【リハビリ中】僕の個性は【紳士ハンド】   作:『代行さん』

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@名前なき復讐者【その6】

@魔獣の森から…

 ではなく

 キッチン

 

 

 

@マタタビ荘の台所から

 現在僕はジャガイモの皮むきをしてる

 包丁の持ち手付近の出っ張りを使って芽を取り

 手のひらに収まるくらいの大きさに切る

 

 リズム良くまな板を鳴らしながら

 鼻歌もあわせて奏でる

 

 なんでこうなっているのか

 話は数分巻き戻る

 

 

 

@林間合宿先-マタタビ荘

 プッシーキャッツが所有する監視小屋兼

 別荘である

 

 別荘は魔獣の森と呼ばれる森林地帯を抜け

 山奥に設けられている

 

 開けた空間、木が生えていない土地もあり

 数十名を入れることが可能だとか

 

 魔獣の森を抜けた僕らは

 マタタビ荘にあっさり到着した

 

 掴んでいた土を観察したが何の変哲もない

 木の根が混じった唯の土だった

 

「ねこねこねこ…

 私の土魔獣がこうもあっさり攻略されちゃうとは」

 声のする方を振り返る

 

 ピクシーボブが下を向き震えている

 声から察するに

 怒ったり悲しんでる様子ではない、むしろ

 

「いいよ、君ら…特にそこの7人

 躊躇の無さは何処由来なのかしらん?」

 麗日さん、芦戸さん、峰田君

 八百万さん、轟君、かっちゃん

 僕に視線を送ってくる

 

「三年後が楽しみ」

 そこにいたA組全員が身構える…

 ピクシーボブが怪しげな表情を浮かべ

 微笑んでいる

 

 背筋を上ってくる寒気

 これがプロの威圧感…

「マンダレイあの人あんなでしたっけ」

「彼女焦ってるの適齢期的なアレで」

 

「…気になっていたんですが」

 車の中にある気配に視線を移す

 背丈からして子供…個性は発動系かな?

 不貞腐れた様子で車に乗っている

 

「あの子はどなたのお子さんですか?」

 車を指差し誰にいうでもなく口にする

 

「あの子は私の従甥だよ」

 マンダレイが答え

 手招きをするが車から出てくる気配はない

 

「ヒーローになりたい連中とはつるむ気はねぇよ」

 窓越しのくぐもった声から

 嫌悪感たっぷりの台詞を吐かれる

 

「洸汰!!」

「気にしないでください」

 

「思ったより早く着いたので予定を前倒す

 バスから荷物を運んで昼食の準備、終わり次第

 訓練を始める」

「「「はい」」」

 相澤先生からの指示に挨拶をした後は

 昼食の準備に移った

 

@昼食を終え移動中

「なぁ大浴場見たか?

 プッシーキャッツって凄いんだな」

「女子の部屋は広いとこなんだってな」

「訓練何するんだろう」

 各々が昼食を食べ

 部屋の整頓を終え、日がやや傾いた頃

 訓練の為に玄関へと一斉に向かう

 

@マタタビ荘のグラウンド

「体育祭、職場体験を経て確かに君らは成長している」

 相澤先生がかっちゃんにボールを投げ渡す

 それを片手で掴む

 

「取り敢えず投げてみろ」

「おう」

「いったれ爆豪!」

 肩を二、三度回しボールを構えたかっちゃん

 

「くたばれ」

 構えたボールを投げる

 体力測定同様の手法、投げに合わせた爆発

 違いといえば

 

遅延発破(カタパルト)

 爆発の後に2度目の爆発が確認された

 ニトロとは違う…何か

 

「あれ?思ったより」

 思案を他所にA組一同がどよめく

 体力測定時の数値より高値を出してはいるが

 伸びはイマイチに感じられたようである

 

「爆豪はもうやってるっぽいな

 改めてここ数ヶ月で君らは成長している」

 

 だがそれはあくまで精神面や技術面

 体力的な成長がメインで

「個性そのものは見た通りで

 そこまで成長していない」

 

 いつも通りの

 不敵な笑みを僕らに向けた相澤先生が

 目を見開く

「今日から君らの個性を伸ばす

 死ぬほどキツイがくれぐれも死なない様に」

 

@林間合宿が本格的に動き出した

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