【リハビリ中】僕の個性は【紳士ハンド】   作:『代行さん』

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@雄英体育祭-13-『ガチバトル』:?回戦目

@3-2

「悪りぃが即決めるぞ」

「だろうな、ヒーロー科A組にして推薦入試合格者様だ」

 

「A組のプライドって奴か?」

「…」

 

「…」

「勝てるわけがない、さすが」

 

「あのエンデヴァーの息子だ」

「!!ッ」

 

「親父じゃねえ!!!」

 

 

 

@【無重力】vs【変身】3-3の裏

「焦凍!」

スタジアムの外

荒れている現場に鉢合わせる

 

「何だ?笑いにきたのか?貴様」

「…」

 

No.2ヒーロー

それがDVなんて

メディアがなんて言うか…

「轟君と話がしたくて」

「後にしろ」

 

冷たくあしらう様はテレビで取り上げられる硬派な

No.2

「話がしたいです」

「後にしろと…」

 

またあの感覚が僕を包み込む

甘い誘惑、微睡と惰眠、酔いしれる程の

 

「ッ!!」

気づいた瞬間に抑え込む

肩甲骨から何かが飛び出そうな感覚と

痺れた脊椎の反発

 

片足が勝手に前に出そうになるのを押しとどめる

両腕を組み潰す

 

「帰ってから続きだ焦凍」

エンデヴァーが譲ってくれたおかげで事なきを得る

心臓の鼓動が落ち着き行く頃

 

「轟君」

僕は轟君に声を掛ける

何て続ければいいのか…

 

「ヒーローとして…」

顔を伏せ

こちらを向かない轟焦凍

その口からゆっくりと言葉が紡がれる

 

「破竹の勢いで名を馳せた故か

それだけに生ける伝説オールマイトが目障りで

仕方なかった」

 

 

 

相づちを入れながら話を聞く

「自分ではオールマイトを超えられねぇ親父は次の策に出た…個性婚って知ってるか?」

頷き返す

 

「全時代的発想…俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで己の欲求を満たそうってこった!!鬱陶しい屑の道具にはならねぇ、記憶の中の母親はいつも泣いている…」

振り返った轟君が左の顔半分を覆う

 

「俺の左側が憎いと母は俺に煮湯を浴びせた」

無言で聴き続ける姿勢だったが

 

「お前に突っかかったのは親父を見返す為だ、お前の個性がなくとも1番になれると…奴を否定するために…」

少し苛立ちを覚えた…

 

「俺は…」

「轟君…」

轟の口が止まる

 

「何だよそれ…」

「だから親父を」

「違うそこじゃない」

言葉の節々に入る

周囲への無関心と見下し、まるで

 

 

目指す先は父親を否定することだけ

その時でさえ轟君は

 

「僕達も道具…なのかよ」

「!?」

周囲の温度が少し上がる

無意識に左側が熱を帯びている

 

「お昼にNo.2と話をしたよ、廊下で偶然会ってね」

「…」

「オールマイトに対して真正面から宣戦布告していた、越えてみせるって」

 

「何がいいてぇ」

「左使えよ」

 

「舐めてんのかよ」

「違…ッ!」

僕は殴りかかる

轟君はその拳をかわす

 

「緑y…!」

かわした直後に併せて【複製器官】の拳が鼻頭を捕える

軽い音と共に顔の向きが変わる

 

「やり返してこいよ」

今まで抑えていた感覚がぶり返す

劣等…個性への僻み

無個性故の迫害それに似た

 

怒り

 

「…悪かったな変な話聞かせて」

「どこ見てんだよ」

確実に高まった空気の圧に気圧される

 

再び迫る拳をいなすが反対側を受け入れてしまう

「個性ってのは遺伝するさ、大なり小なり親から子へ」

その遺伝すら受けられずにいた僕を否定するそぶりに何処か感情的になる

 

「全力だったか?個性を最大限生かしたか?」

散々やってきたことの否定が突然来たことにより歯止めが効かない

無駄なんてない…

「これ以上は!」

 

 

 

「こいよ!!!」

緑谷出久が走り出す

轟焦凍もまた攻撃に対して構え、備えるが

浮いた足の加速は動体視力をわずかばかりに上回った

予測していた動きと重ならず行動が遅れ

スタジアムの歓声が外まで聞こえる中

 

轟の懐に生々しい一撃が入る

腹部に入った速度+質量の一発で吹き飛ばされる

 

間髪入れない追撃を腰に構える緑谷を

地面から伸びた氷柱が阻止する

 

「空中でも自由自在かよ」

「触れなくても使えるのか…」

お互いの苛立ちが混ざり合う

 

親父から受けた教育の数々

それらが母親の負担になっていた

母からの拒絶は父のせいである

 

 

 

振りかぶった腕を

空気と共に轟に目がけ投擲する

空気が裂け、氷柱が砕け散る

 

それていた何かが肩を掠める

手の投擲、手首から切り離されたそれは

指のストッパーが掛かるわけもなく

腕の速さそのまま

手へと伝染し投擲とは比較にならない速度を生む

 

着いた足をそのままに轟の氷の床が進行方向へと拡大する

 

投擲により、根本の氷を幾たびに重ねて破壊するが

拡大は止まることなく進む

 

一瞬の隙をつき

緑谷の腕を掴むと凍結により腕を封じるが

残った腕でお構いましに殴り飛ばされる

 

「動いたら…砕け!?」

緑谷はあろうことか

掴まれていた腕の肘から先を引きちぎっていた

 

更には

ひじ先からなくなっていたはずの腕の部位は瞬きの後には完治していた

 

「ありかよ」

「…」

驚く轟は面妖な加速と共に投げ飛ばされる

首を両足で掴まれ

通り抜け座間に地面を背にした体勢で空中に投げ捨てられる

 

伸ばしされた片腕で足首を確実に絡め取られた瞬間に地面に顔面を叩きつけられる

「震えてるよ…轟君」

「お前…だって、なんだその表情(カオ)

体温低下による体の震え

個性の多岐使用による頭痛

 

個性も身体機能の一つ

使い続ければその部位は悲鳴をあげる

筋肉の酷使が限度を越えれば筋繊維が切れる

呼吸の限界が来れば動き続けることができない

気道に穴が開くこともある

 

無尽蔵に続くことはない

「その震え左で解決できるよね」

霜の降りている右

頑なに使わない左

 

立ち上がり座間に

「峰田君と戦った時使ってたよね、どうしてだい?」

組み合った両の手

ぶつけ合った額の感覚が痺れて溶ける

「使ってねえ」

「そうかよ!」

 

再びの頭突きで鼻頭を潰す

離れた両の手の、手首を掴みそのまま拘束する

肩から生えた腕の猛撃になす術なく耐える

 

「みんな本気でやってる、出せる全力を持って目標に近づくために」

1番になるために

 

「半分の力で勝つ?僕は」

【引き寄せ】から胸ぐらを掴む

「君に傷ひとつつけられちゃいない」

はっとする轟を突き飛ばし、距離を取る

「全力で来い!」

 

霜のかかった半身を掴む

身体が熱を発している

…そう言えば初の対面でもこんな体たらくだった

「お前の目標(なりたいもの)はなんだ!」

 

「親父を…」

「僕を、僕達を見ろ轟焦凍!!!」

必死の懇願

報われない、救われない傀儡

これほどまでに救わなければいけない者が諦めかけている

回りくどくちゃいけない

無意識的に出た言葉の直後

 

辺りを焔が包み夜を染める

表情が緩み、口角が吊り上がる

 

@■■■■

いつのひかの思い出

本当に大事なのはそのつながりではなくて

自分の血肉、自分であると言う認識を持つこと

そう言う意味もあって私はこう言うのさ

 

私が来たってね

 

抱えられ

インタビューの内容を耳にする

 

〔ヒーローにはなりたいんでしょう?

 いいのよ、お前は血に囚われることなんかない

 なりたい自分に〕

 

なっていいんだよ

 

 

 

@ガチバトル:場外戦

轟々と燃え盛り、夜を、空を穿つ

「俺を見ろ緑谷!!!」

「あぁ!見てるよ!!」

纏った【黒き人】と【半冷半燃】

「そこで何やって…」

 

駆けつけたヒーロー

その仲裁を言い切る前に口を閉ざす

 

熱を上げる一方

対峙する一方

カゲリを見せていた空に浮き上がった陽の如く

それに朧げだった影が鮮明に浮かび上がる

 

陽を喰らうように黒き獣が先に仕掛ける

趾行の発達した巨人

体毛に身を包んでいるであろうその身姿と眼光が

太陽の光でかき消されており、輪郭だけがそれがいたことを証明する

 

太陽は向かってくる黒き獣を燃やし尽くさんばかりに熱を上げ続けるが周囲の被害が出ていない

不思議なばかりか焦げすら太陽があったことを知らずに出てこない

氷は溶けることを忘れて、太陽を直視する

 

無意識的に轟焦凍は個性を自在に操っていた

高温なのに零度

零度なのに高温

その矛盾を他者に押し付け

だれが身はそれを無視する

 

()と見ている化け物に対してのみこの矛盾が適応され、その他一切にこの矛盾は適応されない

 

その覚醒状態が決着と同時に崩れた瞬間

〔建物を揺らす爆発音〕を残し夜が戻る

それと共に轟焦凍は気を失った

 

謎のヴィランが校内に侵入となり

連日を賑わせることとなった結果

4回戦以降を別日に行うこととなった

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