ピピピッ
「ん…」
スマホの画面をタップしアラームを止める。何時もより早い時間に設定したのは今日という日を万全に過ごす為だ。
「んグー」
身体を伸ばしながら全身を解す様にグニグニと動かしつつ、猫の様に四つん這いになってから背筋を伸ばす。
「んぁっ、あー」
おはようございます。本日は台風の接近を感じる大雨、強風の模様。遅れないようにサッサと準備をするとしましょう。
ね、湊さん。
「おはようございます」
出社して早々、 ホロメン達の声が聴こえてくる。皆寂しいんだろうな。Discordも荒れて…これは日常だったや。
「ん、友達ちゃん」
「あくたんのマネちゃんに呼ばれてさー」
今日出勤予定の無かった友ちゃんが事務所にいる。これが特例であることを物語っているのがも知れない。
「あくたんに連絡先交換してって言われたから代わりに星川の連絡先を教えて逃げてきたんだ〜」
「やってんにぇ」
態々星川本人から借りてきたQRコードを編集して偽装するとか、やり過ぎじゃない?
「後は、これ」
「…」
渡された通知を確認する。……マジかー
「なんか私達こういう役回り多くない?」
「それな」
友達ちゃん本人も思い当たる節があるのだろう。少し遠い目をしてから自分の席へと戻っていった。
「………まぁ、明日なら良いか」
私は彼女のカードを細断する役割を与えられたのだ。
昼食、友達ちゃんがねぽぼの3人に連れられて麺を食べに行った。取り敢えず私はイヤホンを付け、曲の再生を始める。うん、この声が聞けなくなる…新曲、歌ってみた…うぅ…
でも、この決断をしたのは湊あくあ本人であり、その決断に対して外部が口を出すものではないのである。
それが分かっていても納得できるかと問われれば微妙な所だろう。
ただの我儘なのだ。本人の意思に関係なく拘束するのは。
「後、6時間か…」
この後今夜のライブに向けて移動する。既にスタジオでの事前リハーサルは終了し彼女にとって事務所内での最後の時間が過ぎてゆく。
いつものソファではホロメン達に囲まれたあくあがマリンに膝枕をされていた。あの表情、唯の母親なマリン。略してたはマ。
…というか同じマンションに住んでるし会えるのでは?と疑問に思いながらも席を外す。目的地は屋上。昨日の天気予報の外れた快晴に見舞われた場所へ。
「あれ、湊さん」
屋上へと繋がる扉、その前に彼女は立っていた。先程まで皆に囲まれて…
「また明日!!!」
彼女はそう言って扉を開け、その中へと入っていった。私もその後を追う様にその扉を
「…あれ?」
屋上に彼女の姿はない。炎天下の中で揺れているのは私の影だけだった。
「…大丈夫だよ、きっと。彼女は迷いながらでも選んで、ちゃんと進んでるから」
自分の納得させるように、その場を後にする。
「ライブ、必ず成功させる」
夏の時間は、ちゃんと記録しとかないと。
「あくたん、私は…』
言葉はもう必要ない。
箱推し君
あくたんの曲をメドレーで聴きながら帰宅。電車から降り、最寄り駅から家の間で、雨が降ってきた。すごく、極地的な
友達ちゃん
友人Aの社員証を細断した人。渡された時のAちゃんとその側にいたそらさんの顔が忘れられなくなっている。……そろそろ彼女も『卒業』するのかも知れない。
垂れ流しちゃん
友達ちゃんの味方にして箱推し君の