【リハビリ中】僕の個性は【紳士ハンド】   作:『代行さん』

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@ヒーロー基礎学-3-反省会

@一試合目終了

「講評の時間だ。勝ったにせよ、負けたにせよ振り返ってこそ経験ってのは活きるんだ」

初戦を終え、帰ってきた一陣はモニタールームの出入り口に立たされる

オールマイトは激励と共に総括を始める

 

「今戦のベストは」

 

「峰田実少年だ!」

間髪入れない発表

 

「え?オイラ?」

MVPに選ばれたことに驚くと同時に

素っ頓狂な声を上げる

 

「勝った轟ちゃんや障子ちゃんじゃないの?」

「何故なのか、分かる人は挙手」

 

「はいはいオールマイト先生!」

「切島鋭児郎君」

質問に対して颯爽と手を挙げたのは切島君だった

「それは峰田が漢としてガッツを見せたからだな、最後まで諦めずに突っ込んだのは漢だぜ」

「うんうん、そうだな。諦めず立ち向かうのはいいことだ。他はあるかな?」

 

「はいはい、オールマイト先生」

「麗日女子」

「個性を使った行動と判断だと思います」

「うむ、その通りだ。他には…」

 

「はい、先生」

「八百万女子」

 

この中でベストを決めるのはとても難しいことだと思います

その上で峰田さんがよく動かれていたから

 

作戦行動中における戦闘不能は論外ですが

その行動の合理性には納得のいく轟さん

屋内で熱を使わなかったこと、氷による捕縛を目的とした判断

対人において足止め役を買って出た行動

お見事でした

 

障子さんは爆弾の警護及びその運搬、そして偵察

もっと話し合っていれば作戦が練れていたかもしれないこと

「ヴィランと言えど味方を置いていく様な行動を一度とったのは頂けません」

「指摘感謝する」

 

緑谷さんはこれと言った非順応性はなく、ヒーローに徹しておられました。ですがそれまでだったのが峰田さんとの違いになります。

戦闘並びに作戦行動でも他を優先し、後手に回り過ぎていた様に見られます。

「手厳しいな」

「当然です」

 

「爆弾の位置を確認しようと瞬時に行動した且つ、爆弾の移動にも対応され、確保一歩手前まで進みました。訓練という状況下でなければ時間制限なしに確保できた可能性が非常に高いと判断します」

全部言われてしまった…

「まぁ正解だよ…クゥ」

 

「当然です、常に下学上達、一意専心に励まねばトップヒーローになんてなれません」

飯田君と似た真面目さを感じる

 

@訓練が過ぎ

「お疲れさん真摯に取り組み、怪我や事故もなく終えられた、初めての訓練にしちゃ上出来だったぜ?みんな着替えて教室に戻る様に」

砂埃を残して姿を消していったオールマイト

「なんか急いでるな、オールマイト…かっけぇ」

「危機感知センサーが反応したのかも…さすがオールマイト」

「君たち、早急に教室に戻るぞ!」

 

オールマイトのいなくなった跡を眺めながら呟く僕と峰田君

残された言葉を忠実に守ろうとする飯田君

 

こうして1回目のヒーロー基礎学は幕を閉じた

驚くほど呆気なく

「相澤先生の後でこんな真っ当な授業されると拍子抜けっつうか」

「この自由さもまた雄英の売りなのか…」

「僕の活躍見た?」

それぞれが今回の授業における話をしながら戻るなか

 

「あ!しまった」

僕は一つうっかりをしてしまったことに気がつく

「ごめん忘れ物しちゃった」

「うっかりだな緑谷」

上機嫌な峰田君

みんなとは逆方向に向かう

 

着いた先は轟君と接近戦をした所

「居た居た」

そこでこちらに向かってくる黒い物体

やや大きめなダンゴムシを形造った【黒キ人】を回収する

以前部屋に大量のネズミが現れたのがトラウマになり使ったら迎えにいくことを徹底している

 

「このくらい小さかったら何ともないんだけど」

床を覆いつくさんばかりの数が一度に来られるとそれはもう恐怖以外の何者でもなかった

 

「にしてもこの建造物は…一体?」

砕けたコンクリートの中には白いものが埋め込まれている

光沢に白…これは

 

「骨?」

明らかに体組織の骨に似たそれらを観察する

すると

 

コンクリートが脈動し、コンクリートの亀裂を修復する

「この建物全部が…生き物ってことなの…か?」

目の前で起きた出来事

【個性】であるならどんな個性だろうか…

一度見て

 

前を見ることなく走り出した僕に何かがぶつかる

不意の衝突に尻餅をつく

 

この辺りには誰もいないはずだけれど

【黒キ人】にでもぶつかったのだろうか?

 

「ごめんニュートラ…ル?」

違った

 

@グラウンドβ

「ごめんニュートラ…ル?」

ぶつかったそれは【黒キ人】ではなかった

痩せ細り頬骨が皮膚に張り付き、やせ細った腕

窪んだ目には陰が掛かり奥の瞳を怪しく光らせる

金髪に二つの触覚…

 

「オール…マイト?」

「何を言ってるんだね君は…ゴフ」

「わぁ!!?」

いきなりの吐血、転んだ拍子に口の中を切ってしまったのか!?

 

「ごめんなさい、急いでリカバリーガールの所に」

「あぁ…いや、私は大丈夫だよ、問題ない」

力なく片膝をつき、体を持ち上げようとする

脇腹を抑えているが…呼吸器に持病でもあるのだろうか?

 

「ですが僕がぶつかったのは紛れもない事実です」

放っておけない彼を持ち上げる

異常なほどまでに重い、この細い中にどれだけの質量が詰まっているのか

それだけで彼が何かしらの【個性】を持っているのを証明する

増強型と見て間違いなさそうである

 

「いやいいよ、一人で歩けるから」

「そうは言ってもふらふらじゃないですか」

「これは…その…」

「それとも」

一つ不思議に思うことがあった

何故雄英に通行許可IDを持っていない人間がいるのか

以前の報道陣などでも不思議に思ったこと

 

「貴方は不審者かも知れないから流さないためにも」

「それには及ばないよ」

抱き抱えられている彼が落ち着いた口調で断りを入れる

聞いていると不思議と落ち着く声色…

 

「私も一応ここの職員だからさ…そこまで言うならリカバリーガールのところにでも連れて行ってくれ」

「そうさせて貰います」

観念したのか身を任せてくる彼を医務室へと運ぶ

程なくして僕の腕で眠りに着く彼

 

日頃から誰かを気にかけているのかかなりの爆睡っぷりに頬が緩む

「侵入者だったらここまでリラックスはできないか…」

杞憂だったことに安堵すると足取りは軽くなった

【リンクスタイル】でゆっくりと運ぶ

 

@医務室

「いらっしゃ…い」

「お邪魔します」

ノックの後に部屋へと入る

腕の中で爆睡する彼を見てリカバリーガールは

 

「そこのベッドに寝かせてやんな」

「はい」

小さくベッドの方を指差し、机に向き直る

 

マットレスが敷かれ、毛布、布団、枕を【黒キ人】が準備したのを確認するとゆっくりと下ろした瞬間

ぱちっと目を開く彼

「!!?ここは…」

 

いきなり上体を持ち上げる彼

あまりの出来事にびっくりする

しかし、声がデカいな

「ここは医務室だよ!八木先生」

「oh…マジで運んできたのか…」

 

八木先生は頭を抱えると向き直る

「ありがとう緑谷少年」

「いえ、僕の名前…」

〔ギクッ〕

 

「いや、私も教師だからね学校の生徒の名前くらいは覚えているとも」

「…そうですよね」

その後、挨拶をして教室へと帰る

…八木先生はどの科目の先生だろうか?

何となくオールマイトに風体が似ている先生

僕は忘れることなく学校生活を送るだろう

 

@医務室-別視点

「申し訳ない…リカバリーガール」

「全く、生徒の腕の中でスヤスヤ寝るとはね」

持ち上げられた瞬間の無重力、無抵抗

あれほどリラックスできたのはいつぶりだろうか…

 

「して、リカバリーガール私がここに来ているのは…」

「はいはい、分かってますよ。ナチュラルボーンヒーロー様」

やれやれ、と言った口調であしらわれる

このご婦人は本当に…

 

「トップであぐらをかいていたいってわけじゃないだろうがさ…そんなに大事かね平和の象徴」

「いなくなれば、超人社会は悪に勾引かされます」

ため息の止まらないリカバリーガール

 

「力の件は解決したのかい?」

「それは…ですが【個性】の件に関しては内密に」

この姿を知っている人物が一人増えてしまった?

いや、どうにも気付かれてはいないみたいだ

 

この姿【トゥルーフォーム】を知っているのは

教職員達には周知の事実

【個性】に関しては

リカバリーガール、校長に

親しき友人だけである

 

「これ以上は巻き込まない」

今戦のベストは?(2022/09/04まで)

  • 轟焦凍 個性【半冷半燃】
  • 障子目蔵 個性【複製腕】
  • 緑谷出久 個性【複製器官】
  • 峰田実 個性【モギモギ】
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