ダンジョンに復讐を求めるのは間違っているだろうか   作:マキア

1 / 1
「ナイツ・オブ・フィアナ」に影響されてベル君の復讐ものを書きたくなりました。


免れえぬ破滅

 大いなる厄災が来たる。

 

 近付くこと無かれ()は破滅の化身。触れること無かれ()は万死の宣託者。

 

 母の嘆きが災禍を()び、絶望が産声を放つ。

 

 幾重もの慟哭(どうこく)生贄(いけにえ)に築かれるは(あか)き肉の道。

 

 (あお)き水流もまた血河へと果て、異形の(ともがら)は歓喜する。

 

 奈落の下流は()まり(あふ)れた(むくろ)を押し流し、母に全てを返すだろう。

 

 栗鼠(りす)は肉の花を咲かす。

 

 (きつね)(はかな)千切(ちぎ)れる。

 

 (つち)は砕かれる。

 

 異邦の武者達は命を(もてあそ)ばれる。

 

 血()れの娼婦は狐の形見を持ち去るものの、数多(あまた)爪牙(そうが)に辱められ、弔われる。

 

 友は悲しみを遺す。

 

 破滅の導き手を約束されし妖精は、逆巻く白き炎を道連れに、過酷を(つむ)ぐ。

 

 そして絶望の(おり)(ひつぎ)へと変わり、(なんじ)(さいな)む。

 

 忘れるな。求めし光は(よみがえ)りし太陽のもと(ほか)にはない。

 

 破片を集め、火を捧げ、日輪の灯火(ともしび)を請え。

 

 心せよ。()は惨禍の(うたげ)──。

 


 

 (くれない)(ほとばし)り、臓物が舞い、骸が転がった。

 リリは臓物をばらまいて息絶えていた。

 ずたずたに裂けた春姫(ハルヒメ)は血の海に沈んでいた。

 ヴェルフは手足を失った無残な姿に。

 (ミコト)千草(チグサ)桜花(オウカ)亡骸(なきがら)を折り重ね。

 狐人(ルナール)の遺体を抱えていたアイシャは力つき、何匹もの怪物(モンスター)にたかられ、食い荒らされた。

 血塗(ちまみ)れのダフネは(カサンドラ)の目の前で、(うつ)ろな目で息を引き取った。

 カサンドラが見たのは『悪夢』ではなかった。

 

 現れた【厄災】──ジャガーノートを認識する間もなく遠征隊(パーティ)は壊滅した。

 アイシャのみが辛うじて反応を許されたその蹂躙(じゅうりん)において、既にカサンドラを除いた構成員(メンバー)は地に伏せていた。

 アイシャが応戦することができたのは、ひとえに彼女の『技と駆け引き』、そして女戦士としての天性(センス)によるものである。

 このまま続ければ確実に殺せるが、まだ他の階層に蔓延(はびこ)病原菌(ウィルス)──冒険者達に逃げられてしまうかもしれない。

 アイシャの決死の抵抗は、破壊者(ジャガーノート)の想定を上回り、後回しを選択させることに成功した。

【厄災】が去り、(ようや)く現状を理解できた──親友の最期を見届けた悲劇の予言者(カサンドラ)は、絶望を通り越し、全てを悟った。

 

 それは【惨禍の宴】だった。

【破滅】の回避は叶わなかった。




設定等疑問があれば、気軽に質問してください。
一応原作IFということで矛盾等生じないようにそれなりに考えてはあります。
誤字等も気をつけておりますが、気がついたものがございましたら、教えていただけると幸いです。

遠征編の細かい描写

  • 必要
  • 不要
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。