箱推し君逃げて、超逃げて   作:Plusdriver

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思い出は


翡翠

数年前、私はクロエの様にニュージーランドに居た時期がある。その時の不思議な思い出を、思い出したのでここに書き留めて置くことにする。正直夢とか、幻覚とか言われても仕方ないかも知れない。もう確認する術を持たない事だし、過去ばかり振り返ってはいられないから。

 

場所は高校へと通う為の通学路。森の中に舗装された道がある、不思議な雰囲気のある場所。ホームステイしていた家から学校までの最短距離の道。暗くなると不安になるくらい木々に囲まれた細道。自転車は通らなかった筈。見たことなかったし。

 

「…ん?」

 

確か学校に用事で休日なのに行かないといけない日で、いつもの登校時間よりも遅かったから、10時くらいだったかな。

普段は視線も感じない場所で、私は突然その足を止めた。この道は長い訳ではないが、入ってしばらくは森の外は見えない。振り返っても誰もいないからこそ、私は困惑した。

 

見られている、しかも横から。

 

そこには人はいない。木々が朝露によって煌めいて、自然が作り出した光景がそこにあった。

 

足を止めてしばらくして、日光が葉の間から更に差し込んできて、光はその輝きを増していく。目が眩むくらい、強くなる前に視線を外し時刻確認のために右手首の時計を見るために袖を捲くろうとする。

 

「わっ」

 

突然風が吹いた。そして、視線をあの場所へと向けた。

 

 

いた、人が

 

 

小鳥と話すように視線を送りながら、しっかりと地に足をつく綺麗な人が。

 

こちらに来てから日常的に見ていた金髪や黒髪ではなく、優しい緑色。光の当たり方で色が変わるそれは今なら翡翠色と言えるかもしれない。

 

風は一層に強くなり、少し落ち葉が舞い上がってこちらへと吹いてくる。思わず目を瞑ってしまった。

 

 

「あれ?」

 

 

その場には誰もいなかった。いつもの森の景色で、小鳥の声が聞こえて、近くの道路を走る車の音も聞こえる。

 

「あ、時間!」

 

慌てて時計を確認して走り出す。

 

 

森を出る時、何か聞こえた気がした。

 

 

ふと、文字に書き上げてみたけどホントに不思議な体験だったと思う。この日の出来事はここ最近まですっかり忘れていたのは何故だろうか。帰国してから似た景色を見たわけでもないし。まぁ、こう思い出を書き留めてると特別な生活をしていたのだと改めて考えさせられる。講義の為に男子校の教室に1年間通い過ごした経験は誰も持たない体験だろうから。

 

さて、長々と書いていもページには限界がある以上この見開き以上は書かないでおこう。明日も仕事、きっとホロメンや友達ちゃん達とのこの日常も特別なものだから。




忘れていたとしても、その体験や経験は必ずヒトの成長に何かしらの影響を与えているだろうから。過去を振り返るだけじゃなく、前を向いていこう。
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