よく分からないけど、女の子に転生したようです………   作:あんみつ炙りカルビ

9 / 9
まとめも大変だな。


これからのこと、それからのこと

1オーカス

 

スレ立て………これでいいのか?

 

 

 

2 名無しの道化

 

新入り!? 生きていたのか!?

 

 

 

3名無しの道化

 

クラウンは!? クラウンはどうした!?

 

 

 

4名無しの道化

 

テーガンのばばあは!?

 

 

 

5名無しの道化

 

デルトラは救われたのか!?

 

 

 

6オーカス

 

少し、纏めさせてくれ

 

 

 

7オーカス

 

自分が知っている事を話そうと思う。付き合ってくれ。

 

 

 

8 オーカス

 

「ジャスミン、ここにいたのか」

 

 

 

「リーフ………いえ、リーフ殿下」

 

 

 

 嫌がる彼に私は笑いかける。クラウン姉が死んだあと、大王の魔力はデルトラのベルトによって抹消され、デルトラに平和が訪れた。

 

 

 

 今日はその英雄である──クラウン姉の葬式だ。

 

 

 

 私はデル城に残ることにした。リーフの部下として、民の情報を集めて提出する役。民の不満や声などを直接聞けるように彼が考えたのだ。

 

 

 

 リーフは暫くはエンドン王の下で王族の教育を受けながら、業務に携わり、近いうちにデルトラの王になる。私は彼の奥さんになれないけど、それは仕方ないだろう。

 

 

 

 一緒にいられるだけで、嬉しいのだから。

 

9オーカス 23:17:226

 

「クラウンさんも喜んでるかな………」

 

 

 

「そうね。きっと………」

 

 

 

 リーフの腕に自分の腕を絡め、彼に体を預ければ受け止めてくれたまま、彼は空を仰ぎ見る。

 

 

 

「ジャスミン。実を言うと………僕はクラウンさんに憧れていたんだと思う」

 

 

 

「好き、じゃなくて?」

 

 

 

「うん。好き………じゃない。でも一緒にはいたかった。あの人を1人にはしたくなかったんだ」

 

 

 

 その気持ちは強くわかる。私も同じ気持ちだから。

 

 私とリーフは皆が待つ場所に足を向けた。

 

 

 

 そこにはクラウン姉が入っている棺と取り囲んでいる皆様がいて。バルダが私達を見て頷き、棺を開ける。そこには死化粧を施したクラウン姉が──

 

 

 

「え?」

 

 

 

「は?」

 

 

 

「な、んで?」

 

 

 

 ──棺の中は空っぽだった。

 

10オーカス 23:18:387

 

以上だ。

 

 

 

11名無しの道化 23:19:153

 

おいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい

 

12名無しの道化 23:20:211

 

気になる所で終わらせやがったな!?

 

13名無しの道化 23:20:24

 

空っぽだとっ!どこに行ったっー!

 

14名無しの道化 23:21:012

 

誰かがパクってないよな……

 

15名無しの道化 23:21:543

 

クラウン姉さんちゃんとベルト着けれました?ウエスト的に

 

>>16

 

16オーカス 23:22:546

 

>>15

 

失礼な、つけていたぞ

 

17名無しの道化 23:23:18

 

モレーの3臨が大王憑になるとはな

 

>>19

 

18名無しの道化 23:24:38

 

乗っ取っられた時の声はオッサンになってましたか?

 

>>19

 

19オーカス 23:25:285

 

>>17

 

それ含めてモレー姉さんをイメージしていたらしい

 

 

 

>>18

 

声も一緒だ。ただのバビ肉

 

>>20

 

20名無しの道化 23:27:443

 

>>19

 

よくよく考えれば気づけただろうにクラウン姉さんのえっちな容姿に気を取られていた

 

21名無しの道化 23:27:55

 

流石は影の大王やる事がエグかった...というか大王入りのクラウンがエッすぎる よく戦えたな

 

22 クラウン? 23:29:187

 

 まだまだ終わりませんよ、大王様が負けても。

 

 まだ私は負けていないからね。

 

23名無しの道化 23:31:01

 

大王様はハニートラップの選択は無かったの???

 

24名無しの道化 23:31:131

 

大王はジャスミンの妹といいバビ肉に興味でもあるのか…

 

クラウンの魂を繋げてウイルスみたいの流し込んだら面白そうだな(普通に対応されそうだけど)

 

25名無しの道化 23:32:291

 

大王に様付けとか地味に汚染されてそうで怖い

 

26 オーカス 23:34:316

 

To be continued ………?

 

27名無しの道化 23:37:09

 

誰が遺体をパクったか、ネリダが生きていて盗まれたか

 

28名無しの道化 23:38:49

 

ジャックやパフといった歌姫の人材も残ってるから盗めそうだよな

 

29オーカス 23:41:359

 

因みに今後の予定は最後まで語る気だ。

我が友の旅路を

 

30名無しの道化 23:42:292

 

そういや、Sオルの片割れ逃げたままだったな………

 

31名無しの道化 23:48:33

 

badルートかー…。

 

ハッピーどこ…?アニオリ...??

 

32名無しの道化 06:31:39

 

乙です

 

33名無しの道化 12:37:21

 

ジンクスがオ○ホにしてたら笑う

 

34名無しの道化 21:30:46

 

Sオルっているんだっけ?

 

知識にはAオルまでしか出てきてなかったような

 

歴史書読んだのが遠い記憶すぎてもうほとんど覚えてないな…

 

>>35

 

35名無しの道化 21:49:39

 

>>34

 

多分大王のオリジナル………だと思う。Sオルなんていなかったもん

 

36名無しの道化 03:43:02

 

保守

 

37名無しの道化 11:23:203

 

今ようやく追いついた、とても面白かった

 

>>38>>39

 

38名無しの道化 12:35:01

 

>>37

 

新規の人だ〜どのあたりが良かった。

 

39名無しの道化 21:41:541

 

>>37

 

新規だ! 囲め囲め!

 

40名無しの道化 04:26:59

 

保守

 

41名無しの道化 12:41:02

 

保志

 

42名無しの道化 20:11:53

 

保守

 

43名無しの道化 23:13:33

 

 

44名無しの道化22/01/21 00:42:42

 

保守

 

45名無しの道化22/01/21 10:36:43

 

 

46名無しの道化22/01/21 18:10:44

 

 

47名無しの道化22/01/21 23:41:14

 

 

48名無しの道化 00:46:141

 

保守

 

49クラウン 09:31:171

 

明日あたりに完結させたい………

 

50名無しの道化 18:34:34

 

保守

 

51名無しの道化 01:12:48

 

あし

 

52名無しの道化 12:02:00

 

期待

 

53名無しの道化 21:57:57

 

こちらも追いついたぜ

 

いや〜まさかのオチでしたね

 

やっぱり最終決戦でかつての強敵たちが集う展開は…最高やな!

 

>>54

 

54オーガ 23:35:071

 

>>53

 

この展開は正直決めていた。

 

55名無しの道化 09:43:32

 

保守

 

56名無しの道化 20:21:15

 

ほしょ

 

57名無しの道化 05:55:27

 

保守

 

58名無しの道化 14:16:51

 

保守

 

59名無しの道化 22:19:49

 

また落ちたら怖いし保守しとこ

 

60名無しの道化 00:15:38

 

保守

 

61名無しの道化 00:17:14

 

保守

 

62名無しの道化 10:38:50

 

 

63名無しの道化 14:01:40

 

保守

 

64名無しの道化 23:15:24

 

保志

 

65名無しの道化 01:53:27

 

保守

 

66名無しの道化 10:14:05

 

保守

 

67名無しの道化 18:51:15

 

保守

 

68クラウン 22:28:177

 

はい、それではデルトラの世継ぎリーフを殺すRTA、土曜日or日曜日から始めるよー!! 

 

>>70>>72

 

69名無しの道化 07:11:34

 

わあい

 

70名無しの道化 12:34:01

 

>>68

 

ハッピーエンドにはならなそうな単語!

 

71名無しの道化 18:43:09

 

保守

 

72名無しの道化 01:37:28

 

>>68

 

そんなRTA嫌だ…!

 

73名無しの道化 12:35:57

 

保守

 

74名無しの道化 17:03:51

 

保守

 

75クラウン 18:07:296

 

予定、9時から10時で開始。今回は1万5千字くらいだから、あっさりとしてるかもしれない。

 

 

 

長く続いたクラウンの旅路の謂わばエピローグ。

最後までお付き合いください

 

>>76

 

76名無しの道化 18:12:381

 

>>75

 

終わりがよかったらすべていいんだよ??

 

ね?ね??

 

77クラウン 22:09:14

 

始めるよー

 

78クラウン 22:09:519

 

 はい、それではデルトラの世継ぎリーフを殺すRTA始めるよー!! まずは世継ぎとジャスミンの姿を街中に見つける。そしてオルをけしかけて危機感を煽っていくう!

 

 

 

 はい、このおかげで世継ぎを比較的安全な城からいつ死んでもおかしくない外の世界に連れ出せるわけだね。最高! でもでも、どうせ腑抜けた王様と腰抜けの女王が反対するんでしょ?と思ったそこの貴方!

 

 

 

 なんと、こちらに用意しましたのは私が書きました手紙! 笑う。こんな紙切れ一枚で騙されないと思った、そこの貴方!

 

 

 

 はい、見て下さい。世継ぎとジャスミンが沈黙の森を目指す姿だぜ。どうせジャスミンが探しに行く!って飛び出したら、ジャスミンが大好きな世継ぎは必ずついてくるだろうし。

 

 

 

 よくわからんおっさんはまだいないようなので、オルをおっさんと烏と毛玉にして仕掛けましょう。馬鹿め、貴様らはここで死.ね!

 

 

 

 はい、おっさんが駆けつけてオルが倒されるガバを引いたようだな。では次回も、引き続きrtaやるのでバイバイ!

 

79クラウン 22:14:424

 

「リーフ、ジャスミン。心して聞いてほしい………クラウンらしき人物が嘆きの湖で確認された」

 

 

 

 城下町に何故かオルが出現し、撃退した事へのをしに来た自分達が聞いたのは頭を抱えた父と涙目の母。嬉しいはずの知らせに2人は何故顔を歪めているのか。

 

 

 

「何があったの? 父さん」

 

 

 

「………クラウンが、オルを引き連れてる姿をマナスが見たそうだ。その後、姿を見失ったが」

 

 

 

「代わりに各地でオルの被害が増えているのです。指揮をする大王の代わりに誰かが操っていると………」

 

 

 

「まさか、それがクラウン姉だって言うの!? ふざけないで、ふざけないでよ………クラウン姉は私が、私が、この手で………」

 

 

 

 尻すぼみに小さくなっていく彼女の声に、僕も唇を噛み締める。ただでさえ、大王の為に生まれた命を最後はデルトラの未来に使ってくれた英雄への仕打ちとは思えない。

 

 

 

 これ以上、彼女の名誉を汚すわけにはいかない!

 

 

 

「父さん。僕が──」

 

 

 

「な、なりませんぞ、殿下!」

 

 

 

「そうですぞ! 今や貴方様しかデルトラのベルトの真価を発揮できるお方はいませぬ!」

 

 

 

「どうかお考え直しを!」

 

 

 

 父さんの前に踏み出した足を、周りの臣下たちが止めてくる。父さんも苦い顔をしてそれを止めないと言うことは苦渋の決断なのだろう。

 

 

 

「父さん! オルを放っておけって言うのか!」

 

 

 

「そうは言っていない。ジャードとバルダに行かせるつもりだ。だがお前とジャスミンは残れ………ただでさえ、クラウンと親しかったお前たちが耐えられるとは思えないのだ」

 

80クラウン 22:18:496

 

「リーフ、行くんでしょ? 待ってたわよ」

 

 

 

 明くる日、早朝に鍛冶屋から国を出た僕を待っていたのはジャスミンだった。クリーとフィリは偵察に行っているようだ。

 

 

 

「あんな事言われて、手紙を見て私がじっとしていられる訳ないじゃない。リーフもそうでしょう?」

 

 

 

「ああ。どちらにせよ、君は行くと思っていたからね。なら僕がついて行かないわけにはいかないだろ?」

 

 

 

「え、なんで?」

 

 

 

「君とずっと一緒にいるって約束したじゃないか」

 

 

 

 手紙を読んでいた事を知っている。中に何が記載されていたかまでは知らないけど、彼女が国を飛び出すには充分だったのだろう。だから僕もついて来た。

 

 

 

 そうだ、これは彼女への愛だ。彼女が僕のいないところで傷つくなら代わりに僕が傷つくくらいに。ジャスミンは暫く黙った後に、行くわよ!って言って歩き出した。

 

 

 

「ジャスミン? 君、首に何かつけていないかい?」

 

 

 

「ああ、これ? クラウン姉の指輪よ。葬儀の邪魔になると思って、形見としてもらったの。これつけてると、クラウン姉が近くにいるような気がして………」

 

 

 

 彼女の言う通りかもしれない。きっと彼女ならジャスミンの事を見守っているはずだ。

 

 彼女の事だ、今回も何処かで生きてるに違いない。

 

81クラウン 22:33:345

 

嘆きの湖でのrta始めるよー!

 

 

 

 まずは占い師にオルに化けさせるじゃん? 暫く、占い結果を当たる様に悪い事やいい事を起こさせて、評判をあげるじゃん? ララド族からの評判が上がったところで次に行こう。

 

 

 

 世継ぎがやってきたな。では世継ぎ相手に占いを行っていく! こういう脳味噌性欲な思春期には恋関連話せばいいのさ。適当にな。まあ、この馬鹿にクラウンとジャスミンの話をすればええやろ。

 

 

 

 そしてジャスミンに危機が迫ってると占った後に、世継ぎを地下牢に呼び出して行く! そして、殺させるのさ! 完璧だな!

 

 

 

 ジャスミンとおっさんは分断して………おい、何で迷いもなく、世継ぎの元に向かえる?? 帰巣本能でもあるのか?? 

 

 

 

 しかし、奴に勝てるわけが………何で?? 何処から出て来やがった?? 

 

 はい、またそんなガバを引いたので今回はここで終わりにしましょうね。くそが。

 

82クラウン 22:38:506

 

「君は2人の女性に恋をしているな?」

 

 

 

 ララド族の街に着いた僕達は気晴らしとして、巷で有名な占い師に占ってもらった。そして僕を見て、彼は小声でそう言ったのだ。

 

 

 

「片方は銀髪の女性………気ままに振る舞っているが、誰より縛られている。もう1人は黒髪の女の子………自分で選んだ道を突き進む、強い子だ。おや、この二人は姉妹かな?」

 

 

 

「よく………わかりますね」

 

 

 

「なーに、年の候じゃよ。しかし、不幸なことに銀髪の女性には何も言えないまま、遠くへ行ってしまったようじゃな」

 

 

 

 何から何まで大当たりだ。おじいさんは暫く水晶玉を見た後に目を見開き、こちらに口を寄せると、

 

 

 

「だが、お主は運がいい………近くに銀髪の女性がいるようじゃぞ。地下の鏡がある場所を目指せ。そこに彼女はいる」

 

 

 

「本当ですか!? じゃあ、皆で行かないと!」

 

 

 

「ならぬ。皆で行けば彼女は逃げてしまうじゃろう………まずはお主が話して説得するのじゃ。仲間だったのだろう? なら問題あるまい」

 

 

 

 確かにクラウンさんが僕やジャスミンをいきなり攻撃するなんてあり得ない。ましてや彼女が罠に嵌めるなんて考えにくい。

 

 

 

「わかりました。一人で行きます」

 

 

 

 確かめに行こう。彼女が何故こんな事をしたか、その全てを。

 

 

 

83クラウン 22:49:156

 

結果から言えば、僕の考えは甘かった。

 

 

 

「おやおや、本当にのこのこと1人で来るとはねえ………馬鹿としかいいようがないよ、テーガン!!」

 

 

 

 たしかに占い師のおじいさんは銀髪の女性としか言っていなかった。そして、目の前に立つ女性も銀髪だ。クラウンさんとは言ってなかった。

 

 

 

 その馬鹿さ加減のつけが、杖を突きつけたテーガンだった。

 

 

 

 飛来する閃光を避け、空間ごと破壊する爆発をかわす。近づきたいが、近づけない。剣を抜く暇すら与えてくれない中でジリジリと追い詰められていく。

 

 

 

「ざまあないね! 仲間がいないと、お前はこれだけ弱いのか! クラウンの奴に守られてばかりで、お前が成し遂げた事なんて、何一つないんじゃないか!」

 

 

 

 それでも、目の前の人物がその人の名前を口にする事を許す事など出来なかった。杖の光が照らすより早く、横っ飛びし、閃光を尻目に剣を抜く。

 

 

 

 すぐさまテーガンの杖がこちらに向くが、それよりも自分の切っ先が奴の小指に届く方が早い。

 

 

 

「もう眠るんだ、テーガン。今のデルトラにお前の居場所はどこにもない!」

 

 

 

 小指を切り落として、背中越しに振り返ればそこにはテーガンが、

 

 

 

「小癪な小僧め! 突き殺してくれる!」

 

 

 

 杖先を槍に変えて、目の前に迫っていた。

 

 小指を切り落とせば、弱体化するはずだ。今までだってそうだったはずなのに!?

 

 

 

 槍先が僕の心臓めがけて、振り下ろされ、

 

 

 

「リーフ!」

 

 

 

 彼女の呼び声とナイフがテーガンの頭に突き刺さった。

 

84クラウン 22:57:586

 

リーフの姿が見えなかったから、探していた。すると占い師のおじいさんがこう言ったのだ。

 

 

 

『奴は銀髪の女性に会いに行ったよ………彼女が好きだからね』

 

 

 

 銀髪の女性と聞いて、私はすぐに居場所を問いただそうとしたが、男はすぐに姿を消して、足取りが掴めなくなってしまった。

 

 

 

 なんとしてでも、クラウン姉に会わなきゃいけない。会って本物かどうかを確かめなくてはならないのに。それすらも許されないと言うのか。

 

 

 

『なんだい………随分と死んだ顔をしてるじゃないか』

 

 

 

 威圧的なこえが、した。辺りを見回すがバルダでもないし、人もいない。

 

 

 

『ここだよ、ここ』

 

 

 

 自分の近く、顔を下に向ければ、そこにはクラウン姉の指輪があって。それがひとりでに揺れたと思うと紫色に光る炎が浮き出てきた。

 

 

 

「貴方、誰?」

 

 

 

『アンタらに殺された負け犬さ。それより、あの馬鹿の下に行きたいんだろ? 私も少し、用がある。手を組もうじゃないか』

 

 

 

 よく分からないが、クラウン姉の指輪から出てきたのだ。他に手段もない。少し、危険だとしても踏み込まなければいけないのだ。

 

 

 

 そして、今。私はテーガンに襲われていたリーフを助け出した! 間一髪だった! 何で、テーガンが生きてるかもわからないし、クラウン姉もいない。

 

 

 

 けれど優先すべきは目の前の脅威………

 

 

 

『アンタ、オルだね? 私の姿を騙るとは随分と舐めた真似してくれるじゃあ、ないか?』

 

 

 

 が、人魂に纏わりつかれていた。気づけばその数は14。紫色の人魂を筆頭に蒼の人魂達が、テーガンの肉体に火をつけ、燃やしていく。

 

85クラウン 23:14:076

 

地獄の業火のような炎に苛まれるように、テーガンだったものが、オルに姿を変え、占い師のおじいさんに姿を変えていく。

 

 

 

「占い師もオルだったのか!」

 

 

 

「それでリーフを殺そうと罠に嵌めたのね!」

 

 

 

 叫ぶ暇すら与えない空気を焦がす炎はオルの肉体全てを跡形もなく焼き尽くす。息を吸えないほどの熱は治まり、人魂、いやテーガンの魂はこちらに向かってくる。

 

 

 

『まさか、私がアンタらを助ける羽目になるとはね………ま、せいぜい偽物には気をつけることさ。そうすれば、いずれクラウンにも会えるだろうよ』

 

 

 

「テーガン、クラウンさんがどうなったか。知らないか?」

 

 

 

『私が知ってるのは最後にクラウンが肉体の主導権を取り戻したところまでさ。遺体を盗んだ馬鹿に心当たりはないね。私なら堂々と逃げるしね』

 

 

 

 変に驕り高ぶる彼女の言葉の妙な説得力にボク達は顔を見合わせるしかない。テーガンの魂はそれを見て、愉快そうに魂を揺らすと、

 

 

 

『あの馬鹿弟子がそう簡単に死ぬわけもないから、案外お前たちのすぐ近くにいるかもしれないよ。頑張って探すんだね』

 

 

 

 13人魂を引き連れて、何処かへ消えていく。

 

 優しい声で子供達を導いて。

 

86クラウン 23:16:417

 

はい、それじゃあ、世継ぎを殺すrta。ネズミの街〜うごめく砂を始めるよー! 前回はまさかのテーガンが出てくると言う最悪のガバを引きましたが、今回は安全でいくか。

 

 

 

 まずはオル4体を使って、作り出したこちらの女の子。名前はフランソワーズにしましょう。私のデータ上、世継ぎはハニトラに弱いので。可憐な女の子で罠に誘うって感じ。

 

 

 

 設定は病気の母親のお見舞いにしましょう。そして、今回は私が病気の母親役として、直々に殺す。これならガバも出ないし、安全安定。精神的ショックも与えられるからね。

 

 

 

 さあ、行け! フランソワーズ! 貴方達で世継ぎをメロメロにするのだ! 今回は私も近くで見てるからな。失敗したら、テメェらから殺す。

 

87クラウン 23:26:056

 

「散々な目に遭った………」

 

 

 

「でも良かったじゃない。トムから珍しいもの貰えたし」

 

 

 

「そうだぞ、リーフ。喋る短剣なんて見たことないじゃないか」

 

 

 

 トムの店に挨拶と珍しい道具を買いに来た僕らは彼の口車に乗せられて、店番をする事になってしまった。なんでも姉への贈り物だから、自分でやらないと後で怖いとか。

 

 

 

 色々あっだけど………本当に色々あったけれど、無事に完遂した結果、トムから割引とおまけで喋る短剣を貰ったのだ。

 

 

 

「へー、名前は? 僕はリーフって言うんだ」

 

 

 

『リーフ…!?!!?……は、ははは。僕は、そう………僕はデ、ディーン! アディン様に由来して名前をつけられた喋る短剣さ!』

 

 

 

 刃渡り20くらいのその短剣はジャスミンが持つべきだと思ったが、ジャスミンは何か嫌な感じがする、具体的には裏切りそうというよく分からない感覚から断られた。

 

 

 

 後、腰に治めようとしたら、ものすごい勢いで震える為、トムからホルスターを買って太腿あたりに巻き付けることにした。意外と我儘な感じだ。

 

 

 

「ディーンは誰に作られたんだい? トム曰く、店の前に落ちていたらしいけど」

 

 

 

『僕は、影………』

 

 

 

「影?」

 

 

 

『か、過激な女魔術師に作られたんだ………銀髪の、ね?』

 

 

 

 何故か凄く震えてる短剣はしどろもどろに言葉を並べていく。銀髪の過激な女魔術師………何だろう、凄く身に覚えがあるような。

 

88クラウン 23:31:255

 

「もしかして、クラウン姉? 貴方の主はクラウンとか名前じゃない?」

 

 

 

『ん、んー? な、名前までは分からないなぁ………僕は伸び縮みできるだけの短剣だし………』

 

 

 

 刃渡りを僕が持つ剣くらいまで伸ばしたり、縮めたりして有用性をアピールするディーンだが、なんでか誤魔化しの匂いがする。

 

 

 

 それを追求しようと、口を開いた矢先に少女らしい声が聞こえてきたので、ディーンを突きつけて振り返る。そこにいたのは地面に倒れたオレンジ色の髪の女の子だった。

 

89クラウン 23:39:366

 

はい、接触完了。さあさあ、あとは適当に誘惑して、私の元まで誘き寄せ………おい待て、こら。カバン担当オル! 何を暴れてる! バリバリ、ジャスミンに見られてるじゃないか! 馬鹿が!

 

 

 

 よしよし、なんとか誤魔化せたみたいね。幻草なんてないけど。薬草に詳しいやつがいなくて助かったわ。ってこら、帽子担当! またジャスミンに見られてんじゃねえか!

 

 

 

 はい、お前らちょっと来い。

 

 

 

 なんで、簡単なことができないんだお前らは! 何が分からないのか、私に教えろ! 襲わず、誘惑して、屋敷をめざせって言ってんだろ!?

 

 

 

 どうせ、殺すなら今すぐやった方が早い?

 

 それで今まで切り抜けられてんだろうが! 馬鹿野郎が!

 

 

 

 ともかくしっかりやれ! 分かったか!?

 

 テメェらが私に勝てるわけねえんだから、指示には従え、Cオル供! さあ、戻れ!

 

 

 

 何で言った先から、カバンを頭に置いてんだ馬鹿!

 

90クラウン 23:44:173

 

『リーフ、君、女性に弱いのはどうかと思うよ。君、世継ぎだろう?』

 

 

 

「そうよ、ディーン! もっと言ってやって! リーフは本当に女の子に弱いんだから! 私は幻覚なんて見てないって! 次に何かあったら、ベルトを使いなさいよ!」

 

 

 

「まあまあ二人とも。その辺にしておいてやれ。仮にジャスミンの言葉が本当だった時の事も考える。それでいいな?」

 

 

 

「わかったわよ………クラウン姉がいたら、そんな薬草ありませんよ〜って言ってくれたのに」

 

 

 

 ジャスミンが拗ねて、木と友達になってる間にディーンの使い道を確かめる。剣のようだが、どちらかというと扱いは鞭に近い。

 

 

 

 蛇腹剣のようなタイプと見て良さそうだ。伸び縮みする時にスライム状になるから打撃や斬撃で伸び縮みを狙われても問題なさそう。

 

 

 

 唯一の欠点は使うたびに手が凍えるほど悴んでしまうところか。咄嗟の時以外は普段の剣を使うようにしよう。

 

 

 

「そういえばディーンは何でトムの店にいたんだい? 捨てられたの?」

 

 

 

『聞きにくいことをズバズバ聞くね、リーフ………僕を持っていた人が僕を切り捨てたんだ。で、なくなく僕はあそこに放置されていたわけ』

 

 

 

「お待たせしました………それでは出発しましょうか。皆様」

 

 

 

 ディーンの言葉の先を聞く前に、フランソワーズが帰って来たので、後でディーンの話を聞くとしようかな。

 

91クラウン 23:49:296

 

はい、もうrtaが心配になりつつある私だけど。今回はよくやった。使えない鞄と帽子担当を崖に落とすとはな。良くやったよ。

 

 

 

 はい、攻めることしか考えられない馬鹿オル達?

 

 洞窟の中で殺してこいよ、殺したいんだろ? 自分達ならやれるんだろ? 出来もしねえのに、口だけは一丁前だからな。

 

 

 

 私は屋敷で待つ。やれるもんならやってみな。

 

 まあ出来やしないだろうけどね。

 

92クラウン 23:57:334

 

結局──私が出なきゃいけないとは思わなかった。

 

 テメェらと真正面からやりあうのも、デルトラのベルトを避けたいのも含めて、暗躍していたってのに。

 

 

 

 役立たずのオルどもめ。テメェらは誰が従えていると思ってる? もうお前たちは下がってろ。私の邪魔をするんじゃないよ。

 

 

 

「こんにちは、貴方がフランソワーズのお母様ですか?」

 

 

 

「──ええ、よくぞ来てくださいました。私の娘は我儘で疲れたでしょう? お茶を用意しましたので、どうぞ」

 

 

 

 奴らが部屋に入ってくる。デルトラのベルトの斜線には入らないようにフードを被って出迎える。彼らに紅茶を差し出して、中身は睡眠薬。一口飲めばアクババさえ眠る。

 

 

 

 毒はエメラルドやルビーで解毒されかねないからね。これくらいがちょうどいいのさ。さあ、お茶を飲んでそのまま眠りな。

 

 

 

 それがお前たちの夢の終わりだよ。

 

93クラウン 23:57:484

 

『──それはどうかな、クラウン』

 

94クラウン 00:03:344

 

お茶を飲んだ。奴らは眠った。後は短剣で首を掻っ切るだけだ! なのに、この声はなんだ! オル!奴らの体を探せ! ベルトには触るな──

 

 

 

『ありがたい。肉体が少なくて困っていたんだ──頂くよ』

 

 

 

 瞬間、2体のオルが液状化………いや、取り込まれて一つの塊に変わっていく。その結合点。中心にあるのは短剣。そして、声の主人もその短剣からだ。

 

 

 

『全く………君に僕の魂が切り離された時はどうなるかと。でもおかげで復活できた。君の正体のおかげだね』

 

 

 

 その姿は知っている。影の大王様がファローと同じくらい信頼していた腹心の部下。最期の最期で大王様に楯突いたオルの精鋭!

 

 

 

「デイン………生きていたのか!」

 

 

 

『死ぬつもりが死にそこなったからね。それに………リーフは僕の親友だ。手を出させはしない』

 

 

 

 瞬間、デインの肉体が変化し、部屋全体を覆い尽くした。

 

95クラウン 00:11:526

 

くっそが………なんつーガバを引いたんだ私は。流石に精鋭なだけある。私が撤退を余儀なくされるとはね。やはり、魔法が使えないのがネックか、くそっ。

 

 

 

 指輪さえ有ればよかったが、あれはあの女が持っていやがる………指輪さえあれば私は無敵だ、無敵なんだ。大王様から与えられた魔力を存分に奮っての雷を扱うことができる。

 

 

 

 そうすれば、奴らを消し炭にするのなんて容易い!

 

 これが最期だ。デル城で近々戴冠式が行われるはず………7部族を何処かのタイミングで集めてしまえば、一網打尽だ。

 

 

 

 これを私の最後の戦いにしようじゃないか。デルトラの世継ぎ。大王様に与えられた私の使命を果たすためにもお前には死んでもらうよ。

 

 

 

 

 

 

 

96クラウン 00:15:026

 

『やあ、無事だったかい? リーフ?』

 

 

 

「ありがとう、ディーン………おかげで助かったよ」

 

 

 

 眠りから覚めた僕らが見たのは荒れ果てた屋敷内と、日が登っていた外の世界。一部始終を見ていたディーン曰く、クラウン姉が突然現れて、僕達を助けてくれたらしい。

 

 

 

「やっぱりクラウン姉は生きてるのよ! 私達の前に出てこないのはきっと………体が化け物とかになっちゃってるからかな?」

 

 

 

「ありうるな。大王に乗っ取られて、今でも操られてるのかもしれん。だが稀に自分に戻った時にこうして姿を見せているのかも」

 

 

 

「クラウンさんがオルを率いてるのかもしれない………けど、まだ希望は残ってる。バルダ、ジャスミン。必ずこの旅でクラウンさんを見つけよう! まだお礼も言えてないんだから!」

 

 

 

 今までの事もオルが仕掛けていた事全てに彼女が関わっているならば、この旅を終えた先にもしかしたら彼女がいるかもしれない。

 

 

 

 ならば、僕達は迫り来るそれら全てを踏破して、君を迎えにいく。それだけだ。

 

97クラウン 00:22:376

 

それじゃあ、最後のrta始めるよー。

 

 ったく、ここまで粘られるとは………流石は世継ぎ。宝石を集めた手腕は只者じゃないって訳か。残りのオルも数少ない………何で大王様はオルを処分しちまったんだか。

 

 

 

 まあいい。とにかくまずは世継ぎ達を館に誘き寄せるとしよう。残るお前達は奴らとルーカスに化けて、7部属が滞在してる館に向かいな。騙して夜中に殺しにかかるんだ。3人組は私がやる。森の中なら、まだなんとかなるだろうからね。

 

 

 

 さて、ここで仕留めなければ後がないんだ。全員気張っていきな!

 

98クラウン 00:29:216

 

「リーフ! 上よ!」

 

 

 

 雨が降る森の中で、影が頭上をはためいたかと思うとその影はこちらに向けて落ちてくる! 咄嗟に剣とディーンの二刀流で受け止めて、弾き飛ばす。

 

 

 

「ディーン!」

 

 

 

『任せて!』

 

 

 

 そのままディーンを振るって、バックステップで距離を取った襲撃者の顔まで隠すフードを弾き飛ばす。顔にまでは届かなかったが、それでもその正体を──

 

 

 

「はろー、世継ぎ? 久しぶりかな?」

 

 

 

「クラウン………さん?」

 

 

 

「お姉ちゃん………やっぱり、生きて」

 

 

 

「2人ともぼさっとするな!」

 

 

 

『リーフ! 防御だ!』

 

99クラウン 00:29:424

 

フードの下から出てきた懐かしい顔にリーフとジャスミンの動きが止まった。あからさまに戦闘時にする事ではない、致命的な隙。

 

 

 

 唯一、バルダだけがそれに気づいてジャスミンの前に立ち塞がるが、クラウンの前蹴りを下腹部に受け、悶絶。そこから流れるように殴打が重ねられていく。

 

 

 

 剣を構えようにも、短剣で受け流され、前のめりになったところを足を払われて転ばされる。そこに向けて短剣を投げるがリーフによるディーンが金属音を奏でて、防ぐ。

 

 

 

 しかし、それでジャスミンを守る者は居なくなってしまった。投げた短剣をそのままに袖口から突き出したナイフで振り向きざま、ジャスミンを狙う。

 

 

 

 辛うじてジャスミンの軟体による上体逸らしが間に合い、胸元を掠める一撃は傷にはならない………が、ジャスミンがバク転した先に、首元の指輪がない事に気づいた。

 

 

 

「ったく、最初からこうしてれば良かったよ………これなら、私の強みが存分に使える!」

 

 

 

「不味い2人とも! 木の影に行くんだ!」

 

 

 

 バルダを抱き起こし、指輪をはめたクラウンから逃げるように距離を取るが、その程度、大王の道化たる彼女には射程範囲内だ。

 

 

 

「さっさと死になよ、屑ども! 雷霆!!」

 

 

 

 空と大地を繋ぐ黒い光が瞬くのが、3人組が見た最後の記憶だった。

 

100クラウン 00:34:365

 

快………感っ♡ 気に入らない奴を力一杯潰すのがこれだけ最高とはね。テーガンの気持ちがよく分かるわ。これだけ身体中をめぐる魔力………この全てが自分のものになったような万能感。

 

 

 

 消し飛んだ森を見れば分かる。限定的だが人間には手が届く訳がない自然の暴力を操る力。大王様がこの肉体を回収しておけと、言いたくなる気持ちも良く分かる。

 

 

 

 私の使命はこれでおしまいだけど………せっかくの機会だ。力を試すには持ってこいの奴らがまだあそこにいるはず。大王様の手土産にしよう。ジャリスやトーラ、平原族はきっといいお土産になるでしょうから。

 

101クラウン 00:40:225

 

「リーフ、無事か?」

 

 

 

「なんとか………ジャスミンは?」

 

 

 

「へーき。余波で木に叩きつけられたくらいよ。まだ体が痺れてるわ」

 

 

 

 満足に動かない体をどうにか立たせるジャスミン。バルダも僕もまだ金属で殴られたような麻痺が腕を走ったままだ。骨まで響くこの威力………クラウンさんの魔法そのものだろう。

 

 

 

 まともに当たればアクババすら、落とす魔法。大王が振るっていたものよりかは弱いけど、それでも並大抵の人間じゃあ、消し炭になるばかり。

 

 

 

「なのに、私達が生きてるのは何でよ? ベルトのおかげ?」

 

 

 

「分からん。久しぶりだったから、感覚がずれていたんじゃないか?」

 

 

 

「………話していても始まらない。彼女を追いかけよう。クリーにどちらに向かったか聞いてくれないか?」

 

 

 

「………なるほど、近くに館があるみたい。ジャリスがいたらしいから、そちらかもね」

 

 

 

「よし、急ごう。彼女が何者でもクラウンさんを取り返すんだ」

 

102クラウン 00:45:105

 

演技、演技………私はオルを倒しにきたクラウン姉さんと。さて、行きましょうかね。皆様、元気ー? わあ、死人が生きていたみたいな顔しないでよ。

 

 

 

 何で生きていたかって? ジャスミンに心臓さされた後さ、実は棺の中で生き返ったの。でも、その時はまだ大王様の影響で、体が変貌していたから、泣く泣く逃げて体を戻していたの。

 

 

 

 薬草とかはデルトラを回らなきゃ手に入らないし、本当にデルトラに平和が戻ったかをしりたかったからね。ゼアン様? どうしました? 可愛い可愛いみんなの娘が帰ってきたんだから、ハグくらいしてよねー?

 

 

 

 ジャスミン達もお久さー? シャーン様は元気ー? 

 

 オルがこの館に逃げ込んできたから追ってきたんだけど、みんな無………事?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グラソン、私に飛ばした弓はどういう意味?

 

 ゼアン、私に対して放った魔法はどういう事?

 

103クラウン 00:51:026

 

「あんた、偽物でしょう? というか今、わかったけどね」

 

 

 

「頭を矢で貫かれても死なない………その体、貴方もオルですね」

 

 

 

 容赦なき2人の指摘にクラウンの皮を被ったその女は口が裂けるほどに開いてケタケタと嗤い出す。頭を貫き、脳漿をぶち撒けるはずの脳から溢れるのは白い粘体。

 

 

 

 先程見た存在とよく似た者だった。

 

 

 

「どうしてわかった? ジャスミン達すら私達を疑っていなかったじゃないか?」

 

 

 

「ジャスミンの感情の昂りが弱すぎる。唯一の姉で自分の手で殺したならばもっと泣いてもおかしくないのよ。なのに、そうはならなかった」

 

 

 

「それに貴方はシャーンに対し、へらへらした態度は取りますが嘲はしなかった。今の貴方とは大違いですよ、クラウン」

 

 

 

「やっぱなー。人間真似るのむずいのよ。その辺り、ファローやデインはよくやっていたわ。私は私の役割通り………オル達をまとめ上げてれば良かったわね」

 

 

 

 クラウンの道化が指を鳴らせば、それを起点にリーフがグラソンを蹴り飛ばし、ジャスミンがゼアンにナイフを投擲。バルダの大振りの一撃はジャリスによって遮られた。

 

 

 

「リーフやバルダ達もオルだったのか!」

 

 

 

「ってことは俺はオルに連れられてこの館に来ちまったわけか!」

 

 

 

「げほっ、ゴタゴタ言う前に迎撃するよ!」

 

104クラウン 00:57:334

 

ジャリスがオルの一体を受け持ち、グラソンがオルをもう一体引きつけて逃げていく。残りは2体とクラウン。圧倒的に手が足りない。

 

 

 

「ルーカスがいてくれたらな………」

 

 

 

「弱音を吐いてはいられません。私達で何とかしなくては」

 

 

 

 マナスが剣を振り、オルと相対。ファーディープもランプを投擲するなどしているが、ジリ貧は否めない。ゼアンはクラウンを足止めしているが、いつ均衡が崩れてもおかしくは──

 

 

 

「クリー!」

 

 

 

 瞬間、ドアを蹴破り黒い影がマナスと敵対するオルに飛翔。その間にマナスの隣に並んだのはよく知っている男性で。

 

 

 

「リーフ!」

 

 

 

「遅れてごめん。マナス。雷に打たれて痺れてたんだ」

 

 

 

「じゃあもう一回撃たれていきなよ、ほらね!」

 

 

 

 リーフに向けてナイフを投擲したクラウン。それが何を意味するかはこの長い旅で充分すぎるほど知っていた。避けても距離を取らなくてはいけない。弾いても危ない。

 

 

 

 リーフはマナスを抱えて、飛び退けば黒い雷撃がオルに突き刺さり、オルが膝をつく。その隙にリーフは飛びかかるが、黒雷を迸らせたクラウンが肉薄。

 

 

 

「雷速連携、雷帝!!」

 

 

 

「くっ!」

 

105クラウン 00:57:534

 

マントを翻し、クラウンの視界を潰すと股下を抜けるように滑り込み背後に回る。そのまま隙だらけの首めがけて、剣を振り下ろし──

 

 

 

「リーフ。だめだ! 狙うなら右胸を! 彼女はオルだ!」

 

 

 

 マナスの叫びが手ごたえない剣閃が彼女の首をすり抜けた後に、鼓膜を揺らした。すぐさま、剣を構え直すが、既に彼女の手がリーフにふれていて。

 

 

 

「頭じゃなくて、心臓部を狙うべきだったわね」

 

 

 

 空気自体を弾くような音と共に、リーフの体に雷撃を走る。息の仕方すら忘れた人魚のように力無く倒れた彼に向けて、クラウンが黒雷を放とうと

 

 

 

「させません!」

 

 

 

 咄嗟にゼアンによる火の魔法がクラウンの黒雷とぶつかる。しかし、威力では負けているのは誰の目でも明らかであり、ゼアンの肩口が落雷に撃ち抜かれた。

 

 

 

「邪魔者はこれでいない! くたばれ、世継ぎ!」

 

 

 

 ジャスミンもバルダも間に合わない。黒雷を放とうして、クラウンは魔力を身体中から集めて、更に力を何処からか持ってこようと──

 

106クラウン 00:58:076

 

『ハロー? アンナの遺体を弄んだクソ野郎。ちょっくら面かせや』

 

107クラウン 01:02:067

 

世界が、変わる。いや違う。

 

 引き摺り込まれた。現実とは違う世界に。

 

 

 

「何だ、ここ………?」

 

 

 

『私の魂の世界』

 

 

 

 先程まで頬を赤らめ、世継ぎに対し、下種じみた欲望に興奮に身を震わせていたクラウンを、誰かが制した。

 

 低い、くぐもったけだるげな女の声だ。

 

 

 

 その声にクラウンが顔を上げると、暗がりから滲み出すように人影が進み出てくる。

 

 

 

 それを見たクラウンは表情を一変。それまで恍惚としていた表情が、憎々しげなものへと歪められ、相手を睨みつける。

 

 

 

「人がせっかくいい気分だったのに邪魔しやがって。私の前に立つって奴に容赦しねえよ?」

 

 

 

「そうですか。安心してくださいよ。私も、貴方にに容赦する気はありません。人の遺体を喰らって、人の姿で悪事を起こしまくって………私の肖像権代払ってくださいよ」

 

 

 

 けだるげな声はクラウンにそう応じて、気が重くなるようなため息をついた。

 

 

 

 そして、

 

 

 

「貴方の動向はジャスミンの首に下げられていた指輪からずっと見ていました。それで、ずっと貴方の魂をこの世界に引き摺り込むタイミングを待ってました」

 

 

 

 言いながら、同時に聞こえるのは重々しい足音。声の主の後ろから歩いてくる200体の足音だ。

 

 

 

 そして目の前に立つのは色気を纏った女だ。魔女らしく、着飾る影だ。珍妙な格好の奇人だ。

 

 奇人はクラウンに向かって、指先で黒雷を弄ぶ。

 

 

 

「貴方のクソみたいな魂と繋がって今日の私は機嫌が悪いんですよ………さっさと魂を渡して、大人しく死.ね」

 

108クラウン 01:06:227

 

全く………こんのSオルめ………人様の肉体を使って何してくれてんですかね!? あのまま放って置かれても復活出来なかったので、好都合でしたけど! 散々私の姿が見られた以上、信用の回復が面倒なんですよ!

 

 

 

 まあいいや。このまま大王が私にやったみたいに、魂を繋げて乗っ取らせてもらおう。わたしの大王のせいで欠けた魂をこいつで補えば、蘇生できるはずですからね。

 

 

 

 そのためにも………オーカス! 実力のほどを教えてやりますよ! 簡単に言えばわたしと貴方で雷撃と炎放ってれば確実に死にますもん! 焼き尽くしちゃいますよ!

 

 

 

 しかし、まさかね………Sオルの肉体を利用して、Aオルのデインが僅かながら復活して、王の懐刀になるとは、流石のクラウン姉さんにも予想出来なかったですよ。

 

 

 

 行けー! オーカス! だいもんじー! 効果は抜群だー!

 

 

 

 さて、それじゃあ最後にお話をしますかね。

 

109クラウン 01:10:596

 

「は、話し合おう………な!?」

 

 

 

「…………」

 

 

 

「お前にだって分かるだろ! 自分が何で生まれたか! その意味を知りたかっただけだ! 私は役目を果たすだけじゃない! 他にも何かできたはずなんだ! だから、だから、だから!!」

 

 

 

「人の肉体を使って、そいつになり変わって人生を生きるんですか………強欲で傲慢ですね、貴方は。でも言いたい気持ちはわかります」

 

 

 

 互いの感情が一致している事は理解したらしく、Sオルはクラウンに対して言葉を並べていく。

 

 

 

「結局、私が生まれた意味なんてものは大王の道化を演じるためというくだらないものでした。案外、生まれた意味なんて探さないほうが幸せなのかもしれません」

 

 

 

「な、なら」

 

 

 

「けど、生まれた意味がくだらなくても、死んでいい理由にはならないと。私はこの旅で学びました。だから私は生きなくてはいけません」

 

 

 

 クラウンはにっこりと人当たりの良い笑顔を浮かべて。

 

 

 

「──私は彼らと生きていたいんです。こんな私だけれど。皆と一緒に」

 

 

 

「へ………ぎ、ぎゃあァァァァァァァァァァ!?!」

 

 

 

 ぐしゃりとアルミ缶を潰したような音を立てて、Sオルの右腕が人体の奇跡を越えた方へねじ曲がっていく。

 

 

 

 思わず距離をとり、恐怖による鼻水や痛みから来る涙を流し、あの頃のような傲慢さとはかけ離れた態度で逃げていく。

 

110クラウン 01:11:174

 

「だから、貴方の魂をいただきます。私の為に………あ、これが貴方の生まれた意味だったのかもしれませんね♡」

 

 

 

 クラウンの雷撃がSオルの魂を締め上げていく。力を増すそれに呻き声を上げるSオルは最後に邪悪な笑みを浮かべて。

 

 

 

「クソクソクソクソが! 所詮お前も彼奴の味方か! どうして………どうして! 大王様、私ではなく、彼奴じゃなきゃダメなんだァァァァ!」

 

 

 

 命が絶たれる前の最後の慟哭。それがSオルがクラウンにやられながらも最後の最後に憎き相手の遺体に移り住んだ理由だったのかもしれない。

 

 

 

「知りませんよ、そんな事。あいつが何考えてるかなんて知りたくないですし」

 

 

 

 一方でクラウンはそんな言葉を一考もせずに、魂を力一杯に締め上げ、魂が自らの糧となるのを実感しながら、案外大した事ないなという印象を得ていた。

 

 

 

「けど……強いて言うなら、大王にとって私達駒は等しく価値は無いと思いますよ」

 

 

 

「……ぁ、ぅ。や………だ、………しに、たくは」

 

 

 

 Sオルの唇から呻き声が漏れる。

 

 

 

 端正な顔が苦痛に歪み、唇の端から涎が伝うのが見えた。口の中では自由を求めて赤い舌がチロチロと踊り、手足をばたつかせて必死に抵抗するが、

 

 

 

「さようなら、私の為に生まれた存在。貴方の生まれた意味と価値は私にとって最高でした」

 

 

 

 そして、枯れ木が折れるような音を立てて、Sオルの魂が消えていき、光り輝くその中心へ向けてクラウンは歩き出す。

 

111クラウン 01:18:065

 

「リーフ! 早くジャスミンを助けないと!」

 

 

 

「わかってる! でもあの影のマークはどこに!?」

 

 

 

 あの後、突如動きを止めたクラウンさんはそのまま地面に倒れ、目を覚さなかった。それよりもルビーがずっと熱を持っていた為に、クラウンさんを外に連れ出し、僕らは部屋を調べていたんだ。

 

 

 

 まさか、屋敷自体がオルだったなんて………思いもよらなかった。クラウンさんがSオルだったのを踏まえるとこのオルも相当強いと思われる。

 

 

 

 その中にジャスミンが囚われてしまった。何とかしたいけど、あの巨体相手にどうすれば──

 

 

 

「──そんな無理しなくてもいいんですよ、リーフ」

 

 

 

 声がした。先程まで聞いていたけど、まるで違う人の声が後ろから聞こえた。

 

 

 

「動きを止めたいんですよね。任せてください。今の私は勝利フラグしかないですからね」

 

 

 

「ごめん。ちょっと何言ってるのかわかんないや」

 

 

 

 懐かしいやり取りをして、その人は微笑みながら、前に進み出て、ナイフを5本投擲する。

 

 

 

「さあ──舞台の幕を引くとしますよ!」

 

 

 

 道化による物語の、ハッピーエンドを迎える為に。

 

112クラウン 01:21:475

 

雷撃、大盤振る舞いと行きますよ!

 

 1.2.3.4.5、合わせて五つ。MAXで! 落とすはアクババを落とした天の雷!

 

 

 

「雷天・収束──御雷霆!」

 

 

 

 うおりゃあー! 見たかー! クラウン姉さんの真の力! 10メートルのオルの動きを止めるくらいなら充分何だぞ、こらー!

 

 

 

 行きなさい!リーフ! 誰かのためではなく、自分自身の願いのために! まあ、ジャスミンを助けたほうが好感度上がりますから、頑張ってください!

 

 

 

 行けーリーフーがんばえー!

 

 わーい、オルを倒したぞー!

 

 

 

 あ、待ってジャスミン、泣かないで。

 

 お姉さんも我慢してたのに、泣いちゃうから。

 

113クラウン 01:26:305

 

「は、はーい。ジャスミン。げ、ゲンキー? 私は元気ですよー」

 

 

 

 一目で分かった。あれは私が知ってるお姉ちゃんだって。

 

 私が、デルトラの未来のために殺したお姉ちゃんだって。

 

 

 

「お姉ちゃん………お姉、ちゃん………ご、めんなさい………ごめんなさいぃぃ!!」

 

 

 

 言いたいことは山ほどあるのに、言語にならずに涙になって溢れるばかり。クラウン姉は泣き出した私にあたふたしながらも抱きしめてくれて。

 

 

 

「いいの………いいの! 貴方は正しい選択をしたんだから! 貴方がした事は間違ってないし、私はほら! 生きて帰ってきたんだから、ヨシ! だから、ねえ………あ、待って、私も、泣いちゃうから」

 

 

 

 2人して抱き合って、もうわんわん泣いて。互いの体で感じる熱が生きてるから大丈夫って伝えてきて。もう安心なんだか、嬉しいんだか分からなくて。

 

 

 

「お姉ちゃんのバカ馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!」

 

 

 

「馬鹿言い過ぎ………だってさあ!」

 

 

 

 おでこをぶつけて笑い合って、夜が開けて朝が来た。

 

 待ち望んでいた、この光景を照らすために。

 

114クラウン 01:35:146

 

はい、ただいま帰りました〜クラウンでーす♡

 

 ジャード、やめて。剣を向けないで。信用できない? ねえ、貴方とは付き合い長いんですから信じてもらえませんか? シャーン様相手に土下座するから許して?

 

 

 

 あ、シャーン様………申し訳ありません。私の不手際でデルトラに混乱を招いてしまいました。責任は以下様に取ります。貴方様が下したならば私はそれを全て受け入れま………はい、なるほど。シャーン様が下した案を受け入れる。魔術的な防御をデル城に行う。

 

 

 

 え、それだけでいいんですか? てっきり、私はよくて城を追い出されるか悪くて死刑かと………手元から逃すと何をしでかすか分からないし、不安だから? 何でジャード、後ろで強く頷いんでんですか。殴りますよ?

 

 

 

 ふぅ。寛大な御慈悲をありがとうございます。シャーン様。ただお許しいただきたい事がもう一つありまして、その──

 

 

 

「私は──生きていてもいいんでしょうか」

 

115クラウン 01:42:507

 

 不安だった。結局、自分がそうでも周りはそれを許さないかもしれない。だから、恩人の貴方にクラウンは聞いたのだ。

 

 

 

 その言葉に正しい返答を返せるものは少ない。

 

 シャーン王妃はその例外だった。

 

 

 

「してきた事は消せません。我ら王族も、クラウン貴方もです」

 

 

 

 誰もが彼女の言葉に、顔を伏せる。

 

 ここにいる全員の怠慢と罪によって、生まれたものが大王をのさばらせる要因になった。

 

 

 

「ですが、貴方が宮廷魔術師としてしてきた事も消えないのです」

 

 

 

 けれど、誰もが等しく罪を抱えて、その事実に向き合って、解決策に導いたからこそ、今がある。生まれも能力も関係なくただデルトラを、取り戻すという目的のために。

 

 

 

 ただひたすらに皆で走り抜けた旅路が今なのだから。

 

 

 

「そうでしょう? 大王の道化ではなく、貴方の力を皆が必要としているのです。命令はしません。貴方が貴方のしたいようにしなさい」

 

 

 

 そして、彼女はあの日の様に変わらぬ笑顔で。

 

 

 

「貴方の旅路はまだ始まったばかりでしょう──王を諌める者(クラウン)」

 

 

 

 彼女に光を灯したのだ。

 

116クラウン 01:49:277

 

戴冠式まで後1日

 

117クラウン 01:49:437

 

ぐーすかーぴー。むにゃむにゃ………痛いっ!? ジャード!? 人のアトリエに何入って来てんですか!? はっ! まさか、いよいよ性欲が抑えられなかったから私で消費しようと、寝込みを!? 

 

 

 

 アンナー!助けてー! ぶべらっ! 今、グーで殴りましたね! グーで! で、何ですか、この朝っぱらから………は? もう昼? 会議はもう始まってる???

 

 

 

 やばいやばいやばい………! 完全に寝坊した! 5分だけ待って! すぐに行きますから! やばいやばいやばい! 久々のクラウンのアトリエで寝落ちしたせいだ!!

 

 

 

 お待たせしました! シャーン様! クラウンです! はい! 寝坊しました!ごめんなさい!許してください! 切り替えていきましょう!

 

 

 

 あ、待って。シャーン様、拳を握らないで。

 

118クラウン 01:55:116

 

 今日の議題は何ですか? 戴冠式の準備でしたら滞りなく進んでますよ。今日中にグノメ族とキン達が来ます、ドール族も本日でしたかね。こちらの対応はリーフ殿下に一任してます。教育として。

 

 

 

 ジャスミンは明日から形式に則り行ってもらう為に、本日は休みをあげてます。ジャード、後でいいから私が見繕ったドレスの中から着る物選ばせといて。

 

 

 

 式としては問題ないですが、何かありますか? シャーン様、エンドン陛下。

 

 

 

 は、はぁ。リーフの奥方の話ですか。確かに今回の戴冠式で様々な方がいらっしゃっいますからね。ですが伝統ならばトーラ族から選びますから問題ないのでは?

 

 

 

 へー、今回は辞退したんですね。まあ、当然ですよね。はっ(態度悪)まあそれがないなら私はマリリンを推すつもりでしたし。因みにトーラ族がダメならば、誰がいいかですか?

 

 

 

 ジャスミンですね。身内贔屓? まあそれもありますが………現状、大王はいなくなりましたが奴がいたこの城に何か罠を仕掛けている可能性もあるくらいには疑わないといけない存在です。

 

 

 

 下手したら次の募集で私みたいに息のかかった奴を連れてくるかもしれませんから。それならば今代はエンドン陛下の家臣、ジャードの娘という信頼のおけるのはいかがでしょうか?

 

 

 

 マナーや教育に関しては影武者修行で叩き込んでますから、今でも問題はないでしょうし。いかがでしょうか、皆様。私の妹は最高ですよ?

 

 

 

 因みに今の第一候補? なーんだ、ちゃんと決めてるんですね。シャーン様? 誰なんです、その幸せ者は♡

 

 なになに………く・ら・う・ん? くらうん?

 

 

 

 は?

 

119クラウン 02:10:538

 

やり直し! やり直しを要求します! え、私の案に必ず頷く?? 今、それを使いますか!? というか何故私!? 今の私は人間かどうかすら怪しいのに世継ぎとか怖くて産めませんから!

 

 

 

 じゃあなんならいいか!? そんなもの、ジャスミンが正妻に収めて、私は教育係でおしまいです! というか皆様、何で私を選んだんですか!? もうちょい良く考えて………

 

 

 

 へ? アディンの三男の血筋で変則的だが王位継承権の持ち主? トーラの街で育った魔法使い? シャーン様の腹心で身分にも問題はない?? 大ありですよ、馬鹿!

 

 

 

 だ、第一、エンドン陛下もシャーン様も! 私、貴方達とあまり変わらないお姉さん(強調)ですよ!? そんな人が息子さんと結婚て許せますか!?

 

 

 

 え、妹みたいに思っていたから家族になれるのは嬉しい?

 

 そ、そんな事言っても騙されませんからね!

 

 

 

 じゃあどこまでなら許せるか? う、うーん。第二后か愛人として子供を産む………産めればですが、王位はありますが何か起きない限りは王位は動かない。とかを制約で縛るとかなら、まあ………ジャード? 今、何か書きましたよね? ね、それは草案じゃないですよね? 目を逸らすな! こっち向け!

 

120名無しの道化 07:50:162

 

起きたら、姉さん積極的ー!!

 

121クラウン 11:12:543

 

今、起きたから再開

 

122クラウン 11:13:205

 

戴冠式──当日

 

123クラウン 11:20:438

 

あーしんどい………何ですか、バルダ? 着飾った私がそんなに珍しいですか? 着飾っていればまともに見える? 普段の私もまともですよ、チクショオ。結局、王妃第二候補にされたし、はなからジャスミンを推すつもりの八百長に巻き込まれた気分ですよ、くっそ。

 

 

 

 というか、ジャスミンは何でそんなに元気なさげなんですか? 最近リーフと忙しくて会えてないから? あーまあ仕方ないですよね。王族ですから。ところでリーフはどこに行きました? もうすぐ戴冠式なんですけど。

 

 

 

 あ、文官さんちいーす! は? リーフの居場所を知らないか? え? リーフいないんですか? 戴冠式まですぐなんですけど!?

 

 

 

 仕方ありませんね………探して来ますか。うん? ファーディープ何ですか? まずは推理? なるほど………魔女っ子探偵クラウン♡の出番と?

 

 

 

 スルーしないで貰えます?

 

124クラウン 11:22:577

 

バルダの言う通り、閲覧のためにベルトを外してるんだから、ベルトを付けないでリーフが旅に出るわけないですし、流石に。王が嫌だから逃げ出すくらいの奴なら私はとうに見限ってますからね。

 

 

 

 そこを好きになったからね、って喧しいんですよ、グラソン。他に何かある人! はい、ルーカス、どうぞ! なるほど、リーフは宝石を2つ、赤と青ですか。

 

 

 

 まあグロッグの言う通り、女性の可能性ありますが………何で皆さんして、私を見るんですか? リーフに親しい女性は私かジャスミンの2択?? まずはそこでジャスミンでしょうが!

 

 

 

 え、クラウンなら内緒で彼と式を挙げていてもおかしくない?? 流石に、ね? お姉さんはそこまでアバズレでも恥晒しでもないの。ただでさえ、恩人の息子なんだからするならしっかり儀礼をしてからしますよ………

 

 

 

 王妃の発表に関して、何か聞いてないか? あー、そのー、聞いてない様で、聞いてるというか、王妃候補を選出中というか〜いや仮!仮だから! ジャスミン、不安げにしないで!

 

125クラウン 11:26:349

 

リーフ。私は貴方に怒っています。何故貴方は結婚式に関係が深い場所を巡っているのですか。後、ドレスに合わせたハイヒールがそれなりに痛くて泣きそうです。裸足になりたい。

 

 

 

 聖堂に来ましたが………流石に結婚式なんて馬鹿な真似はしてませんでしたか。良かった………しかし、どこに行ったんですか? 結婚式の予行演習の可能性って言ったって、誰とそんなのをやる暇が………だからジャスミン、私は本当に何も知りませんよ!

 

 

 

 そもそも私が王妃候補に選ばれたからって、必ずリーフの后になるわけ………あっ

 

 

 

 待って、今のなし。

 

126クラウン 11:32:059

 

「クラウン姉………どういう事? リーフの后になるの?」

 

 

 

「いや、私は第二候補ってだけで、第一は別に………」

 

 

 

「いよいよ、その第一候補とやらと逃げた可能性が出て来たな」

 

 

 

「語るに落ちてるわよ、クラウン」

 

 

 

 グロッグとグラソンに言葉のナイフを投げられ、しくしくと顔を覆って泣くふりをするクラウン姉に私はなんだか分からなくなっていた。

 

 

 

「リーフが逃げ出すわけないのよ………だって、約束したもの。私とずっと一緒にいるって。ずっとそばにいるって」

 

 

 

 クラウン姉が私を裏切るわけないし、リーフも約束を破るはずがない。だからこれは何かの間違いなのよ。誰かに騙されてるに違いないわ。

 

 

 

「まあ、追いついたら話を聞いてみよう。若さゆえに深く考えないで行動してる可能性が高い」

 

 

 

「ハニトラにリーフは弱いですからね。その場合はドレスが汚れそうですが、仕方ありませんね」

 

 

 

 そうよ。ネリダみたいな人がきっとリーフを誘惑してるだけなんだわ。見つけたら1発殴ってやらないと。

 

127クラウン 11:33:419

 

外に出ましたね。まさか本当に駆け落ちしましたか? いやまさか………王位継承権をマリリンが持ってる事はついこの間知りましたし、リーフにはまだ伝えてないのに。

 

 

 

 あ、プリン。リーフ知りません? 知らない? ジャスミンはリーフが好きで、リーフはジャスミンが好き? それは口にしない方がみんな幸せだったなぁ………(遠い目)ってリーフ!? 今の今までどこに行ってたんですか! 探しましたよ!

 

 

 

 は? 忘れ物を鍛冶場まで? なるほど………ジャスミンのために首飾りをとは。やりますね、リーフ………へ? 私にも? うわー赤の宝石の綺麗な腕輪………貰っていいんです? 

 

 

 

 え、あ、ありがとう………ございます。大事にしますから。あれまだ何か、ありますか?

 

128クラウン 11:34:457

 

「クラウンさんに伝えたい事があるんだ」

 

 

 

「い、今ここで!? 今じゃないといけませんか!? 待って待って、急に何を………」

 

 

 

 まさかみんなの前で愛の告白!? まずいですって、そんな事したらジャスミン闇落ち待ったなしですよ! もう今の段階でもジャスミンの殺気を感じられますし!

 

 

 

 そこグロッグとマナス!煽るな! バルダもグラソンもにやにやするな! お前ら後で戴冠式終わったら、黒い雷が落ちますよ、覚えててください。

 

 

 

「で、その………なんです、か?」

 

 

 

 やばいやばい、私は今どんな顔してますか? ちゃんと笑えてますかね? 魅力的な女性と思われたいけど、私はどちらかと言うと失恋した立場ですし、いやでも純粋な好意をぶつけられるのは嬉しいし………あ、でもなぁ。

 

 

 

「──君はもっと自由に生きていいんだ」

 

 

 

「いや、そんな熱烈な告白………なんて?」

 

 

 

「もう使命や理由に役割にこだわる必要はない。大王も退けた。僕は王の役目を果たす。貴方は好きなように生きていいんだ」

 

129クラウン 11:35:006

 

好きなように生きる………か。

 

 確かに考えた事なかったかもしれませんね。

 

 そっか、私はもう自由なのか。

 

 

 

「リーフ殿下。お言葉ありがとうございます」

 

 

 

 だけど、急に言われても何をしたら良いかなんて分かりやしない。逆に言えばなんでもしていいのか。もう宮廷魔術師として働かなくてもいいのか。

 

 

 

「ならば、私の好きに致しましょう。シャーン様にお仕えし、貴方を守ります」

 

 

 

 なんて、考えることが馬鹿らしい。

 

 最初から私は、大王の誘いを断った時から、好きなように生きて来たはずだ。

 

 

 

 シャーン様のために生きて死ぬ。

 

 リーフを愛したからこそ、守り通す。

 

 

 

「我が忠義を貴方達に捧げます。これは………私というクラウンが選んだ生き様です。自由な世界で私が選んだ生き方です」

 

 

 

 私に何が出来るかは知らないけど、この先も大王は仕掛けてくるだろう。

 

 その時は迎え撃つだけだ。私と仲間と共に。

 

130クラウン 11:35:129

 

「──私はデル城の宮廷魔術師 クラウンですから」




これにておしまいです。
長々とありがとうございます
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