正義のヒーローヘヴンホワイティネス   作:アトラクション

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こんにちはアトラクションです

今回から新章ミヤコ救出編の開始です

開始なのですが、少し魔法界編と同じ様に前置きのお話があります。

そしてこの前置きのお話、なんとほとんどヘヴンホワイティネスの面々の出番がありません!

ミヤコ救出編が本格的に始まる所になったらヘヴンホワイティネスが復活しますが、しばらくは久しぶりに登場したレイナ、ルカ、ナルミ、藤原さんのお話をお楽しみください。新キャラも出るよ

それではどうぞ


ミヤコ救出編(キラーエリート編)
68・キラーエリート・1


 8月25日。

 

 世間は夏休み終盤ということもあり、秋に向けて色々と騒がしくなる時期。

 

 そんな時期にはホットなイベントも起こる事だろうと、藤原は今日も公安局へと出勤する。

 

 (さーて今日もいっぱいさわるぞふへへニチャァッ)

 

 本当にニチャついた下衆な笑みを浮かべながら、藤原は赤いジャケットを翻しながらオフィスに入る。今日も今日とて甘白ちゃんのお尻を触ろうか。

 

 オフィスにたどり着くと、つい最近まで凍結騒ぎで慌ただしかった公安のオフィスは活気を取り戻しており、それぞれが忙しく書類整理や、犯人逮捕へと動き出している。

 

 今日も平和だ。本当の意味での平和には程遠いのかも知れないが、とにかく平和だ。

 

 ヘルブラッククロスなんてくだらない。実際怪人をこの眼で見て、実際に戦った事もあるにはあるが、あんな人間を超えた怪物なんて、全てミドリコ達に任せればいい。

 

 面倒な事は面倒事が好みの連中に任せ、自分は手柄を少しついばめればそれでいい。

 

 正直に言うとヘルブラッククロスとは関わらない方が良い。そんな事より、今日もセクハラを働きたい。

 

 「おはよーございやーっすっと」

 

 片足でボロい扉を開ける。

 

 第4(組織犯罪対策科第4班)のオフィスに、いつもの様にダラダラ入ると、空気感がいつもと違う事に気づく。

 

 いつものノンビリした雰囲気と違い、お偉方が来ている雰囲気。重い空気と緊張感が走っている。

 

 「どした〜?」

 

 ダル絡みをするかの様に、藤原は若手の男性後輩に顎を乗せた。

 

 「随分気の抜けた出勤をなされるんですね?藤原さん」

 「うげげ」

 

 藤原の視界に写ったのは、バリバリのキャリアウーマン風のスーツに身を包んだ、髪の短い女性。ショートボブヘアに、飾り気の無いピアスと薄い化粧。

 

 そしてスーツからはちきれんばかりの豊満で、抜群なプロポーションを持つキレ目の女性が藤原を睨んでいた。

 

 まるでゴミを見る様な目つきは、藤原の肝を冷やす。

 

 「こ、これはこれは小鳥遊(たかなし)さん・・・」

 

 ついつい思わず敬語になる。

 

 小鳥遊と呼ばれた彼女は、第一(公安局・第一機動隊長兼、組織犯罪対策科特殊捜査部隊長)の小鳥遊アキラ。

 

 昔から成績優秀かつ、腕っぷしの強さは藤原が知る中で女性ナンバーワンの女性。

 

 超が付く真面目な性格で、藤原が知る情報の中では恋人が居ない筈。あと性格がキツイ。

 

 藤原が唯一セクハラをしようとはしない、所謂対象外に入る人物こそ、このアキラという女性。

 

 (なぁんでこんなところに・・・)

 

 怪訝な表情を見せる藤原に、アキラは軽いため息混じりに藤原の首根っこを掴んで歩き出す。

 

 「え、ちょ、おいおい」

 「来てください。貴方に、少し特殊な事情聴取があります」

 「えっ!?おじさんに事情聴取!?なんで!?あいえーなんで!?」

 

 アキラが自分の側近である大男を3人で取り囲み、藤原を胴上げスタイルで完全に逃げられないようにして、上層部へと向かう。

 

 「ちょ、なんで!どうしてなのよーーー!!!」

 「今すぐ黙るか、逮捕されるか、懲戒免職に合うか、好きなのを選んでも良いですよ」

 「ハイ、シズカニシマス」

 

 そうして藤原は公安局の最上階にある、特別取調室へと向かう事になるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 「で、なんスか。話って」

 「話ではありません。事情聴取です」

 

 まだ夏の暑さもさる事ながら、特別取調室の窓からはさんさんとした夏の日差しが差込み、丁度光が当たる位置に座らされた藤原は、眩しそうに眼を細める。

 

 アキラは向かいの席に座り、細長くしなやかな脚を組んでいる。

 

 ピンヒールの鋭い音を鳴らす事で、取調室には先程とはまた違う空気の重さがにじみ出る。

 

 「この方をご存知ですよね?」

 「んん、こいつは・・・」

 

 アキラが胸ポケットから取り出して見せたのは、四角い写真。それもモノクロフィルムの、公安局員がこの中央度固化市に着任する時に必ず一枚撮る事になる、四角い写真。

 

 そこに写っているのは、左横顔のアングルと真正面のアングル。

 

 そして整った顔立ちをしていて、まだ着任してから日が浅い、おそらくは四年ぐらい前の・・・。

 

 「あ、甘白・・・ですね・・・」

 

 一体彼女の写真を見るとは何事なのだろうか。藤原は動揺を隠せないでいた。

 

 「そうです。貴方の直属の部下、甘白ミドリコ公安巡査ですね」

 

 アキラは丁寧な物言いを崩さず、また藤原の動揺にも興味を示していない。

 

 もう一つ付け加えようとしたアキラは綺麗に折られた、とある紙を藤原へと手渡す。

 

 「開けてみてください」

 

 後光の指す様なその顔は冷徹そのモノ。藤原は二度見した後(顔は美人だよなぁこいつ)と、思いながら折られた紙を広げる。

 

 四角く、ジグザグとした紙。リサイクルペーパーとも呼ばれるかさかさした紙は、何なのかはひと目見て解った。

 

 それは逮捕状。藤原自身も何度も触った事があるし、何度も見たことがある。

 

 では中身は一体誰の、何の逮捕状で、どういった理由で発行されたモノなのか。

 

 少し・・・開けるのをためらってしまう。

 

 「何か?開いた事はあるでしょう?」

 

 アキラの言葉は淡々としていて、それとなく怖く感じる。

 

 「・・・」

 

 藤原がゆっくりと逮捕状を開ける。その眼で見た事、内容に藤原は信じられない事が書かれていた。

 

 【特別捜査・逮捕状】

 

 容疑者・甘白ミドリコ

 職業・日本警察公安第4科所属

 

 年齢26歳、性別女性

 

 罪状内容・テロ組織との繋がり、及び情報漏えいの容疑

 

 【以上、この者を逮捕する】

 

 ・・・。

 

 信じられない内容だった。

 

 あの甘白ミドリコが?情報漏えい?

 

 真面目でセクハラを嫌うあの甘白が???

 

 頭の中は困惑と動揺で一杯になっている。

 

 「こりゃぁ・・・何かの冗談でしょう?」

 「私もそうだと信じたいですがね・・・」

 

 アキラは眉間を抑えると、すぐに藤原に睨みを効かせる。美しい女性に睨まれるのはある種興奮はするのだが、今はそんなでも無い。

 

 むしろおじさんの人生上、一番命の危機を感じている。

 

 「間違いなく、甘白ミドリコさんに逮捕状が出されています。第1科の面々が本日7時に発行した正式な容疑者としての行動です」

 「馬鹿な!甘白はおれの部下ですよ!?」

 「ええ、そうですね。不真面目な貴方の部下です、きっと道を踏み外したのでしょう。不出来な上司のせいでね」

 「・・・ッ!」

 

 身を乗り出して反論しようとしたが、普段の勤務態度を見透かされてしまい、ぐうの音も出ない。

 

 「そこで・・・甘白ミドリコ逮捕の為に、貴方のご協力を願い出ようとしていたのです。さて、事情聴取の内容はおわかりですね?」

 

 いつもこの小鳥遊アキラという女は逃げ場を潰すのが得意だと、つくづく思う。いっそ半殺し覚悟でセクハラでもしてやろうか。

 

 「甘白ミドリコとの会話、及びチャットの履歴、そして・・・この一ヶ月、彼女とのやり取りを聞かせて貰います。もちろん、これは任意ですが、断れば貴方も、甘白ミドリコの共犯者として逮捕も辞さない所存です。よろしいですか?」

 「・・・」

 

 もはや何も言い返せない。

 

 「テロリスト、とは・・・?」

 

 藤原が一つ質問をしてみる。すぐ後ろに佇む大男が藤原の肩をつかもうとするが、それをアキラが制止の合図を見せると、大男は半歩下がる。

 

 「こちらの意図しない行動、発言、許可の無い質問があった場合は公務執行妨害とみなし、攻撃する、いえ・・・防衛させていただきますので、それも忘れずに」

 「やることえぐいねぇ〜・・・」

 

 つまり藤原はただひたすら質問を受ける事になる。そして、アキラ達の意図しない事が起こった場合は、今みたく大男が制裁を加える気でいる様だ。

 

 「警察、それも素性を隠しながら国家の為に戦う我々、同志の事情聴取を行う為です。貴方ご自身に何も無ければ話せる筈です」

 

 故に特別取調室。防衛と称して、多少手荒な拷問も可能という所。

 

 「それでは、始めましょう。藤原さん」

 

 肘をつき、両手を組みながら小鳥遊アキラは、藤原を相手にした取り調べが始まった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 「もういいだろ・・・あとの事はわかんねぇよ・・・」

 

 時刻は丁度14時を回る頃。取り調べは5時間程続いた。

 

 話せる事は全て話した。言いたくないが、あのヘヴンホワイティネスの事も。ついでにミドリコのお尻に何回触ったかまで。

 

 アキラは上手く隠した様だが、話しの背景にどうやらヘルブラッククロスが関わっているらしい。らしい、と言うのはおそらくミドリコの逮捕状の内容に起因している。

 

 お互いに情報を話しながらの取り調べに、藤原は疲弊した。

 

 ここまで質問攻めに合ったのは本当に久しぶりだ。今は亡き妻の家族に非難轟々の大嵐を受けた時以来である。

 

 「ふむ。では良いでしょう・・・それでは最後に聴かせてください」

 

 小鳥遊アキラは汗ひとつかかずに、そして表情も変えずに藤原の顔をまっすぐ見つめる。

 

 眼が合えば萎縮してしまいそうな威圧すら感じるその視線に、藤原はもう睨み返す気力はもう残っていない。

 

 「甘白ミドリコ巡査は・・・本当に逮捕されるべきと思いますか?」

 

 以外にも最後と言われた質問は、アキラがミドリコを守ろうとしている様な声音なのではないかと感じた。だが、今疲れているこの状況でそこまでを察知する事は出来ず、藤原はやや強めな口調でアキラに返答をする。

 

 「そんな訳あるわけねぇーだろ!」

 「フッ・・・」

 

 今何を笑ったのかは解らないが、藤原は疲れた。

 

 今までの甘白ミドリコの勤務態度を見ていると、そんなに悪い事をしている様には見えない。ミドリコは兵器を所構わず解き放つバレットジャンキーではあるが、決して悪い事を許さない、真面目な性格をしている。

 

 それを5年も上司として見てきていた藤原は、この逮捕状はなにかの間違いだと、本気で思っている。彼女はこの中央度固化市において、感謝こそされど、逮捕される様な事はなにもしていないのだから。

 

 「それでは、藤原さん。本名はえーと・・・」

 

 フルネームで自分の名前を呼ばれるのは久しぶりだ。

 

 「藤原──さん、貴方を公安の厳命においてここで拘束させてもらいます。ああ、スマホは預かりますが、タバコもお酒も飲み放題の特別監禁室での拘束です」

 「なっ、まだ拘束されんのかよ!」

 「ええ。貴方と甘白ミドリコの繋がりはまだ完全に否定はされていません。それに・・・まだ彼女は出勤していないようですしね・・・」

 

 藤原にスーツ越しでもわかる背中の形を見せつけ、しゃんと立つアキラ。

 

 まだ来ていないなら好都合だ。この状況下でミドリコ逮捕されれば、完璧に終わる。

 

 「ああ、無駄な抵抗や逃走、脱走等は図らない様に。もし逃げれば極刑は免れませんので・・・」

 「おいおい〜・・・」

 

 そうしてスマホを没収された藤原は、寝心地の良いベッド、山積みにされたワイン、レトルトの食事が大量に入った部屋へと連行される。

 

 特別監禁室。形としては軟禁に近いが、テレビも見れてお風呂にも入れる、本当に特別な部屋だ。

 

 強いて言えば不満は窓が無いぐらいだろうか。とは言え、ここは20階。逃げられるわけがないのだが。

 

 電子ロックのある扉をくぐり、藤原はその清潔な部屋に閉じ込められる。

 

 「それでは、ごゆっくり」

 「あ、ちょっ、待って!」

 「・・・?なんですか?」

 

 怪訝な表情を見せるアキラに、藤原が急ぎ目にドアに近寄る。

 

 「なぁ、おじさんはいつまでここに居るんだ・・・?」

 

 疑問や不安こそあるが、藤原はここで何をしていれば良いのか。

 

 「ああ、そうですね。ご自身の潔白が証明されるまで、ですかね」

 

 淡々としたクールな発言に、流石の藤原も絶句してしまう。

 

 「では、また」

 

 電子音を鳴らして扉が無慈悲に閉まる。

 

 藤原は本当にここに居ないとだめみたいだ。

 

 「くっそー・・・甘白ちゃんよぉ・・・なにしてんだよ・・・」

 

 上司として少し情けない気分になるが、ここまで来てしまった以上どうする事も出来ない。

 

 しばらくはここでおとなしくするしか無いようだ。

 

 「はーくっそー・・・あいつ怖いんだよね・・・」

 

 アキラの顔を思い出しながら、藤原はソファにもたれ、テレビを見るのであった。

 

 電子ロックの扉が並ぶ廊下をコツコツとピンヒールで踏みつける音を鳴らしながら、アキラは側近の大男から藤原のスマホを受け取る。

 

 (・・・この状況、何か裏があるか・・・?)

 

 そもそも何故甘白ミドリコをピンポイントに犯人扱いにし、そして逮捕するという状況にまでなったのか。その理由を知るためにも、アキラは第一科のオフィスへと次なる歩みを進めたのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 時間は少し遡って朝。

 

 時刻は7時10分程。

 

 (くそっ!)

 

 心の中でレイナは悪態をつくと、パトカーを走らせる。

 

 南度固化警察署に突然流れた犯人情報。

 

 逐一情報が更新される情報の中、まさかの知っている人物が映し出された。

 

 甘白ミドリコ。レイナが知る、ヘヴンホワイティネスのメンバーであり、正義の志を持つ仲間である。

 

 どうして彼女に逮捕状が・・・?そしてなぜ彼女なのか。

 

 絶対に悪事を働こうとして、悪事に手を染める様な人ではない。それだけはレイナは断言出来る。

 

 中央度固化市に入ったレイナは、カエデハウスの方向へと車を走らせる。警察車両には緊急性が高い場合、速度制限を無視して走る事が許されている。

 

 緊急のランプを点灯したパトカーはもっともっと速度を上げていく。

 

 目的は単純。甘白ミドリコを誰よりも早く見つけて、逮捕という名目で身柄を拘束、そして彼女を守る為だ。

 

 同じ正義の志を持っているミドリコが逮捕されれば、ヘヴンホワイティネスが危ない。

 

 「・・・」

 

 車を走らせるレイナが深く考える。

 

 一体何故こんな事になっているのか。

 

 普段の彼女を見ていれば、そんな簡単に悪事に手を染める様な事はしないはずだ。だとすると・・・。

 

 「ヘルブラッククロス・・・か?」

 

 この中央度固化市を拠点に、勢力を拡大している巨悪の組織。

 

 レイナの友であり、恋をしている男でもある佐久間ギンジが所属する正義の組織・ヘヴンホワイティネスと相対する悪の組織。

 

 少し前まではマージ・ジゴック、ゲヘナミレニアムと並ぶ3つの地獄と呼ばれていた組織の内の一つ。

 

 噂では大物政治家もこの組織と繋がりがあるとか、学校の理事長もこの組織の犯罪に加担しているとか・・・。

 

 調べた上ではレイナの所属していた退魔教会も、このヘルブラッククロスと繋がっていた。

 

 色々と考えても仕方ないが、それでもパトカーは止まらない。

 

 と・・・。

 

 シュパーン・・・。

 

 空気が弾ける音が鳴った。

 

 それはまるで弾丸でも鳴ったかの様な、鋭い音。

 

 その音が鳴った同時に、レイナは反射的にブレーキを踏むと、住宅街の車道にドリフトしながらコンクリートに車体を強くぶつける。

 

 「・・・!?」

 

 ハンドルが上手く制御出来なかった。変な感覚だ。一応退魔の力を使い、急ブレーキすればすぐに停車出来るはずだったのに・・・。

 

 「これは、まるでタイヤでも撃たれたみたいだな・・・」

 

 エアバッグに身体を埋もれさせながら、レイナがそんな事を言ってみる。

 

 そして一瞬で理解する。

 

 「まさか・・・今ハンドルが効かなかったのは!」

 

 射撃された。それも150キロを出す車のタイヤを、正確に撃たれた可能性が高い。

 

 こんな朝から銃撃とは穏やかではない。

 

 「ギャーハッハッハッ!驚いたか!」

 

 突如としてボンネットに乗り込んできたのは、両腕に機関銃みたいな銃口を取り付け、真っ黒な身体と弾丸ベルトを身体に装着した、不気味な生物、

 

 人語を喋り、人を嘲るその声は間違いなく人間のソレ。

 

 頭にも機関銃が取り付けられており、眼球は黒く赤い。

 

 股間の部分にも拳銃がついており、両膝にもバルカンの銃口をつけたその存在は、レイナも良く知るあの生命体。

 

 女を道具として扱い、奴隷としてみなす、全女性の敵・・・。

 

 「まさかそちらから来るとはな・・・」

 

 ヘルブラッククロスの怪人がレイナを襲撃して来た。

 

 「おうおうおう!お前が噂のヘヴンホワイティネスだなぁ?」

 「だったらどうするんだ・・・?」

 

 レイナはヘヴンホワイティネスではなく、退魔警察だ。だが、一端このままで良いだろうとそのまま話しをすすめる事にする。

 

 「そりゃぁ、もちろん、蜂の巣にしてやるぜ」

 

 全ての銃口がレイナの座る運転席に向けられ、発砲される。容赦の無いその一斉射撃は、またたく間に車を貫通し破壊する。

 

 煙を吹き出し、ガラス片を飛び散らせ、車体がひしゃげると、次第に住宅街エリアの道路周りに、人々の悲鳴が巻き起こる。

 

 「ギャーハッハッハッ!!泣け、叫べ、喚け、絶望して死ねぇ!!」

 

 両腕を広げ、膝も曲げ、股間を突き出し、頭を夏の青空へと向ける。

 

 そして発砲するためのそれぞれの引き金と撃鉄が鳴る瞬間・・・。

 

 「破邪の剣!!」

 

 虹色の鞭に様にしなりながらも、飛び出る様な剣が怪人めがけて飛んできた。

 

 刃の先端は当たる事無く、空を突く。怪人が飛んで車道の真ん中に降りて、再び両腕の機関銃をボロボロになったパトカーに向けた。

 

 「生きてたのか?」

 「悪いがこんなのでは死なんよ。一発も当たっていないしな」

 

 運転席を一段階下に落とし、前かがみになりながらもレイナは、退魔警察の修道服へと変身を果たしていた。

 

 これにより勝利したと勘違いしていた目の前の怪人に不意打ちをしたのだが、それはあえなく無意味に終わる。

 

 「いいねぇ・・・全身余す所無く、穴ボコだらけにしてやる!」

 

 パトカーを両断してレイナがその姿を表すと、怪人はレイナに狙いを定めて銃口を開ききる。

 

 爆炎に包まれた半分このパトカーは、レイナの退魔の札に吸収されていき、火事や爆発の被害をこれ以上広げないように収納されていく。

 

 そのままレイナが破邪の剣を構え、臨戦態勢を取る。

 

 「この俺!銃の怪人の初陣だァ!覚悟しな、ヘヴンホワイティネス!」

 「やれやれ・・・こんな時間から銃撃とは・・・」

 

 レイナはこれでも警察と退魔師の二足のわらじを履く戦士の一人だ。

 

 今はミドリコを見つけないと行けないのだが、怪人が目の前に居るのであれば仕方がない。

 

 「銃刀法違反だ。貴様を逮捕する(打払う)!!」

 「おもしれー遺言だな!」

 

 ヘヴンホワイティネス?になりきってこの銃の怪人と対峙したレイナは、破邪の剣を輝かせて、朝から戦う羽目になるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 場所は変わって意対化市(いつかし)真宵町(まよいちょう)

 

 ここではかつてサン・アンフェールという悪の組織が牛耳っており、地獄の様な世界ともなっていたが、正義のムーン・パラディースがヘヴンホワイティネスと協力した事で、ここでの悪事はもう無くなっていた。

 

 「ふぁ〜・・・まだ眠いよ・・・」

 (早く起きなさい!お○スタ始まっちゃうでしょ!)

 

 そんな平和を取り戻した町で暮らす、ボーイッシュな見た目の少女が、自分の心の中に住まう親友と共に布団から起きると、リビングへと脚を運ぶ。

 

 (お○スタの後はの○スタよ!)

 「はいはい、解ってるよ・・・」

 

 寝ぼけながらもその少女・・・月島ルカは高校生として最後になる夏休みの最後の一週間を過ごそうとしていた瞬間だった。

 

 平和な日常、不思議で非現実的なムーン・パラディース最後の生き残りであるルカは、心の中に住まう天体アキハとの生活を楽しんでいる。

 

 今日も平和。今年の夏はとても暑くて、とても熱い。

 

 『緊急速報です!』

 「あり?」

 

 12チャンネル、そのボタンを押した瞬間、普段はニュースなんてやらない放送局が、ヘリコプターによる中継映像を流し始めたのだ。

 

 (ちょっと!グランドおっはすー!ってやらせなさいよ!)

 

 ルカの心の中で叫ぶアキハの声は、脳内に響いて痛くなる。

 

 それは良いとしても、どこのチャンネルに回しても、先程の映像が流れている。

 

 (あら・・・ねぇ、ルカ・・・この映像の人・・・)

 「あ、ああーーー!!」

 

 ニュースで流れているのは、怪人警報を流す非常事態だった。そして、怪人が出現した場所は・・・。

 

 「中央度固化!」

 (ギンジ達の居る街よね。いつも怪人出てきてるじゃない)

 

 いつも怪人が出る街に住んでいるギンジ達だが、普段はこんなニュースになるような戦いはしていないはずだ。それも中継映像に取られながらなんて・・・。

 

 「・・・ん、この人」

 (アタシも気づいたわ。この人、退魔師の人よね?)

 

 中継映像に流れているのは、修道服に身を包んだセクシーな身体をしている女性。サン・アンフェールとの決戦の日にギンジ達に招集された、心強い助っ人の一人のあの女性。

 

 熊沢レイナ。退魔警察が、何故かヘルブラッククロスの怪人と戦っている。

 

 (ギンジ達が心配ね。やることないなら、行ってみたら?)

 

 連絡するのもありだが、もしかしたらギンジ達も別の所で戦闘になっているかも知れない。

 

 色々と二人の思考が交差するが・・・。

 

 「すべき事はたった一つだよ」

 (そうね。行きましょう)

 

 もしギンジ達に何か起きているのであれば、ルカとアキハは協力する事にしている。彼らにとってそれがいらない事であったとしても、恩義に報いる為に、何か手伝える事もあるだろう。

 

 ルカは身支度を終えて、すぐに家を飛び出す。レイナへの合流を果たすのが先かも知れないが、なんとなくギンジの事が心配になってしまい、ムーン・フォースを握ると深緑のバトルスーツに変身し、町を駆け出す。

 

 常人ならば誰にも見つける事の出来ないこの速度は、夏に走る暴風となる。

 

 (悪が動いているなら、正義のヒーローの出番だろう!)

 

 心の中でルカが言うと、アキハも頷き、二人は中央度固化へと突き進むのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 同時刻──。

 

 7時12分頃──。

 

 いつもの様にハイヒールをコンクリートに打ち付けながら歩くミドリコは、真夏の暑さにうだり、負けそうになる。こんなの自衛隊時代の訓練に比べればたいした事は無いと、そう思うのだが・・・。

 

 「あつい・・・」

 

 じわじわと汗が吹き出し、外に出るのがうんざりしてしまう。そんな気温。夏こそ、ミドリコにとって最大の天敵である。

 

 今日からカエデとレンとケイタは学校に通う事になり、2学期が始まる。それと同じくして、西度固化市の学校と共に今年の文化祭について会議があるのだとか。

 

 「学校が始まって早々に大変だな・・・」

 

 誰にも聞こえない様に独り言を呟く。この暑さでまともに外に出る人はあまり居ないだろう。

 

 まともの判断なんて人それぞれなのだが。

 

 ギンジとミヤコは相変わらずカエデハウスでダラダラしているのだろうか。そうだとすると無職コンビが途端に羨ましく思えてくる。

 

 (なんでこんなに暑いんだ・・・)

 

 夏の日差しをうっとおしく思いながらも、ハンカチで顔に垂れる汗を拭き取るとミドリコは、少し歩みを早めていく。今日もヘルブラッククロスの一斉検挙の為に、あくせく警察として働かなければいけないのだから。

 

 ふと公安局へと向かう道すがら、歩みはそのままに住宅街の曲がり角に警戒する。

 

 明らかに不穏な気配を感じ取っていたミドリコは、ほんの少しの正義感から、普段の道とは反対の曲がり角を見る事にする。

 

 絶対に何か居る。何か、そんな直感がしていた。

 

 「・・・」

 

 ハイヒールを強く鳴らしながら、ミドリコが曲がり角にその身を出す。

 

 しかしながらそこには誰も居なくて、でも不穏な空気感と遠くで鳴るパトカーのサイレンの音しかない。

 

 なんだ、何も無かったか。普通ならばそう思って本来の通勤経路に戻る筈だ。

 

 だけどミドリコは正義の組織に所属する者。

 

 一瞬感じたこの不穏な気配を、逃すわけには行かないとして、辺りを警戒する。この街はヘルブラッククロスの魔の手が迫っている。もしかしたら白昼堂々に戦闘員の悪事が行われている事も否定は出来ないからだ。

 

 「・・・誰だ」

 

 曲がり角を少し先に進んで公園のすぐ近くの道、そこでミドリコは背後に誰かが付いてきている事を理解すると、脚を止めて背後の人物に声をかける。

 

 「やぁやぁ久しぶりだね?甘白さん?」

 

 不穏な空気はそのままに、公安のトップに座る女性・山吹イロがそこには居た。

 

 「こ、これは失礼いたしました!おはようございます!」

 「そんなかしこまらなくても良いよ?」

 

 イロの声はいつも通り。語尾がどうしても疑問系に聞こえるだけのいつもの喋り方なのだが、ミドリコには逆にそれが余計に何かあると感じてしまっていた。

 

 「・・・つかぬ事を聴くけど甘白さんて、悪い事、してないよね?」

 

 イロが手元の小さなポシェットに手を入れてゴソゴソと、何かを取り出している。

 

 悪い事。ヘヴンホワイティネスとして動いていつつ、公安警察としても働いているミドリコにはそんな事をしている暇はない。例えその両組織に所属していなくても、そんな事はしないが・・・。

 

 「これ?何かわかるよね?見たことも触ったことも、発行した事もあるよね?」

 

 イロが見せたソレがミドリコの視界に入る。ポシェットから出てきたソレは一枚の紙。

 

 不穏な空気がより一層強くなるのを感じた。

 

 山吹イロが持つその紙は・・・。

 

 「逮捕状・・・ですね」

 「そう、逮捕状?誰のかわかる?」

 

 イロの目つきが鋭くミドリコに向けられる。あまりにも強いその正義の審判者とも思える目線の強さに、ミドリコは瞬時に理解出来てしまう。

 

 山吹イロが持つ紙の表面、こちらには見せていないが、そこに書かれている逮捕者の名前を・・・。

 

 「おほっおほっ」

 

 「それは・・・まさか私への逮捕状ですか・・・」

 

 「おほほっおほっおほほほほ」

 

 「そうだね?なんで発行されたか・・・」

 

 「おほぅうぅうう・・・女おんなオンナオンナオンナあああああ」

 「うるさいぞ!誰だ貴様はっ!」

 

 イロとミドリコの間に入る様にして現れた鼻息の荒い男が現れ、イロとミドリコは嫌悪感を丸出しにした顔で警棒を取り出していた。

 

 その男はほぼ全裸に近い奇妙な出で立ち、濃い胸毛、ヒゲとアフロが一体化した濃い顔、黒い眼球に赤い瞳。

 

 濃い脛毛、濃い腕毛、そしてなにより目を引くのが・・・。

 

 「なんだその姿は・・・!」

 

 赤いふんどし。

 

 ヘルブラッククロスの怪人の瞳を模したマークが刺繍された赤いふんどしをつけた男が、汗をダラダラ流しながらミドリコとイロを前に、住宅街の公園に現れた。

 

 「自分でつけた名前だが名乗っておこう。我が名は超!性欲の怪人!!」

 

 まるで意味が分からない。なんなのだこの男は。しかしながら、瞳とふんどしのマーク、そして自らを怪人の呼称するこの男は・・・。

 

 「ヘルブラッククロス?」

 

 イロは不気味なこの男を前に、再び怪人の恐怖と強さを思い出す。

 

 「この国のオンナは皆美人だからな。そう言うのも頷ける」

 「な、何を言っているんだ・・・」

 「きっとその疑問もすぐに解る事になる。なぜならオンナを前にした己は・・・」

 

 そこまで喋った途端に黙りこみ、超性欲の怪人は人差し指でミドリコとイロへと向ける。

 

 それをそのまま爪を見せる様に手首をひねると、人差し指でくいくいと動かし挑発的な姿勢を見せる。まるでかかって来いと言わんばかりの態度と顔をしている。

 

 「(お前らオンナを○○してやるのサイン)」

 「何故だろうか・・・今ものすごくコイツを倒したい」

 「私も同じ事を思ったよ?」

 

 怪人という存在に対してあまり驚かないミドリコとイロを見て、超性欲の怪人が興味を示したのか、とにかく卑猥で気持ちの悪い言葉を投げかけ、二人の女性は今この怪人を撃破したいと憤りの視線を向ける。

 

 「話は後にしましょう?今はとにかく・・・」

 「コイツを倒す!」

 「オンナぁぁぁぁぁッ!来いよ!クレバーに抱いてやる!」

 

 拳銃を取り出したイロとミドリコの前に、全身を誇示するポージングを取る怪人。この朝からの怪人の登場によって、戦闘が始まろうとした瞬間、携帯の着信音が鳴る。

 

 クラシックとロックを合わせたBGMが鳴ると、超性欲の怪人はふんどしの中に手を突っ込む。

 

 まさぐるその姿勢から見える腕の濃い毛を見るだけでも、恐ろしい嫌悪感を感じる。というよりも普通に公然猥褻である。

 

 「はい、毛の怪人です」

 

 超性欲と名乗った怪人は今本当の名前を喋った。通話先の声は聞こえないが、なにやら神妙な面持ちで会話をしている。今が好機と見たミドリコが先手を与えようと接近するが、イロがミドリコの手を引っ張る。

 

 「こちらに注意が向けられていないなら、逃げるのが良いと思わない?正直怪人なんて相手にしてられないよ?」

 「そ、それもそうですが・・・」

  

 ヘルブラッククロスの事をなまじ知っていると、逃げる・・・という選択肢を出す事さえ難しくなる。

 

 そもそもここで逃げれば街の女性たちが被害を被るのだ。こんな見た目の怪人なんて視界に入るだけでも相当精神的なダメージがあることだろう。

 

 「・・・了解です。それでは」

 

 通話を終了したスマホを再び赤いふんどしにしまい込むと、超性欲の怪人はミドリコとイロに指を指す。

 

 「オンナ、運が良いな。己はこれから帰還しないといけない。もじゃもじゃにならなかった事、喜ぶと良い」

 「な、逃げるのか!」

 「そうとも言える。なぜなら己は・・・」

 

 再び黙る超性欲の怪人。

 

 右手の人差し指を、左手の人差し指と親指で作った輪っかに、交互に動かしながら出し入れしている仕草を見せる。

 

 普通ならば、【そういう事】を意味する隠語的な使い方をするモノだが、今回は意味合いが違った。

 

 「(次あったら命を奪ってやる。毛を生やして待ってろのサイン)」

 

 確実に殺意を込めたその仕草を見て、ミドリコとイロは二人して鳥肌が立つ。この怪人は絶対に、そして確実に女性の敵であると、本能がそう訴えている。

 

 「ではさらばだ・・・ヘルブラッククロスを知るオンナよ。そこの小柄なオンナはオンナだが、そこのスーツオンナは・・・まだ、女じゃないな・・・フッ」

 「よいしょ、殺そ」

 

 なんの事を言っているのか、その意味を理解したミドリコはロケットランチャーを取り出し、肩に担いで殺意を大きく出している。

 

 小馬鹿にしたモノ言いの怪人に、ミドリコは究極的な殺意を出すが、やはりイロが止めている。

 

 そんなやり取りをしている間に、毛の怪人・・・こと超性欲の怪人は、街中を闊歩して消えていく。

 

 「やめなさい?っていうかコレで逮捕しても良いぐらい?」

 「止めないでください!あいつっ!あいつっ!!」

 

 この数分後ミドリコは自分に逮捕状がかけられている事を知り、イロと共に事件に立ち向かう事になるのであった。

 

 「ふおおおお!発砲許可を!」

 「そんなモノ街中で撃たないで?それはもう破壊許可よ?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 あれから町から町へと駆け抜けたルカは、真夏の暑さを気にせずにスーツを翻している。 

 

 そろそろ中央度固化市に到着しそうだ。

 

 走る途中で見えたのは、高台の奥の綺麗な海。

 

 住宅街に挟まれた道の真ん中に、真夏太陽の輝きを乗せては弾く煌めく海面が見えている。

 

 「ここは海が見える綺麗な街なんだね」

 

 独り言を言っているわけではない。ルカが一人で口を開くのには理由がある。

 

 心の中に住まう親友の為に、言葉を出しているのだ。

 

 バトルスーツのままで、ルカは心の中に居るアキハに声を出していた。本当は心の中で会話が出来るのだが、そうするよりもお互い声を出して会話をしたいのだ。

 

 もうアキハには実体が無い幽霊みたいな存在。こうして同じ景色を見る事によって共有する事が出来ても、お互いの想いを口にしておきたい。

 

 (そうね。度固化市の別荘を思い出すわ・・・)

 

 もはや家族の下に帰れないアキハはどこか黄昏れた表情をしている。

 

 「ごめん、不謹慎だったね・・・」

 

 ルカが静かに謝る。その声がセミの鳴く声にかき消されそうな、小さい声だった。

 

 (大丈夫よ。アタシ、今とっても楽しいし。それで言いづらいんだけど・・・)

 「待って・・・」

 

 もっと会話をしていたかったのに、ルカは何度か戦った怪人の気配を察知した。アキハも少し遅れてソレを感じ、二人は周囲を強く警戒する。

 

 その気配の形・・・とまでは言わないが、とてつもなく強い、恐ろしくなるような不安と、立ち込める悪意の魂すら視認出来てしまいそうな悪の鼓動。

 

 言うなれば最強の怪人とでも言うような、本当に強い気配。

 

 怪人の反応はサン・アンフェールの超人と似ている。人とは明らかに違うが、人とほぼ同じ様に溶け込む事が出来てしまう。

 

 しかしこの反応は強いが、妙な感じだ。どこかで出会っている様な、そんな雰囲気さえ感じる。

 

 「くっふふふ」

 

 くぐもった様な笑い声。

 

 「!?」

 

 その笑い声は後ろからした。それもすぐ真後ろからだ。

 

 振り返ったルカの目の前には、男・・・それは間違いなく怪人である事が解る不思議な存在。

 

 「なっ・・・」

 

 その怪人の顔を見てルカは驚愕した。

 

 似ている・・・。

 

 かつてルカの窮地を救ってくれた、友であり、憧れであるあの男に。

 

 それと同じく、もう一人にも似ている。

 

 (あれ・・・ギンジ?じゃなくて、えーとミヤコちゃん?)

 

 アキハもその存在に首をかしげている。ミヤコというのは、かつてサン・フォースをに改造したムーン・フォースに改造返しを施して、ムーン・フォースを怪人であるギンジにも扱える様にした天才の事だ。

 

 やたらとギンジに愛情を傾けていた事は良く覚えている。それが原因でアキハにとってもルカにとっても印象深い。

 

 その怪人は確かにギンジの様な輪郭をしているのに、目元や鼻、手首や体格・・・それぞれがギンジとミヤコに似ている様にも思えた。

 

 そしてなにより髪だ。ギンジはツーブロックに金髪オールバックという近寄りがたいヘアスタイルをしている。

 

 この怪人はツヤの良い黒髪をしており、それを短く結んで上に向けている。

 

 「なんだぁ、女かよお前。変な衣装着てるから、ヘヴンホワイティネスかと思ったぜ、くっふふ」

 

 薄気味悪い笑い方は、口元はギンジに似ていて、ほかはミヤコにそっくりだ。

 

 「ヘヴンホワイティネスを知っている・・・?っという事はやっぱり・・・」

 「アァ?ああ、そうだよ俺ぁ、ヘヴンホワイティネスの・・・」

 

 ギンジにもミヤコにも似ているその怪人は、自分をこう名乗る。

 

 数多の怪人の能力を模倣しては、新たに増える怪人の能力を覚える事の出来る怪人であると。

 

 その名も・・・。

 

 「俺はヘルブラッククロスの進化の怪人だぜ!」

 

 ギンジに似ている声質は、ルカとアキハの記憶をより鮮明にしていく。これは間違いなくギンジだと、思い出させてくれる。

 

 しかし見た目はギンジではないし、ギンジはこんな薄気味悪い笑い方はしない。

 

 サイズのあっていないジャケットをまくると、進化の怪人と名乗った男はルカを目の前にして、顔を近づける。

 

 「くっふふふ、ヘヴンホワイティネスについて何か知ってそうだな。教えてくれよ」

 

 にこやかな顔をしているが、その実かなりの敵意を感じたルカとアキハは、半歩下がると月光の盾を展開する。

 

 「俺とやろうってのか?面白いな・・・女には手は出せないんだが」

 「君に教える事は何も無いな。僕達を甘くみない事だよ、怪人さん」

 

 ルカのミエミエな挑発には、進化の怪人の首元に血管が浮かび上がる。明らかな怒りを見せた事で、ルカもアキハもギンジには遠く及ばないとさえ思う。

 

 「くっふふふ・・・」

 

 安い挑発に乗ったのか、進化の怪人が炎と雷を両腕に走らせる。

 

 そして口からは触手をずるりと飛び出し、舌舐めずりでもしているのか、非常に気味が悪い。

 

 (せっかくの良い顔が台無しね)

 「それになんだか、理由は解らないけど、とても腹が立つ」

 

 ギンジに似ている顔を歪ませているこの進化の怪人が、何故だか無償に腹が立つ。

 

 「ぐちゃぐちゃにしてやろうか?アァ?」

 「女には手を出さないんじゃなかったのかな?それとも、口だけか?ヘヴンホワイティネスには遠く及ばないな・・・」

 「・・・〜〜〜ッ!!!」

 

 そこまで煽られた瞬間、口からドリルみたいな触手をルカの顔へと延して来る。

 

 それを当然として避けると、ルカが転がって避けた先に炎の塊を投げ飛ばす。

 

 「女が男を舐めてるンじゃァ無いぜ!」

 「お前こそ、僕達を甘く見るなって・・・」

 

 月光の盾で炎の塊を青空の彼方へと弾くと、今度はルカが怪人へと突撃を開始する。

 

 「言ったはずだ!」

 

 月光の盾を回転させながら、進化の怪人へと体当たりをかます。回転を急激に早める突進により、進化の怪人は突き飛ばされては、羽を展開しながら上空を舞う。

 

 勢いを殺さない様にスムーズに飛び立つと、ルカを見下ろす様にして怒り狂った顔を見せていた。

 

 「俺に一撃を当てるなんてやるじゃねぇか!殺す!絶対に!」

 「・・・その顔で、そんな事を言わないでくれないか?」

 (そうね、とてもムカつく)

 

 進化の怪人が両腕を龍の鱗が生え揃う腕へと変え、毒を展開する。

 

 右腕は龍の腕と毒の力、左腕は炎と雷の力。

 

 ルカとアキハは真上に飛ぶ進化の怪人へと、月光の輝きを増して交戦を開始した。

 

 本当はこんな事をしている場合ではないのだが、友達のためだ。ヘヴンホワイティネスの為に、そして友に合流する前にヘルブラッククロスの怪人は出来る限り倒しておく。  

  

 「知ってる事、ぜーーーーんぶ話やがれ!」

 「断る!ムーン・アサルト!」

 

 回転した盾を構え、ルカは進化の怪人と激戦を繰り広げるのであった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 8月25日・午前0時。

 

 ある場所の研究室。そこの四角く角張っている部屋には、間接照明が怪しく点灯している。

 

 ここはヘルブラッククロスの大幹部であるドクターパープルの控室。

 

 そこには四人の男女が、ドクターパープルの命令によって待機を命じられていた。角張った部屋の奥にあるベンチには、体格の良い強そうな戦闘員の姿、二人して肩を組む様にして待機する男女の戦闘員、そしてもう一人は落ち着き無くウロウロとしている。

 

 ヘルブラッククロスとは非常に大きな組織だ。今やこの日本において、日本の裏社会においてもこの組織を知らない者は居ないだろう。

 

 人を攫う事にも容赦せず、人身売買もたやすく行っているという噂もある。

 

 それどころか略奪でさえも、この組織は簡単に行っている。

 

 「なぁ、お前聞いた?」

 

 一人の戦闘員のスーツを着た男が、ベンチに座る男へと声をかけた。声音からしてまだ学生だろうか。とても若々しい声をしている。

 

 「・・・何をだ?」

 「何って、ほら、ドクターパープルが言ってた、融合兵器の事だよ」

 

 融合怪人。前任の大幹部であるドクターミヤコが開発したと言う、怪人の細胞・改を使用して、一度怪人として造り上げる工程の途中で活性化したソレを人間に投与するという、常軌を逸した研究。

 

 元々が怪人として出来あがるソレを、人間に埋め込む事で人間には猛毒の怪人の細胞を強引に適合させると言う実験らしい。

 

 改造手術、何日にも及ぶメディカルチェックを必要としない、特別な実験だと言う事を、ここに呼ばれている四人はソレだけしか知らされていない。きっとトップシークレットに近い特別な実験なのだろう。

 

 「ギャハッハ!でも夢があるよな」

 

 ここの四角い部屋には連れてこられたのは、ドクターパープルによって選ばれた戦闘員。今回の実験に呼ばれた者達の集まりだ。

 

 下卑た笑いを上げた戦闘員は、肩に女性戦闘員の腕を回している。

 

 (いーよな、こいつらは・・・オンナをこうやって垂らし込めるんだからよ)

 

 ベンチに座る男はけだるそうに、肩を組む二人を見ている。顔は見えないが、ヘルブラッククロスの仮面はどうも不気味だ。

 

 「俺も楽しみだぜ、なんせあの大幹部様の実験を目に出来るんだからな」

 

 ベンチの前でうろちょろしている男はパワードスーツの力を使って、備え付けのウォーターサーバーから水を汲み取る。

 

 「己らは、一体何を見るのだろうな」

 「ん〜あーしらは、今回具体的に何をするのかは聞かされていないしね・・・」

 

 女性戦闘員が大きな胸を揺らしながら言うと、その場で全員が黙り込む。訪れた沈黙により、ここに居る四人は少しの不安、そして今の社会に対する憤りと恨みをしっかり思い出す。

 

 再度認識されるその想いは、これからの実験に何か関係があるのだろうか。それは誰にも解らないけど、戦闘員達はドクターパープルの次の指示を待ち遠しく感じている。

 

 すると・・・。

 

 「・・・」

 

 扉が音も無く開くと、そこに現れたのはカーゴパンツと黒いタンクトップを着た、筋肉質な身体と人ならざる闘気を秘めた、ドクターパープルの側近とも言うべき怪人が、この四角い部屋へと脚を踏み入れた。

 

 「・・・来い」

 

 いよいよ大幹部からの指示が入ったのか、龍の怪人が静かに告げると戦闘員達はすぐに行動を開始する。

 

 ついていく場所は特別実験室。

 

 龍の怪人が四人を連れてくると、護衛部下であるハルネの姿もそこにはあった。

 

 「お披露目となるのはお前らが始めてだ・・・なっ」

 

 白衣を綺麗に着用するドクターハルネの後ろには、間違っても戦闘員が手を出させない様に、ハルネの防衛役としてここに立つ鋼の怪人の姿もあった。

 

 着物の上半分だけを脱ぎながら、硬く鍛え上げられたその身体はおおよそ人には到達不可能な力が秘められている。

 

 「ようこそ、ドクターパープルの直属の戦闘員達・・・貴方達には・・・ああ、いえ・・・細かい事、詳しい事はパープル氏から聴くとしましょう。こちらへどうぞ」

 

 可愛らしい声に龍の怪人が目線をハルネに向けている。

 

 戦闘員達は謎の緊張感に背筋が伸びるだけだ。明らかな強者の雰囲気を持つ怪人が二人も居れば、そうなるのも間違い無い。

 

 だって怪人は癇癪で人を殺すのだから・・・。自分達もそうされるのではないかと思えてしまう。

 

 特別実験室の扉をハルネが開き、戦闘員達が入室する。

 

 その部屋は広く様々な機材が入り、血痕や何かの生物が入ったシリンダー、とろけた顔をした女性があられも無い姿で宙吊りにされていたり、まともな人間が見たら軽く発狂は出来そうな雰囲気をしている。

 

 不気味な瞳だけの生物が戦闘員を見ると、シリンダーのガラス面に張り付き、威嚇している様に見える。

 

 部屋の中心に位置する場所にあるテーブルには、生々しい球体が4つ配置されており、この部屋の中ではより強い怪しさと、得も言われぬ不気味さを醸し出している。

 

 何かの生物の一部なのか、その球体は肉の塊が鼓動を打っている様にも見える。

 

 「よく集まってくれた」

 

 急に現れた歓迎の声に、戦闘員四人がビクリと全身を震わせる。こんな常軌を逸した部屋を作り、今や前任の大幹部であったドクターミヤコの実績を超えつつある現・大幹部。

 

 ドクターパープル。普通の戦闘員達と同じパワードスーツを紫色にカラーリングし、小さなマントを装備した大幹部。

 

 彼こそが今ここに立つ龍の怪人と、鋼の怪人を造ったヘルブラッククロス1の科学者。

 

 「己達を呼んでくださったのは・・・」

 

 一人の戦闘員が尋ねると、ドクターはテーブルに並べられた球体を間近で見させる。

 

 「君たちを呼んだのには他でもなくてね、この肉の塊、こいつをどう思う?」

 「・・・」

 

 ただの自慢の為に呼ばれたのか、真意は理解しかねるが四人は呆然とする。

 

 「この肉の塊・・・実は怪人の細胞・改を組み込んだ怪人になれるパワーアップアイテムなんだ」

 

 ハルネがわかりやすくまとめた資料を、四人の戦闘員に配る。

 

 【怪人になれるパワーアップアイテム〜コレで君の怪人に〜】

 

 1

 この怪人の球根は、貴方の身体を強化する怪人になれます。

   

 2

 どんな怪人になれるかは不明ですが、とても強い怪人になれます。

 

 3

 人間をやめる変わりに怪人になる事で、人々を支配し、力による真の自由を目指せる。

 

 4

 人間を辞める事でこの世界への自由を、本当の意味でつかみとろう!

 

 5

 大丈夫、ヘルブラの怪人だよ

 

 6

 ヘルブラッククロスと契約して、怪人になってよ

 

 7

 ヘヴンホワイティネスを殺せ

 

 8

 ヘヴンホワイティネスを殺せ

 

 9 

 ヘヴンホワイティネスを殺せ

 

 10

 ドクターミヤコに敬礼を、ドクターパープルに信頼を、

 ヘルブラッククロスに忠誠を!

 

 11

 この資料を読んでいるそこの君、もう逃げられないよ

 

 12

 これを読んでいる【そこのあなた】ももう怪人だよ

 

 【以上】

 

 内容に目を通していても良く解らない。良く解る資料とは・・・?

 

 「この怪人の球根は、人間と融合する事で怪人になれる、私の研究の成果の一つだよ」

 

 パープルは指先で肉の球体をつついていると、まるで指を飲み込もうと口を開き、粘ついた小さな触手が伸びてきている。

 

 そこから手を離し、ドクターパープルがその開いた口を戦闘員たちに見せつける。

 

 「前任であるドクターミヤコが造りあげた、怪人の特徴を飲み込んだこの球根。人間に投与できない怪人の細胞・改をそのまま適合させる事が出来るのだよ。前情報には伝えたとは思うがね」

 

 仮面を抑えながら話すドクターパープルに、戦闘員達はいまいち良く理解出来ていない状況だ。

 

 「君たちは成績も優秀だし、なによりヘルブラッククロスの怪人に匹敵する意欲を見ている。その評価として、君たちも怪人にならないか?ドクターミヤコの造った怪人の能力を引き継いだ、また新たな怪人となる、不思議で最強な生物になってみたくはないかね?」

 

 つまり彼らが呼び出されたのは、怪人になれるというチャンスの話を聴くためだった。

 

 「ギャーハッハッハッ!怪人になれるってぇ?俺達が?いいぜ、なるなる!あの無限の性欲とか欲しかったんだよ!」

 「もちろん己もほしい。今より強くなってこの社会を壊せるならば、な」

 「あーしも!ヘヴンホワイティネスって見ていてイライラすんし、殺せって命令すんなら、ぜひともやってやりたいわー」 

 「俺もだな!へっへへへ!」

 

 四人の戦闘員達はそれぞれ思惑は違えど、ヘルブラッククロスへの忠誠心は間違いなく本物である事を理解したドクターパープルは、それぞれにこの怪人の球根を手渡す。

 

 「今の君達人間は死んでしまうけど良いかね?まぁ、多少の記憶を引き継ぐぐらいだが・・・怪人として転生できる事を考えたら、命を一つ使うぐらい安いモノだろう?」

 

 冷酷、そして他人の命に興味を持たないドクターのパープルの発言によって、戦闘員達に最後の確認をするのだが、もはや誰もそんな事を気にしていない。

 

 「今日の朝から怪人になる・・・いや、怪人になった君達にはヘヴンホワイティネスへの襲撃を命じる。ああ、昼前に帰投してもらうぞ。私は昼には外に出る用事があるのでね」

 

 8月25日の昼・・・それはドクターパープルが前任のドクターミヤコとの秘密の会合があるのだが、内容だけはとりあえず隠しておく。

 

 「それでは、各自好きな球根をとりたまえ。そして、怪人になれ!」

 

 四人モノ怪人が完成する喜びを持ちながら、ドクターパープルはドクターミヤコの造った怪人の性質を取り込んだ球根と、人間と融合する事で新たに怪人としての領域を超える、ドクターパープルの研究の成果が完成した。

 

 戦闘員達は既に結合を開始しており、次々と骨格を変え、肉を引き裂き、どんどん人間としての姿形を変えて造形されていく。

 

 ある者は無い筈の機関銃が腕に生え、ある者はぶぴゅぶぴゅと艶めかしい音を鳴らしながら粘液を出し、またある者は濃い男性ホルモンを香りとして発現させながら身体を造り変えて行き、最後のある者も姿をより人間らしい形で変えて行く。

 

 「個体名、出ました」

 

 ハルネが手元のマシンを取りながら、それぞれ四名の怪人の個体名をドクターパープルに報告していく。

 

 (さて・・・偉大なるドクターミヤコの研究のひとつ・・・私で出せる成果はいかほどか)

 

 この4名を後に、怪人キラーエリートと名付ける事にしたドクターパープルは、ひとまずの実験の成功に安堵するのであった。

 

 

続く

 

 

 




お疲れ様です。毎回思うけど、物語を作るにあたっての時系列をあえてバラバラにする作成方法、他人の作品を拝読するとワクワクするのに、自分のだとなんじゃこりゃ?って毎回なりますね。毎度つたない物語ですが楽しんでくれたら幸いです。

キャラネタ書きます

熊沢レイナ
退魔警察
南度固化市に暮らす刑事
このキラーエリート編の実質的主人公

月島ルカ
ムーン・パラディース
相変わらずボーイッシュちゃん。

天体アキハ
お○スタ→の○スタのコンボを知っている人は何人ぐらいいるのか
この世界においては2022年になってもこのコンボが続いている。

藤原さん
何故か軟禁された。セクハラおじさん!

小鳥遊アキラ
冷静沈着な麗しき女性。37歳とは思えない抜群のプロポーションを誇る。
自分より圧倒的に知能も低い、力も弱い犯罪者集団にもみくちゃのねちゃねちゃのぐちゃぐちゃにされる妄想がお好み。
ちなみに独身!

銃の怪人
怪人と戦闘員の融合兵器。無事定着を果たした。
ドクターミヤコ製・剣士の怪人の性能を引き継いだ。
ラウンドシールドの防御力が活きているのか、耐久力は非常に高い。
銃の弾丸は尽きないコスモガン

超性欲の怪人
正式名称・毛の怪人
女をみつけると見境なくなる。
ドクターミヤコ製・タコの怪人の能力を引き継いでいる。
女性を侮る事が多い。ふんどしは魂なので実質ふんどしの怪人
巨根。
途中で黙るクセを身に着けた

???の怪人
ルカとぶつかった謎の怪人
進化の怪人二代目とは言うが正式名称が不明
能力としてはドクターミヤコ製
バーナーの怪人、オーク怪人、コウモリの怪人、触手の怪人
ドクターパープル製
龍の怪人、毒蛾の怪人、砂の怪人
以上7名の怪人の能力を使用可能。
とてもギンジに似た声質、ギンジ、ミヤコに似た輪郭をしている

女王ナメクジの怪人
まだ登場していない
能力は固形の粘液を無限放出する事。
その粘液は触手の怪人のTHE神経毒が入っており、男女問わず神経を狂わせる。
ドクターミヤコ製・触手の怪人、サキュバスの怪人の能力を受け継いでいる。
ちなみに怪人の名称で文字数最多。これまではサキュバスの怪人が最多だった。

・・・

次回・・・
ミヤコ救出編じゃなくてキラーエリート編にすれば良かったんじゃないかとちょっと後悔?しているアトラクション、そんな彼の所に現れる、肝臓再検査の指示書!痛風再検査の指示書、そして健康診断!
襲いかかる健康管理に彼は勝てるのか!パスタ食べすぎてまた怒られるのか!!そして楽しい物語を作つ為に勉強をしようと毎日必死になってライトノベルを読むも、普通に物語を楽しんでいるだけになってしまい・・・
ギンジ「なんでお前の話になってんだふざけるのもいい加減にしろよ」

本当の次回予告、藤原に襲いかかる怪人の襲撃、レイナとルカの合流、そしてギンジ達は魔法界へ飛び出した・・・
街に襲いかかるヘルブラッククロス、キラーエリート!
迎え撃つは退魔警察、ムーン・パラディース!
物語はまだまだ中盤戦!
次回もお楽しみに!

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