トレセン学園の隠れた名店   作:[]REiDo

22 / 64
やっぱ挿絵見たい人っているんだね~
いやぁ需要があるんだねって改めて思ったよ~

だから描いてきたぞオラ(いつもの低クォ)



☆ 朝飯は目玉焼きにご飯って相場が決まってる(ニンジンを添えて)

 

 みんな~おはよ~……(小声)

 

 

 早速なんだけど今日ね。

 ボクはトレーナーの部屋に突撃ドッキリをしようと思ってるよ。

 

 提案はボク。仕掛け人にトレーナーと同室の後輩の人が協力してくれてるんだ。

 内容は、携帯に連絡した合図で、静かにドアを開けてもらう予定。

 

 そして――トレーナーの布団に入ってバッサ~!って登場!

 

 テレビで見たようなすごいありふれた普通のドッキリだけど、やってみる側になると楽しい気分になるな~。さっきからずっとワクワクが止まらないよ!

 いや~ボクのトレーナーってさ? なんていうか狼狽えることがホントにないっていうか?いっつも落ち着いた感じなんだよね。いや、興奮することはあるんだけどさ。あまり予想外の事に対して驚くリアクションが無いっていうか。

 

 ともかく。

 そんな狼狽える様子を見てみたいからボクは今日ドッキリを仕掛けたいと思ったのだ。

 えっへん!(胸張り)

 

 ん? アスウィーはどうしたのって?

 あ~なんかね?

 

『……それ、多分失敗するよ?』

 

 ドッキリしたい!ってことを言ったら、なんかすごい真顔で言われた。失敗するってどういうことなんだろう?朝の5時に起きる人なんてそうそういないと思うんだけどね。

 

 あ、でもアスウィーもしっかりボクの後ろに着いてきてるんだ。

 成功とか失敗に関わらず、なんか面白そうだから間近で見てみたいらしいよ。

 

 

 さあ、トレーナーが寝ている部屋の前に到着~!

 にっしし! それじゃあ携帯で後輩の人に連絡を入れて、扉を開けてもらって~それから――

 

 

「あー……テイオーちゃん」

「? なに?」(小声)

 

 

 トレーナーの後輩さんが頭を搔いてボクに言う。

 まだ扉は開け切ってないから小声でしゃべる必要はないけど、トレーナーを起こしたくないから。一応声の音量は低くしておく。なにかあったのかな?

 

 

「ごめんね、僕じゃ止められなかった」

「え?」

「やっぱり……」

 

 

 両手を合わせて後輩の人がいきなりボクに頭を下げる。

 

 え、ちょ、なになに!? 一体どうしたの、ていうかそんなに声上げてたらトレーナーが起きて来ちゃうかもしれないし!

 あと「止められなかった」ってどういうこと!?

 アスウィーはなんで目を閉じて上を向いてるの――

 

 

「お? どうしたよお前ら、こんな朝早くに」

 

 

 突然、そんな声が聞こえて。

 

 ギギギッ……と。

 首を錆びかけの歯車みたいに回して、後ろを向いたら。

 

 

「朝5時だぞ? やたら早起きだなお前ら」

 

 

 いた。立ってた。

 ボクのトレーナーが、いつもの灰色パーカーじゃないスポーツ服の姿で。

 ()()()()()、少しの疲労が見える姿で。

 

 ドッキリを仕掛けるはずだった本人が、すでに起きてた。

 

 ……てことは、ドッキリ失敗?

 さっき後輩の人がごめんって言ったのはこういうこと?

 アスウィーが失敗するかもしれないって言ってたのは、トレーナーが朝にこう動くのが分かってたってこと?

 

 最初から、ボクが計画したドッキリは成功しないってこと――

 

 

「テイオー? おーいどうした。……意識飛んでんのか?」

「…………どうして」

「?」

 

 

 理解して、頭で考えて。

 考えた頭から、考える力みたいなのがパチンッって消灯して。

 

 

「どうしてトレーナーが起きてるのさぁ!!!」

 

 

 考える力が消えちゃったからか、口から自然とそんな声を出て。

 

「お、おい!」

 

 ボクは逃げる様にトレーナーの部屋に入る。

 そして、自分でもしょうもないくらい子供の様に拗ねて。

 

 ズボッ! とホテル特有の白い布団に潜り込んだ。

 

 ――あ、これトレーナーの匂い。この布団で昨日寝たのかな。

 

 

 

 

 で、その一方。

 そんなとんでもないハイスピードで、布団に突っ込んだテイオーを見たトレーナーは。

 

 

「……俺、怒られたのか?」

「……まあ、テイオー結構楽しそうに準備してたからね……。子供心をへし折ったようなモノだから仕方ないと思うよ。うん。どんまい」

「へし折った原因すらわかってないんだがそれは」

 

 

 前腕組みをしたまま引き攣った顔で、それはそれは見事に困惑していたのだった。

 よかったねテイオー、トレーナーは見たかっただろう反応をしてくれたよ。

 

 まあ、本人は布団にもぐって見てないんだが。

 

 

「なんつーか、理不尽すぎやしねぇか……?」

「……テイオーの慰めは任せて、その間にシャワー浴びてきなよ。汗、結構匂うよ?」

「そんな嬉しそうな顔で嗅いで言われてもなぁ……」

「……いや、何でウィングちゃんの方が嬉しそうなんだい?」

「乙女の秘密ですよ、後輩さん」

「ア、ハイ」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 今更なんだが。

 数年くらいウィングの担当やってて、ホントに今更なんだが。

 

 ……ウィング(コイツ)、なんか匂いフェチ的な何かを覚醒させてねぇか?

 

 いや、そういう(へき)を持つこと自体が悪いって言いたいわけじゃないんだ。

 そんなもんは誰にだってあるものだし、ていうか事実、俺も癖みたいなもんは持ってるし。

 なんなら、自分が見出したものではあるんだから誇ってもいい所だとは俺個人としては思うぞ? それがたとえ他人から否定されるものであってもな。

 

 ……まあ、それは良いとして、ウィングがなんか癖を覚醒させてる件について、だ。

 一体いつからだ?

 いつ、どうして、何があってこんな匂いフェチ的な癖を覚醒させたというのか。

 

 朝食の目玉焼きを頰張りながら考えることではないのは分かってる。

 分かってるが、コイツとは長年の付き合いだからこそ考えたくなるんだ。

 

 だってよ、シャワー上がりに髪をドライヤーで乾かされた後、ついでの様に頭皮の匂い嗅がれて笑顔で満足した所を見りゃ誰だって気にはなるだろう? ならない?俺がおかしいだけ?

 別に嫌ってわけでもないし、嫌悪感を感じるわけでもないが、気になるもんは気になるよな。

 

 ――と、そんな思考をよぎらせた刹那、朝食が盛り付けてある皿から何かが消えた。

 

 

「あ、トレーナー。ベーコンいらないならボクが貰っちゃうからね」

 

 

 誰の仕業かと思えば、隣に座って朝食を食ってるテイオーの仕業だった。

 視線を前に向ければ、よくある長方形型のテーブルを挟んで向かいの席には後輩Aとウィングが同じく食事をとってる。

 

 せっかく早起きしてきたからって、朝食を一緒に取りたいと提案してきたのは担当らの方な。

 拒否する理由なんて無いし「まあいっか」てな感じになったから、朝食を作って現在食事中だ。

 

 献立は「目玉焼き定食(担当らに多量のニンジン)」って感じのTHE普通の家庭食。

 朝食はこれくらいがいいのだ。下手に脂身多めの肉とかやってらんねぇ。胃袋ひっくり返るわ。

 

 とまあ、そんな感じの朝食の最中。

 後で食おうと思ってたベーコンをテイオーにぶん取られた今日この頃だった。

 ちなみにテイオーは俺が昨日寝てた布団に入って2度寝してた。早起きしたっぽいから眠かったんだな。んで「朝食だぞー」と言って起こしたらお目目パッチリで起きてきた。現金なやつめ。

 

 

「ざけんなテイオー、お前には山ほどニンジン乗っけてるだろう。まずそれ食ってからにしろよ」

「いいでしょ~、困るものでもないんだしさぁ?」

 

 

 困りはしないが減りはするんだがなぁ……

 っておい、俺が遠い目をした隙にベーコン奪うな、食うな。

 いや別にもう一枚焼けば済む話だが、手間がかかるし今日の予定に遅れたくないし。

 ……しょうがない、今日は許してやろう。なんかさっき怒らせた慰謝料ってことで。

 

 だからテイオー、そのむすっと顔を収めてくれ。なんで怒らせたのか分からんが俺が悪かったから。……なんで謝ってんだ俺。

 

 

「……いいのかな。自分、こんな家族団欒みたいな中に入ってて」

「いいと思いますよ? ほら、お泊りした次の日の朝食みたいで新鮮味がありません?」

「目の前で親子のイチャつきを見せつけられることに新鮮味……あるかなぁ……?」

 

 

 テーブルを挟んだ向かいの席で。

 腐った魚の目をした後輩Aが、微笑むウィングの問いに困惑していた。

 

 あるだろ新鮮味。こんなシーン滅多に見れねぇんだから、今のうちに網膜に焼き付けとけ。

 

 

 …………あれ? さっきまで何の話してたっけ。

 なんか匂いがどうのこうのっていう話をしてたようなしなかったような……まあいいか。

 

 さっさと飯食って、食器片づけて<リギル>の面々と合流するとしよう。

 

 今日もまた忙しくなるはずだ。

 まあ、トレーナー業(こっち)は趣味の内だから嬉しい悲鳴ではあるが。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 さてっと、やってきました練習場もといターフ。

 

 今日は雲一つ無しの快晴。時間は午前10時。気温は最低27で最高が33という人体破壊っぷり。

 流石に冷え性の俺でも熱いわ……(長ズボンにチャック型のラッシュガードという珍しい服装)

 あーあちぃ……

 

 

「トレーナー、今日の予定は?」

 

 

 両隣を歩くのは担当らのテイオーとウィング。

 トレーニングな故、学園指定のいつものジャージ姿で実に暑苦しそう。

 ……なんて言ってる場合じゃないか。

 

 スイッチ入れろスイッチ。

 こっからは趣味でもあるが、()()でもあるんだ。

 

 大人と子供の戯れは一旦終わり。

 ここからは、教える者と受ける者に分かれる時間だ。

 

 

「おう」

 

 

 懐から氷砂糖(糖分)が入ったドロップ缶を取り出して口に含む。

 甘さが頭を冴えさせる。

 

 ……よし。

 

 スイッチは切り替わった。

 いつもの俺で、()()()が少しだけ表面に出る。

 

 その雰囲気を感じとったのか、俺の担当らも真剣な顔で俺を見る。

 よし。準備完了ってことだ。

 

 その様子を確認した俺は、既に言葉を待っている担当らに対して目線を合わせ、言葉を放つ。

 

 

「今日は1日中ここで特訓。テイオー、お前は午前中軽くアップして足首慣らしとけ。1時間……

 いや1時間半は慣らせ。ここのコースに足を順応させるのも意識してな。怪我するなよ。

 午後はウィングと併走だ。最近、()()()()()()()が右足に寄りがちだから左足に重心を掛けて負担をかけるように走れ。ただし、足首に異変を感じたら即休憩に入る事。いいか?」

 

 

「「わかった(よ)!」」

 

 

 そこまで告げたところで担当らが顔を縦に振る。

 テイオーだけは片手を上にあげて、説明の理解ができたことを元気よく表現してた。お前は授業で偶然分かったことを発表する小学生か。元気があってよろしい。

 

 我颯爽と指定位置の練習場へと去っていくテイオー。

 残ったのは補助役のウィングだけ。

 

 

「俺は東条先輩との()()()()()のトレーニングに行ってくるから時折りでしか様子見に行けねぇ。だからウィング、今日はテイオーの事は任せるぞ。何かあったら俺の所までこい」

「了解だよ。他に気にすることは?」

「特に無い……あぁいや、水分補給は適度にしておいてくれ。この暑さだ、熱中症でいつ倒れてもおかしくないからな」

「ふふっ、まあトレーナーがいつものパーカーを脱ぐくらいだからね」

 

 

 そう言って、ウィングが俺を回し見るように観察してくる。

 ……俺だってパーカー姿に戻りてぇよ。でも暑いんだよ。あれ着てると、マジで灰になるくらい暑いんだって。

 

 それにそんな恰好したせいで、俺まで熱中症になったら元も子もないだろ。

 必要なことなんだから仕方なく、だ。

 今日の予定が一通り終わればすぐにパーカー姿に戻るつもりだわ。

 

 

「うん分かった。テイオーの様子を見て、休憩は多く入れることにするよ」

「おう、頼んだぞ」

 

 

 とりあえず、一通り理解したらしく俺に目配せ――ていうかウィンクをしてウィングが俺の元を去る。

 

 

「さて、と」

 

 

 残ったのは俺一人。

 

 で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 炎天下の中、ザワザワと響く雑談のノイズが少女たちから流れる。学校とかでよく見る光景だな。

 

 この中を割って入るのも気まずく、意識せず頭をかく。

 

 一応軽く説明すると、彼女たちは『教官』付きのウマ娘。もっとわかりやすく言うと、専属トレーナーと契約を交わしていないウマ娘だ。

 そして、俺がたまにアドバイスという形で面倒を見ている子達でもある。

 

 ……言いたいことは分かるよ。なんでうちの担当らとは関係ない娘までいるのかって。

 いやうん。紆余曲折あったんだよ。主に東条先輩との予定のすり合わせの件でさ。

 

 まあ、その件は後で話す。

 今は彼女たちの意識をこっちに向けさせよう。

 

 

「はいはい、今から今日の予定を話すから一旦雑談中断なー」

 

 

 注目を浴びる。

 先程までの雑談が入り交じったノイズは消えて俺の声だけが響く。 

 はぁ~……、と心の中でため息をついて、疑似的なチームとして俺に付いてきてる彼女たちに向かって目線を合わせる。

 

 ため息の理由? 俺嫌いなんだよ、学校によくある「今静かになるまで○分掛かりましたよ~」みたいな雰囲気。アレやってる側もキッツイていうね。誰も得しねぇなこの風潮。

 が、これも仕事の内だ。愚痴は吐けども、職務を全うするとしよう。

 

 

「午前中は、うちの担当らと同じようにお前らも準備運動だ。午後から<リギル>の面々と合同で併走やら色々すると思うから、そこらへんも頭に入れておくように」

「はい!」

 

 

 詳細はのちに語ることにして、大雑把に説明を入れたところで少女達から声が上がる。

 

 

「あと、右から数えて3、6、8番目のお前ら。準備運動を軽く済ませたところでちょっと俺のとこに来てくれ。午前の準備運動にお勉強の時間も加える」

「……なんで私達だけ選ばれたんですか?」

 

 

 その言葉を聞いて、指定を受けた少女の一人が俺に問う。

 当然の質問だ。そして問われたからには、俺も教授する者として答えなければいけない。

 

 

「走りのノウハウがまだ覚えきれてないからだ。例を言えば、走法の立ち回りとかな」

「それは……今学んでおかなくちゃいけないものですか?」

「そうだ。走法――全体的に言うと体の動かし方ってのは、間違えた方法で動かし続けるとその動きが癖になる。無意識下でも、意識下でもだ。それに陥った場合、矯正を施すのは困難に近いからな。だから正しい動かし方……」

「…………」

 

 

 目の前の少女たちが静かに俺の言葉に耳を傾けている。

 集中して、俺が放つ助言を頭に叩き込んでいるのだろう。

 

 

「……いや、正しいってのは言葉足らずだな。そうだな……『最低限体を痛めず、速く走る走法』を、お前らには実践より前に学んでもらう。『痛める走法』が癖になる前にな。

それに、お前ら自身も少しは自覚はあったんじゃないのか?」

「…………」

「沈黙は肯定と認識するよ。よし! 一旦解散してくれ!頃合いを見てもう一回収集をかける!」

 

 

 その言葉の発破を合図に、少女たちは課せられたやるべき事をするために走り出す。

 

 

 ……俺も準備するか。

 とりあえずターフの端に置いてある鞄からノートPC3台を取り出してから……いや、その前に置き場所の選定とパラソルの設置が先だな。

 

 俺ですら堪える暑さだ、いつあの精密機械の塊が熱暴走してもおかしくない。

 クーラーボックスも持ってきてその上にPCを置くのもアリかもな。少しでも故障の原因を取り除くに越したことはないだろ。

 氷は……ホテルの従業員に相談してみるか。人が良ければ、食堂で働いてる人が恵んでくれるかもしれない。

 

 さーて、そうと決まれば準備準備。

 早朝のランニングで体は温まってるし、肉体労働はバッチこいだ。

 

 

 

 

 

 

「相変わらず、好き勝手やるわね貴方は」

 

 

 機材と場所のセッティングが終わり、先ほど指定した少女たちの教授を終えたタイミングで真横から人の声。

 座っているキャンプ椅子の上で体を捻らせ、声のなる方へ体を向けると。

 

 

「……? あぁ、東条先輩どうもです」

「ええ」

 

 

 立っていたのは、今回の合同練習の企画者こと当人。

 いつものスーツ姿である東条先輩だった。

 

 

「……暑くないです? その恰好」

「業務上の我慢よ。というか、貴方こそ節度というものを考えたらどうかしら。海辺ならまだしも、その服装は目立つわよ?」

「生憎、身体に影響が出ては業務に支障が出るんで。元々、その辺の羞恥心は持ち合わせていませんし」

 

 

 それにこの服装(ラッシュガード)に関しちゃ、海で遊ぶ用に持ってきたやつだし。

 と、そこまで言ったところで、東条先輩が呆れたように額を右手で抑える。

 

 

「まあいいわ……ここに来たのは午後の予定のすり合わせの件よ」

「でしょうね。――そっちとしては結論的にどうなりました? 確かうちの店での計画段階だと、各チームの育成方針はそのままに彼女(担当)らの経験を積ませるために併走を多めに行う、って感じだったと思うんですけど」

 

 

 東条先輩が何かしらの資料を懐から取り出す。

 それは今日の予定が詰まった表だ。……見たところ、今回の合宿の計画段階の時と大差はない。

 腰に手を当てたまま、真横に立つ先輩が続けて語る。

 

 

「結果的に言えば、その方針で変わり無しってところね。もちろん私のチームのサブトレーナー達は総意の上よ」

「……やけに素直に通りましたね。これじゃほとんどこっち(うち)の案が通ったようなものじゃないんで?」

「それほど貴方に世話になってる人がいる――慕われてるってことよ」

 

 

 慕われている――いや、世話になっているというのは俺の普段の業務でのことだろう。

 トレーナーの雑務処理の負担。それに対して感謝の気持ちでもあったのだろうか。

 

 

「さいですか」

 

 

 口から放たれるは、余計な軽口を含んだ大人な会話。

 

 ところどころ硬い所が見えるが、まあそこはご愛敬と言ったところだ。仕事だしな。

 いつものアイツ(愛馬)らとの会話みたく柔らかい口調でもいいんだが、昔から身に付いた習性ってのは離れないもんだ。

 頭のスイッチ入れ替えてるから、余計に変えれそうにないし。

 

 

「んじゃ、昼飯にしますか。先輩はどうするんです?」

「私はホテルの食堂で済ませることにするわ。貴方の料理でもよかったのだけど」

「あー……交流含めたいい提案のところ悪いんですが、こっちは担当らと弁当を食うんで」

「分かってて言ったのよ。貴方は貴方の担当と交流を深めなさい」

「…………それじゃ遠慮なく」

 

 

 その一言を区切りに、俺は愛馬らの待つ待ち合わせ場所に向かって走る。

 あー腹減った。さっきから糖分と水分補給しかしてねぇから固形物が恋しいったらありゃしねぇ。

 弁当の中身は……あれか、朝ついでに作った玉子焼きとウィンナー、野菜炒めにコロッケを詰め込んだっけか。あぁ……中身思い出したら余計に腹減ってきた。

 さっさと行こう。空腹にいい思い出は無い。

 

 

「あっつ……」

 

 

 炎天下は変わらず、日差しの熱が皮膚を刺す。

 じりじりとした痛みに耐えかねながらもアイツらが待つ場所まで走った。

 

 ……走ったんだ。んでさっさと飯にして団欒でもしようかと思ってたんだ。

 

 でさぁ……。

 

 

 

 

「カイチョーとアスウィーの勝負見てみたい!!」

 

 

 

 

 なしてぇ……?

 なしてこうなったとぉ……?(ガチ困惑)

 

 

 





おまけ
「ウィングがドッキリ失敗するのが分かってた理由」

1年目、ウィングとトレーナーの夏合宿の追憶。

『よう、ウィング』
『? おはよトレーナー。こんな朝早くどうしたの』
『そりゃこっちのセリフだ。俺は早朝のランニングにだな――』

 トレーナーがウィングの手に持つ物をジト見する。
 蹄鉄付きのシューズにドリンクの入ったボトル。
 加えて早朝の時間帯。同じようなことをしようとしていたトレーナーに察しがつき――
 やろうとしていたことがバレたウィングが気まずい表情になる。

『あー……そういう感じか』
『……ごめん。ちょっと我慢できなくて』
『はぁ……走るときはせめて一言くれ。レースが近々あるから焦ってんのかは知らんが、怪我したら元も子もないんだからな』

 一つため息。

 呆れと朝の眠気が混じる一息は、なぜか心地悪いモノではないように思えた。
 自ら抑え込んでいたはずの彼女の意思が、表面上に出てきてくれたのをトレーナーが理解したから――という事実は彼の心の中での歓喜にとどまった。

『んじゃあ行こうか。同じペースとはいかねぇが、俺も一緒に走るが、いいな?』
『……走っていいの?』
『いいも何も、お前が走りたいって思ったんなら俺はそれを尊重して走らせるさ。一言くれって言ったのは怪我しないか様子を見るための確認がしたかったからだ。逆に一言さえくれればお前のやりたいことを止めやしねぇよ』




 

 はい、前科アリってね()

 挿絵、作成時間としては7時間くらいっすね。あのクオリティで。画力だれか分けてくれない???(美術2)

 それはそうとして、アプリの方は新シナリオきましたな。
 皆さんどうです? 推しの育成進んでますか?俺は意外と順調に進んでるぞ。あ、そこで練習失敗するのは聞いてn……(遺言)

 あ、次回ウィング走るよ。


評価ボタン
感想ボタン

他ウマ娘との絡みもっと欲しい?

  • くれ
  • いらん
  • どうでもいいからイチャイチャ見せろ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。