朝だ!(朝6時起き)
日の出だ!(ほぼ出てない)
お出かけ日和だ!(今日の昼の予定)
……さて、猛大に元気なおはようございますを叫んだところでだ。
知っての通り、3大欲求である睡眠が結構好きな俺。
そんな俺の朝は時々早かったりする。具体的に言えば、趣味活での徹夜とかを除いて大体週2くらいの頻度で。
はてさて、それは何故か。
人間、早起きするのは何かしら理由があるもので――
「はっ、ふっ……」
そんな俺の理由というのは、早起きのランニングというものだった。
現在、俺はトレーナー室から近いウマ娘用のターフを少々借りて、約1~2時間ほど走り続けていた。
初夏の暖かさが体を包み、額に汗を浮かべさせる。冷え性の体に熱がこもる。
……結構前に言ったからみんな忘れているかもしれないが、俺、こう見えて結構体を動かすタイプなのだ。まあ普段からデスクに座ってる奴が何言ってんだって話だとは思うが、ホントに良く動くのだ。
俺、これでも
昔、親父から護身用に学んどけって推し進められたものだけどな。
こうして体を動かすのは、そういう昔からの癖というのもあるが、しっかりとした理由も存在する。
「はっ……!はっ……!」
趣味は『時間』を使うものだ。
そしてその『時間』は、もし体を壊してしまった時、存分に趣味に使えない可能性が出る。
だからこそ、健康に気を使って運動をするのだ。
俺がしたい趣味をできるだけ長く続けるために。
『時間』を『健康』で買う行動。
それが、俺にとっての運動なのだ。
……ま、他の奴がどうかは知らんがな。それが趣味の奴もいるだろうし。俺と同じ行動原理かもしれんし。
ともかく十人十色だ。俺はこうで他はこう。そういう理由もあるってだけだ。健康に気を遣うのが良いことだっていうのは周知の事実だろうけど。
「いい人生は良い健康から」とはよく言うしな。
全身汗だく。多少の疲労。張り詰めた足の筋肉。
そんな感じで、軽い運動をしながら20代のありふれた趣味を語ったとある日の朝だった。
そしてそれも終わり、帰宅――愛しのトレーナー室に戻ったところ。
「やっほー」
「は?」
……なんか居た。手をフリフリ振って待ってた。
トレーナー室の前で、俺の愛バであるアストラルウィングが玄関前に立って。さも当然のように。
「……いや、何でいんの?」
「今日、お出かけの日だよ?」
「いやそれは分かってるが、今8時だぞ。約束までまだ3時間ちょっとあるが」
「だから迎えに来たんだよ」
そう言って、目の前でたたずむ彼女は俺を見る。
まるで値踏みをするように、じっくりと。
「スンスン――朝から走ってたんだ」
「ああ、いつものランニングだ」
「相変わらず健康的だね。……うん。都合もいいかな」
「あ?何が?」
汗だくの俺の姿を見た彼女はなんか勝手に納得したようだ。意図が分からず俺は疑問を放つ。
──あと、さりげなく汗ダラダラの俺の匂いを嗅いだ行動に関しては見間違いではないだろうが指摘しないでおこう。めんどくさいし。
まったく、こんな20代の体臭のどこがいいんだか。テイオーもよく抱き着いて嗅ぎに来るしよ。
あれか? そういう好みの匂いでも出てるのか?言っとくが、俺から出てる匂いなんざ普段寝てる芝生の匂いくらいだと思うが……いや、好きそうだなコイツら。芝生の匂い。個性がどうとかじゃなくてウマ娘の本能的に。
「今からシャワーでも浴びるつもりだったんでしょ? そんなに汗ダラダラなんだし」
「まあ、そりゃな。流石の俺でも汗の臭い付けたまま出かけるなんてマネはしねぇよ」
「でしょ? だから都合が良かったなって」
「いやだから何が」
再び同じ疑問。
そして。
「女の子とのお出かけだよ? まさかいつものパーカー姿で行くわけじゃないよね?」
それが疑の答えだった。
つまりはこういうことだろう。
こいつは俺が――
「いや行くが」
「バカトレーナー。いや予想していたけどさ、もうちょっと気を遣おうよ。女の子と一緒のお出かけって結構繊細なんだからね?」
予めこう行動するという予測を立てて、その予防線を張りに来たのだ。
コイツ……出かける用の服装をチェックしに来やがった……わざわざ朝に早起きしてまで。
まあ、ウィングの予想はあっている。コイツが来なけりゃ俺はいつも通りパーカーで外出するところだっただろう。だって服装とか気にしないし。パーカーでいいだろパーカーで。
よかったなウィング。予想的中だぞ。
だから素直に喜べよ、ジト目じゃ全然喜んでるようには見えねぇぞ?(呆れてるだけ)
あとバカトレーナーは言い過ぎだ。それただの暴言じゃねぇか。
「はぁ……、ていうか定期的に渡してる少女漫画読んでるでしょ? それ見ていい加減学んでよ。女心とかさ」
「知識があるのと関心があって行動するのとは話が別だわ。こちとら趣味以外どうでもいい人間だぞ? 人付き合い事の礼儀なんざさして興味ないし
まあ知識は一応叩き込んでいるものの理解不能なわけだが。
ていうか、そんな俺の事情なんて
「でも、だよ。トレーナー、テイオーにできるだけ楽しんでもらいたいんでしょ? なのに出会い頭でトレーナーのいつもの恰好を見たら意気消沈待ったなしだよ。テイオーはあれでもデート気分のはずなんだからね。トレーナーはそういうの考えてないと思うけどさ」
「ムグッ……」
そこを突かれると弱い。
楽しませるため。そう、それが最優先事項だ。それを満たすためには何事も惜しんではいけない。
それに加え、テイオーにはこの楽しみを都合上とはいえ長く待ってもらった。3日に1回は予定について聞いてくるほどだったからな。その間に貯めた楽しみはとてつもない程大きいはずだ。
俺には、それを解放させる義務がある。
だから……
嫌々と、手段を惜しむことなどできない。
楽しんでもらうためには全力で、だ。
「……ったく。分かったよ。話は終わったな? んじゃ俺はシャワー浴びてくるから。やることあるなら部屋で待っとけ、扉開けるから」
結論を押し通して承諾の意思を見せる。
俺はウィングが体重を掛けている玄関の扉に手を伸ばす。
……俺汗まみれなんだからさ。早く着替えたいんだが。初夏とはいえ風邪をひかないとは限らねぇんだぞ。
まったくもう、などと呆れた表情を横目に鍵であるカードキーを扉にかざす。
ゴゥン……、等の重厚な音が奥から響き、それが鳴り終わったことを確認して俺は玄関を開けた。
「…………難しいなぁもう……」
「? なんか言ったか?」
「べっつにぃ~?
「……拗ねんなよ」
飛び込むように開けた玄関から室内に入るウィング。べって舌を出すな舌を。
ウマ耳を後方にペタンと引っ付けている様子からするに大分不機嫌らしい。
その言葉を聞いて、俺はつい申し訳なさそうに頬をかいた。
……約束ねぇ。分かってはいるんだ。あの時交わした約束のこと。
いつだって心の中に記憶している。
覚えている。
ただ一つ、知らないモノを教えてもらうというだけの約束。
「……難しいもんだよなぁ」
シャワーを浴びようと向かう道のりの途中、俺は虚空に一人、言葉を吐く。
頭をかきながら放った独り言はどこかへと消えていった。
……それはそうとして、なんか部屋の中でガタゴト聞こえてるんだがアイツ一体何やってんだ?
「お帰りトレーナー。着替えたところ早速で悪いんだけど、そこに置いてる服着てみて。タンス開けたら良さげなのが数着あったか、ら……」
「ん。パーカー以外の服……ああ、昔お前と一緒に買い物行った時買ったやつか。了解」
「…………」
「どしたよ、いきなり黙り込んで」
「トレーナー。いつもの灰色の髪染め、どうしたの?」
「ん? ああ、なに。ちょいとテイオーを驚かせてやろうとな。1日限定ってやつだ。シャワー浴びるついでに髪染めも落としてきた。どうだ?」
「………………」
「なんか言えよ」
「…………いやぁ、心配だなぁって」
「あ? 何が?テイオーに喜んでもらえるかが?」
「いや、そっちじゃなくて。周りの反応というか、周囲の目というか……そういうのが、ね?」
「???」
待った。
ずっと待ちに待ってた。
ずっと、ず~~っと!!!待ちに待ってたトレーナとお出かけの日が来た!!
「まだかな? まだかな~?」
少し大きめのデパート。休日だから仕方ないと思うくらいの人混み。
その中にある目印にしては大きいヤシの木の根元。
そこに設置されているベンチに座ってボクは体を疼かせていた。
座ってから10分、その間ボクはずっと気分がふわふわしているような感じだ。
「ふんふ~ん♪」
まあ、こんなに気分が上々なのは仕方ないよ。
だって、ボクの勝利祝いとして約束していた『トレーナーのオシャレ権』
それを使う時がやっと来たのだ。
レースに出走する都合が重りに重なって数か月。お出かけの予定を引き伸ばしにされていたんだもん。
その間に溜まりに溜まったワクワクはもう、あれだよ。すっごいんだからね!(語彙力)
(トレーナーのオシャレかぁ~! どんな感じがいいかな。かっこよく?きれいに?うーん……どっちも捨てがたいよぉ……)
夏休みの課題以上にボクは頭を使う。いや、勉強で苦労したことはあまりないんだけどさ。それ以上に難しいと思うんだよね。普段から見た目に気を使ってない人を何とかして変えようとするのって。
染めてあるらしい、曇り空のような『灰色の髪』
タンスの中のほとんどを埋め尽くしているらしい『灰色のパーカー姿』
いつも見ているトレーナーの容姿はこれ以外無いからね……逆に何を着せようかを迷っちゃう。
ていうか、トレーナーって【灰色】に固執しすぎだと思うんだけど……。
けど、トレーナーは行動と言葉使いがアレなだけで顔立ちは良いと思うんだよね。男の人をよく見るのはパパ以外あまりなかったから比較になるのかはわかんないんだけどさ。
「!」
て感じで、今日の作戦(?)を悩んでいた所でボクの視界の端にある人が写る。
(アスウィーだ!)
誰であろう、ボクの指南役であるアストラルウィングことアスウィーだった。
一瞬だけしか見えなかったから、ちょっと確信は持てなかったけど、翼の形をした青色の髪留めがあったから間違いない。
待合場所が人陰に隠れているからか、アスウィーはボクがいる場所を分かっていないようだった。
そんな様子を眺めていたんだけど……
(あれ? トレーナーとは一緒じゃないのかな?)
いつもなら、どんな時でも隣にいるはずの人がいないことに疑問を覚える。
もう見慣れるほど見てきた灰色魔人なボクのトレーナーならすぐに見分けがつくんだけど。
……周りにそれっぽい人が居る様子はない。
うーん……まあいいか、考えるのは後。
とりあえずアスウィーを呼ぼう。
「アスウィー!こっちこっち~!」
「!」
ボクが手を大きく振ったらアスウィーも気づいてくれた。
人混みの中を難なくすり抜けながらボクの方に足を運ぶ姿が見える。
…………ん?
なんかアスウィー、右手で誰かを引っ張っているよう……な……
「…………ん?」
目をゴシゴシ擦る。
おかしい。今一瞬、トレーナーっぽい着やせした体系の人がアスウィーに引っ張られているのを見たような気がしたんだけど……。
ううん、それ自体は良いんだけど。良いんだけど(いいなぁボクも交じりたい)
おかしい。
うん。おかしいんだよ。
ボクの知ってるトレーナーは、オシャレなんて頭にない人で。
だからいっつもパーカー姿のままで。
服も、髪も、灰色で染まってて。
自分がやりたくないこと以外は、ほんっとうにどうでもいいように思っている人で……あ、でも面倒臭そうな表情はしてる。
いや、それは良いとして!
「やっほーテイオー。待たせちゃったかな」
「あ、いや、ううん。ボクもちょっと前に来たばかりだから……。それはそうとしてさアスウィー?」
「ん?」
ボクは見る。
そんな彼女の隣で肩を上下させて、明らかに疲れを見せている男の人を。
「ゼェー…ハァ……。おま、ウィング、お前のペースで俺を引っ張るな……肩千切れるかと思ったわ……」
「あ、ごめん。で、なにテイオー?」
青空に浮かぶ雲のような、【白色】に染まった頭髪。
普段では見られない、パーカー以外の衣服。
ボクの感覚が、直観が告げている、普段とは違う【感じ】の――
ボクのトレーナーがそこにはいた。
「そこに立ってるの、トレーナーの親戚とかじゃないよね? 御爺さんとか」
「……一応、私がここに来る前にコーディネートしたんだけど、第一に出てくる感想がそれかぁ……」
「ゼェ……うっせぇ……こっちが
黒髪が地毛だなんて誰が言った?
ダイタクヘリオス実装来ましたね!
いやー元気ある娘は好きですよ俺。モー大好き。こっちまで元気になる。元気100倍。
そんな娘の頭撫でて照れる姿を目写で永久保存したいと思う今日この頃。
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他ウマ娘との絡みもっと欲しい?
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くれ
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いらん
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どうでもいいからイチャイチャ見せろ