箱推し君逃げて、超逃げて   作:Plusdriver

114 / 129
日記みたいなもの


友達ちゃんの逃走劇

バタンッ!!

 

突然背後にある会議室の扉が勢い良く開けられた音が部屋に響く。してやったり、なんて顔をしない様に内心留めながら聞き耳をたてる。

 

「まだ温かい…ッ!」

 

どうやら探す為にこの場を離れたようだ。少し息を吐きながら安心感を得る。

 

「怖っ…」

 

少し漏れ出でしまったようだ。

 

さて、私こと友達ちゃんは本日ホロメン達に追われる立場にある。先日のゲーマーズイベントしかり、ミオシャの事等で色々と手を回し過ぎた結果追われる身になってはいるがどうということはないのだ。

 

何故なら今日の手持ちはゲストパスだからである。

 

本来出社する際には自身の社員証を提示する必要があるのだが今日に限って忘れて来てしまったのだ。お陰で入社時には使用されたゲストパスの枚数は4枚、よって4人に分身することとなったのだ。これでどれが私なのか分からない以上どうすることもできまい…!

 

素晴らしい。その一言に尽きる。たったこれだけで彼女達から逃げるのが簡単になるとは。ミーティング5本を別々の部屋で行う予定なのも素晴らしい。お陰で先程のおかゆの襲撃を回避できたのだから。

 

「…あー、箱推し君大丈夫かな?」

 

ふと置いてきた後輩(生贄)の事を思う。今度一緒に何か美味しい物を食べに行こうね。だから今日はよろしく!

 

「ではミーティングを再開しましょうか」

 

マネちゃん達と次のイベントや仕事の引き継ぎ等の話を進めていく。Aちゃんさんの復帰は何時頃だとかそんな話をしながら時折聞こえる廊下を走る音とか、扉を勢い良く開ける音とかを聞きながらこのミーティングは終わった。

 

「お疲れ様で…す」

 

ミーティング終わって退室しようとしたら目の前の部屋からししろんが出てきていた。慌てて音を立てない様に一旦ドアを閉めた。彼女が気付いた様子はなく、立ち去るのを待って次のミーティング部屋へと向かう。いやホント、危ないなぁ…

 

無事に全てのミーティングを終え、本日の業務は終了となった。私に残されたのはこの建物から彼女達の目をくぐり抜けて脱出するのみである。ここまで面と向って遭遇した人物はいない。私が居た部屋への襲撃は既に複数確認で来ているから追跡してきているのは確かである。つまり早めに去るに限る。そう思考をまとめて御手洗いから出たときだった。

 

「お疲れ様です」

 

「お疲れ様です」

 

ころねと擦れ違ったのだ。今日ここまで接近を許してしまったホロメンは彼女だけだ。マズイ、このままだとバレ…あれ?

 

彼女は気が付いていない様だ。その場を自然な速度て離れエレベーターホールを目指す。

 

「ゔぇっ!?」

 

そんなころねの声が聞こえてくる頃には勝利の箱(エレベーター)は閉まり始めていた。既に外側からの操作でこの箱を止めることは不可能なのだ。

 

沢山の社員と乗り合わせたお陰で最後の要もパスを返還することで乗り切り無事に脱出に成功したのである。

 

「私のかーちぃ!」

 

着てきたパーカーを脱いだり等の策を使って彼女達の本拠地に侵入、脱出に成功したのである。コレくらい喜びを表しても良いだろう。後は、しばらくDiscordを確認しなければOKなのだ。

 

足取り軽く帰路に着く私に今は敵などいないのだぁ!




友達ちゃん

「それはダミーだよ…」

ホロメンズ

「…いないッ!?」

箱推し君

「あー!?皺寄せがコッチに!?」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。