藤丸「高度育成高等学校?」   作:日常自販機

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…(・・;)お待たせしました…


5月スタート

 

 

5月1日登校前

 

学校から支給されたデバイスをみると10ppしか無かったのが97010ppに増えていた。

 

「…これは確定かな」

 

どうやら4月中に想定していたのが当たったようだ。他のクラスの状況は気になりはするが今は学校に行く身支度をしよう。

実際食卓からいい匂いが漂ってきている。これは…何か焼いた匂いかな?肉だと良いんだけどな。朝は腹にたまる物を食べたい。

 

服装を着替えリビングに顔を出すと、赤い服を着た褐色の男性がエプロン姿で調理しており、ソファには青い髪のアロハを着たお兄さんや金髪でアホ毛が特徴的な女性。しまいには背の高い眼鏡を掛けたピンクの髪の女性が本を読んでいた。

 

「ん?起きたかマスター。少し待ってくれ、後ちょっとで完成する。なんなら登校まで時間がある、朝の日課を済ませると良い」

「お!何なら付き合うぜマスター。どんぐらい速くなったか見てやるよ!」

「んぐんぐ…」

「セイバー…摘み食いしてないで何か言ったらどうなんです?」

 

なんだろう…このメンバーにメディアとか入れたらしっくり来る。

 

「それじゃあ宜しくお願いします。兄貴」

「あいよ。セイバーはどうする?」

「んぐ?」

「いやアホ毛だけ動かされてもわかんねえって。ライダーは?」

「私は…辞めておきましょうか。彼女が全てを食い尽かさないように見張る必要があるので」

「あいよ。んじゃ行こうぜ!」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「で…なんで釣り?」

「良いんだよ!こういう息抜きも必要ってな。それにこの学校…?は見た限り海に隣接されてあったしな。やらなきゃ勿体無いってもんよ…そらっ!」

 

竿がクンとなる瞬間に兄貴が竿を引き上げた。

 

「……アジだね」

「……アジだな」

 

小振りだったため海にリリースする。

 

「………」

「………」

 

こういう沈黙も悪くない。そう思いながら手元にある竿を揺らしていると…

 

「ん?」

「お!来たか!」

 

竿がピクピクし始める。先程の兄貴とは違う感じだ。なんかこう……デカ…い気が!

 

「うおおっおお!!??」

「うおっ!?こいつは大物だぜ!」

 

竿が持ってかれそうなところを兄貴がカバーしてくれた!

 

「何かあともうちょい!」

「呼吸を合わせろマスター!行くぞ!」

「「せーの!」」

 

ザバン!っと、水飛沫が周囲に舞う。どうやら直前で竿が逝ってしまったらしい。

 

「あー…惜しかったなマスター。まあこういう日もあるって、気にすんな」

「ん。わかった助けてくれてありがと」

「おう!」

 

 

時間も時間だ。そろそろ撤退しないとオカンからお叱りの言葉を受けてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

ところで引き上げた瞬間、どっかで見たことのあるようなシルエットな気がしたんだけど何だったのだろうか。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、気づいている者はいると思うがこの表示されている数値が今現在の君達、Aクラスの評価値だ」

 

真島先生はその数値を一瞥しクラス内を見渡す。恐らくその視界には、驚く顔があるにはあるだろうが基本的には二人の生徒に視線が集まっている事が確認できているだろう。…まあ約数名は俺に視線を送ってるけど。

 

「この『970cp』を×100にした数値が5月に入った際に配られたppと考えて良い。因みに元は1000cpだ。そこから減点されていく形になる」

「そのポイントの減点したときの内訳はわかりますか」

「いいや。それは無理だが…一つ言うとポイントで買えないものは無い」

「…わかりました」

「あともう一つ、これを見てくれ」

 

黒板に前回の小テストの結果が張り出される。

そこには坂柳さんが満点を取っていたり、葛城君が僅差で2位と書かれていた。俺は解ける問題は解いて、ちょっと時間の掛かる問題は部分点を得られるように無理のしない範囲で解いた結果5位だった。

 

「と…まあこんな具合だ。正直この点数に言うことは特に無い。気をつけるべき点は赤点を取った場合即刻退学という点だ。そして赤点のボーダーラインは…ここだな」

 

そういうとある生徒の下に赤線を引く。

 

「このクラスの平均値÷2をして四捨五入をした数値が赤点だ。今回は君たちの中に赤点保持者はいないが、それでも油断のしないように」

 

その生徒の方に視線をやると、若干青褪めていた。

 

「それと皆に新しい先生を紹介したい。というよりも、心のケアを専門とする療法士(セラピスト)として雇った人だ。一応星ノ宮先生が兼任していたんだが『酒の匂いがする』『真面目にやってくれない』『全力でからかってくる』と批判の声がいくつか上がってきているため変わってもらった」

 

最初の酒の匂いがするの部分で大半の人が頷いていた。気持ちはわかる。あの人本当に酒の匂いがしない日は無いレベルで漂ってくる。ドレイクとかイスカンダルとか酒大好きでも飲まない日はちょくちょくあるのに。

その時だ。教室のドアからノック音が聞こえたのは。

 

「っと来たか。先生どうぞ」

 

ガラッと扉が開きコツコツと歩く音が教室に響き渡る。男子生徒はその美貌、スタイルに目を奪われ、女子生徒は羨望の声が口から漏れる。

 

その人は黒く長い髪が特徴的でおでこに縦に3つ並んだ小さな丸があるがそれは美しい顔になんら弊害はない。身体つきは少年少女、イヤ今のグラビアアイドルも羨むのでは無いかというほど女性として魅力的な身体付きをしていた。

 

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ナンで?」

 

『………あ…主殿…これ…は』

「藤丸?」

「おーい、大丈夫か?」

 

学友二人が心配する声を掛けてくれるがそれどころではない。

ぶっちゃけ異常事態だ。昨日までカルデアからそんな連絡は一切なかった。あの人たちが見逃すなんてことは…そういや静謐ちゃんのときスルーしてたな。

 

「皆静かに。此方療法士(セラピスト)として赴任する『殺生院キアラ』さんだ」

「改めまして殺生院キアラと申します。これからよろしくお願いします」

 

教室内に拍手が響き渡る。そりゃそうだあんなとんでも美人が保健室にいるって考えたら嬉しくもなるさ。

んじゃまあとりあえず

 

「先生」

「どうした藤丸」

「早退させてください」

 

早くこの教室からオサラバしたい

 

 

 

早退は却下された。

 

◆◇◆◇◆◇

 

昼休み外のベンチ

 

「…………………どうしよっかな」

『主殿……』

 

朝の時点でキャパオーバーだ。ポイントについては大まかに予測が的中してたからそんなでもない。

 

「因みにカルデアからの連絡は?」

『それが…音沙汰なしで』

「あー…やっぱり?」

 

どうにも5月に入ってから向こうとの通信が微妙に繋がりにくくなった気がする。なんかこう繋げても通信機越しに作業音が響き渡ってそれどころじゃない感じかな。

 

「とりあえずご飯食べよ」

「ええ。マスターは食べ盛りなので食事は健康の源。ちゃんと摂取するのが宜しいかと」

「うんありがと。……ところで」

「はい?」

「何で隣で食べてるのさ」

「駄目ですか?」

「いや駄目じゃないけど」

 

周りからの視線が…通行人から視線が。注目されてるのわかって…やってるんだろうな。

 

「ところでキアラさん」

「んぐ?はい何でしょう」

「貴方は今どっち?(ビースト)?それとも人としてここにいる?」

「……ンフフ。マスターそれは野暮というもの。今の私は只の一介の療法士。このような外部との接触を断たれた場所で精神的にケアするのが今の私の仕事。そのような獣など言われても私には何のことやらわかりません」

「ん。なら大丈夫か」

 

そして笑い続ける彼女。実際療法士(セラピスト)として彼女は優秀だ。でなければセラフィックスで彼女を巡っての大乱闘は起きなかっただろう。

 

「ん?セラフィックスって何だ?」

『主殿?』

 

「さて、マスター」

「ん?」

「私は今回療法士、セラピストとしてこの学園に滞在しています。貴方が私を警戒するのは無理もありません。それでも、不安や葛藤、人間関係、小さな悩みでも構いません。私を頼って戴ければと思います」

 

彼女は自分の胸に手を当て真剣な眼差しで俺を見る。その彼女の瞳には曇りのない、澄んだ瞳で俺に訴えてきた。

 

「…わかった、それじゃあこれから宜しくお願いします。キアラさん」

「はい!いつでも相談にのりますよ。マスター」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もし何の音沙汰もなくやり遂げてくれたらアンデルセンに『人魚姫2』書かせるから」

「絶対にやり遂げます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

放課後、弓道部

 

「………」

 

ギリギリと手元の弓を引く音が鳴る。次第にその音が静まり周囲は静寂に包まれる。

 

「………」

 

そしていつの間にか矢は放たれておりパシッという音と共に矢は的に吸い込まれるかのように中った。

 

「………」

 

構えを解き身体の力を抜いていく

 

「………ふ~」

 

「ん!お見事。いやースゴいね藤丸。あんた入部したときから殆ど的に中ってるじゃん」

「ありがとうございます。美綴部長」

「こりゃ新人戦は戴いたって言いたいけど、どうも他の一年がね~…個人戦は確実だと思うんだけどさー」

「それでも全部は中てて無いですからまだまだですよ」

「いやいや!全部中てるのはある種の化物だからね!藤丸が外すとこ見てホッとした時もあるぐらいなんだから!」

 

その言葉に他の先輩部員達が一斉に頷いていた。

 

「それにそんなことされちゃあ先輩として面目立たないって。ただでさえ副部長は今日も女と一緒に遊んでるんだからさ」

 

因みに今日の不参加の一年の数人は慎二副部長に付いていった。

 

「あー…それと藤丸?」

「はい?」

「あんたpp大丈夫?」

「ええ。大丈夫ですけど」

「いやさ?三宅っているじゃん。ポイント大丈夫かって聞いたら結構ギリギリみたいなんだよ。今月たったの1000ppしか貰えなかったみたいだし」

「それは…ヤバイですね」

「まあ慎二の奴が『ハッ!見窄らしい君には裕福なこのボ・ク・が!ppを分けてやろうじゃないか!持ってけ!ドロボー!』って感じで渡したらしいから大丈夫みたいだけどね」

「何か想像できます」

 

あんなでも普通にいい人なのだ。それが伝わりづらいというかなんというか。オカンの言った通りだな。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「藤丸ちょっといいか」

 

 

「どうしたの清隆?」

 

 

 




前回の坂柳との昼休み

「派閥に入って」
「ヤダ」

以上
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