@『騎馬戦』
騎馬戦の始まりから問題発生
「峰田君しっかり!」
血まみれの峰田君と僕は
BチームとAチームそれぞれに囲まれている
幸い轟君と爆豪君は来てないみたいだけど
「デク君危ない」
よそ見をする余裕のない波状攻撃
棘のついたツタによる拘束が終始とんでくる
それを避けても
『逃げんな』「逃げんな」
何処からともなく飛んでくる針ふき出しが地面に突き刺さり
着地地点には固まりやすい液体がまかれる
「峰田チーム防戦一方!やり返さねえとジリ貧だぞ!」
プレゼントマイクが煽りを効かせるがそうも簡単にいかない
【黒キ人】はマニュアル操作のみ使っている現在では注意が散漫になり対応能力を損ねる危険性しかない
ここで回避を棄てるのは得策じゃない
「一千万貰うよ!」
そして一番厄介なのが
「何やってんだよ!葉隠さん!!」
峰田君の流血原因の葉隠チーム
彼女が認識できているのは鉢巻だけが浮いているから
端的に言うと鉢巻以外何もつけていない
そのことに気づいた峰田君は
鼻血を出しぶっ倒れた
「はっはっはっ、緑谷くん!いただくよ!」
騎馬を組んでる
口田君
砂藤君
耳郎さんの
表情から分かる
完全に何もつけてない
不可視の掴みが
峰田くんの鉢巻を奪おうとする
予想以上に厄介過ぎる
「なるほど、光学迷彩!!!なんて素敵なんでしょう」
感心してる場合ではない
回避に専念し続けるものの
鉢巻狙いが次々接近してくる
せめて、峰田君も参加してくれるなら
最低限増やした一組の手ではジリ貧だ
「貰った!」
「!?」
B組の二人組が人混みから飛び出してきた
反応しきれないほどの接近…
考えるよりも先に手が出た
飛び込んできた獣の顎を下から持ち上げ
そのまま鉢巻を奪いとり様に
「宍グエッ」「ヴァ?!」
仰向けに突き刺す
何とかポイントを死守する
「宍田!?」
「鱗飛!大丈夫か!」
Bチームの猛攻が止む
「ナイスデク君」
後方で牽制を続ける麗日さん
「注目度が鰻登りですね!」
相変わらずの発目さん
「残り時間まだ13分ある!諦めんなよ卵ども!」
「まだまだ行くよ」
「1千万!!」
アナウンスにより未だ残り時間があることを知らされる
「濃ゆい2分間だな」
未だ数の利で劣っている現状は続く
電報掲示板には何も映し出されていないが
明らかに変動した筈のポイントを見て
プレゼントマイクが驚きを声に出す
「!?」
予想だにしていなかった内容に驚きながら攻撃を捌く
「…っ」
「デク君?」
…
「何でもないよ麗日さん」
走りながら考える
ここまで個性、体力があるのに
B組のポイントを順位に当てはめた時
もっと上位を取れる違和感を感じた
「…組同士での対立を避けるため?」
実際A対Bの構図になりつつある騎馬戦
いっそ清々しいな
「さぁまだ3分だ、各所で鉢巻奪い合い!一千万狙わず2〜4位帯を狙うのも手だぞってこりゃ聞いてないな」
「どさくさに紛れてよ!」
「峰田君起きたんだ」
「もんじまっても文句は言わねえよな!」
「だめだよ」
峰田くんに背負って貰っていたスラスターのスイッチが
入り機動力が上がる
【もぎもぎ】による妨害で数の利をなかったものにする
「離れて戦え!壁になって邪魔だ」
「ちょっ!誰私に触ったの」
「何だこのブヨブヨ」
近接を仕掛けてきていた面々の鉢巻を奪い峰田君にかける
「よりどりみどりだぜ!」
この際鉢巻死守に勤めてくれるんだったら何でもいいや
「残り半分だ!」
このまま逃げ切れば…
「み、み、み、緑谷!!!」
峰田くんの動揺に周囲を確認す…る!?
「調子乗ってんじゃねえぞクソが」
「爆豪君!」
@『騎馬戦』-別視点
「何やってるのよ出久、そんな奴ら早く蹴散らしなさいよ!」
「頑張れ出久お兄ちゃん」
「活真と真幌が応援してるのは誰かな?」
島乃一家宅では雄英体育祭を見ている
頭に巻いていた包帯はすっかりとれて元気な島乃父
怪我による後遺症もなく家族団欒をしている
シージャック以降デスクワークに変わったおかげで
家族の時間が増え、必然的に会話が増える
「お父さん!出久ったらだらしないのよ!」
「でも…上手に逃げてるよ」
「逃げるだけじゃ意味ないでしょ!」
子供達の知っている子がテレビに出ているようで
応援の熱量が上がる
「その出久って人は誰かな?」
「ちょっと待ってね…一位だから…今映った人よ」
「どれどれ?」
テレビに映し出されたのは
額から血を流している癖毛の子
「〜ん?何で血が出てるのかな?」
「上の子が鼻から血を出しちゃって…」
「あぁ、それで」
中々バイオレンスな子を応援していると一瞬勘違いし不安になってしまった島乃父
「それにしても…」
そんな父がふと疑問に感じたのが
「真幌…この子は手袋でもつけてるのかい?」
「?違うわ、黒いのは元々」
「そうなのか?活真」
「うん、いつも黒いよ、日焼けとかでもなさそう」
この時、島乃父は何を思ったか
「…活真、真幌、生で見に行きたくないか?」
「いいの!?」
「本当!」
雄英体育祭へと向かう