【リハビリ中】僕の個性は【紳士ハンド】   作:『代行さん』

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@入試-5-入試の各視点

@市街地演習場-監視区画

「年を増す毎に個性に色が見られるね」

「粒揃いでいいわね」

「各々方、各項目での得点変動をお忘れなく」

 

今回の市街地演習場を使っての入試にはいくつか禁則事項と加点事項が設けられている

まず公に話した

ヒーロー間での明らかな妨害行為

 

これは禁則事項

ヒーロー活動における最も基礎であり、重要な点

そもそも人命救助などを生業とする以上同業で争うなんて以ての外

幾ら点数を稼げていたとしても合格させるわけにはいかない

雄英とはヒーロー、その規範となるべきものを輩出する教育機関だ。

 

「今年もやらかす奴はいるだろうな」

「相澤君もそう思うかい?」

「えぇ、プレゼントマイクが上手く誘導したのに引っ掛かるやつはいるでしょうね」

 

妨害の内

マイナスと描かれた機体を破壊した者はその時点で弾く

 

このマイナス

一般社会で言う所の言わば保護対象として分類されるべき対象を指す

しかし

@市街地演習場

「何だこいつら?」

目の前に広がる光景に足を止めてしまう

 

ロボット同士での、ど突き合い

お互いの損傷が軽度な為活動に支障は見られない

それでも理解できる異常な光景

 

「焦ってる暇はねえな」

近くで聞こえる他受験者の活動音

ここまで来てやっとの獲物

 

「奪われてたまるか」

 

@市街地演習場-監視区画

 

「やっぱりね」

「やっぱりです」

マイナスは一般社会で言う所の言わば保護対象として分類されるべき対象を指す

しかし

その誰もが保護を素直に受け入れる訳ではない

これは冷静な判断力ができるかどうかの問題

そんな単純な分別だ。

「パッと見てヴィランと決めつけて倒すんじゃ受かる訳ねぇよ」

手に持っている端末で今し方「マイナス」を破壊した受験生の情報から失格を選択して画面に目を戻す。

 

「相澤君」

「何です?また失格者ですか?」

「中々面白い子たちが居るのよ」

 

@市街地演習場

「…」

何だこいつら

丸っこい機械

敵対的な反応はねぇ

広域爆破せずに一体一体確実に仕留めてたが

間違っちゃいなかったみてぇだな

 

爆豪勝己は丸っこい機械を抱き抱えると

残骸の足場から素早く立ち去った

 

@市街地演習場-監視区画

「さっきまで派手に爆発をさせていたんだけど」

ミッドナイト先輩がやけに興奮してると思ったらギャップに対しての反応だな

手持ちの端末から確認する

爆豪勝己 個性【爆破】

合格

 

これは加点事項

保護対象機体の確保及びその護送

保護対象は各ブロックに配置されている姿形不明の機体

しかし、そのどれもが無害であることが共通点となっている

逃げ遅れたと言う設定で配置されている

もしもこれを破壊した場合、失格となる

「素行は荒いがまともな奴がいて助かるな」

 

「んで、もう一人は?」

「人っていうか…ね」

「?」

 

@市街地演習場

【黒キ人】は次々とロボットを行動不能にする

関節稼働部に粘性の高い物質を流し込み動きを止めていく

ヒューズがトび目のライトが輝きを無くす

 

@07:02.00

【】on

[対象選別、共有を求む]

[1P動きは素早くトカゲと呼称]

[2P高所からの打ち下ろしキリンと呼称]

[3P固定砲台カメと呼称]

 

[-Pコチラへの敵対は行わない妨害と呼称]

[?Pの友好機体…暫定として人と呼称]

07:01.73

[提案、ポイントの獲得]

[提案、人の保護]

[検討、状況下に於ける選択肢を狭める必要性なしと断定]

[リソースの確認]

[複製体可能→実行]

[ポイント獲得、保護対象の安全確保]

 

07:01.46

[現段階で確認されていない6体目]

[警戒されたし]

[状況開始]

 

@3分経過

「これで4P」

突っ込んできた1Pをやっとの思いで4体破壊した

そんな所で息が上がる

 

対人であったなら問題はないが

「これはキツい」

 

これは機械、弱点も人のそれとは違う

「にしてもこのロボット」

口が悪い…

殺すとか使うなよ

 

「それにしても凄いな」

メガネの少年は足にエンジンが付いているようで機動力、破壊力が高い

すれ違い様に聞こえた独り言で35Pだとか

 

〔見つけた、ぶっ殺す〕

また来た!

 

1Pの単純な突進

晒し剥がれ落ちているコンクリート、ないしロボットの破片を手に取り弾き出す。

1Pの関節に挟まると鈍い音をたて目に見えて固まる

無理やりにでも動こうとし軋み、砕ける1P

【フィンガースナップ】で落ちた破片を回収し弾き出す

ぶつかり合いにより剥がれ落ちる装甲

やがて弾きにより動力部が剥き出しになったのを確認すると

【フィンガースナップ】の同時発動で引きちぎる

 

目の光を失ったを確認すると汗を拭う

「これでやっと5P」

頭痛が発生してきたのを実感するとため息をつく

正直辛い

 

「あと6分」

 

聞こえてきたプレゼントマイクの声

寝っ転がっていた体制から体を起こす

「まだ諦めない」

頬を2度打つと自分を鼓舞し、走り出す

まだ6分もある

 

@市街地演習場-監視区画

「いち早く会場に入って行動してる子」

先輩の見ている画面を見ると

一対の黒い腕が機械と短い交戦をした後

無力化しているのを確認する

 

「誰の個性だかわかりますか?」

「情報共有するわ」

端末の電子音が鳴る

 

緑谷出久 個性【複製器官】

仮想ヴィランを無力化するのに破壊以外の行動をとったものは珍しい

無意識的にやっていたとしてもだ

 

だが

ややポイントの変動に目を向ける

2点の仮想ヴィランのみを狙っている

獲物の取捨選択…あまり好意的には見られな…

 

+1?

電子音と共に奇数へと数値が変動する

「オッタート、俺のモニターんとこに緑谷出久の映像回してくれ」

画面に映し出される黒い腕と別の映像

 

自立式の複製器官?

索敵範囲を広げるための別行動…

*ただ単に逸れただけ

 

「私はこの子を合格にしてもいいと思うんだけど」

 

主審とは別枠の人影にミッドナイトが声を掛ける

「いや、まだ分からないよ」

 

YARUKI switchと書かれたボタンの前にある椅子に腰掛ける二足歩行のネズミが静止する

「今回設けられた一次試験の即合格要項には要保護対象の保護のみ、それ以外はポイント性による合格だけだよ」

口に近づけていたカップをソーサーへと戻すと

 

「市政の平和平和を守る為の基礎能力、それが今回ポイントとして現れた訳だけど」

限られた時間で

現状を把握する情報力

現場への急行機動力

場面における様々を判断力

そして純然たる戦闘力

 

誤操作を防ぐカバーが持ち上げられスイッチが押される

「真価が問われるのは」

 

 

 

ここからさ

目の前にした脅威に人間の行動は正直になる

 

@市街地演習場

地響きがなる

運悪く地震がきたのかと辺りを確認する

個性による一人を狙ったものでないのは確か…

 

「なん…だ?あれ」

所狭しと大暴れしているギミックとは言ったけど

手頃な建物の上に移動すると巨大な機械を目視で確認する

大通りの先、建物が密集しており見通しが悪い所に目的が居た

 

デカすぎない?

近くの建物、四階建てを遥かに上回る巨体

その巨体から繰り出された拳が建物を含めた前方を薙ぎ払った

建物が粉々に道の舗装が剥がれ散る

 

圧倒的な不利

…どうしたものかとブツブツ考えそうになった辺りで違和感を覚えた

何で攻撃をしたのか

 

現在立っている建物から走り始め

飛び降りると同時に飛行形態へと移行する

「攻撃されてる人がいる!」

走りと自由落下の影響もあり

 

「残り4分!

 

「間に合ってくれ!」

空気を押し退ける

 

@市街地演習場-別視点

「へた…こいた」

全身の倦怠感と激痛で身体がゆうこと効かん…

「でも」

 

胸に抱えた小型のロボットが無事なのを確認する

 

いじめの渦中にいた機械

周りの機械を片付け震える小型の機械

それが逃げようとしたところ

地響きが起こり、とっさ抱えた瞬間に暗転した

 

「地震が起こったんかな?」

突貫的に建てられた建物の内装に助けられた

コンクリートに謎の白い…

「骨?」

鉄骨の代わりに組み込まれた骨が上手く重なって助かったぽい…

 

「痛ツ」

右腕が痛い

ロボットを支えた左腕が無事なのが救いやな

痛む右腕で骨コンクリートに触れると慎重に浮かせる

 

「重」

吐き気を催し口の中が酸っぱくなる

頬が熱を持ち、喉が狭まる

仰向けになってる状態から横に顔を傾け

口の内容物を地面に吐く

 

地震はおさまっていない

ここで助けを待つか…15P以上は稼いだから大丈夫だとは思う

でも

 

腕の中で震える機械を暗闇で見る

歯を食いしばると身体を持ち上げる

瓦礫がズレると砂が隙間から溢れてくる

 

しばらくして光が見えてきた

「やった外や…」

外に出て初めて見た光景は

 

絶望だった

遥かに、見上げる程高いロボット

それが今、まさに拳を持ち上げているのを間近で確認する

死ぬ…

 

胸に抱いていたロボットを抱え込む

「せめてこの子だけでも」

 

次の瞬間

爆発音?破裂音?に似た音と共に

突風が全てを攫っていく

「何?ミサイル?」

 

巨大なロボットがカメラを真横から殴られたようによろめくと建物に寄りかかる

 

@市街地演習場

「間に合え!」

加速に次ぐ加速

亜音速を超え音速へと至った瞬間

何かを突き抜け急な加速を始める

 

「!?」

突然目の前に迫ったロボット真正面から衝突する

不思議と痛みはなかった

鐘をドついたような轟音が辺りに響く

 

「?、!」

ロボットの足元

ロボットを抱えている女生徒を見つける

額から流れる血と汚れた胸元

怪我ないしは不調による物と見て取れる

 

巨大ロボットはその体勢を立て直し始める

「マズイ」

飛行形態を一時的に解除し再度移行する

自由落下の加速が移動力へと変換され再び加速を強化する

 

「後3分!」

 

その勢いのまま女生徒を抱える

右を膝下、左を肩に支える

体の震えを腕に感じながら飛び続ける

 

「あ、ありがとう」

「どういたし…ッ」

 

突風によりバランスを崩してしまう

 

しまった3点での支えができてない!

女生徒を助ける際咄嗟に支えを一つ失っていたことを思い出す

 

@02:48.08

突風の正体は巨大な機械による打ち下ろし…

拳を繰り出す時の異常な速さは耐久任せの自由落下

再装填には時間が掛かる

 

@02:47.88

女生徒を連れて逃げるのは難しい

2点での不安定さは事故につながる

ヴィランの打破は現実的じゃない

 

@02:46.68

試験だから大丈夫だよな…

いや、あの質量だぞ?

直撃しなくとも衝撃が

 

振り上げられ始める拳

 

@02:46.48

まずいマズいまずい

やるしかないか?

頭痛は…

 

「覚悟の上だ!」

逃走の選択肢を捨て両腕を振り上げると腕が溶け始める

溶けると言うより

液体を勢いよく放出し始める

 

粘性の高い黒い液体が手のひらを伝い、膝を通過すると薄水色のジャージを無視し、地面へと流れ、染みを広げる

叫ぶ僕と同時にヴィランの振り下ろしが準備された

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