@入試前
@13:00
【蛸】と組み手をする
放った拳をいなされ巻きつかれる
腕を回され身体が、体幹が乱れる
回転に合わせ、体を空中に浮かせるように跳ぶ
片膝をついて着地をすると足払いを振る
【蛸】には当たらないものの
退かせることに成功する
空中を穿つ蹴りを掴まれる
しかしそれを軸に蹴りを放つ
横に放った薙ぎ払うような踵蹴りが
重い音を鳴らす
【蛸】こと赤井
僕はそこから地面に手をつき、倒立から反転、構えを戻すと八手さんの小さな瞳が笑う
「よし、個性使ってやってみようか」
「はい」
@14:05
【フィンガースナップ】
左右で交互に発動する
五のうち三個を瞬時に奪い床に放る
「この距離で悪くないのね」
30mの距離で発動、精度はそこそこ
【複製】体が数個消え、瞬時に補充される
複製対象が減った分、残りの複製を増やすペースが増加する
【黒キ人】みたいに連続して発動しなくちゃいけなくなる事態は避けたい…連続使用は僕には使いこなせない。
「狙う」
目をかっ開き、集中する
@14:05:003.00
複製箇所は左右と腰のポケット、ポーチに地面
そして両手のいずれか
03.13
先入観は捨てろ
両手に握ってるものが本物とは限らない
惑わされたら無駄になってしまう
03.26
偽物は引き寄せられず
疲労度だけが溜まってしまう
@14:05:03.28
【フィンガースナップ】
鳴らした指
掴まれている重量感のある物
「及第点なのさ、でも」
残った本物、腰のポーチにあった缶を投げてくる
【複製】こと、
「おめでとうなのね」
少し怪しげな表情、本人曰く笑顔らしい
いい練習相手である
「また、よろしくお願いします」
@15:00
足裏が浮く感覚を慣らすため新しい相手とやり合っているが
これがしんどい
発動まで待ってはくれない
移動の先読みを何度も受ける攻撃が来る
確かな衝撃、しかし傷はつかない
傷の回復に時間が割かれない分みっちりと
【バリア】、天霧ミツ
「初速が鈍いな」
バリアの上で浮いている僕を見下ろしながら課題を突きつけてくる
確かに足裏についた状態から可能な加速では普通に歩いた方がマシである。しかし、加速に乗れた状態なら車に近い速さが出せる利点がある
「しかも妨害されると立て直すが難しいのがみてわかる」
体が浮いている分、他の力が加わると逸れてしまう
加えて左右などの別方向、特に上下で受けた場合
回転してしまい空中で身動きが取れなくなる
実践形式は変わらず、増える課題
できた課題は継続して無意識で使えるようにする
「私の課題ができるようになったら一ついいことを教えてあげよう」
@16:00
帰路に着く間考えていた
加速の課題、立て直しの課題
いやむしろ安定性の課題か
「これもまた難しい課題が」
大型への対処
陸海空で活躍できるとなるとそれだけ対処する案件が増えるということ
必然的に全ての可能性に対処できるようにしなければ
空か…
深呼吸をする
思い出せ
人を探した時と
海の上を飛んだ時
…
何か閃きそうだけれど
いや、今日はやめておこう
身体が痛くて痛くて仕方がない
個性を使って帰りたくなる
便利に慣れるというのは恐ろしいと実感しながら帰路に着く
足が重いというより、頼りない感じを残す中
秋の黄色が風で落ちるのを観察しながら考え事をする
入試まであと3ヶ月