@数刻前の雄英
「オールマイトの授業はどんな感じですか?」
藪から棒に質問が飛んでくる
カメラを急に回された上に怪しい
取り囲もうとする報道陣に向けて質問を返す
「許可は取ってるんですか?」
不思議に思ったことを伝えると口籠り
草むらへと帰っていった
何なんだよ
「あれ?君は海岸の」
マジかよ!
「僕授業があるのでこれで!」
@数刻前の雄英-報道陣
「ネタの宝庫なのに口が固い」
目の前にネタが転がっているのに手をこまねいているしかない歯痒さが苛立ちに変わる
オールマイトが雄英の教師になっていることが世間に公表されると
全国を驚かせると共に各種メディアの報道陣が押し寄せる騒ぎとなった
「今日は諦めるか…」
その中の一人である報道陣の女性は諦めようか迷っていた
相澤先生が一同に向かって非番であることを告げたのを聞いたのは何人だろうか
そのうちの一人がこの女性である
カメラマンに指示を出し帰る準備をする
非番でない日を聞けばよかったと後悔をする
「おい邪魔だ」
「ちょっと通らせてもらうよお嬢さん」
帰る最中に人とすれ違う
姿を見せた三名は
一人は痩せ型猫背、髪は色が抜けたボロボロの身なり
もう一組は
紳士の出立ち髭を生やし杖を鳴らす
御付きのものは一段と背が低い
鞄を背に持ち後をついていく様子
「俺らの傘下には入らないのは気に入らない」
「これは利害の一致であるだけだ、君との協力関係は一時的なものに過ぎない」
聞こえてきた会話の節々に不穏な空気を感じ取る
「ジェントル雄英のセキュリティを解析できたわ、センサーはいじれないけどカメラなら何とかなるわ」
「わかった、ラブラバカメラを」
「分かったわジェントル」
ジェントル…もう一人の女性の声に報道陣の女性はハッとする
ジェントルクリミナル…何とついているのか
「ジェントルクリミナル!お話をお聞かせ願えますか?」
「すまないジャーナリストの君、商売敵に話すことはない」
「せめて一言」
「お姉さん、じゃあ一言」
突如として崩壊する正面玄関の防壁
痩せ型猫背の男性が触れた直後に見えた
明らかに閉じたわけではない開け放たれた防壁
それをお構いなしに入っていく報道陣、同僚達
至る所に配置されているセンサーが反応し、アラームが鳴る
ただその真実を撮っていた二つのカメラは
宣戦布告の言葉を記録していた
@雄英
「ただのマスコミにこんなことができる?」
唆したものがいる
「邪な者が入り込んだかもしくは宣戦布告の腹積りか」
「あの…」
「君は?」
「NHNのものです」
持って来られた映像記録
この映像記録により敵の全貌、宣戦布告が明らかとなる
遠くない日に何か行動を起こすかもしれない
@???
「行ってきたよ先生」
痩せ型猫背の男性が報道記事を読んでニヤつく
「適当な個性持っていけば殺せる」
「楽しみだな」
平和の象徴がヴィランに殺されるのが
奇しくも思い知らされる
プロが何と戦っているのか
ヴィラン襲撃まで後1日
@大食堂から『1-A』
それにしてもどうやって入ったんだろうか…
「私は構いませんが麗日さん貴方はいいのですか?」
教壇に立つ八百万さんが尋ねる
「ごめんね百ちゃん、今回の一件で飯田君が適任と思ったんよ」
「何でもいいから早く進めろ時間が勿体無い」
寝袋に入り、液体栄養食を摂取する相澤先生が威圧をする
学校生活が楽しくて仕方ない
一抹の不安も消し飛ぶ昼下がり
学級委員長 八百万百
副委員長 飯田天哉/麗日お茶子
になった
@ 人工移動島 I・アイランド
「お父様…それは本当何ですか?」
「…すまないトシ、バレてしまった」
「仕方ないよ…メリッサ、これは紛れもない事実だ」
不穏な空気が漂う
信じられるだろうか?
痩せ細り頬骨が皮膚を張らせ、昆虫種の足先を感じさせる細腕
猫背になり浮き出た肋骨、目は窪んでいる
この方が
「マイトおじ様なんですね…」
「そうだ」
お父様の研究室で3人
無言の時間がただただ流れていく
誰も知らないのではなく
ほとんどが知らされていないオールマイトの弱体化
平和の象徴は今や活動限界をその身に受けている
24時間のうち
活躍できるのはおおよそ3時間
笑顔の裏に秘密を着込む
その秘密を知る者のうちの一人が
オールマイトの友人、デヴィット・シールド
その愛娘、メリッサ・シールドであった。
「この際メリッサにも全部話してしまってもいいんじゃないか、トシ」
「しかし、無関係な君の子を危険に晒す様なことは」
「マイトおじ様私も立派にサポーターです。助けになれます」
夏休みまで後4ヶ月