは硬い床の上で愛おしくこの男に抱かれる。

 

 それこそがミヤコの人生の意義であり、この世界のあるべき姿。

 

 強い存在が弱い存在を喰らう事を許されている、そんな世界。

 

 ヘルブラ学園には女性達の快楽を受け入れた心からの叫び声が、一日中響き渡るのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 「うわああああ!!」

 

 叫びながら起き上がると、暗い天井。

 

 ズキりと傷が痛み出して、俺は腹を抑える。

 

 「どーしたの!大丈夫?」

 「ちょっとギンジ!?」

 

 慌ててカエデとサクラが飛び出して来て、俺の眠るベッドにやってくる。

 

 そういえばここは・・・アレか、魔法界に来たばかりで匿ってもらってた家か・・・。嫌な夢見たぜ。ありゃ悪夢だろ。

 

 心配そうに俺を見てくるカエデの顔は・・・。

 

 「?・・・何よ、あんた大丈夫なの?」

 

 カエデの顔は・・・よし、♡になっていない、身体も大丈夫そうだ・・・! 

 

 でも一応確認しとくか。

 

 「はっ?」

 

 今になって考えたら本当にくそったれな事をしたと思うが、なんとなく確認はしたかったんだ。

 

 カエデのスカートの端をつまみ、上に上げる。

 

 「ああ、死んだね。それじゃあとは二人でごゆっくり・・・」

 

 サクラが何か言ってるが、あまり聞こえていない。言い訳になってしまうが、俺はこの時の事をよく覚えていない。

 

 「・・・オホホホ、ギンジ?」

 「うん!無事だ!キレイな白・・・え、白?」

 

 その後の事を俺は本当によく覚えていない。まじで。

 

 でも再び意識が飛ぶ瞬間、あんなバッドエンドな未来は絶対に見たくないって思ったし、ミヤコを必ず助けたいと思ってた。

 

 カエデもミヤコも両方大切な・・・仲間だしな!

 

 この先、俺は魔法界で修行をする途中で、カエデとミヤコに恋をしている事に気づくのだが、そこはまた別の機会にでも語らせて貰おうかな。

 

 「必殺!ヘヴンリー・インパクト!!」

 「ハッピー・ニュー・イヤーーー!!」

 

 最後の断末魔は何故かこれを言うべきだと思った。

 

 なぜかはわかんないけどね。

 

2023年もヘヴンホワイティネスをよろしくね

 

番外編・完、そして続く

 

 

 

 




お疲れ様です

今回の番外編ですが、設定やら時間軸やらを完璧に無視したモノとなっております。おまけ感覚で呼んでくださればと思います!

ギンジの見た夢の中でのキャラネタ書きます

総統氷室コウガ
クオリティがやたら低いラップを披露する変な人。
ヘヴンホワイティネスとの戦いに勝利し、支配を成功させた。

佐久間ギンジ
ラップのクオリティの低さにめちゃくちゃげんなりした。
支配を成功させた未来においてもげんなりしたが、ついに心が堕ちた。

鈴村ミヤコ
支配の成功した世界においてもギンジ愛マックスのマッドサイエンティスト。この夢の世界においてはギンジの子を妊娠している。が、ギンジが知らない。

赤鬼先生
保健体育担当?ミドリコ先生と婚約中。

神宮カエデ
洗脳された。最後まで勝利を信じていたが、無情にもそれは適わなかった。

宮寺レン
洗脳された。ケイタよりも総統への愛が大きくなるように操られ、凄惨な目に合っていた。

月島ルカ
ギンジ達を助けようとしたが、勝ち目のない条件付き勝負にて全敗した。後に洗脳。アキハはその時に消された。

角倉ケイタ
女性戦闘員とのハーレム生活を楽しんでいる。洗脳はされていないが人格を破壊された。

甘白ミドリコ
赤鬼先生により心と身体を堕とされた。今はもう過去の事を忘れており、赤鬼の事しか考えていない。

夢に登場していないキャラクター達
全員死んだ

・・・

今年一発目がこれでいいのか・・・っていう番外編でしたが、次のお話はちゃんと本編に戻ります。本当はギャグシナリオにしようか、夢オチシナリオにしようかで悩んだけど、夢オチにしました。

ミヤコも久しぶりに登場したし、次の再登場までは繋いだね!!!

それではまた次回!
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