Angel beats! 蒼紅の決意   作:零っち

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「俺の好きになった女はそんな奴じゃねえよ」

―――ジリリリリッ!!

 

もう聞きなれてしまったけたたましい目覚ましの音。

 

カチッとこれまた慣れた手つきでそれを止める。

 

「……ふぅ」

 

体を起こしてベッドから離れる。

 

岩沢と付き合ってから舞い上がっていて放置していた違和感。

 

さすがに一週間も経てばそれが何なのか気づくに決まっている。

 

いや、むしろ3日目、遅く見積もっても4日目くらいには既に気がついていた。

 

遊佐が、あれから1度も顔を見せないのだ。

 

それは朝だけに限ることじゃなく、あれ以来仕事にすら呼ばれていない。

 

それでも何故放置していたかというと、それはアイツが何か仕事が立て込んでいて忙しいのかと思っていたからだ。

 

いや、これは俺が無意識に無理矢理につけたこじつけの理由かもしれない。

 

やはり岩沢と付き合い始めて、二人の時間というのを大切にしたかったというのも否定出来ないのだ。

 

何故毎朝来ていたアイツが来なくなったのかをゆりに訊ねたりするのを後回しにするくらい、遠回りした分を一気に取り戻したかったという思いが、俺の中にはあったはずだ。

 

そしてそれを、体のいい言い訳で見ないふりを決め込んでいた。

 

仕事が忙しいのなら、まず仕事上のパートナーである俺を呼ぶだろうと、考えれば分かるはずなのに。

 

それなのに俺は気づかないふりをしていた。

 

これじゃ、岩沢への返事を保留にしていた時から何にも変わってないじゃないか。

 

記憶が戻ろうが、恋をしようが、俺の根本は変わらないようだ。

 

遠くまで見渡せる眼を持っているのに、身近なものを見落としていく。

 

灯台もと暗しを地で行く男だ。

 

でも、それもさすがに終わらせよう。

 

年齢という概念のないこの世界でも、俺は進歩していかなければならない。

 

あの、常に前だけを向いて日々進化を目指している岩沢に見合う男になるためにも。

 

いや、これはいささか格好つけすぎかもしれない。

 

何故なら、俺はただ、大切な仕事上のパートナーであり、此処に来た初めの頃から世話を焼いてくれた友人を失いたくないだけかもしれないんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寮を出ると案の定、岩沢が俺のことを待っていてくれた。

 

いつも通り空き教室に行くつもりだった岩沢に、今日やらなきゃいけないあれこれを説明し、渋々だがなんとか納得してくれ、途中で別れた。

 

岩沢と一緒に行くという選択肢が無くもなかったんだが、そんな風に一緒行動していたら意思の弱い俺はまたぞろ遊佐のことを後回しにしてしまう可能性が考えられてしまい、実行には移せなかった。

 

とりあえず俺は、昨日ゆりに呼ばれていたので一刻も早く遊佐を探したかったのだが、校長室に向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしかしたら遊佐がいるかもしれないと、淡い期待をしていたんだが、そう簡単に物事は上手くいかないようで、普通にゆりが椅子に腰かけているだけだった。

 

「時間ピッタリ、さすが柴崎くん。他のバカ共とは違うわね」

 

これはよく考えれば、あのやたらキャラの濃いメンツを束ねるリーダーの気苦労が窺える台詞なのだが、この時ばかりはゆりに気遣っている暇もなかった。

 

ゆえに俺は催促の台詞を口にする。

 

「で、何の用なんだ?」

 

「あらせっかちね。あなたそんなに短気だったかしら?」

 

確かに何も知らないゆりからすれば、いつもなら無駄話にも付き合うはずの部下が急に態度を変貌させたように感じるだろう。

 

もしかしたら記憶が戻ったことによる変化が現れたのかと思われるかもしれない。

 

しかし今日に限ってはそんなことを気にしてられない。

 

だから俺はそんなゆりの軽口にもむっつりと反応を示さず、早く本題に入れと口に出さずに急かす。

 

そんな俺を見てゆりは何か意味ありげにふぅ、と息を吐く。

 

「今日あなたを呼んだのはね、あなたの配属を実働部隊に変更することになったの」

 

「はぁ?!なんで!」

 

ようやく入った本題は、思いの外重大な用事で、さっさと片付けようとしていた俺の思惑は早々に崩れ去ったようだ。

 

しかし、本当に何でそんな突然部隊変更なんて事になっているんだ?

 

しかもゆりの言い方だと、ゆり本人の意思で決めたものというより、他の誰かの意思によって決められたことのように聞こえる。

 

「柴崎くんは通信士より、戦闘に回したほうがいい。って進言されたのよ」

 

声を荒げた俺とは対照的に、極めて静かにそう告げるゆり。

 

それによって、頭に上っていた血がサーッと引いていった。

 

「…誰が?」

 

これは、訊く必要もないくらい、既に答えなど1つしかないくらいに分かりきっている質問ではあった。

 

けど、訊かずにはいれなかった。

 

アイツがそんな、まるで俺なんてもう必要ないとでも言うような台詞を言ったなんて事を信じたくなかった。

 

しかし、無情にもそんな俺の願いは聞き遂げられることはなかった。

 

「遊佐さんよ」

 

 

 

 

 

 

 

ゆりから伝えられた事実を聞いた俺が取った行動はもちろん、寮の自分の部屋に帰る―――なんてことはなく、当然遊佐に会いに行くことだ。

 

『会いに行く』というより『問いただしに行く』という方が、きっと俺の心情を上手く表している。

 

一応ゆりに何か知らないかと訊ねてみたのだが、それは遊佐さんから聞いてちょうだい、とそっけなくあしらわれてしまった。

 

だから問いただす。

 

俺をそうまでして遠ざけようとした理由を。

 

 

 

 

 

 

 

 

真っ先に俺が向かった場所は屋上。

 

一口に屋上と言っても、このバカデカイマンモス校の屋上というのは1つではない。

 

いくつもあるのだ。

 

それをしらみ潰しに回っていった、最後の1つ。

 

そこに遊佐は居た。

 

まるで最初から俺を待っていたみたいにこちらを向いて。

 

風になびく髪も全く気にならないという風にこちらをジッと見つめていた。

 

ジッと、見定めるように。

 

「こんにちは」

 

そして、挨拶をしてきた。

 

普通に。

 

日常的な、まるで何も無かったかのように。

 

思わず俺も普通にこんちにはと返してしまいそうになる。

 

だが、俺はそんなことをするためにここに来たわけじゃない。

 

「俺を実働部隊に異動させるってどういうつもりだよ?」

 

俺はあくまでコイツを問いただしに来たんだ。

 

「どういうつもり…ですか」

 

遊佐は俺の問いを聞いて、独り言のように呟いた後に黙りこむ。

 

その間の真意は、とても俺には読み取れない。

 

思えば、俺が遊佐の真意を読み取れたことなんて、1度たりともなかったかもしれない。

 

逆に遊佐は俺の心を、真意を幾度となく読み取っていた。

 

その差っていうのは、一体なんだったんだろうか。

 

ふとそんな事を考えた。

 

「別に、柴崎さんの眼は戦闘に使う方が有効だと思っただけです」

 

長い間を置いて遊佐が口にした答えはゆりが言っていたのと同じものだった。

 

さすがにそんなのが嘘なのは心なんて読めなくても分かる。

 

「そんなのただの建前だろ」

 

「なにか証拠でも?」

 

もうその台詞が嘘を吐いてる証拠だと言えないこともない。

 

大概、推理小説なんかの犯人はまずそう言う。

 

まあ、遊佐は別に事件の犯人というわけじゃないけれど。

 

「じゃあ何でそもそも俺と会うのを避けるんだよ」

 

証拠は何かという問いの答えなんかには程遠い台詞。

 

だが、遊佐はいつもの無表情から少し苦々しい表情に顔を歪めた。

 

「それは…岩沢さんに悪いでしょう。彼氏の部屋に毎日女が起こしにくるなんて」

 

「だとしても、それ以外で会うのを避けてる理由にならないだろ」

 

重要なことを全部隠して、誤魔化して、煙に巻いて、逃げようとしている遊佐。

 

なにをそこまで隠そうと必死になっているのか、全く分からない。分かってやれない。

 

だから逃げ道を1つずつ潰していく。

 

「別に避けていたわけじゃありません。仕事が立て込んでいたんです」

 

「だったら、俺を頼ったらいいだろ!なんで忙しいんなら俺に言わないんだよ?!」

 

「だから…頼ったら岩沢さんに悪いじゃないですか…!ようやく結ばれたのに、私に邪魔なんかされたら…」

 

叫ぶことでようやく遊佐の心の奥深くに届いたのか、一定だった声音が乱れる。

 

これが本音だったのか…?

 

だったら、そんな心配は取り越し苦労というものだ。

 

俺は笑って遊佐の頭に手を置く。

 

「俺の好きになった女はそんな奴じゃねえよ」

 

岩沢は困ってる奴がもし俺に助けを求めたのなら、きっとデート中だって、行ってやれと言うだろう。柴崎ならやれるだろ、と全幅の信頼を寄せて。

 

その助けを求めている相手が知り合いなら尚更だ。

 

俺はそういう岩沢だから好きになった。

 

だから自信を持って言える。

 

全幅の信頼を持って言える。

 

「バカな心配してんじゃねえよ」

 

これは少し自分に対しても言っているのかもしれない。

 

頭のどこかで、もしかしたら遊佐に嫌われただけかもしれないと考えてしまっていた。

 

遊佐に記憶のことを訊かれて、先約がいるからと断ったことで嫌われたのではないかと。

 

遊佐はそんな些細なことで人を嫌ったりしないと分かりつつ、頭の隅に住みついたそれを拭いさることは出来なかった。

 

しかし、それはやっぱり杞憂だった。

 

だから笑って言える。

 

バカな心配だと。

 

自分にも、遊佐にも。

 

「…そうですか…わかりました…」

 

目を伏せながらそう言う遊佐は、また俺に向けてというより、独り言のようだった。

 

一人で何かを反芻して、噛み締めているようだった。

 

「すみませんでした。柴崎さん」

 

遊佐は突然顔を上げて謝罪の言葉を口にする。

 

それは、どれに対しての謝罪なのか、俺には分からなかったけど、俺に言えることは1つだった。

 

「いいよ。気にすんな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

来るだろうな、とは思っていた。

 

――いえ、きっと来て欲しいと思っていたのでしょう。

 

だからこそ、ゆりっぺさんに柴崎さんの異動を頼んだのだと思う。

 

小学生が好きな子の気を引こうと嫌がらせをするように。

 

ゆりっぺさんは、私のこんな身勝手なお願いを、さして文句を言うまでもなく引き受けて下さった。

 

優しい方だなと思う。心から。

 

「こんにちは」

 

私はぜぇぜぇと息を乱しながらこちらを見ている柴崎さんに言う。

 

出来るだけ平淡に。

 

何も無かったように。

 

もしそれで何も無かった事に出来るなら、それでも良いかと、そんな汚い考えを持って。

 

しかし、流石にそんな簡単にはいくわけはない。

 

「俺を実働部隊に異動させるってどういうつもりだよ?」

 

そんなことで誤魔化されないという意思表示のようにキッと睨んでくる。

 

いえ、元々目付きが悪いだけかもしれませんが。

 

しかし…

 

「どういうつもり…ですか」

 

やはり、気づいてはいないんですね…

 

これも、もしかしたらと汚い期待を持っていた。

 

言葉にせずに伝わってくれたなら、そしてキチンと玉砕出来れば…いえ、それは嘘ですね。

 

私を選んでくれればとは言わない。せめて、迷ってくれたならと。

 

卑しくも考えてしまっていた。

 

けれどやはり、気づいてはくれないんですね…こんなこと、言う勇気の無い私が思っていいようなことじゃ無いのですけれど…

 

「別に、柴崎さんの眼は戦闘に使う方が有効だと思っただけです」

 

そんな汚い思惑には気づかれたくなくて、そんな嘘をしれっと吐く。

 

もちろんそんな嘘で騙せるくらいなら、ここに来るわけもなく、あっさりとバレてしまう。

 

「そんなのただの建て前だろ」

 

建て前、それは何とも私に似合う言葉だと思う。

 

表向きは何とも無いように振舞い、裏ではグルグルと汚い考えが渦巻いている。

 

「なにか証拠でも?」

 

そう自覚しながらも、私は建て前を貫こうとする。

 

こうやって長引かせてる間に何かの拍子で気づいてくれるかもと、またも汚い期待を寄せて。

 

「じゃあ何でそもそも俺と会うのを避けるんだよ」

 

それは私の質問に対しての答えという風ではなかった。

 

けれど、顔が歪むのを抑えることが出来なかった。

 

もう私には言う資格の無い言葉を、口にしてしまいそうになる。

 

何故かと聞かれれば、それは好きだからに決まっているのだから。

 

「それは…岩沢さんに悪いでしょう。彼氏の部屋に毎日女が起こしにくるなんて」

 

だから私は苦し紛れな言い訳を口にする。

 

けれどこれも全てが嘘なわけではなかった。

 

朝起こしに行くのはさすがに悪いと思うのは本当だった。

 

起こしに行けば、必然的に二人きりになるのだから。

 

「だとしても、それ以外で会うのを避けてる理由にならないだろ」

 

そう言われるのは、当然と言えば当然で、もちろんそれに対する言い訳も考えていた。

 

「別に避けていたわけじゃありません。仕事が立て込んでいたんです」

 

しかし、その言い訳が柴崎さんの逆鱗に触れてしまった。

 

「だったら、俺を頼ったらいいだろ!なんで忙しいんなら俺に言わないんだよ?!」

 

いえ、それは逆鱗と言うにはあまりにも優しいものだった。

 

でも、今の私にはそれは途轍もなく痛かった。

 

私はそんな優しさを向けられるべき人間じゃないです、と心が痛んでしまう。

 

「だから…頼ったら岩沢さんに悪いじゃないですか…!ようやく結ばれたのに、私に邪魔なんかされたら…」

 

その痛みで声が震えて、乱れてしまうのが止められなくなる。

 

そんな私を見て、柴崎さんは私の頭に手を置いた。

 

この人が割りと頻繁に行う仕草。

 

その仕草が、私はすごく好きだった。いえ、今でも好きなまま。

 

だから、また心が痛む。

 

優しい手のひらの感触が、私の心を醜く苛んでいく。

 

この手を自分だけのものにしたい。

 

自分だけに向けて欲しい。

 

自分の物でも何でも無いのに、独占欲を抑えきれなくなりそうになる。

 

しかし、そんな汚い欲望も期待も、全て次の台詞で消し去られる。

 

「俺の好きになった女はそんな奴じゃねえよ」

 

今日一番どころか、今まで見てきた中で一番の笑顔を浮かべる。

 

その笑顔は私に向けているけど、実質岩沢さんの事を思い浮かべての笑顔で、それを見ただけで私ではどう足掻いたって届かない事が分かってしまった。

 

分かってしまえた。

 

「バカな心配してんじゃねえよ」

 

笑顔から微笑みに微妙に変わった表情で、これは私に向けての顔なんだと理解する。

 

何故だかこれ以上見ていられなくなって、目を伏せる。

 

「…そうですか…わかりました…」

 

これは、二重の意味がある。

 

1つは、柴崎さんの言葉への返事。つまり、バカな心配をしてました。という意味。

 

そしてもう1つは、わかりました。もう、あなたの事は諦めます。という意味。

 

「すみませんでした。柴崎さん」

 

せめて謝罪くらいはと頭をあげる。

 

色んなことを纏めて一緒くたに謝罪したが、きっと一番は、直接自分の気持ちを伝えなかったことに対してなのだと思う。

 

それは柴崎さんに、というより自分に対してなのかもしれないけれど。

 

そしてその謝罪を聞いて、柴崎さんは、先程の笑顔にはとても敵わないけれど、それでもとても素敵な、私の大好きだった笑顔を向けてこう言った

 

「いいよ。気にすんな」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…本当にいいの?」

 

柴崎さんと話を終えたその足で、ゆりっぺさんのいる校長室を訪れ、異動の件は無しにしてくださいと告げた。

 

そしてその台詞に対するゆりっぺさんの言葉だった。

 

そう言われるのも当然で、そう念を押されると少し不安にもなる。

 

けれど、もういい。

 

もういいと思わされた。

 

柴崎さんの表情1つに。

 

だから―――

 

「はい。もう大丈夫です」

 

「…そう。ならいいわ」

 

私の表情を見て、安心したのかフッと笑みをもらすゆりっぺさん。

 

「遊佐さんも振られちゃったのね~」

 

安心しすぎたのか、さっきまでの遠慮がちな態度はどこに行ったのかと思うほど不躾な言葉が飛んできた。

 

別に…告白なんてしてないですし、振られたわけじゃ…

 

いや、それよりも

 

「も、ということはゆりっぺさんも振られたのですか?」

 

「え?い、いい、いやいや!そんなわけないじゃないの?!バッカじゃないの?!勘違いしないでよ!!私は告白もしてないのよ!?」

 

「言えば言うほど墓穴を掘っています」

 

「……うぅ」

 

時々この人を弄っていると、自分の中で何か新しい扉を開いてしまいそうになる。

 

このいつも胸を張っている人が丸くなってイジイジしている姿を見ると…

 

しかし、今はそのことは一先ず置いておいて。

 

「お相手は日向さんですね」

 

「何で分かるのよ…もう」

 

一発で当てられてさらに不貞腐れる。

 

何でも何も昔から態度に丸出しだったのですけど。

 

まあ日向さんも柴崎さんに負けず劣らずの鈍感加減なのでしょうがないということにしておきましょう。

 

「振られてしまったのですか?」

 

「いや、告白してないから振られたわけじゃないけど…日向くん、最近ずっとユイと一緒だし…てぇ!何でこんなこと言わなきゃ駄目なのよ!?」

 

しおらしく話していたかと思うと急にノリツッコミのように叫び出す。

 

何でと言われても話していたのはゆりっぺさんなのですけど…

 

「もう!こうなったら今日は朝まで語るわよ!」

 

「私もですか?」

 

「当たり前よ!見る目のない男共に鬱憤くらい溜まってるでしょ?」

 

あれだけ眼の良い柴崎さんに見る目がないというのは、なんだか皮肉っぽいですけど。

 

しかし鬱憤…ですか。

 

「そうですね。私も言いたいことがたくさんあります」

 

本当に私が乗ってくると思っていなかったのか、目をまん丸にして驚いている。

 

そしてフッと微笑んで

 

「よーし!今日は飲むわよ!」

 

「私たちは未成年ですよ?」

 

「いいのよ!此処に警察なんて居ないんだから!

さぁ、行きましょ」

 

そう言って手を差しのべてくれる。

 

何度差しのべてくれたか、もう数えきれない手。

 

そして、何度目か分からないその手を取る。

 

あの人とは違った優しい手を。

 




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