冥王来訪(ハーメルン投稿版)   作:雄渾

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 マサキは戦術機の開発に参加しながらも、アイリスディーナに思いを寄せていた。
そのことを、日本人留学生の涼宮(すずみや)青年に指摘され、彼は戸惑ってしまう。
冷血漢マサキを変えたものとは……


三界(さんかい)(いえ)()し 後編

 マサキは、翌日も白銀と共に、ニューヨーク観光に出掛けた。

昼頃から南華(ノムワー)茶室(ティーパーラー)という中華料理の奥座敷に居た。

人気店だが、3人以上だと予約が可能と言う事とで、白銀の知人の日本人青年を誘って。

 

 白銀から、涼宮(すずみや)宗一郎(そういちろう)という青年を紹介された。

彼は早稲田*1卒で、大企業に勤め、北海漁業で通訳をした後、外語大*2に再入学した。

一流企業のビジネスマンから転身した、異色の経歴の持ち主。

今は、フルブライト奨学生(しょうがくせい)として、コロンビア大に留学中だという。 

 

 紺のツイードの背広上下に、灰色のハイネックセーターだが、強健な体つきが一目瞭然だった。

ラグビーで鍛えた筋肉の付き方は、サッカーなどをするほかの留学生とは違った。

 170センチを越えた(たくま)しい姿を見てマサキは納得していた。

『真冬のベーリング海で、(かに)漁師の屈強(くっきょう)な男達に混ざって、米ソ両国の漁船団員の通訳をした』

白銀のいう話は、まんざら嘘ではなさそうだ。 

 

「白銀さんもお元気そうで。そちらの方は」

会釈(えしゃく)をする涼宮に、マサキは、

「まあ、掛けろや」

そう言って、「ホープ」の箱を取り出し、ガスライターでタバコに火を点けた。

 マサキは、涼宮という青年をじろりと見回した。

 短く刈り込んだ髪型に、濃くて太い眉。力強い目に、逞しく張った顎。

(たかむら)程の美丈夫(びじょうふ)ではないが、ピンと伸びた背筋に、分厚い胸板という精悍(せいかん)風貌(ふうぼう)

露語(ろご)専攻の留学生というより、武闘家というような雰囲気を放っていた。

 マサキは、何処(どこ)か安心感を感じていた。

逆にその方が、自分の(こま)として使いやすそうに思えたからである。

 涼宮は、通り一遍(いっぺん)、自己紹介をした後、にらみつける様にして、

「貴方は……、本当に軍人なんですか」

と訊ねて来たので、マサキは、目を爛々(らんらん)(かがや)かせ、

「職業軍人ではないが、俺の利益になるときは、日本政府の為に動く。

そして、政府も()れを追認する」

「貴方の噂を聞いた事があります」

「どんな話だ」

「世界を股にかける闇の戦術機乗り、悪魔の天才科学者」

「ハハハハハ、闇の戦術機乗りか!気に入った。ハハハハハ」

マサキは、北叟(ほくそ)()みながら、問いただした。

「なあ、涼宮よ」

「はい」

「ユルゲンと同じ研究室と聞いたが……」

「東独軍のベルンハルト中尉と、どんな関係ですか」

マサキは思わず、眉を顰める。

「まさか、あの物(すご)い美人の妹さんと恋仲(こいなか)なんかに……」

その言葉を聞いた瞬間、全身の力が抜けるような気がした。

 

 マサキは、(あき)れた。

世の冷たい風から隠しておくべき妹の写真を、よく知らぬ異国の留学生に見せる愚かさに。

 本当に大切な女性(ひと)なら、妻であろうと、姉妹であろうと、また母であろうと。

世の()えた野獣(やじゅう)たちから、隠すべきではないか。

 ユルゲンは、忘れたのだろうか。

(おの)が父が、KGBの操り人形である国家保安省(シュタージ)策謀(さくぼう)で、妻を寝取(ねと)られた事を……

 素晴らしい宝石だからと言って、自慢する様では、強盗犯を誘う様な物である。

日本人の、東亜的な儒教文化圏で、育ったマサキには、ユルゲンの妻や妹を見せびらかせる神経が理解できなかった。

『よもや、懐妊(かいにん)中の妻の事など話してはいまい……』

他人ながら、ベアトリクスの苦労がしのばれた。

 

 結論から言えば、マサキの杞憂(きゆう)であった。

涼宮は、ユルゲンに関する資料を、ポーランド人の教授に見せてもらったのだ。

それは、アクスマン少佐が、CIAに10万ドルで売り込んだ個人資料集(シュタージファイル)(もと)にしたである。

 大統領補佐官を務める教授は、日本との関係も深かった。

副大統領の弟とともに立ち上げた、日米欧の若手政治家の懇親会、「三極委員会」の重要メンバーでもあった。

 同教授は、成績優秀な涼宮を目にかけて()り、彼を手厚く指導した。

涼宮は、マサキがKGB長官と話した録音テープの真贋(しんがん)鑑定や、機密文書の分析に立ち会う程であった。

 

 マサキは気を取り直すと、静かに応じる。

「俺の心に、魔法の様に火を点けた……そんな存在さ」

紫煙を燻らせながら、気取った言葉を彼らの前で披露して見せた。

彼が、己の心の弱さを悟られぬように、強がって見せた答えでもあった。

 

 冷たくあしらわれるかと、内心恐れていた涼宮は、マサキの落ち着いた声を聴いて安心した。

そして、如何にアイリスディーナとの恋が危険かを、情熱を持った口調で話しだした。

「木原さん。ベルンハルト嬢の事を、本当に愛するならば、身を引くべきでしょう。

彼女は、有名すぎる兄の為に、政争の道具として利用されています」

そう言うと、涼宮は胸ポケットよりマホガニーのパイプを取り出し、悠々と燻らせた。

 

 口惜(くちお)しいが事実であるのは、認めざるを得なかった。

あの時、ユルゲンが、議長が自分の気を引くために、アイリスディーナと合わさせなかったら……

永遠に、彼女と知り合う事は、なかったであろう。

 わずかな事実から、その様な事を見抜くとは……

マサキは、涼宮青年の洞察(どうさつ)力に、舌を巻いた。

だが、マサキは、涼宮の忠告を、てんで受け付けなかった。

「お前は俺の事を馬鹿にしているのか。

アイリスディーナの、俺への愛が、(いつわ)りだというのか」

 

 アイリスディーナの可憐な姿や純真な思いから、その様な策謀に彼女が参加するとはとても信じられなかった。

沈黙するマサキに向かって、涼宮は続ける。

「愛の(きずな)というのは、そんなに(もろ)い物でしょうか。

肌に触れるだけや、一緒に朝を迎えるばかりが、愛の(すべ)てでは、ありません。

たとえ、千里(せんり)*3の距離を離れていようとも、心の深いつながるもの……

一日三秋(いちじつさんしゅう)*4の想いで、待ち()がれていても、色あせぬものでないでしょうか」

 

 話を聞いてるうちに、正面に座ったマサキの顔がみるみる紅潮していく。

苦笑(にがわら)いを浮かべ、手を振り、 

「ワハハ、待て待て、俺はアイリスディーナに、指一本触れてない」

明け透けに話したつもりだが、流石に、口付けした事実は心の中に秘した。

彼らしくなく、あの夜の事は、思い出すだけでも顔から火が出るような恥ずかしさだった。

「それに……」

マサキは、薄ら笑いを浮かべ、思わせぶりに間をおいてから、

「アイリスディーナの名を、途方(とほう)も無く大きく、天下に(とどろ)かせる物にしてやろう。

そんな大人物となった彼女を、我が物とした方が、その感慨(かんがい)も、また格別(かくべつ)であろう」

紫煙を燻らせながら、興奮した調子で、まくしたてる。

その話を黙って聞いていた白銀も、めずらしく、胸が高ぶって、どうしようもなかった。

「涼宮よ。この木原マサキ、天のゼオライマーが、どれ程の物か。証明してやる。待っておれ」

 マサキは照れを隠すように、不敵の笑みを浮かべて見せる。

涼宮は、ただただ、マサキの変貌(へんぼう)ぶりに戸惑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 マサキはそれから、自分が定宿(じょうやど)にしているホテルに戻った。

彼は、戦術機の図面を目の前にして思い悩んでいた。

彼が、元の世界で図面を書いて作った八卦ロボは全高50メートル、総トン数500トンの大型機体である。

航空母艦での運用や輸送トレーラーでの戦地運搬など考えてもいなかった。

 一応、超大型輸送機、双鳳凰という双胴体型のジェットエンジン航空機を2機作った。

だが天のゼオライマーや、兄弟機である月のローズ・セラヴィーは、自力飛行が可能である。

背面の推進装置を利用して、目的地まで、そのまま飛んでいけばよいとしか考えなかった。

 

 自分が生前いた世界とよく似た歴史を持つ、この世界のロボット、戦術歩行戦闘機。

航空機と宇宙空間の作業用パワードスーツを組み合わせて、完成したものである

腰部に申し訳程度の接続装置を付け、そこで方向制御するのが一般的だった。

故に、マサキが得意とした背面の推進装置は、非常に技量のいるものとされ、珍しがられた。

 

 斯衛(このえ)軍での訓練期間中に、運転シミュレーターに触って見たのだが、安定性のあるゼオライマーと違って乗り心地も悪く、操作性も癖が強かった。

戦闘機パイロット出身のユルゲンは、そんな海の物とも山の物とも分からない物を自在に操るとは……

エースパイロットであるばかりではなく、英語と露語を自在に操り、人を惹きつけるような(うれ)いを帯びた青い瞳の美丈夫(びじょうふ)

妹、アイリスディーナへの異常な執着心と、アルコール中毒を招きかねないほどの深酒に溺れる悪癖さえなければ、本当に理想的な男であろう。

 東ベルリン初訪問時の懇親会で、『大してモテた事がない』と、ユルゲンは謙遜(けんそん)していた。

それは恐らく、彼の周囲にいる人物が、並外れた容姿の持ち主のためであろう。

余程の事がない限り、近づく女はいなく、皆、彼が周りに(はべ)らせる美女を見て、気後(きおく)れしてしまう。

 

 あの監視役として来ていたハイゼンベルクも、しっとりと濡れた細面(ほそおもて)の冴えた美貌の持ち主だった

そんな人物でも衛士の教育を受けさせる準備をしていたというのだから、よほどであったのであろうか。

欧州でのBETA侵攻の恐怖は、嘗ての蒙古人襲来以上なのは間違いなかろう。

 

 そんな事を考えながら、F4ファントムの図面に朱を入れていた。

人型である以上、その体重を支える脚部に何か強力な推進装置が必要だ。

脚部の徹底的な改修をと、図面に朱を加える。

 一応、ゼオライマー同様、最低限の格闘戦も可能なように、強力なフレームとモーターに換装した。

人工筋肉や、間接思考制御という怪しげな技術に関しては、事情を詳しく知らない。

だが、この存在が戦術機開発や操縦のデメリットになっていやしないだろうか。

 

 だんだんと考えが煮詰まって来たので、一旦冷静になるために、ホープの箱を取り出し、紫煙を燻らせる。

冷めた紅茶で唇を濡らしながら、図面を見つめ直す。

まるで、落第点を喰らった回答用紙の様に、図面は朱色に染まっていた。

 

『書き直した方が早いのでは』

 

 そう考えたマサキは、製図版に張られた図面を取る。

送られてきた封筒の中に、四つ折りにして仕舞いこみ、放り投げた。

新たにA0判の新用紙を取り出すと、タバコを咥えた侭、製図板に張り直す。

 

 製図版に烏口(からすぐち)を走らせながら、内臓コンピュータと操作システムについて考えた。

光線級の攻撃を防ぐために張り巡らされた重金属の雲の下を走り抜ける戦術機には、通信機能が強化されているとはいえ、電波航法システムに依存している。

 元の世界では、1978年に米軍は全地球衛星測位システム*5が作られ始めていたが……

ちょうど、この世界では人工衛星を用いた大気圏迎撃システムが構築され始めている。

おそらくGPSに似たシステムがあるのだろうが、活用しない手はない。

 

 そして、GPSによる電波航法と自らのセンサー類に基づく自立航法が簡単に出来るようなシステムを組み込めたらと、夢想してみる。

ただ、同様の事は戦術機の技術者でも考えている者がいるだろうから、それらにまかせるとして、簡易版の人工知能装置について考え始めた。

人工知能は、パイロットが意識を失っても基地に帰還可能な自動操縦装置と、自動射撃補正は必要であろう。

 

 

 かつて、自分をだまして殺した元の世界の日本政府の様に、この世界の日本政府も命を奪いかねない。

現にソ連からは複数回、命を狙われたのだ。

 

『備えあれば患いなし』との言葉通り、設計している戦術機の改良型には、裏口(バックドア)*6を仕掛けよう。

ダイダロスが作った青銅の巨人タロス*7の様に、この自分とゼオライマーの危機の際は、敵を殲滅させるのも一興だ。

 

その様な事を考えつつ、無人の戦術機にゼオライマーからの秘密指令で動く大型ロボットと変化する自動操縦のプログラムを仕掛けることにした。

 マサキはBASIC言語*8で、八卦ロボの操作システムを作った男である。

戦術機のシステム改変で、裏口(バックドア)システムを仕込む事など造作もなかった。

射撃補正のシステムに関する簡単なメモを、書き加えながら、マサキは、一人ほくそ笑んだ。

 

 

 

 結論から言えば、マサキのかき上げたF4ファントム、A10サンダーボルトⅡの図面は全く別な機体になっていた。

機体の頭部、上半身の外装部品こそ、元の面影を残しているが、下半身はまったく別物だった。

 まず、機体を支える脚は2倍から2・5倍の太さになった。

脚部の背面部分は、新造の推進装置に置き換えられ、まるで放熱板を並べる様に付けた形になっていた。

腰部の噴出跳躍システムは外され、新造された草摺(くさずり)*9型の推進装置を、腰回りを覆う様にして付け足した。

その姿は、まるで古代の挂甲(けいこう)を身にまとう武人をかたどった埴輪(はにわ)の様に見えた。

 

 背中の可動兵装システムは複雑で、特許関係もあるので、温存した。

ただ意見として、突撃砲のシステムは、ブルパップ方式から従前型の自動小銃の形に変更する様、書き添えた。

 ブルパップ方式は、たしかにハイヴ攻略の閉所戦闘では、取り回しが楽で使いやすい。

ただ、再装填時の弾倉を取り替える為に行う動作の大きさは、場合によっては危険を伴う。

そして、全長が短くなっている分、照門と照星の間の距離は短くなり、狙いが定めにくくなる。

 無論、戦術機に搭載されている補正機能で補うから問題は無かろうが、非常時の目視標準が出来ないのは、十分なデメリットではないのか。 

長銃身の方が、機関砲の冷却が十分に出来るし、装薬量を減らして銃身や銃本体の寿命が伸ばせられる。

長銃身の機関砲を標準装備したほうが生還率が上がりそうだが、この世界の人間の考えることは良く判らない。

 

 

 先に(たかむら)に渡した図面にかいた月のローズ・セラヴィーの必殺兵器、ジェイ・カイザー。

一撃で山を吹き飛ばすほど強力なエネルギー砲であるが、次元連結システムがなければ連射は出来ない。

 鉄甲龍の同僚ルーランが改良したように、エネルギーチャージシステムにするにしても、何のエネルギーをチャージするかによって変わって来る。

使い捨ての衛星で落雷の衝撃をエネルギー変換するには、非常に効率が悪いし、費用も掛かり過ぎる。

 光線級のレーザーを吸収して、撃ち返すビーム砲も作れなくもないが、18メートルしかない戦術機にはもてあますであろう。

ちょうど、この世界の海軍の艦艇は、未だに大艦巨砲主義なので、艦載ビーム砲にするのも良いかもしれない。

 だが、葎が操縦するローズ・セラヴィーが繰り出してきたジェイ・カイザーで、散々な目に遭ったマサキは、其の案を一度書き起こしたものの、危険視した。

一度書き起こしては見たものの、考え直して、ゴミ箱に入れてしまった。

 篁にローズ・セラヴィーの図面は渡したから、解析されるだろうが、次元連結システムが無ければ連射出来ないガラクタ。

グレートゼオライマーに積めば、無敵の武器となると考え、一応改良案を書き起こすことにした。

 

 

 

 その様な事を考えて、紫煙を燻らせていると、ドアを叩く音がして、顔を向け、

「誰だ」と返事をする。

「わたしです、せめてお食事でも」

美久の声で、現実に引き戻されたマサキは、左腕のセイコー5を見る。

すでに時刻は、午後9時前であった。

 

 タバコを咥えた侭、隣の部屋に行き、

「中華の出前(デリバリー)か」

「昼間、白銀さんといった店がおいしいというので」

「俺は、そんな事を言った覚えは、ないぞ」

「黙っていても、顔に書いてありましたから」

 美久はそう言て、マサキから顔を背けた。

「人形の癖に、随分大胆な事を言うじゃないか」

 マサキは立ち上がるなり、美久の背後に近寄ると、いきなり彼女の耳を舐める。

全身を(あわ)立て、震える美久の背中から両手を胸の前に回す。

彼女の胸を、茶褐色の婦人兵用勤務服の上から、揉みしだきながら、

「貴様の事を、あまりに人間を真似て作りすぎたかな」と、耳元で囁いた。

彼女が顔を紅潮させ、体を震わす様を見ながら、マサキは不敵の笑みを浮かべた。

 

 

 マサキが、食後の茶を飲んでいると、美久は、

「ハイネマン博士の襲撃事件ですが、やはり東側の……」

と、訊ねて来たので、湯飲みを置くなり、

「フフフ、今日は気分が良い。特別に話してやろう」と不敵の笑みを浮かべ、

「ハイネマンの誘拐を企んだ連中。

そういう組織は、この米国に対して極度の敵愾心を持っていると言う事になる」

「それで」

「今一番考えられるのがソ連のGRUだ。枝葉の組織、つまり出先機関が米国内にある。

当然の事として……」

「なるほど……」

「そのGRUのソ連人が、米国内を駆けずり回ったり、伝令を使えば、色々と目立つ。

故に連絡員は、ほとんど米国人を雇う」

右手を、食指と中指にタバコを挟んだまま、振り上げ、

「どのような諜報機関でもそうだ。秘密連絡員(メッセンジャー)に工作対象国の国民を利用する。

だから連絡員を狙って殺せば済む訳ではない」

 

「敵は、この俺の事を熟知している。

鳴り物入りで、大統領とホワイトハウスで面会し、シークレットサービスやFBIの護衛が付いている。

そのことも、とっくに連中に露見している」

 

「だから、俺は派手に遊びながら、奴等の出方を待つ。

そうだ、今週末辺り、東ドイツにでも久しぶりに遊びに行くか。

そして、シュタージの奴等が集めた秘密情報を使って、強請(ゆす)るのも良かろう」

「どうして、その様な事をなさるのですか」

「奴等は、不安になって来る。自分達の連絡員が支持も無く勝手に動きやしないかとね」

 

「その結果、奴等は俺とお前を狙って来る。

本部からの催促もあって、じっとして居られなくなって、再び誘拐でもしよう」

マサキは、そう言葉を切り、タバコに火を点ける。

「だから、遊びながら待っているのさ。準備万端のゼオライマーを待機させてな。

無論、来た奴等には、地獄行きの特別切符を渡してやるつもりだがな」

 

 マサキの胸は、嫌がおうにも高鳴った。

仕留め損ねた、ソ連赤軍の諜報組織GRUと、その人員。

彼等を、この世から抹殺(まっさつ)する事を考えると、全身の血が(たぎ)った。

*1
早稲田大学

*2
東京外国語大学

*3
一里は約3.93キロメートル。大変な距離の離れているたとえ

*4
一日会わないだけでも三年経ったように感じられるほど情愛が強いことを表すことば。『詩経』国風より

*5
Global Positioning System。米国によって運用される、衛星により地球上の現在位置を測定するためのシステムのこと。同様の衛星測位システムにソ連のGLONASSがある

*6
コンピューターへ不正に侵入するための入

*7
ギリシャ神話に登場するクレタ島を守る自動人形の事

*8
1964年に、米国で作られたパソコン用プログラミング言語

*9
甲冑の胴から吊り下げられた、腰から太ももまでの下半身を覆い、防護するための部品。スカートの様に筒状になていることが多い




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