【リハビリ中】僕の個性は【紳士ハンド】   作:『代行さん』

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@雄英体育祭-12-『ガチ勝負』:3回戦目

@【複製器官】vs【ビースト】3-1

「第三試合!」

会場の空気を一心に浴びながら今日何度目かの登壇

足裏に伝わってくる硬いコンクリートの反発

四角に設けられた炎

その内の二つが視界端で揺らめく

 

登りきったコンクリート段の先に宍田君はいた

持ち込みなし、生身一つでの参加

両手の握り拳に視線を流すが別段問題は確認されない

 

「…」

「緑谷氏、先の騎馬戦では天晴れですぞ」

「ありがとう宍田くん」

「ですが…」

宍田君が両腕をつく

 

プレゼントマイクのアナウンスにより試合開始が宣言される

会場の歓声が激しさを増す

叩きつけられる声の数々の中

 

「今回はそうはいきませぬぞ」

宍田君の見た目が瞬きの間に

野性味を帯びた巨体へと変化を遂げる

背丈はそのままに筋肉の肥大と捉えれる変化に警戒する

 

警戒の直後

繰り出された巨体からの突進

両腕で咄嗟に庇おうとした瞬間に

身を翻す

 

質量と速度を乗せた突進は突風を伴い通り過ぎる

障子君と八百万さんとの戦いで気付かされたこと

 

騎馬戦では麗日さん達がいたから問題なかったものの

現在の筋力量並びに質量は明らかに宍田君のそれに劣っている

危うく吹き飛ばされる所だった

 

少なくとも耐えれたとしても折れる

「まだまだですぞ!」

会場は闘牛を思わせる歓声で沸き起こる

突進と回避での舞踊

 

「甘いですな」

突進と見せかけてのその場での旋回

防御の上から地面に叩きつけられる

 

吹き飛ばされた緑谷出久の腕から

液体が四方八方に撒き散らされる

 

宍田獣郎太の無尽蔵と感じるほどのスタミナ

そこから繰り出される突進が幾回か続くなか

側から見れば疲労による回避の遅れに捉えられる

 

ゆっくりと起き上がる緑谷出久

ここで一戦を退くのか

 

「このまま」

宍田獣郎太の三度(みたび)の突進は

 

「機動力とか」

足元に散らばった液体により阻まれ、体勢を液体へと進み込ませる

 

「なんと!?」

「大規模な技しか!」

滑り散らかした宍田獣郎太

 

「見せてなかったからね」

【引き寄せ】

周囲に拡散していた液体は【黒き人】

同様の性質を有する

宍田獣太郎の触れた身体から

安定感と質量が掻き消える

 

「!?」

踏み止まろうと奮闘する宍田獣郎太だったが

為す術なき状況に

追い討ちとばかりに蹴り飛ばされた

 

加速に次ぐ加速により

場外へと弾き飛ばされる

「宍田君場外」

 

@【半冷半燃】vs【洗脳】3-2

ここで事件が起こった

「いよいよ折り返し地点だ」

 

日の傾きがやや激しくなる頃

スタジアムに設けられたライトスタンドに光が入る

周囲の闇を掻き消すような光

照らされている人間の影が不自然な形になるなか

 

二人が対峙している

轟君と心操 人使

 

プレゼントマイクにより試合の開始が告げられた

「…」

 

轟君の無言の広域凍結

地面から無数に伸びる氷柱がいたずらに影を伴い

心操 人使を襲うが…

 

心操 人使に氷が当たることは

「轟君!場外」

なかった

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