「ふむ、悪魔になるのはお断りさせてもらおうかな…悪しきモノに進んで成るつもりはないよ……」
「そう……」
他の部員とやらがこの部室?に訪れる前に部長と名乗るリアス嬢に、悪魔に成らないかと勧誘されたが…お断りさせてもらった。
悪魔になりたくないし何よりその、イービルピース?の効果が私に通用するとは思えないし…そゆこと。
「まぁ、ここに居るってのは了承させてもらうよ……」
「本当!?」
本当も何も…妹を監視しないといけない訳だし。
……苦肉の策ってやつ?
「ただし、条件がある……」
「何かしら?」
妹がこれを必要としていないのは、エネルギーの貯蓄やら最大量が私よりも多いからだろう。
つまり、彼女も力を暴走させるようなことがあったら、一気にガス欠…私と同じような生活をしなければならなくなる。
とりあえず今は私の問題だ。
「このソファーの所有権利を私に貰えないだろうか?」
「それ…は……?」
何を困惑してるんだ?
「それと私がこのソファーで寝ているときは邪魔をしないこと…それと付け加えられるなら、何か移動したり行動を起こす場合は私に一声かけて欲しい……」
「……そ、それだけなのかしら?」
「それだけって…私にとって死活問題なのだが?」
ソファーに腰掛け、古文の教科書とやらをペラペラッと眺める。
ふむ、春暁…春眠暁を覚えず…ねぇ?
春は寝心地がよくて日が昇った事になかなか気がつかないものだ…へぇ、中々に良い事を考えるじゃない…まぁ、春に限った話じゃないけどさ。
「それくらいなら別に構わないけど…じゃあ、宜しくね?」
手を差し出された。
困った…相手は私の事を人間ないし何か事情のある人外種族だと思っているらしいし、硬い木の腕ってのは…どう言い訳したものか。
木でできた種族なんてあったかなぁ。
「あ、あぁ…宜しく……」
応じない訳にもいかないしなぁ。
「……?」
早速不信に思ってる…あっと?
こ、これだっっ!
「あぁ、失敬…生憎両腕共に義手でね……」
現代社会よ、助かったぞ。
「そ、そうなの?気を使わせてしまってごめんなさい……」
嘘…か。
善行だなんだの言っている私が堂々と悪行働いてるってのは…どうも……。
だが本当の事を言うのも、不味いからな。
「気にするな、お互い様だ……」
「お互い様?」
「ま、それはともかく…そろそろここに部員とやらが来るぞ……」
「え、あ…しまった朱乃待たせてるんだった……」
忙しそうですねぇ……。
私はちょっと寝ましょうか…まだ寝たりない気がするもんで。
とりあえずこのソファーの所有権は私の物になった訳だし、もう体の上に正座されるなんて事はないだろう。
座られるとか、正座は別に体の素材から椅子的なノリで特に構わないのだが、希に何かしらの菓子片がポロッと落ちてくるのが…ちょっとなぁ。
「……で、何故こうなっているのか?」
起きたら“また”正座されていた…しかも羊羮喰ってる。
これなら落ちないだろうが、なぁ……
「ご、ごめんなさい…ちゃんと言ったのだけれど……」
何やらリアス嬢が必死に謝ってきているが…今回は邪魔にはなってない……か?
「邪魔にはなってないから良いが…これ、誰?」
今も尚、モソモソと羊羮を喰っている悪魔を動かせる自由な状態にある指差すと、リアス嬢は調度良いとばかりに手をポンッと叩くと何やら部員を集合させ始めた。
「折角だから紹介しておくわ」
何か部員の紹介をし始めた……