【リハビリ中】僕の個性は【紳士ハンド】   作:『代行さん』

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@夏休み-11-頭のないドラゴンフライ

@夏休み

心配しなくても大丈夫

きっと良く働いてくれる

 

@7:30

夏の暑さが弱まる中

季節の変わり目を目にする

蝉の鳴き声がなくなる

そんな時に見かける昆虫の群れ

 

何気なく手を伸ばす

指先に止まった昆虫

の先に見える黄色に染まった街路樹が

ピントの合わないカメラ越しのようにぼやけている

 

携帯のメールに届いているメッセージの数々

 

「大丈夫」

始業式に向かう

少なくない期待をすでに背負っているのだから

学校へ向かう足取りが早くなる

 

@8:00

簡単な授業が入るだけで帰る日

 

@9:30

「緑谷ちょっと面貸してくんない?」

妙なのに絡まれた

【長首】【岩】

 

今までこんなことなかったのに…

しぶしぶついていくことにした

 

@9:35

「俺さ?少し前にバイトクビになったんよ」

「はぁ」

何の話かと思ったら

でも僕に何の関係が?

 

「そこの先輩と仲良くてな?分かるだろ?」

「…」

嫌な予感がする

 

「自分で"にゃんパイ"って名乗ってるんだわ」

「そうなんだ」

はい、予感的中

 

「だから…よ!」

飛んでくる裏拳

蹲踞で交わす

「なぁ?緑谷、そこ…また俺の先なんだわ」

「腰はもう大丈夫なのかな?」

そこがかなり心配になる

 

「…舐めてんのか?」

「いや、そんなんじゃないよ。ただ単純に」

「ウゼエ」

皮膚の内側から岩が生えてくるように生成される

手首から指先に進むと拳が倍以上の大きさになる

「緑谷君?謝るなら今のうちだよ」

伸びた首の先の頭が笑う

謝るも何も

 

「僕は悪くないよね」

学校の敷地に叩きつけられる拳が少しばかり土埃を上げる

叩きつけた地面に亀裂がやや入り、ゆっくりと拳を持ち上げる

 

「財布の中身置いていけよ、それで許してやる」

「体震えてんぞ」

?震えてる

まさか

 

「カーリーダメだ、やめろ」

「カーリー?まさかにゃんパイの本名か?」

「テメェ彼氏面か?」

何を言ってるのかさっぱりわからない

それに

 

「にゃんパイさんは男だよね?」

失言だった

 

「ぶっ殺す」

再度振り上げられた拳が飛んでくる

どうしようかとあたふたする

服の袖から覗く拳が親指を主軸に中指を合わせてる

【フィンガースナップ】

手のひらに掴まれている服をはためかせながら【黒キ人】が突っ込む

「あまり手荒なことは」

【長首】がよそ見をしている

投げつけた制服が顔に当たり首が短くなる

 

握っていた拳から100円硬貨を取り出すと弾く

鈍い音と共に【岩】の拳と頭が下がる

 

「それでジュースでも買って落ち着けよ」

【黒キ人】が口を開いた

しかし、僕の声じゃない

 

「首なか?お前」

「いや、俺じゃ」

【長首】の顔面、制服越しに投げつけられた岩が直撃する

 

「大石お前」

「俺じゃねぇ」

忽ち始まる仲間割れに乗じて逃げ出す

 

@9:45

「緑谷と首中、大石は何処だ?」

先公が質問してやがる

知るわけねぇデクとモブのことなんざ

「先生私たちも帰っていい?」

 

受ける先は変わらず雄英かデク

どこまでも気に食わねぇ

だがデクがいようがいまいが関係ぇねえ

俺がトップになる

 

@9:50

「…」

走りながらにやけてしまう

正直僕もにゃんパイさんを女性と勘違いしてたから

それに何故か笑っちゃう

 

確かに酷いことをしてしまった

それでも

「僕は悪くないな」

学校を背にひたすらに走る

 

何だかいけないことしてる気分だ

「早退しちゃった!」

問題なかった

 

@AnotherDay

「いててぇ」

腰を叩くにゃんパイの腰をさする【黒キ人】

「ごめんなさい」

「いんゃぁ、ありがとう」

「でもにゃんパイさんは異性ですし…」

「わしは雄よぉ?」

 

声の高さ、丸っとした体型

太いとは言えない足と腕

「すみません」

「いやいや気にしなくていいよぉ」

個性の作用を意図的に抑える物を使っているのを教えられた

「個性開発機関には頭が上がらんよぉ」

腰を叩きながら仕事に戻ろうとするのを引き止める…

 

@12:00

「ただいま」

「お帰り出久、学校どうだった」

「…楽しかったよ」

母さんにそう伝えると自室に入った

 

@夏休み編end

 

@??:??

「個性に問題はないよ」

「ありがとうデイヴ」

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