【リハビリ中】僕の個性は【紳士ハンド】   作:『代行さん』

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@雄英体育祭-11-『ガチ勝負』:2回戦目

@【複製器官】vs【創造】2-1

「ック!」

ムチウデが盾で弾かれる

 

金属音が反響する中

2回戦目の対戦相手である八百万さんと対決する

 

【創造】の限界を知りたい所であるが

中々それらしい武器が出てこない辺り

「それほど万能じゃ!」

「きゃっ!」

 

「ないのかな?」

盾で塞がった視線

その隙に死角へと入り込み

盾を上空へと蹴り飛ばす

「まだまだですわ!」

 

しかし、瞬間的に盾が再形成され

盾による吹き飛ばしを喰らう

力のある攻撃に少しよろけるが

力及ばずな威力

 

「ニュートラルさんは使わないのかしら?」

降ろされた盾から片目を閉じた八百万さんの顔が視認できる

「頼り切らないように立ち回りたいんだ」

 

「…侮られてる訳ではないのですね」

安堵のような笑みを浮かべる八百万さん

 

「…その余裕を」

 

おもむろに盾を放り出すとジャージを開け放つ

ズボンを破り捨てる八百万さん

「…」

 

この『ガチ勝負』の勝敗には

戦闘不能と降参宣言、そして場外がある

 

【創造】では

どれでも満たすことができる

危険すぎる場合

天霧さんか相澤先生に制圧される

 

観客席から口笛が聞こえるが

ごく少数である

混じりっけ少なき

『ガチ勝負』その空気が重く会場を埋める

 

間もなく出現した道具は

「…これは」

 

下まで脱いだ八百万さんが

顕現させ身につけたのは

真っ黒なコスチューム

体を覆う様な姿、体のラインが隠れる重装甲

鎧に似たフォームでずんぐりとした見た目の装い

 

…両腕の感覚を確認するように

左右それぞれを握る動作をする

金属質な音…

 

「あの方の真似をしてみました」

くぐもった声が聞こえたと同時に

黒い影が懐に現れる

 

顎への強烈な一撃を

拳で相殺し、空中に少しの間投げ出される

障子君に勝るとも劣らない一撃

 

「おい、イレイザーお前のクラスバケモン多くないか?」

半ば引き気味に感想を述べる山田先生

 

 

 

その間にも加速からの攻撃に翻弄される

土煙と残像、音で辛うじて確認できる軌跡

強い…

 

一撃一撃に骨を軋ませる威力

加えて

その衝撃をものともしないパワードスーツ

そして機動力、反則じゃないか?

 

「これなら!」

振り上げられた足に見惚れる

じゃない!

 

「!?」

咄嗟の回避行動は撃ち込まれた拳の余波により

はまった足が邪魔をする

 

「【一撃(インパクト)】!」

シャウトからの一撃

振り下ろされた足が交差させた腕をひしゃげさせ

頭皮に触れそうになるが

 

「何て耐久力…」

「つぁ…」

腕の変形が半分で止まり事なきを得る

しかし、これを何度も受けては身が持たない

 

「凄いねそれ」

瓦礫と化した足場から素早く足を引き抜き退く

腕を再生させながら八百万さんのそれについて驚きを口にする

 

「物質の顕現だけでなく構造体を理解することで機械も作り出せるようになりましたの」

見慣れた所作で胸に手を運び、お淑やかに礼を込めて体を少し沈める

 

「後で聞かせて欲しいな…」

「存分に!」

踏み込みからの肘が突き放たれたのを相殺する

左の肘で合わせ、肩甲骨から右腕へと衝撃が流れる

 

腕から液状の物質を流す

「甘いですわ!」

足を踏み込んだ衝撃で液体が吹き飛ぶ

 

「はぁあぁ!」

踏み込みからの正拳突き

 

しかし、その威力は先程より劣っている

…なるほど

 

「その【創造】活動限界があるみたいだね」

「バレてしまいましたか…」

軽く殴り飛ばされたものの威力の低下

正拳突きを放った腕の装甲が崩れ落ちる

 

それに伴い顔の装甲がヒビ割れる

「私の【個性】には脂質が必要となりますの」

 

身体を覆っていた装甲にもヒビが生じ始める

「この【装い】は強力ですがこれを運用するためのエネルギーもまた脂質を必要とします」

 

パラパラと剥がれ落ちる装甲

黒い液体で視線を遮る

 

下着姿にフォームダウンした八百万さんにジャージを掛ける

「良きアイデアと思いましたが稼働時間がネックですわね…」

反省を述べるのはいいけれど

「あの、【創造】で…」

「申し訳ありませんが運んでくださりませんか?」

「はい?」

 

「おい、緑谷?」

プレゼントマイクが困惑を露わにする

 

「ミッドナイト先生私の負けですわ」

「降参により、緑谷君3回戦進出」

肩と膝裏を抱えて舞台を降りる

会場からのブーイングを背にしながら医務室に向かう

 

この後、『取っ替え引っ替えヒーロー』

『R18ヒーロー』『舐めプヒーロー』

『ラッキースケベられヒーロー』

などと呼ばれるハメになる

 

@2-1

「あの【構造模倣】はですね、集中力と脂質、個性因子の酷使により一時的ですが個性が言うことを聞いてくれなくなりますの」

腕の中で解説をしてくれる八百万さん

 

「なるほど…飯田君のそれから着想を受けた感じかな?」

「ええ、本来の使い方の延長線上ですわ」

ふふんと得意げに自慢する八百万さん

 

「展開速度が問題だね」

「そうですわね」

 

「部位毎に作り出すのは?」

「それはできませんでした…いえ、できたんですがまともに動くことができませんでした」

廊下に反響する足音と話し声

今日はよくデジャブを受ける日だ…

 

「全身で衝撃を分散する構造のため、そのままですと四肢が衝撃に耐えられませんの」

「だから、一気に纏うしかないってことか」

「ですわ」

視線を落としていたが

不意に目に入った身体をまじまじと見てしまう

 

「あの緑谷さん?」

「体の酷使で僕がとやかく言えないけど」

体の軽さ…余力の使用によるものであるなら

本当に危ないと言うこと、【治癒】ができない体はそれだけで致命傷の危険性が跳ね上がる…リカバリーガールからの忠告が頭をよぎる

 

「あまり無理をしないようにね」

「ええ」

赤面した八百万さんが僕から視線を逸らす

 

「熱でもあるんじゃないか…」

「いえ、その…もう歩けるようになりましたので降ろしていただけると」

「大丈夫?」

「え、えぇ」

廊下に足を下ろした八百万さんがジャージを【創造】で装着する

 

「再使用まで15分位だね」

「そうなんですの?」

ジャージのジッパーを持ち上げる八百万さん

埃を払う仕草で上着を整えると

医務室の扉に触れる

 

「緑谷さん」

「ん?」

振り返りスタジアムに戻ろうとした僕を呼び止める八百万さんそれに応えるように視線を移すと

 

「次は負けませんわ」

「待ってるよ」

軽く手を振り合うとそれぞれの目的地へと向かう

 

扉は音を2回立てていた

 

@2-2

常闇君の復帰見込みなしにより棄権扱い

轟君が3回戦へと向かう

 

@【無重力】vs【帯電】2-3

広域ブッパによる短期決戦を狙った上鳴くんだったけれど

「130万ボルト!!」

 

麗日さんが懐から取り出した謎の布により

封殺される

 

130万ボルトによる余波で上鳴君がウェイ状態になった瞬間

麗日さんの謎の布により包まれ、行動不能となった

「瞬殺!あえてもう一度言おう瞬殺!!」

プレゼントマイクが嬉しそうに実況する

 

「あの布は八百万の【創造】でできてるやつだな『騎馬戦』の残りだろう」相澤先生の解説により謎の布の出所が判明する

 

それでも未だに姿を見せない麗日さんの真の武器

懐に忍ばせているそれはいつ使うのだろうか

 

@【ズーム】vs【エンジン】2-4

…これは

何というか

 

勝ったのは飯田君なんだけど…

その試合内容が試合というよりCM?売り込み?

取り敢えず飯田君は弄ばれていた

多種多様な発明品に関する解説

 

終始その発明品の一つ

『オートバランサー』により場外になることもできず

 

『油圧式アタッチメントバー』により

発目さんを捉えることもできない

 

それらの解説は時間にして10分間程

ジャックされた放送機器によりプレゼントマイクは

解説の管理を一時的に奪われていた

 

そして

「もう思い残すことはありません…余すことなく伝えることができましたので」

「発目さん!場外!」

発目さんはとても良い笑顔で外枠の階段を降りる

ミッドナイト先生が敗北宣言を告げるが

 

「騙したなぁぁぁ」

不憫にも利用された飯田君が叫ぶ

 

「すみません貴方を利用させて貰いました」

「嫌いだぁぁぁ君!!」

これは酷い

 

「次はいよいよ佳境だ!出場プレイヤーは準備をしやがれ!」

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