冥王来訪(ハーメルン投稿版) 作:雄渾
東独首脳の日本訪問の狙いは、G7サミットばかりではなかった。
議長の狙いは、東独への日本企業の誘致であり、そしてその交渉であった。
議長たち首脳陣は、東京に残り、めぼしい企業への訪問に出かけていた。
東ベルリンの再開発を進める大手ゼネコンの他に、自動車メーカー、半導体を扱う電機メーカーなどである。
軍の方は、土浦航空隊に試験配備されているF‐14の確認だった。
その為、シュトラハヴィッツ中将以下の随行武官は、議長と別れて、東京を発った。
国防省の用意したマイクロバスで、利根川を越えて、茨城県に向かった。
シュタージ工作員の多くは、議長一行の周囲に残っていた。
彼等の多くは、素知らぬ顔をして、訪問先に行き、様々な事を念入りに調べたりしていた。
そういった中で、ただ一人だけ別行動をとる人物がいた。
中央偵察総局のダウム中佐である。
彼は鎧衣と共に、都内のさびれたスナックで今後の事を話し合っていたのだ。
「例のESP発現体を殺したのは木原博士だろう。
これは不味いことになった」
「どういう事だね」
「実はソ連では、実験用の改造人間を作成する計画を進めていたのだ。
穂積という男の会社は、新概念の人造人間の開発協力をしていた」
ダウムの問わず語りが始まった。
ソ連では、戦前より人体機能の回復手術がソ連医学アカデミーの支援の下、行われていた。
1936年の世界初の生体腎移植や、人工心臓の研究などである。
米ソ両国は科学技術でもしのぎを削っており、この事は医療分野にもつながることだった。
1961年、ケネディ政権下で完全置換型人工心臓の開発を進める国家計画が始まった。
月面着陸の成功を収めた米国が、医療分野でも世界をリードしようとするためである。
そのことを受けて、ソ連科学アカデミー内でも秘密裏に完全置換型人工心臓計画が始まった。
「ソ連科学アカデミーでは、強制収容所から心臓病の患者を集めて、心臓手術が行われてました。
米国の完全置換型人工心臓計画に対応するためのものです」
アレクサンドル・コロトコフ*1KGB第一総局長から聞いた話と断ったうえで、核心部分を明かし始めた。
コロトコフは、心臓発作で死去*2する1961年までシュタージ付属のKGB連絡部代表を務めた人物だ。
「コロトコフは、よく私にこう話しかけてくれていたんです。
これからの時代は、宇宙開発が世界を制する。
極低温の宇宙空間で問題なく活動し、隕石や放射線の影響を受けない存在でなくては月面で生活できない。
その為には、生身の兵士ではなく、人体を鋼鉄の機械に改造したサイボーグ人間が必要だ。
米国の電子工学に勝つためには、それしかないと……」
シュタージにはKGBの連絡員と呼ばれる監視役が、多数いた。
ダウムは何かにつけて、ヴォルフらとともにKGBが主催する幹部会合に呼ばれたという。
「そこでソ連の科学者は、非炭素、早く言えば機械の肉体に人間の脳や内臓を埋め込む案を思いついたようです。
それがソ連のサイボーグ人間計画で、2メートルの強化外骨格の中に脳を埋め込む段階まで進んだらしいのです」
ダウムは言葉を切ると、フィリップ・モリス社のタバコ、マルボーロに火をつけた。
マルボーロのココアを混ぜたタバコ葉と燃焼補助剤の塗られた巻紙の匂いが、一面に広がる。
「サクロボスコ事件の前の話だから、今は終わった話だと思っていたが……」
鎧衣は、紫煙を扇ぐように手を振った。
彼はタバコ葉の匂いは好きだったが、燃焼補助剤の入った巻紙の匂いが嫌いだった。
だから紙巻きタバコを吸う時は、麻紙で巻き直すか、分解してパイプに詰めることが多かった。
「脳髄と神経系統が、超々ジュラルミンとチタンの合金の体に収められていると考えてもらえばいい」
「そのサイボーグとは、早く言えば人間の脳を持ったロボットという感じかね」
「そうなりますな」
立て続けに、マルボーロの箱から新しい煙草を出して、火をつける。
ダウムは努めて冷静になるべく、紫煙を燻らせることにした。
「ソ連では、脳以外の機能を人工物に置き換える計画を進めていました。
ゼロ号計画、ナーリと呼んでいた物です」
ナーリとは、ロシア語の数字のゼロを指す言葉で、一般的に
何故ゼロ計画なのかというと、人体由来ゼロ、炭素素材ゼロという改造人間を作る計画だったからだ。
「ただし、ソ連の技術では脳髄と神経系統を電子計算機に繋ぐ技術がありませんでした。
そこで、穂積という男に近づき、最新鋭の演算処理能力をもつ電子計算機を手に入れようとしているのです」
鎧衣は、その話を聞いていて思い当たる節があった。
霧山教授から聞いた、非炭素構造疑似生命体の話である。
霧山は、京都大学で非炭素構造疑似生命体の研究をしている人物だった。
ソ連での戦術機の損失を調査している内に、国連のオルタネイティヴ計画に関係していることに気が付いた。
BETAが戦術機を操縦する衛士に拒否反応を示すという、仮説を立てていた。
そこでBETAは炭素生命体に敵対するので、高性能の電子計算機を用いた人造人間の開発を進めるべきである。
そのように表明した学者であった。
「だからソ連科学アカデミーでは、ゼオライマーの秘密を欲しがっていたと」
ゼオライマーに積まれたスーパーコンピューターは、日本政府でも解析不能だった。
実は検査する際に、ゼオライマーの頭脳である高性能電子計算機が外されていた為である。
マサキが秘密の漏洩を畏れ、氷室美久がアンドロイドであることを隠していたからだ。
美久は人間の成人女性の姿をしているが、全身が成長記憶シリコンで覆われており、推論型AIが搭載されていた。
彼女こそ、ソ連科学アカデミーが求めていた物であり、霧山教授が言うところの非炭素構造疑似生命であった。
再び視点を、マサキ達の元に戻してみよう。
マサキ達は東京を離れて、東京発新大阪行に乗り、一路関西に向かった。
朝一番の新幹線「ひかり」号に乗り、東海道線を3時間ほどかけて、京都まで移動した。
なぜ、こんな手間のかかることをせざるを得なかったのか。
これは、この異界にある日本の首都が京都に置かれていた為である。
現代でこそ、東京は政治と経済の中心であるが、これは明治維新と戦争の影響である。
戦前までは工業地帯といえば阪神工業地帯であり、商業の都市といえば大阪だった。
この異界では、1944年に終戦を迎えた結果、大規模な都市空襲が起きなかった。
その為、大阪の商業都市としての機能が生き残り、関西地域の経済的優位性が保たれた。
大阪を起点に置く大企業の多くが、そのまま関西を中心に商業活動を続けることとなった。
故に現実と同じように東京を中心として、京浜工業地帯に集中する形には成らなかったのだ。
東京、大阪、名古屋、北九州の産業圏に分散した形で、より強く残り、我々の世界よりもずっと均等のとれた産業地図が出現することとなったのだ。
マサキが京都に向かった理由は、単純に観光だった。
来日中のアイリスディーナに、京都御所や金閣寺といった
一方、アイリスディーナが、マサキの誘いに乗ったのは、別な理由からだった。
F‐14の共同開発者の一人であるミラ・ブリッジスに会いに行き、技術的な情報を得ようとしたからである。
本来はこういう仕事は、軍事技術の専門家やシュタージの工作員が行う方が適切であろう。
だが、東ドイツ側も日本側の警戒を恐れて、下級将校であるアイリスディーナにその任務を申し付けたのだ。
東ドイツにとってミラの持つ炭素複合材の秘密特許はどうしても欲しい秘密の一つだった。
既存の戦術機開発に行き詰った東側にとって、超軽量の装甲は新たな収益を増やす材料に思えたからである。
BETA戦争での戦訓から、米国では重装甲のF4ファントムに代わって、軽装甲高速機動の試作機が開発中だった。
それは第二世代機と呼ばれるもので、研究開発が各メーカーにより矢継ぎ早に進められていた。
これは月と火星のハイヴ攻略作戦が早期に実現困難だと考えていた米陸軍の意見を反映したものだった。
彼等は10年に及んだベトナム戦争と3年間続いた月面戦争の敗北という、手痛い経験から消極的になっていたのだ。
空軍は空軍で戦術機の事を役立たずと認識しており、再開される冷戦を考えて、F-111戦闘機の大規模発注を進めていた。
戦術機開発に遅れていたゼネラル・ダイノミクス*4社にとって、その計画は社運を賭けたものの一つであった。
1964年に完成したF-111は、世界初の実用可変翼機として知られる戦闘爆撃機である。
ロバート・マクナマラ国防長官の軍事費圧縮という意向を受け、空海軍共用の戦闘機として開発された。
しかし、肝心の戦闘爆撃機としての機能は不十分であり、当初から検討していた米海軍での採用は見送られた。
純粋な爆撃機としては、優れた兵器搭載量や低空侵攻能力を有しており、ベトナム戦争に投入された。
主に対地攻撃任務に用いられ、低空侵攻能力から、戦略爆撃機として米空軍戦略航空軍団で運用された。
一方、陸軍では戦術機を新たな兵器として認識し、重宝する運用方針を取っていた。
移動速度は早く、オフロードもある程度克服でき、機関銃やグレネードランチャーなど装備が可能。
戦場の上空には対空用のレーザーが飛び交っている為、低速のヘリは格好の標的になっており、より高速で移動できる戦術機は光線級に狙われにくい。
平地での高速移動手段としてだけでなく、装甲車両では侵入しづらい林間や山間部を利用した強襲などにも使えるなどである。
欠点は、敵陣に近づくと攻撃を受ける点で、戦術機には戦車ほどの装甲がない。
それでも砲撃によって光線級から対空用のレーザーを出すのを阻止できれば、戦術機は敵陣を通り抜けられることもある。
この戦術は、大きなリスクを伴うものの、双方にとっての戦術的課題、つまり光線級からレーザー射撃を受ける中、敵陣をどうやって移動するかという課題を解決すると考えられている。
この攻撃は大砲や弾薬の優位性にとって代わるものではなく、完全に新しい戦術である。
戦術機の使用は、効果で整備の大変な航空戦力の使用を節約するのに役立っており、陸軍省では一定の効果が認められる戦術と評価していた。
航空機の代案として編み出された戦術機だが,実際は航空機の援護があることで成立している一例である。
現代の戦場における皮肉な現象の一つとして、言えるであろう。
ひかり号が、終点の一つ手前である京都駅に着く。
プラットホームに降りた途端、京都盆地の何とも言えない蒸し暑さを感じた。
マサキは、さりげなく周囲を確認した後、アイリスディーナの方に振り返る。
暑さになれず、半ばぼうっとする彼女の手を引いて、駅舎を後にした。
駅前の停車場に来ると、真っ先に76年型のアコードの方に駆け寄った。
一足先に京都駅前に来ていた白銀が運転する車に乗って、市街に向かった。
その様子を止めた74年型のクラウンの車中から一部始終見ている者がいた。
男は、マサキ達の車が発進するなり、車載電話の受話器を持ち上げる。
「今、京都駅から、市街に向かいました」
「了解!」
彼らの動きは、城内省の下部機関である情報省によって逐一観察されていたのだ。
議長たちと別行動をする東独軍将校の存在を見逃すほど、彼らは無能ではなかった。
むしろアイリスディーナのことを、飛んで火にいる夏の虫とさえ思っていたのだ。
マサキ達は、東山にある都ホテル*5の一室にいた。
ここを選んだのは、100人以上が宿泊でき、尚且つエアコンが常備されているホテルという点からであった。
近代日本式の大規模な日本庭園があり、戦前から外人にも人気の場所だった。
その為、長い期間、日本最大の観光地である京都の迎賓館として君臨し続けた。
「すごいお部屋ね」
アイリスディーナは、先ほどからしきりに感嘆の言葉を続けていた。
東ドイツでは、高級ホテルはほぼ外人専用で、この様な部屋に泊まることなどないのだろう……
「中程度のプレジデンシャルスイート*6だぞ?
そんなに驚くほどでもないと思うが……」
椅子に深く腰掛けたマサキは、懐中からホープとライターを取り出す。
窓の外を見ながら、タバコに火をつけた。
「でも、私にとっては……」
「ああ、お前は、まだ子供だったな。
こう言う世界を知らないのは無理もないか……」
マサキは、ホープを上手そうに燻らせながら、頬まで紅潮する彼女の美貌を眺めやる。
白いブラウスと、タイトな濃紺のスカートという地味な格好だが、かえってアイリスディーナの可憐さを引き立てる様だ。
「私は19歳です、もう大人ですから……」
マサキは、アイリスディーナの事をいとおしそうに見つめた。
大人を強調する彼女は、確かに成熟した女と何ら変わらないと思えてくる。
その時、机の上にある電話が鳴った。
マサキは素早く立ち上がった。
交換手の声の後、元気のいいミラの声が聞こえてきた。
「さっき、電話をくれたようだけど、何かしら」
「今から人を連れて行こうと思うんだが、そっちの都合はどうだ?」
「午後4時過ぎなら、主人も帰ってくるわ。
今日は土曜日だし……」
1979年6月30日は、土曜日だった。
マサキは前の世界の癖で、この時代の土曜日が半ドンであることをすっかり忘れていた。
「それで構わんよ。よろしく頼む」
「わかったわ」
そう言いながら、ミラは思いついた。
「そうそう、夕方の予定は特にないでしょう。
もしそうなら、今晩はなれずしでも御馳走しますわ」
なれずしとは、魚を塩と米飯を熟成させ乳酸発酵させた食品のことである。
現在一般的になっている江戸前寿司とは違い、独特の匂いと味で好き嫌いが分かれる食品である。
日本人の自分は良いが、アイリスディーナにとってこの未体験の味はきついだろう。
マサキは、ミラの厚意に感謝しつつ、違う料理を出すように提案した。
「そいつは結構だが、連れが嫌がるかもしれん。
なれずしなどより、お前がうまいと思うものを用意してくれ」
約束が決まって、電話を切ったマサキはアイリスディーナの方を向く。
「とりあえず、さっき俺の方からミラに連絡を入れた。
夕方にならないと都合がつかないから、それまで京都でもぶらぶら歩くか」
「ええ」
彼女は、やや俯き、頬をほんのり赤く染めている。
「新婚気分で、市内観光するのも面白かろうよ」
マサキがたわむれに新婚という言葉を出した瞬間、アイリスディーナの全身が発火したように熱くなった。
今までこんな感情をいだいたことがあるであろうか。
「嫌なのか」
「い、いいえ……」
羞恥の感情が、アイリスディーナの胸を焦がした。
もうまともに、マサキを見ることが出来なかった。
マサキが、アイリスディーナとの進展した関係にならなかったのは訳があった。
それは自分の遺伝子情報を秘匿するためである。
マサキはゼオライマーを含む
つまり、マサキ自身の遺伝子が鍵となって、八卦ロボが稼働するという物である。
マサキ自身のクローン人間である
八卦衆と秋津マサトが戦って、いずれかが生き残り、勝ち残ったものが世界を冥府に変える。
それが冥王計画の最終目標だった。
そして、それはゼオライマーではなくても実行できるように、準備されていた。
国際電脳が全世界の7割に設置した海底ケーブルや地下通信網、原子力発電所や核ミサイル施設に仕掛けられてた。
マサキがこの世界に来る直前、鉄甲龍の首領、
その事を察知した
秋津マサトは、木原マサキの人格と知能をゼオライマーの中にある次元連結システムから吸収し、二重人格に苦しんだ。
そして、木原マサキに
そういう経緯があって、この世界に転移してきたマサキ。
彼にとって、ゼオライマーの秘密ともいうべき自分の遺伝子情報を、簡単に渡すようなことが出来なかった。
惚れた女を抱けば、たとえ避妊具やピルなどを併用しても、1000分の1の確率で妊娠することもある。
万に一つの可能性を回避するために、性機能を切除する手術を受ける手法もあるが、論外である。
自身の性的な不満を解消する方法は別なものがあるが、見目麗しい美女を前に耐えられる彼でもなかった。
人知れず行き詰まって、
この世界に2年ほどいて、マサキの考えはだんだんと変わり始めてきていた。
一切のしがらみから逃れて、ただひたすら世界征服の道を突き進むという当初の目的も、
女性を遠ざけていたマサキの心の隙にいち早く気が付いたのは、東独軍のハイム少将だった。
彼は、軍内部の高級将校と婦人兵の結婚の仲人をしていた関係で、男女の色恋に関しては一際敏感だった。
かつて、シュトラハヴィッツに自分の部下を紹介し、結婚させた経験があった。
シュトラハヴィッツは、ソ連の抑留中に東西ドイツが分割した関係で、前妻とその家族と生き別れていた。
その為、東独軍に入って以降、二つの祖国の間で苦しむという不遇をかこつ生活を送っていたことがあった。
その事を不憫に思ったハイムが、エルネスティ―ネという若い婦人兵を紹介したのだ。
シュトラハヴィッツは若い妻を得たことで、活力を得て、持ち前の明るさを取り戻した経緯があった。
そういう経験から、マサキの中にある不平不満の中に性的欲求があるのではないかと見抜いていたのだ。
マサキの不満に気付いていたのは、ハイムだけではなかった。
今のまま放っておけば、マサキは精神に異常をきたし、やがては自分たちに牙をむく存在となるのではないか。
古来より凶悪犯罪者や大量殺人を行うものは、えてして性的不能者が多い傾向がある。
どんな形を用いても、マサキに普通の人間の性生活を送らせれば、自分たちへの反乱は防げるはずだ。
反抗心は防げずとも、それ自身がマサキの弱みになると考えていた。
そういう経緯があって、今回のマサキとアイリスディーナの京都旅行が許されたのだ。
色々な
マサキたちは、夕方になるまで京都市内を観光していた。
少し早い昼食を都ホテルで取った後、すぐ側にある
本当は
京都市内の交通事情の悪さから、タクシーで行けても、渋滞にはまって予定した時間に帰れないケースがあるからだ。
田舎からの観光客でごった返す
アイリスディーナの方から、声をかけてきた。
「不思議ですね……
こうしているとずっと昔から
アイリスディーナは顔を赤く染めて、そっとマサキの方を振り向いた。
紫煙を燻らせていたマサキは、
「アイリスディーナ。俺はこうして女と京都を歩くのが初めてのように思える。
お前といると、目に入るもの全てが初めて見る様に感じる。
だが同時に、かつて見たことのあるものばかりなのに……」
そうだ……この世界は俺にとって異世界なのだ。
元居た世界と違う道筋をたどったもう一つの世界にしか過ぎない。
俺は、どう過ごしても異世界人なのだ。
この世界との、縁も柵もない根無し草なのだ。
いつしかマサキの顔から笑みは消え、いつもの如く無表情に戻っていた。
「暗くなっちゃ、駄目です」
その言葉とと同時に彼女がマサキの二の腕をつかんだ。
一瞬マサキは、驚きの表情を浮かべたが、腕越しに温かい体温に触れたら、口元が緩んだ。
だが足音が聞こえてくると、表情を引き締めた。
近づいてきたのは白銀で、マサキ達を迎えに来たのであった。
ご意見、ご感想お待ちしております。
ソ連の今後に関して
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核不使用の軍隊
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体制そのままに資源50パーセントオフ
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一億総懺悔
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クーデター