【リハビリ中】僕の個性は【紳士ハンド】   作:『代行さん』

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@夏休み-8-病みつきヴィジランテ

@夏休み

絵本の主人公を指差し

次に自分が指を指される

 

@7:00

鏡の前に立つ

劇的な変化ではないものの

体全体の筋肉量が増えているのを実感する

 

握る拳が一層固く

踏み込んだ下半身の安定具合

 

腹筋は薄らと浮かび上がり

胸筋は厚くなっていた

 

肩から指先にかけての筋肉の形は円錐形に

黒い腕は確実に筋肉の膨らみが出ていた

 

@7:10

ニュートラルは相変わらず自立能力を上げていた

料理を手伝い、洗濯物を干し、荷物の整理整…と…ん

ん?〜?

 

@8:00

走って海岸へと向かう

白い雲が青に留まり

太陽で熱を帯びる

 

気分が上がり、一層速く走り出す

煉瓦の道がリズミカルになる

 

@8:30

「最後になるかな…」

四つのタイヤから始まった挑戦は今や最後の一つになった

ニュートラルは静かに見守るように浮いていた

 

「よっこいしょ」

ビニールをかぶせた面に体を密着させ、手元に引き寄せる

次は縦にすると穴から手を突っ込んで力を加えて肩へと運ぶ

 

「ふぅ、ふぅ〜」

呼吸を一定のリズムで続け、足裏を砂まみれにする

階段に差し掛かると一歩一歩確実に踏み出す

 

上体は辛くても立て

全身で負荷を分散する

 

@8:40

最後のタイヤをトラックの横に置くと手を叩く

「これで…最後」

 

降りてきた階段を駆け上がる

 

 

 

一面に広がる凸凹した砂浜

しかし、ゴミの一つも落ちていない

 

広がる海は地平線まで伸びているのを確認できる

森に目をやるが粗大ゴミの類、空き缶、ペットボトルすらも見当たらない。

 

瞬きをすると

瞼の裏にはあの海岸が思い起こされる

 

感嘆の吐息

呆けた面で登りきった朝日を眺めていた。

 

@10:00

気がつくとかなり立っていた気もする

「お、おはようございます」

謎の既視感に襲われる

「おはわう…おはようございます」

背の高い女性と目が合う

 

「えっと…いつからそこに?」

「…ついさっきです」

顔の染まり具合から日に照らされていたのが容易に想像ができる

足裏に手を当てると目線を合わせる

 

「ー」

「えっと」

 

「ー」

「タイヤを…」

え?何それ恥ずかしい

 

急に聞かなければよかったとあるところから観察されていたことを理解すると二人して俯いた。

 

@10:30

「はい、ありがとうございます」

市役所に電話をかけ回収して貰えるように報告する。

 

「お疲れ様でした」

携帯電話を折りたたむと懐に入れる

 

「いきましょうか」

「はい」

 

@11:00

「女性をエスコートするとは緑谷さん…なかなかですね」

「いえ、そんなんではないですから」

「そ、そうです」

「(赤い風船が二つ)」

個性開発機関、その一画に食に関する説明があった。

熱気、冷気、創造、筋力、集中力、皮膚硬化、複製器官etc

それらには栄養素を吸収し、活用するものがあるという

 

であるなら

それらを理解し、効率よく摂取することができれば

そんな検証のために設置されたのが食基盤科である

創立10周年とあって一般カスタムがなされていた

 

一般人の食事を開拓した知識で豊かにしてみようというらしい。

簡単に述べると、毎食これが食べれたら嬉しいと言ったモノだった。

 

@12:00

「ご馳走様でした」

「美味しかったです」

 

食科を後にする

美味しい一方で限界まで食べなければならないとあって時間がかかった。苦にはならなかった。レパートリーが尋常じゃない領域だった。

クックヒーロー:ランチラッシュと同期のラクロッシュ大佐が考えている。

 

@12:30

「私はこれで」

「あの…」

 

@12:40

電話帳を眺めて呆然とする

いや、おかしいか…

家族以外のアドレスが書き込まれているのに顔が熱を帯びる

「いや、いや、いや」

ただただ

顔を仰ぎながら誰に言うかわからない言い訳を必死に説いていた。

 

@13:00

放心状態

〔ペチペチ〕と両頬を軽く叩かれ元に戻る…

〔ズガァン〕

爆発音に砂と硝子、煉瓦の道、波が激しく揺れる

 

@13:10

沖合で海賊旗が確認された

携帯に鳴り響くアラート音

国際指名手配犯ともあり、海岸から離れるように位置情報システムから来ていた。

 

ヒーロー到着予定時刻

13:50:00

「嘘だろ…」

 

海上とあって手が出せるヒーローがいない

あれ?…

「オールマイト?」

 

最近の仕事を確認する

都市部での活動が10分前

「オールマイトが居るのに」

 

いや、違う

何がしたい?

僕がどうしたい?

 

15歳の個性使用による罰則

ヒーロー免許を持たない人間、ヴィラン

市役所…尚更ダメ

バレたら不味い

 

でも

 

助けたい

 

@13:11

「…」

時間が経つのが遅い

明らかに遅い

 

〔ツンツン〕

こんな時にブッ

 

顔に粘性の高い何かをぶつけられた

「こんまとてぃに(こんなときに)」

 

引き剥がそうとするが一層食い込み吸い付く

「個性の暴走!?」

 

?声がよく通る

息苦しさ、暑苦しさがない

 

視界が広がりすぎて逆に目を回す

360°を見る

気持ち悪い

 

「どうしろって」

【黒キ人】が鏡を作り出す

顔が黒く丸みを帯びている

 

「…そういうこと?」

親指を立てるとニュートラルが太ももに手を当て腕を肩甲骨辺りに這わせる。

 

@13:11

『謎のヴィランが出現』

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