@夏休み
「これも失敗か」
@6:00
かなりの倦怠感
頭を柵で固定されたような
動かすことを諦めたくなる
ニュートラルが水を運んでくる
「ありがとう」
名刺に書いてあった日付にはまだ時間がある
「休む気にはなれないな」
雲が掛かる朝の暗い空
レンガの音が耳に当たる
海岸に着いたが上の空
少しだけ海を眺めよう
@7:00
雨がポツポツと降り始めてきた
傘はない、持ってきてない
膝を抱えて砂を眺める
足裏に感じる
粒の感触に少しばかり安堵する
「僕はちゃんといるんだな」
雨の勢いが少し増す
先ほどから雨粒が当たらないことに気がつく
…?
「あの、濡れちゃいますよ?」
大きい人だ、2メートルは優に超える女性が後ろに立っていた
ん?というか
「あり…がとうございます。い、いつからいたんですか?」
「小雨になりかけた時に少しだけ」
「けっ、結構前からいたんですね」
「声を掛け辛くて」
テレテレと俯く女性
女の人と初めて話してしまった
「ぼ、僕は大丈夫ですよ」
というよりスカートが適切な長さなのにも関わらず見えそうでかなり申し訳ない。
@9:00
屋根のある場所で会話を続ける
無個性であるが両親の父側に容姿が似ていること
身長が高いことがコンプレックスであること
「よくヴィランが出たってからかわれたり」
「それは酷いですね」
雨が弱まるまでの間を雑談で潰す
@11:00
小雨になったのを見て
女性にお礼を言う
屋根を出たときに声をかけられた
「いつもここの掃除をしてくれてますよね」
掃除の時はいつも人がいないのは確認している
この女性がいたともあれば気づかないわけがないが…
「どこかで…」
屋根の下にはもう居なかった。
@13:00
掃除を始める
何となくだけれど
動きたい
動く手足は確実にゴミを片付けていった
@14:00
ニュートラルは袋を広げゴミ拾う
曇り空は続いているが気にはならなかった
@16:00
今日は早めに切り上げマニュアルの調子を確認する。
両腕を前に出し、確認する
「太くなってるよな」
腕全体が太くなり肩に掛かる部分が本物の腕のように吸い付いている
脈拍は感じないが感覚だけが返ってくる
「個性強化…」
両腕眺めながら名刺を思い出し決意を改める
@18:00
お風呂から上がって食事をする
〔次のニュースです〕
テレビの奥から出たニュースに箸を落としてしまう。
ニュートラルが拾い上げると箸置きにそっと置く
「い、い、出久…」
「オールマイトが…」
ニュースで取り上げられていた内容は
No.1ヒーローオールマイトが日本に来ているというモノだった。
お忍び?バカンス?
目的、目標不明ながらテレビに張り付く
〔雄英への出入りが確認され、事実確認を行なっています〕
@26:00
その日は目が閉じられなかった。