俺もだ
「...あと、もうちょい...」
マンションの最上階、我らがチームRASのリーダー、チュチュが保有する一フロア。
一部屋を使い、俺はその部屋で籠って作業していた。
「うぁ...いったん休憩...」
新楽曲のリリックビデオの制作、及びその仮組的なもの。
最終的にチュチュがすべてを作ることにはなるが、俺はその下書き的な部分をやっているという訳だ。
作業量は大体1分半×5、そこまで多いわけではない。
ただ、ブルーライトに痛めつけられた俺の目が、『apocalypse』のリリックビデオを作り終えたあたりで救援要請をあげた。
何とかして『TWIN TALE』のプロジェクトを開き、半分まで進めたはいいが、目がしゅぱしゅぱしはじめて休むべきだと判断した。
椅子の背もたれに体重をかけ休憩していると、ドアをノックされる。
「...開いてるよー?」
『失礼します、カバーさん』
入ってきたのはパレオ。
RASのキーボード兼チュチュのお世話係だ。
「どうしたパレオ?」
「進捗度合いの確認と軽食をお持ちしました。チュチュ様が確認してこいとのことだったので」
「自分で来いって言っといてくれない?チュチュの曲は終わった。パレオのやつが今半分」
「イエス、パレオ!...ところでカバーさん、寝てますか?」
「いきなり?寝てるよ」
布団では寝てないけど。
「椅子で目を閉じるのは寝るとは言いませんよ?」
「...バレてるし」
「カバーさんの目の下、隈がくっきり出てます。椅子ですら寝てないのでは?」
「...一昨日は寝た」
言い訳にならない言い訳をしながら、パレオが持ってきてくれたクッキーをつまむ。
「...うま」
「わぁ、よかったです!マッスーさんに教えてもらった甲斐がありました!...ではなくですね」
「...寝るにしても、これ終わらせないと」
モニターを指さして、少し笑ってみる。
「カバーさん、チュチュ様にはパレオから言っておきますので、今日は寝てください」
「いや、でも」
「コンディションが悪い状態で作ってもいいものは生まれません!良いからベッドにゴーです!」
「わかった、わかったから...」
中学3年生とは思えない気迫に圧され、椅子から降りてベッドに身を沈める。
「いいですか?今日は絶対作業しちゃダメですからね?」
「分かった、しない...しないから」
「ならよしです。では、パレオはチュチュ様に報告してきます!」
「はー...い」
ベッド、というか柔らかいものに身を沈めたと判断した俺の意識は程なく落ちていった。
起きたらTWIN TALE、もうちょい凝って作ってあげようと思いながら寝た。
バイト中に思いついた一品です
カバーさん過労で倒れてそう()