ロマサガ短編集(妄想劇場)   作:鞍馬エル

3 / 3
ロマンシング・サガではなくロマンシングサ・ガだった事を今更ながらに思い出したので昔書いていたものを投下する

多分プレイしていたプレイヤーの半分くらいがこの人に


この野郎

と思ったと個人的に思ってたり


 わたしが村長です

モンスター

 

それは暴虐の象徴であり、厄災そのものと言っても良い

一部の者たちはモンスターを倒す事も出来るだろうが、殆どの者たちからすればモンスターと出会う事はそのまま死に直結する

 

 

 

男はツヴァイクの北にある村の(おさ)であった

 

 

 

ツヴァイクとは北方地方では随一の国力を有する国家であり、現王が一代で興した新興国

 

男の治めるギトランドは西のユーステルムへ向かうツヴァイク地方の交通の要所である

 

 

だが、ツヴァイクのトップはツヴァイクを作り上げた実績があるからか自己顕示欲が強く、王都であるツヴァイクの発展にこそ熱心であるが、辺境地域についての開発などについては無関心と言っても良かった

 

ツヴァイクにおいては世界で唯一武闘会を開催しており、世界一の都市であるメッサーナ王国の首都ピドナや南方のロアーヌ公国のミュルスへの航路を持つ

現在は聖王に従ったフェルディナントの興した歴史ある国、そのロアーヌの若き指導者であるミカエル侯の妹であるモニカ姫を自身の息子の妻にするべく動いている

 

ロアーヌと友好関係を結ぶ事により、歴史の浅いツヴァイクの国威を上げようとしているらしいが

 

 

更にツヴァイクの民衆はツヴァイクこそが世界一の国家であると男からすると理解し難い考えを持っている

 

 

 

確かに北方地域においてならば、ツヴァイクは強国だろう

 

 

 

だが、ツヴァイクより東にあるポドールイ

此処はかの有名な『ヴァンパイア』が国を治めており、国力としてはともかくとして純粋な軍事力としてはツヴァイクのそれを上回るだろう

 

 

更に言うと死食により、モンスターの活動が活発になっており、ツヴァイク領内においてもその脅威は増えつつある

 

 

 

 

ギトランドは辺境の街であり、そうであるからこそ変化を嫌う風潮があった

 

村の人間は今の生活を維持する事に必死であり、少し前に村を出たポールの様な若者は多い

窮屈なのだろうし、退屈なのだろう

 

村長としては複雑であるが、それもまた仕方ない事だと半ば諦めている

 

 

 

それだけではない

 

この村の側にはモンスターの巣窟があり、度々村人が襲われていたりするのもあるのだろう

とはいえ、少し前までならば近付かねば犠牲も出なかった

 

 

 

そう、少し前までは

 

 

 

とある日の事だった

 

モンスターが村の少し離れたところで木材の伐採をしていた村人に襲いかかったとの話を男は聞いた

 

村長である男はそれこそ年単位で色々なモンスターによる被害の報告を受けてきた

だからこそ、男は感じた

 

 

 

おかしい

 

 

 

モンスター達はそれぞれ縄張りがあり、それを侵すと襲いかかってくる

 

言い方は悪いが、人間というものはモンスターからすれば食べるところが少なく、あまり嬉しくない獲物のはずだ

 

 

実際、ギトランドではモンスターに襲われかけた時は近くのモンスターの側に誘導する事で難を逃れられる事はそれなりに知られていた

 

 

それなのに、村人は襲われた

 

 

嫌な予感がした

 

 

 

 

 

 

 

男は直ぐにツヴァイクへ人を送り、その対策を求める事とした

ユーステルムからの物資はギトランドのみならず、生産力の低い寒冷地であるツヴァイクの発展に欠かせないものであるのだから

 

無駄に虚栄心の高い公はメッサーナ王国という歴史が長く、しかも軍事力においても自国を優越している所との繋がりを歓迎していないから未だにツヴァイクの外交ルートはないに等しい

 

はっきりと言えば、器が小さいのだ

 

 

メッサーナ王国と交易を大々的に行なえば、このツヴァイクももっと大きく豊かになる

 

それこそ少し頭を下げて、力を蓄えたならツヴァイクは発展できる

 

 

なのに、それをしない

いや、出来ないのがツヴァイク公という男

 

 

 

野心はある

だが、その野心の為に耐えるという事をしないのがツヴァイク公であり、ロアーヌのミカエル侯爵に接触したのも現時点ではツヴァイクの方が国力においてロアーヌに勝るからだ

 

まだ亡き父親の跡を継いだミカエル侯は実績に乏しく、感情面からもロアーヌの貴族達に認められていないからだけなのだが

 

 

国力という一点においてならば、優越するはずのポドールイに聖杯の要求をせず、武闘会で優勝した者にそれを依頼するのも、事を荒立てたくないというよりも手を出す度胸がないから

 

 

 

それでも自国領内の問題であれば、ツヴァイク公とて動いてくれる

 

男はそう考えていた

 

 

 

 

 

 

 

何故だ!何故軍を動かさぬ!!

 

 

ツヴァイクよりの返書を見た男は声を荒げた

 

 

 

支援の用なし

現状を維持せよ

 

 

つまり、ツヴァイクは兵を出さぬというのだ

 

 

 

これには勿論理由があった

 

ツヴァイクが迂闊に兵を動かせば、周辺地域に無駄な緊張状態を生みかねない

それが表向きの理由

 

実際には、ツヴァイク公はツヴァイクの西の森に住まう教授に兵器開発を依頼しており、それが軌道に乗るまでは積極的にモンスター討伐をする気はなかった

 

ツヴァイクの武闘会には態々自身の腕利きの部下を参戦させておいて、領内の問題には向き合おうとしない

男にはそう見えていた

 

 

 

だが、ツヴァイク公の考えは別にあった

 

現在ギトランドの村長を務めている男はそれこそギトランドという村ができた時からの人物であり、忌々しい事に北方工芸関連の事業にも少なからぬ影響力を持っていた

 

男からすれば、ギトランドを発展させる為に必要だったからこそ、そうしたのだがそれはツヴァイクの支配体制を盤石としたいツヴァイク公にとって非常に目障りな存在として認識されている

 

 

であればこそ、公はギトランドに兵を送るつもりは一切ない

 

報告によると、モンスターの被害を食い止めるにはギトランド単体でどうにかなるものではない

ならば、村の取れる手段は限られてくる

 

村人を犠牲にするのか、それとも

 

 

 

 

 

 

 

 

男は何度もツヴァイクに文を出した

 

流石に村長である自分がギトランドを離れる訳にはいかなかったから

 

 

 

 

そして、進退極まった村長は

 

 

 

 

 

 

 

ええ、実は私どもの村の側に凶暴なモンスターがおりまして

 

いえいえ、何の関係もないあなた方を巻き込む訳にはまいりません。私どもの中から生贄を出せば済む話ですからな

 

 

男はそう言って、冒険者の同情を誘い、その冒険者を生贄とする事にしたのだ

 

村人達も当初は顔を顰めていたが、自分達が犠牲にならない方法としてその内に受け入れる様になる

 

 

ツヴァイク公の誤算はモンスターを恐れるが余りに村長に同心する村人が多かった事だろう

 

勿論、それでも反対する村人もいた

 

 

 

彼等は生贄となる事を選んだ

いや、選ばせられたのだ

 

 

 

若い者達はそんな大人達に失望して殆どがギトランドを離れる

残ったのは、ニーナという女性だけだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしていつもの様に村長は身なりの良い女性達を生贄としようとした

 

 

 

それが男の破滅への始まりとも知らずに




リマスターでぼっこぼこに出来ると思ったのに出来なかった挙句、リユニバースで何故かキャラとして登場した事を知って唖然とした

うーん、この

 トーマとサイフリートの後日談いります?

  • いる
  • いらない
  • 滅亡ルートも忘れんでもろて
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。