灼熱の太陽が
「おれがリーダーか……」
各々が支給品を携帯ポーチに移動させる中、ヒズミはいつもの狩り以上に緊張していた。
それは砂漠に向かう竜車の中でのこと。
「共に狩りに出る前に、キミ達の狩猟の経験を教えて欲しい。というか、忘れていたがギルドカードを交換しようじゃないか」
思い出したようにキルリカが提案した。
ハンターが常備しているギルドカードには、各々のハンターとしての経歴や直近の狩りの記録が記載されており、パーティーを組む前にはこれを見せ合って互いの実力を把握しておく事がハンター間の常識だ。
顔合わせの場ではさっさと依頼の話に移ってしまったためにしなかったが、ヒズミとハートもカードの交換に異論は無かった。
「この中だと、ヒズミ君が一番狩りの経験があるようだね」
ヒズミも二人のギルドカードを見たが、二人は中型モンスターの狩猟経験しかなく、確かにこの中で最も狩猟の経験が多いのは大型モンスターであるロアルドロスの狩猟経験があるヒズミと言うことになる。
「一度大型モンスターを倒したことがあるだけで、二人とほとんど変わらないさ」
「いや、大きな違いだよ。大型モンスターと中型モンスターは大きさも能力の高さも桁違いだ。その違いを知っているというのは十分にアドバンテージ足り得る。そういう訳で今回の狩りのリーダーはヒズミ君に任せたいのだけれどどうだろう?」
「え?」
大型モンスターとの交戦経験の話をしていたと思ったら突然リーダーに推薦されてしまいヒズミは困惑する。
「わたしも賛成です」
「ハート!?」
味方を求めてリーフの方を見るが、リーフも「良いんじゃないかニャ」とヒズミがリーダーをやるとこに賛同してしまう。
「ギルドカードを見た限りキルリカとハートは他人との狩猟経験に乏しいニャ。その点お前はオレと一緒に狩りに行ってるから、ある程度仲間に気を配る事が出来るハズだニャ」
そう言われるとその通りな気もする。
「……分かった。上手くは出来ないかも知れないけど、やってみる」
という事があり、ヒズミはこのチームのリーダーを務めることとなったのだ。
自分から「やる」とは言ったものの、いざ狩場に着くといつもとは違う緊張感がヒズミを襲う。
「ふー……よし、やるぞ!」
緊張を打ち払うように頬を叩いて気合を入れると、キルリカとハートの方に向き直る。
「二人とも、出発する前にボルボロスについて再確認しよう」
作戦会議だ。ヒズミなりにリーダーとして取るべき行動を考えた結果、やはり必要なのはパーティメンバー
四人で仮眠用ベッドの上で車座になり、中央に地図を広げる。
「調べによると、ボルボロスはここにいる事が多いらしい」
ヒズミはエリア3を指さす。このエリアには水場があり、体表に泥を纏うボルボロスにとっては居心地が良いのだろう。
「ボルボロスの攻撃で特に厄介なのは、泥飛ばしだな。飛んできた泥を被ると身動きが取れなくなるから、泥を纏っている時は注意しよう」
「纏ってる泥はとっとと剥がすのが良いニャ!」
「ボルボロスの突進は直線的だと聞いた。逃げる時は横に飛ぶのが良いだろう」
「非常に硬いボルボロスの頭部ですが、打撃武器で破壊できるようです。それができれば狩りを有利に進められるのではないでしょうか」
ヒズミがボルボロスの注意点を告げると、他も続いて事前に調べた情報を共有した。この情報の有無が狩りの成否を大きく分けるのだ。
「誰か何か意見はあるか?」
全員が首を横に振る。
覚悟は決まっており、準備も整った。後は全力で狩るだけだ。
「よし、出発だ!」
三話お読みいただきありがとうございました。
ボルボロス戦、次回から始まります。
次話もよろしくお願いします。